最新の観てきた!クチコミ一覧

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再生ミセスフィクションズ

再生ミセスフィクションズ

Mrs.fictions

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2015/03/27 (金) ~ 2015/03/30 (月)公演終了

満足度★★★★★

暖かい短編集
再演となる4編の短編集からなる公演。どの作品も暖かく、味わい深い作品ばかりで大変面白かった。
以下、公演中なのでネタバレで。

ネタバレBOX

『ねじ式(未来篇)』 ~ 近未来の話で、スクラップ工場を営む兄弟と女性型ロボットの会話劇。ロボットを軸に、物への愛情と再生を語りかける話。最後のロボットの言葉とそれを受けて無言でトランプを手にする兄弟が良い。

『お父さんは若年性健忘症』 ~ 昨年観劇した「御ゑん祭」でも再演された作品で、この作品を観たので、本公演を観劇しようと思った作品。タイトル通り、父親が健忘症になり、昔のバブル時代の思い出と現在が分からなくなったり、家族の事も一部忘れてしまったりする。奥さんと娘の3人家族の居間での会話劇だが、会話が洒落ており、あまり悲壮感も感じさせない。それでいて、家族のつながりや愛情を感じさせる作品。2度目の観劇なので、内容は知っていたがそれでも尚、魅せられる。名作ですね。

『東京へつれてって』 ~ 若いホームレスの男性とそのホームレスを慕う女性の物語。その想いは、男性がホームレスになる前から何年も続いており、以前に告白の手紙も出している。男性も好意は持っているが、現在の状況からとても受け入れられないと考えているが・・・。女性の一途な想いとそれの翻弄される男性の心理描写が面白い。ラストの暗転明けにも味わいがある。

『まだ僕を寝かさない』 ~ 主人公の男性と男友達との他愛のない話が中心であるが、年を取るにつれ、永遠には続かない関係性も織り込んだ作品。
他愛のない話をしている時はいつまでもこのままの関係だと思っているが、いつかは変わり始める。この現実の非情さも兼ね備えた、少し切なくもなる作品であった。

4作品通じて思うのは、どの作品も人との関係性を暖かく優しく描いており、
それでいて安易でハッピーなだけの作品で無かった。
個人的には、とても好きな作品集でした。

役者さんもそれぞれ当て書したような方達ばかりで、より作品に魅せられました。



少年は銃を抱く(満員御礼で終了しました。御感想お待ちしています)

少年は銃を抱く(満員御礼で終了しました。御感想お待ちしています)

MU

駅前劇場(東京都)

2015/03/27 (金) ~ 2015/04/01 (水)公演終了

満足度★★★

狙撃
面白い。140分。受付まわりはもうちょっとしっかりやって。

ネタバレBOX

一部
ロック歌手の江口が庭で死んでた家(江口ハウス)の運営者の長男・光雄(小沢道成)は、祖父(小野塚老)からもらった拳銃を「お守り」として仲間に配る。
二部
江口ハウスで不登校児らをバックアップする光雄の父(成川知也)や小説家志望の姉(真嶋一歌)、光雄がレイプされたことなど明るみになり、光雄のいとこ(斉藤マッチュ)と光雄は取っ組み合いとなる。
三部
江口ハウスと拳銃のことで会議となるが、学校に入り込んだいとこは恵美(小園)を傷つけた野崎(山崎カズユキ)を誤って撃ってしまう。そして恵美は、自分の体験を校長(久保亜津子)らに語る…。

登場人物がみな生き生きしてて、動きもあって楽しめる。傷を負った少年らが銃を手にすることで再生を図ろうとするところを原点に、その家族や教師らという背景も描き舞台的な厚みがあった。単純に笑えるとこも多いし。大岡山(岡山誠)のイジメネタとかウケた。
傷ついている人間が武器を手にし、精神的な安定を得るという、ちょっと変わった着目点もいい。大抵の人間は改善したわけだが、いとこが罪を犯し、銃殺(祖父に)されたというように、銃でない別のものが支えになるといいなということか。光雄の父とか笹野(佐々木なふみ)らのかるーい会話も、銃に代わるものになるんだなと。

二部が一番面白かったかな。別にオムニバスでもないけど。逆に、三部はやや冗長な感じ。江口が庭先で死んだのはボケた祖父の銃撃だった的なオチは、あんまピンと来なかった。
ジョリス・ラコスト 「話し言葉の百科全書」をめぐって

ジョリス・ラコスト 「話し言葉の百科全書」をめぐって

青年団国際演劇交流プロジェクト

アトリエヘリコプター(東京都)

2015/03/28 (土) ~ 2015/03/29 (日)公演終了

満足度★★★★

まるで言葉のオーケストラ
デモンストレーションでは、4つのシーン(せり市の風景、電話の内容、日本人とフランス人の会話、実況中継)という言葉の異なる会話を披露したり、トークでは、VTRを見ながら、指揮者付きの22人という言葉のオーケストラ人種や、言葉の違い超えながらも、「話し言葉」の新作がどういうに制作していくのか、完成はまだですが、こういう言葉のオーケストラの世界観を感じた、75分でした。

「うかうか三十ちょろちょろ四十」「現代版イソップ『約束…』」

「うかうか三十ちょろちょろ四十」「現代版イソップ『約束…』」

人形劇団プーク

紀伊國屋ホール(東京都)

2015/03/27 (金) ~ 2015/03/28 (土)公演終了

満足度★★★★★

大人の人形劇!
初めて観ました。感動しました!うかうか三十、ちょろちょろ四十は、内容に引き込まれた。イソップの約束は子供でも楽しめそうです。

かぞくや

かぞくや

劇団だるま座

アトリエだるま座(東京都)

2015/03/25 (水) ~ 2015/04/01 (水)公演終了

満足度★★★

えびチーム
チケットプレゼント ありがとうございます☆
『かぞくや』って あ~そういう意味だったのか♪って思いました。


その題材が良かったこと、昭和の日本の温かい感じ・・・。
だるまさんの愛されるところは よくわかりましたが
個人的には 繊細さに欠けるところが気になり入り込めなかったです。


日本の頑固おやじ役 松岡文雄さん 良かったです!

ネタバレBOX

『私達はさみしい人たちの 心の隙間を埋めてさしあげるのが仕事なのよ』
というのは 観劇に来ている私達に言ってるのかと思ったら
『レンタル家族業』という意味だったのですね (^^)
紅白旗合戦

紅白旗合戦

アガリスクエンターテイメント

サンモールスタジオ(東京都)

2015/03/18 (水) ~ 2015/03/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

楽しかった
前々回の『ナイゲン』もまた観たくなった

ネタバレBOX

先生側 生徒側 どちらに座るか悩みました
悪い冗談

悪い冗談

アマヤドリ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2015/03/20 (金) ~ 2015/03/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

アマヤドリ観劇
初アマヤドリ
なんとも言葉にし難い感情が起こりました。
良い作品ってまとめちゃえば勿体ないと思います。

鑪―たたら (残席僅か)

鑪―たたら (残席僅か)

劇団青年座

青年座劇場(東京都)

2015/03/20 (金) ~ 2015/03/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

面白かった。
山路氏山本氏が早船作の舞台に出るという事で、かなり期待して見たら予想を上回るええ舞台でした。
最後のあの場面はとても美しく、まるで名画を見ているみたいで終わった後もしばし見とれてしまった。
息子役、石母田さんの2役変わり身も巧みだわ、横堀さんのおっさんなのに弟的な可愛さとか。「鑪」ってそういうことだったのか、と理解。昭和のお茶の間劇では各自、適役すぎて笑った。
約2時間。

BAKUとよばれた男

BAKUとよばれた男

創作集団ヒルノツキ

阿佐ヶ谷アートスペース・プロット(東京都)

2015/03/27 (金) ~ 2015/03/29 (日)公演終了

満足度★★

想像力と知恵を使わにゃキャ
なるほど、劇団名の通り、

ネタバレBOX

主張がハッキリしないというより、自分の内部・内面を凝視しようという視点に欠けたシナリオライターの書いた作品である。何より、日本人の悪い癖が出ている。悲惨は現実が起こった時、その事実を真っ直ぐ見つめ、最善の策を立てる為に悲惨の原因を冷静に見つめ、分析し、自分達のして来たことを検証した上で、策を練ることを怠る姿勢である。シナリオは、本来表現すべきであったものが、曖昧化された為にしらじらしく、役者達が、コミットできるものになっていない。この点から根本的に反省すべきだろう。
たぶん世界を救えない

たぶん世界を救えない

東京マハロ

赤坂RED/THEATER(東京都)

2015/03/25 (水) ~ 2015/04/05 (日)公演終了

満足度★★★★

惹き込まれた!役者陣の力量が凄い!
1時間50分の公演時間が1時間ほどに感じた。
あっという間に感じられるほど、惹きこまれた。
綺麗ごとではすまされないシナリオも良かった。
役者陣の力量も凄く、良い時間を過ごせた!

ネタバレBOX

あれ(原発という表現は使用せず)のおかげで町が潤っていたのに、いったん事故が起きると、危険というのは、あと出しジャンケンのようなもの。
町の復興には再稼働が必要という考えを主演(永井大さん)は持っていた。

あれ(事故前までは空気のような存在と表現)のおかげで良い暮らしができた僕たちは幸せだったという脚本家の皮肉を込めた作品。

ただストーリーの根底にあったのは、電力会社から多くの保障金をもらえ、人々のやる気がスポイルされてしまっているという点。
(少なくとも私にはそういった印象に感じた。)

「保障金に依存している」という考え。
「そうではなく被害に対して保障してもらっている」という考え。
事象は1つでも、考え方次第でどちらとも受け取れる。

事故の影響を心配する人も描かれているが、主はそちらではなかった。

「そんな時代もあったねと」と「時代」を永井大さんが歌って物語が終了するセンスもいいと思った(笑)。

役者陣全員、熱のこもった演技だった。
永井大さんはさすがといった感じであったが、それにも増して素晴らしいと感じたのが、百瀬朔さんだった。

他の役者陣との一番の違いは、役になりきっているように感じた点。
高校生の役柄だったが、大人たちへの不信感がひしひしと伝わってきた。
演技が自然で、感情の込め方も良かった。
ある意味、演じているという感じではなかった。

スタッフの対応も良かった印象で満足した。

悪い冗談

悪い冗談

アマヤドリ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2015/03/20 (金) ~ 2015/03/29 (日)公演終了

バランスが良いね
本作は全体のバランスが良いと感じました。
キャストの男女比も良く、照明効果の使い方も良かったし
パフォーマンス、リズムも気持ちよかったです。
独特のオリジナリティーを大切にして頑張ってください。

紅白旗合戦

紅白旗合戦

アガリスクエンターテイメント

サンモールスタジオ(東京都)

2015/03/18 (水) ~ 2015/03/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

笑った!
特に途中まで

ネタバレBOX

いったん認められた卒業式の式次第が突然学校側から拒否されたため、生徒会からの申し出により国府台高校の伝統的手法である生徒側と学校側が話し合って物事を決定する連絡協議会が開催されることになり、多数派工作が行われたものの埒があかず、最後校長が学校側の案を強行しようと裁量権を行使しようとした直前に、お互いが妥協点を見つけ出す話。

仁義なき多数派工作のドタバタ振りや投票を遅らせる牛歩戦術など前半から中盤にかけては大笑いの連続でした。登場人物はそれぞれがキャラが立っていて良かったです。斉藤先生の分かり易いリアクションや川添先生のキョトンとしながら目をパチパチさせるシーン、松村先生の身体的特徴などベタですが最高でした。

学習指導要領を満たすことだけが校長の本意であり、そこに気付いたか否かは別にして、卒業生の入退場を繰り返すことで妥協点が見つかり、生徒による自治至上主義者の生徒会長だけは反対しましたが賛成多数で決着しました。

最後の連絡協議会の机の並べ方でお互いの距離感が近づいたことを表していましたが役者さんが見えづらくなったのも事実です。

途中までが最高でした。
丹下左膳

丹下左膳

新宿梁山泊

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2015/03/25 (水) ~ 2015/03/29 (日)公演終了

満足度★★★★

う~ん上手に騙されたなぁ
チラシにです と思えた2時間10分なんですが

客層が髪の毛の白くなった男性が多かった(目立った)ように思えました
~タイトルからして隻腕片目の剣豪さんですしね(^^)~

なかなかユニークな話&テーマを楽しげに見せてくれていたなぁと感じました

ネタバレBOX

いやぁ時代劇=剣戟=殺陣のちゃんばら芝居だろうと予想していたら・・・・・
原発事故のお膝元である町の中の飲食店を舞台にした、放射能事故の隠蔽やら企業の暗躍を描いた社会派演劇でした。
臭いものには蓋をする社会の中で、蓋をされた社会の現状を表現していました。

チャイナシンドローム(30年以上前の映画で警告されていた話は現実では上空彼方に通過してしまいましたね・・・)のようにギリギリで回避とならず、結末は現実通りに原発のメルトダウンで終劇です。 放射能保存表示のアンブレラに白い防護服でのダンスは秀逸でした。
野郎歌舞伎 墨堤桜

野郎歌舞伎 墨堤桜

劇団め組

アサヒ・アートスクエア(東京都)

2015/03/26 (木) ~ 2015/03/29 (日)公演終了

満足度★★★★

川原乞食という台詞が珍しく聞けたなぁと・・・
開場してから開演までの1時間、お酒を飲みながら楽しんでいただける様々な催し物は今ひとつでしたかな。

でも本編は艶やかな歌舞伎初期の話を上手に纏めていたなぁと思えた1時間45分

ネタバレBOX

お話は<あらすじ> 通りで、明暦の大火によって焼け野原となった江戸に元気を吹き込もうと。生き延びた吉原の女郎や〝野郎歌舞伎″の面々が見事に焼け残った桜の木=満開の桜の花の下で見事歌舞伎を演じ切って幕となるのでありました。
悪い冗談

悪い冗談

アマヤドリ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2015/03/20 (金) ~ 2015/03/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

生きているうちは、生きなくちゃ
先日は最前列の観劇で、舞台と客席が地続きなのもあってか、彼らの騒ぎに飲み込まれたような感覚もありました。
今回はちょっと離れたところから、対岸の騒ぎを眺めるように・・・・だけど、人間の生きることのせつなさやしんどさは、より深く感じられたのです。

三波春夫さんの歌の頃は、私は子どもでした。
あんな風に聞いた事は無かったのですが、あの時代いつもあの曲が流れていました。当時の大人たちや世間の高揚感のすごさを、思い出しました。
そして、あの時代の匂いも。
そして、今こうやって聞いて見ると、まるで軍歌のようだなぁ・・・と、思いました。歌い方、リズム・・・・。若い方たちは、どう思ったのかしら。

広田さんの演出は、とても好きです。
色んな角度から、色んな思いが飛んできて、台本買ってきたので、しばらく楽しめます。「ぬれぎぬ」と「非常の階段」もまた観たいです。

『蝶ゲンボウ』(チョウゲンボウ)

『蝶ゲンボウ』(チョウゲンボウ)

ひげ太夫

テアトルBONBON(東京都)

2015/03/24 (火) ~ 2015/03/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

全年齢対応って感じでしょうか(^^)
客席に小さいお子さんとお母さんといった感じの方々が多かったようにお見受けしました。→日頃の小劇場雰囲気とはチョット異なるかなぁと

一言でいうならば「楽しい」ですね♪

え~っとIQ5000とカプセル兵団とジャッキー・チェンの初期コメディ映画を、よく捏ねてまとめて寝かして子供向けに丸めた感じでしょうかねぇ(^^)

再生ミセスフィクションズ

再生ミセスフィクションズ

Mrs.fictions

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2015/03/27 (金) ~ 2015/03/30 (月)公演終了

満足度★★★★

早めに行くのが○(初日観劇)
客入れの時から舞台上には怪人!
ご希望のポーズで写真取り放題。
人が少ない早い時間に行きましょう。
本当、15min~は第2回とか見てるけど
自分が見てない回の4作品がズラリ
アンドロイド、
健忘症、
20代のホームレス、
そんな特殊な人々と対峙する人々の
優しさが滲んでくる作品ばかり
暗転後の未来には不孝が起こるかも?
そんな寂しさも感じる不思議な15分
4作目は特に特殊じゃないけど
男友達の楽しさと寂しさに
自分達も重ねてしまう一時でした。
上野さん参加のアフタートーク
今村さんのライブ感が面白かった。

十二夜

十二夜

東宝

日生劇場(東京都)

2015/03/08 (日) ~ 2015/03/30 (月)公演終了

満足度★★★★★

しびれたぁ
全てに感激!特に成河さんの演奏・歌声、一挙手一投足に痺れました。素敵!!彼が道化を務めることによってオーシーノ公爵とオリヴィアが引き立ち物語が分かり易く入ってきた。マルヴォーリオがとっても可愛そう(笑) 舞台装置もほとんど動かさず場面が変わって見えるところなど見所がたくさんありました。カーテンコールも良かったです。

悪い冗談

悪い冗談

アマヤドリ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2015/03/20 (金) ~ 2015/03/29 (日)公演終了

満足度★★★

カタルシス、発見、いずれも薄い
絶望のお話。よどみない眼差しで人間の真実(残酷さ、醜悪さ、身勝手さ)を見すえた時、果たして人の未来に希望を見出せるのか? と問うている。反語的疑問だが、希望は見出せていない。絶望の仕方がゆるいからだと思う。資本主義にしろ新自由主義にしろ「自由」が「悪」を不可避に孕む事実を知っても、人は自由を選ぶだろう。そして悪は無くならない。終盤で男が結語のように語る台詞の意訳だが、そこに収斂する各シーンになっているかと言うと、関連がいまひとつスッキリしない。場面の作りも中途半端でその中途半端が意図的なのか‥それにしては隅田川繋がり(花火見物に絡むシーンが幾つかある)からの東京大空襲の描写はえらくシリアスで感情移入を促している。だが、爆弾を投下した兵士はつまらない動機でこれをやったのだろうと、皮肉にしては力なく陳腐な、敵愾心の対象にしたい「意図」による解釈の落ち。韓国、台湾から来た男女をそれぞれ囲む会話のシーンでは、植民地時代や歴史問題に触れる部分もあるが、それでどうという展開はない。意図的に会話を「深めない」ようにしたのか、あれで結構深めた事になっているのか、それさえ分らないが、いずれにしても自らの側の加害を掘り下げて初めて見えてくる風景を、無意識に避けていないか? スタンレー何とか言う、人間の服従心についての有名な実験の再現はいいアイデアだと思った。が、残念ながら問題が浮き彫りになるように作れていない(これは単に技量の問題かも知れないが)。妹を殺された姉が服役囚の下へ通うが「罪」を問題にしているようで自分が何をしているのか分らなくなる対話が、何となく人間の限界を暗示しかけるが、全体の中に埋もれてしまって残らない。被害と加害の対立は厳密には解決出来ない(歴史を救うのは忘却だ)、という部分に着目した感じは受ける。しかし今や道徳や倫理が通るにはその土壌が必要であって天から授けられる訳ではない事は、現状を見れば十分で、強調する意味があるのか。もやもやした日本の現実をそのまま舞台に上げてみた、というには先述したように空襲の逸話が被害体験として浮き立っている。個が国家に寄り添うのは自主、民主の意識が脆弱になった時だが、被害意識の共有はその端緒になる。そうなりかけてる現状を突き放してこの劇は見ているのでなく、それを結果的に促していないか。突き詰めきっていない感が否めない。

積む教室

積む教室

SPINNIN RONIN

シアターX(東京都)

2015/03/11 (水) ~ 2015/03/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

凄かった!!
劇団ZAPPAの北田拓郎さんが出演されたんで観に行きました。とにもかくにも演出が!
カンフーアクション最高でしたね!

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