最新の観てきた!クチコミ一覧

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歌劇「Rapunzel-3058」

歌劇「Rapunzel-3058」

国立オペラ・カンパニー 青いサカナ団

すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)

2015/04/04 (土) ~ 2015/04/05 (日)公演終了

満足度★★★★

好きな公演です
本公演は新作書下ろし作品で、テーマ性に優れた内容であった。オフィシャルチラシには、SFオペラと印刷されており、当初から「すみだパークスタジオ倉」でのオペラ公演を案内している。もちろんこの劇場がオペラ劇場でないことを承知の上で公演している。当日配布パンフ中で、原作・脚本・作曲・演出担当の神田慶一 氏が「オペラ劇場を離れ、敢えて様々な挑戦の可能性を秘めた芝居小屋で上演するオペラとして様々な挑戦を行っている新作を創り出しました。オペラには不向きな環境かもしれませんが、今までにない形でのオペラ創作のアプローチとして、新たな刺激と魅力と、更にはこのジャンルの可能性を提供する...」と記している。この試みに敬意を表したい。

もともと日本にはオペラ上演する劇場が少なく、あっても東京を始めとした大都市に集中している。地方でオペラを観たいと思っても、その機会が少ないであろう。そういう意味で普通の芝居小屋での挑戦...好きである。

このオペラ劇場ではない小屋で、舞台上手にオーケストラピットを設置し、最低限の編成(14楽器?)で、音楽を奏でていた。本来のオーケストラピットがあれば指揮者は正面から芝居の進行状況に応じてタクトを振ることが出来るが、本公演では難しい。それゆえ指揮者から舞台が見えるよう斜めに指揮台を設置している。先に書いたが、敢えて...の苦心した点であろう。

公演の内容は、現代社会に対する問題提起が鋭い。寓話を装いながら、その描く心底...実に感銘を受けた。
純粋に公演内容だけみれば、いくつか気になる点はあるが、それ以上にテーマ性とそれを演出した力量は素晴らしい。

ネタバレBOX

本が開き、物語の世界から白雪姫、魔女、小人達が現れる、というファンタジー豊かなプロローグ。この物語は、本の世界から始まるが、物語に入り込むと「詩(ウタ)」がなくなり、「本」は不要な想像力を喚起するという理由で禁止されている。その世界は「ヴェルト」という支配階級が暮らしており、優等遺伝子交配によって生まれた子供たちを電脳学習させている。そして優秀ではない、とされる労働者階級はID端末を腕に装着され管理されている。

外界は環境危険という名目で、安全なシェルター内で暮らすことを強要する支配層。一方、労働者階級は酒場に集まっては宴を...そんな中に白雪姫の物語を挿入してSF風に仕上げている。

現代に繋がるかもしれない核汚染、優性交配(もしくは出産前検診)、無機質な学習形態、貧富の差、一見安全だ、という「ユートピア(理想郷)」を思わせるが、実は自由という人間にとって大事な権利を奪うという「ディストピア(非理想郷)」の物語になっている。この不合理な内容を教訓的な”くさい”芝居にせず、老若男女が楽しめるように創作したところが素晴らしい。

演技については、メインキャストとそれ以外では技量に相当の差があり、キャスティングは一考が必要である(特に子供たち)。

本格的なオペラ志向には物足りないだろうが、もともとそれを承知しての制作サイドであり、少なくとも自分は十分楽しんだ。そして、できればこの規模の劇場での試みを続け、オペラを観る機会が増えれば...そんな思いを持っている。

最後に苦言になるが、会場ロビーが使用できないようになっている以上、出演者とその関係者(主には家族と思われる)が、出入り口に集まっていると、一般観客には迷惑になる。この点は配慮、改善が必要であろう。

次回公演も楽しみにしております。
飴屋法水『コルバトントリ、』

飴屋法水『コルバトントリ、』

吾妻橋ダンスクロッシング実行委員会

SNAC(東京都)

2015/04/04 (土) ~ 2015/04/12 (日)公演終了

ピンとこなかったです
チケット即完売していて盛況のようだけれど私にはピンとこなかったです。
よくある演劇のように思えてしまいました。原作を読んで行ったほうがよかったんだろうな。

音楽劇「お嬢さんお手上げだ・明治編」

音楽劇「お嬢さんお手上げだ・明治編」

ココロ・コーポレーション

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2015/04/01 (水) ~ 2015/04/13 (月)公演終了

満足度★★★★

いい話
詮無きことではありますが、もう少し若い俳優さんだったらなと思います。

ネタバレBOX

明治時代の話だと思っていたので、パリを舞台にした絵描きと王女の話でスタートしたのは新鮮でした。ジュリーが若者を演じるのはちょっと無理がありましたが、自らの悲恋を基に書いた安楽満先生の小説を劇中劇にしたということでグッドアイデアでした。

話は、小説が書けなくなった初老の小説家安楽満裕士の許に娘と称する若い女性がやってきて騒動を起こし、結果再び小説を書く意欲が沸いてくるというありがちな設定ではありますが、とても良くできた素晴らしい内容の人情芝居でした。

ただ、京橋での別れで十分なのに、その後の丁寧過ぎるエピローグを描くところは如何にも大衆向け興行といった感じで蛇足です。ジュリーの演技力と歌唱力はさすがですが、もう少し若い俳優さんが演じていたらもっと入り込めたのではないかと思いました。

ま、ジュリーだからこそ集まるスタッフなのでしょう。作家、演奏者などスタッフは本当に素晴らしいと思います。
ドブ恋4

ドブ恋4

劇団K助

千本桜ホール(東京都)

2015/03/04 (水) ~ 2015/03/15 (日)公演終了

満足度★★★★

ダニチーム
恋愛における「ありそー!」ネタ満載のスケッチ集。
当事者だったらコワいであろうネタを他人事として観て笑う後ろめたさと言ったら!(爆)
そんなワケで基本的には下衆なハナシなのに、本公演のノリに近いウェルメイド系(?)で締めるのは巧い。
そう言えば本公演でも過去と現在をクロスさせて見せる手法を使ったことがあったっけ。

『浅い河床の例え話』/『島棚』

『浅い河床の例え話』/『島棚』

東京ELECTROCK STAIRS

こまばアゴラ劇場(東京都)

2015/04/03 (金) ~ 2015/04/12 (日)公演終了

満足度★★★★

ネタばれ
ダンス系の舞台に期待はしない......。

ネタバレBOX

東京ELECTROCK STAIRSの【浅い河床の例え話し/島棚】を観劇。

ヒップホップを中心としたダンスチームで、今作は演劇とダンスの二本立て。
演劇の方は青年団の俳優が出演しているにも関わらず、さっぱり内容が分からず。
そしてメインのダンスなのだが、過去にダンス系の芝居を多数観たのが、面白かったためしがなく、今作も期待ゼロだった。
が、観劇後に血沸き肉躍るという言葉が即座に出てきそうなくらい興奮してしまった。特に高橋萌登という女性ダンサーが凄いの何のって.....、
もう鳥肌が立ちぱなっしだった。ダンスの事はよく分からないのだが、そんな事を簡単に凌駕してしまうくらいに魅了してくれた。
踊り関係の舞台では、シルヴィ・ギエムの【ボレロ】以来の感動かも?

そんな訳で、もう一度観に行こうと思う。

お勧めである。
遺産遊戯!

遺産遊戯!

team☆G-VA

小劇場 楽園(東京都)

2015/04/01 (水) ~ 2015/04/05 (日)公演終了

満足度★★★★

(*゚▽゚)ノ正直な人達。
σ(^_^;欲にかられて建て前が吹っ飛んだ正直な人達ばかり。ああならないように気を付けよう。皆さん叫びっぱなしの熱演、楽しかったです。

「パダラマ・ジュグラマ」上映会

「パダラマ・ジュグラマ」上映会

おぼんろ

Untitled(東京都)

2015/04/04 (土) ~ 2015/04/05 (日)公演終了

満足度★★★★★

ネホリーハホリー☆
(^^)/ 5日(日)の昼、上野で
[朧(おぼんろ)]の、
【「パダラマ・ジュグラマ」上映会】に参加してきました☆
面白かったです。
昨年の6月に観た舞台の上映会☆
あの感動と興奮が蘇ってきました♪
観劇日記をブログに書きました。

アルバトロス・ダウン

アルバトロス・ダウン

岡本塾・ペーチカトライブ

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2015/04/03 (金) ~ 2015/04/05 (日)公演終了

満足度★★★★★

ネホリーハホリー☆
(^^)/ 4日(土)の夜、池袋で
[岡本塾ペーチカトライブ+劇団ラパン雑貨ゝ旗揚げ公演]の、
【アルバトロス・ダウン】と
【3S~野球は9回2アウトから~】
を観てきました☆
面白かったです。
物語、演出がGOOD☆
若くて生きの良い役者さんがいっぱいで、
大いに楽しませてもらいました♪
観劇日記をブログに書きました。

女中たち

女中たち

企画グループHOURRA!

パフォーミングギャラリー&カフェ『絵空箱』(東京都)

2015/03/24 (火) ~ 2015/03/29 (日)公演終了

満足度★★★★

狂気
奥様の留守に“奥様と召使いごっこ”をする姉妹の女中。次第にエスカレートするその遊びが、ついに危険な領域に踏み込んでいく…というジャン・ジュネの戯曲。クラシックな香り漂う豪華なセットや衣装が素敵。“狂気”の出どころは、犯罪と放浪の果てに“塀の中”で書き上げた作品が認められて世に出たジャン・ジュネという作家の特異性にあるのかもしれない。

ネタバレBOX

ベッドやその周囲の調度品、ドレッサーやハンガーの衣装がキラキラと豪華。
やがてここで高慢な奥様と、それに仕える女中のやり取りが始まる。
が、実はこれ、奥様の留守に姉妹の女中ソランジュ(さひがしジュンペイ)と
クレール(林勇輔)が興じる“ごっこ遊び”なのだ。
二人はこれで日頃のうっぷんを晴らしている。
お遊びは次第にエスカレートし、クレールの虚偽の告発により
旦那様は警察に逮捕されている。
勝ち誇ったのもつかの間、その旦那様からの電話で保釈されたことを知ると一転、
今度はクレールの仕業であることが発覚することを恐れ、生きた心地もしない。
ソランジュは奥様を殺そうとと毒入りのハーブティーを用意するが、それに手を付けず
奥様(岩崎加根子)は嬉々として夫を迎えに出ていく。
絶望したクレールは、その毒入りハーブティーを飲み干すのだった…。

煽るソランジュの台詞、それを受けて実行へ突き進むクレールという対比が面白い。
ソランジュの罵り方が激しいのは、実行に移せない自分へのもどかしさもあるのか。
見た目も繊細で、一方的に翻弄されているように見えながら、偽の告発文を書くのも
毒をあおるのもクレールである。
社会的な格差や上下関係、持つ者と持たざる者、といったどうしようもない現実に対する
不満や怒りが、2人の台詞の相乗効果で雪だるま式に膨らみついには壁に激突する感じ。

さひがしジュンペイさんのソランジュは、息切れせずに煽り続けてパワフルだが
どこかに虚しさや妹クレールの暴走を怖れる気持ちが感じられたら、もっと奥行が出た。
林勇輔さん、姉に引きずられているように見えて実はこの状況を変えるためなら
何でもやってやるという切羽詰まった感が繊細な表情の中によく出ていた。
ベテラン岩崎加根子さん、そんなに憎まれなければならない奥様には見えないが
その存在自体が反感を買う対象となっている天然の“勝ち組”感が上手い。

こういう古典的な戯曲は、時代が変わると予備知識なしには理解が難しい部分を持つ。
例えばこの作品の「憎悪の理由」など、作者の経歴や時代背景が分かると
理解の深さも変わってくる。
私はまだまだ勉強も経験も足りないし、もっといろんなことを知りたいなあと思った。
After The Carnival

After The Carnival

ぷろじぇくと☆ぷらねっと

pit北/区域(東京都)

2015/03/17 (火) ~ 2015/03/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

死を超えたもの
死を超えたものは確かにあるのだと、素直に信じることが出来ました。
上手く言い表せませんが、
辛い時も、がんばって生きよう!と思いました。
良いキャスト・スタッフが集まるのも脚本の力あってこそ。
みなさんの"熱"があつまって、とても見ごたえのある芝居になりましたね。
思わず、泣いてしまいました。
日疋さんの情熱と使命感と愛に敬意を表します。
これからも芝居、つくり続けて行って下さい。期待しています!

オムニバス of Oi Oi vol5

オムニバス of Oi Oi vol5

Oi-SCALE

駅前劇場(東京都)

2015/04/03 (金) ~ 2015/04/08 (水)公演終了

満足度★★★★

いろんなサクラ
Bプログラムの初日と、3日目を観劇しました。

1本目はちょっとアダルティ、2本目は完全コメディ、3本目は朗読劇のような感じの作品でした。

私は2本目の「サクラカレー」に出演されている中村拓未さんを追いかけていて、その繋がりでの観劇でした。

3本とも全く毛色が異なる、サクラの物語でしたが…やはり、一番構成がまとまっていたのは「サクラカレー」だったかと思います。

初日に理解に苦しんだ作品(「君が頷く作文」)は、二回観てようやく舞台背景や登場人物の関係性が理解できて。思わず泣いてしまいました。

観客の想像を掻き立てる作品たちばかりで、おもちゃ箱ひっくり返したみたいでワクワクしました!

朝

KARAS

KARAS APPARATUS(東京都)

2015/04/07 (火) ~ 2015/04/11 (土)公演終了

満足度★★★★★

無題1447(15-095)
20:00の回(小雨)。19:55開場、20:10開演~21:10終演~トーク21:36。

オペラ「ソラリス」の海外公演がありおよそ2ケ月ぶりの公演。今まで舞台上には何もなかったのですが、今夜は舞台装置がひとつ。

「春」というタイトルについて、トークでも触れるのですが、なかなかいつものような「コトバ」にならず、それほど(ダンサーにとっても観客にとっても)自由なダンスではなかったかと思います。

19回目(の神経衰弱とおっしゃっていましたが)アップデイトダンス、いつも観る者をはるかにこえてゆきます。

まるで生き物ののような「装置」、空間に色を満たす音楽、照明の微妙なニュアンスを受けるカラダ、は神秘的ですらありました。

WonderHoney

WonderHoney

teamFrogMan

d-倉庫(東京都)

2015/04/02 (木) ~ 2015/04/06 (月)公演終了

満足度★★★★★

楽しかった(笑)
MyハニーとHoneyチームの千秋楽を鑑賞しました。
最初ドタバタに感じて少し「?!」でしたが、
やがて役者さんがノッテきたのか凄くスムーズになり楽しめました。
特に印象に残ったのが、チシャ猫や探偵さんを演じた小さい役者さん、
歌も演技も踊りも凄く上手ですね。
主宰の相澤さんの歌声も素晴らしかった~!
ウェンディーの高橋さんも歌が上手、忍者アクションも決まってました。
最後の大合唱では感動しました。
どうもありがとう!って感じです。

ネタバレBOX

青木さん、よう喋りますね(笑)
トークショーにて
フクロウガスム

フクロウガスム

梟企画

G/Pit(愛知県)

2015/04/01 (水) ~ 2015/04/05 (日)公演終了

満足度★★★★★

多重に織り込まれた重厚な悲劇
 純粋に演劇の感想としては、少年の悲劇をこんなにも多重に織り込んで纏め上げた構成は素晴らしいと思いました。そこに贅沢なキャスティングで集められた俳優陣入り乱れての熱演には目を奪われましたよ。
 特に多重人格の演出と演技は私のツボにはまりましたし、子役の頑張りも見事で、あんなシーンさせてしまって大丈夫かと心配になるほどの好演でした。総じて、演出と演技には文句のつけようがないです。
 (以下、別にネタバレというほどでもないけど、込み入った話をネタバレBOXに続く・・・)

ネタバレBOX

(続き)・・・ただ、脚本…子ども虐待防止に主眼を置くのであれば、親の心に闇が刺す過程とその時の周りの人達にこそ、もっとフォーカスすべきでしょう。一応触れられていたのは救いですが、本来対処すべきなのは、そこであることは疑うべくもないでしょう。そこにメスを入れなければ、本作は悲劇を悲劇として見せるに留まってしまうと感じました。ただ、「子ども虐待は他所からは見えにくい」とのセリフにもあるように、容易に本質と解決策を指し示せる問題ではないでしょうから、まずは関心を呼ぶというというところから評価すべきなんでしょうね。秀作ゆえの贅沢な注文というべきですかね。
 なお、この運動が広く一般的になった時の危惧を一つ申せば、どこで虐待に線を引くかということでしょう。web上でごく一般的になってしまった見苦しい叩き行為を見れば分かるとおり、この手の匿名での通報は、表面的な情報に基づく、 ごく主観的、身勝手なものになりがちです。「子ども虐待防止」が「親虐待」にエスカレートしないような配慮も必要です。私的な話ですが、夜泣きを虐待と疑われて通報され、警察の訪問を受け、妻がひどくショックを受けた経験を持ちます。100回の通報で1件のリアルな虐待が救えれば良しとすべきかもしれませんが、無為に傷つけてよい親だっていませんから、こういうのはバランスが重要で非常に難しい話です。話を戻しますが、演劇としては非常に秀作で活動自体も理解します。だからこそ、バランスと客観視を忘れないで欲しいです。
小林一茶

小林一茶

こまつ座

紀伊國屋ホール(東京都)

2015/04/06 (月) ~ 2015/04/29 (水)公演終了

満足度★★★★★

日本語の美しさ、楽しさを再発見。
井上作品を観る度に思うことではありますが、私は日本人として生まれたのに日本語を使いこなせていない!楽しんでいない!
言葉が生きて、生き生きとして、舞台の上で跳ねていました。

ミステリー仕立ての舞台は、小林一茶という人物を劇中檄という趣向であばいて(?)いきます。その姿は真実?それとも・・・・・。

物語のいたるところに井上氏からの宿題があります。
受け取ったつもりです。

和田正人くんと石井一孝さんって、とても波長が合う二人なのではないでしょうか。これからの長丁場、もっと濃くなりそうな予感がします。
そして、彼らを取り巻く私の大好きな役者さんたち!ブラボーであります。

オムニバス of Oi Oi vol5

オムニバス of Oi Oi vol5

Oi-SCALE

駅前劇場(東京都)

2015/04/03 (金) ~ 2015/04/08 (水)公演終了

満足度★★★

サクラに棲むものたち Bブログラム
「サクラ」をテーマに1本30分が3本というオムニバス。
林灰二さんが他人の脚本をどう演出するのか観たくてBプログラムを拝見。
「きつめ」のキャラ設定が面白かった。笑っているうちに一種ホラーな結末が新鮮。
「サクラカレー」いわくつきの公園でカレーの移動販売を始めた夫婦が恐ろしくも可笑しな出来事に巻き込まれる。最後は人情噺?
「君が頷く作文」は林灰二さんの脚本・演出がユニーク。毎回どこかシュールな香りがする作品を意外な表現方法で提示するその“ウケを狙わない”姿勢が好き。風貌も淡々としているけど、表現に関してはとても攻撃的な人なんじゃないかと思う。

ネタバレBOX

Oi-SCALEではおなじみのコーン型照明が立っているだけの舞台、
正面の白い布がスクリーンになっていてタイトルが映し出される。

1. 「きつめ」   脚本:羽生生純 演出:林灰二
漫画家だが収入のために舞台の脚本も請け負った男(林灰二)は、
子どもがほしいな、と妻に言っても「お金がないでしょ」と言われる始末。
ネタ探しに出かけた公園で風変わりな女「きつめ」に出会う。
やがて男は桜の木に取り込まれてしまう…。

「木」「ツ」「女(め)」を合わせると「桜」という漢字になるというのが面白い。
前半のユルイ展開から一転、ホラー映画の如く「樹木」に取り込まれていく描写が新鮮。
もっと「きつめ」のキャラがミステリアスだったら(エキセントリックでなく)、
魅入られた男に共感できたと思う。

2. 「サクラカレー」   脚本:岩崎う大 演出:林灰二
とある公園の桜の巨木の下でカレーの移動販売を始めた夫婦。
立派な桜が満開なのに人気のない公園、訝しく思っているうちに妙な人々がやってくる。
以前ここでホームレスだった男や、心中に失敗して生き残った男である。
ここが昔から「う○こ塚」と呼ばれていることや、心中に失敗したカップルのうち
死んだ女の父親が、自宅の桜を植えたのがこの桜の木であることがわかる。
と、いきなりその心中で死んだ女がカレーの台の下から登場、
生き残った片割れにエールを送り、
周囲の人々に協力を依頼してあの世へと帰っていく…。

濃いキャラに翻弄される夫婦の足元から女ユーレイが出てきたときは笑った。
演じているのが男だし。
めそめそする生き残りを叱咤激励して、そこにいる全員を巻き込んで
「じゃ、よろしく」みたいな引き揚げ方が可笑しい。
ユーレイのキャラがさばさばしているところがよい。
もっと早くユーレイが出てきてたっぷり心中の話をした方が面白い気がする。
心中に至るしんみりした理由が明かされたりしたら
“笑ってるうちにいい噺”になったかな。

3. 「君が頷く作文」   脚本・演出:林灰二
大きな植木鉢を引きずりながらそれに水をやり、世話をする妹。
兄はそんな妹を気遣っている。
やがて植木鉢から芽がでて育ち始め、桜になる…。

作文を読むような朗読劇(?)。台詞ではない、淡々とした描写に
コミュニケーションの隔たりとか、伝わりにくさとか、孤立感が漂う。
林灰二さんは言葉を操る仕事をしながら、どこかで言葉の限界を感じているように見える。
少し突き放したようなところから社会を眺めるスタンスを感じさせる。
都会的で、冷めた手法にそれが表れていると感じた。

個人的な好みを言えば、その都会的で冷めたコミュニケーションの一方で
爆発するような感情を一触即発状態でため込んでいる現代人を描く
林さんの作品の方が好き。
例えば数少ない観劇の中では「武器と羽」みたいな。
そしてやはり私は、林さんが出演する舞台が観たい、と改めて思った。
この人の演出は、出演することで完成するような気がするから。
ロスト・セブンティーン

ロスト・セブンティーン

私立ルドビコ女学院

サンモールスタジオ(東京都)

2015/04/01 (水) ~ 2015/04/05 (日)公演終了

満足度★★★★

今回は
日常の学園生活に十年の時を隔てたストーリー、定番化した途中のホームルームも含めていい感じに仕上がっていました。生徒全員が美少女でないとこもリアリティさが出ててイイですね!ただ、やはり若干長く感じてしまったので、テンポのいい展開か、全体で2時間ほどでおさまればと思いましたが、楽しかったです。

天使の森からの贈りもの

天使の森からの贈りもの

Unit Blueju

西新宿ハーモニックホール(東京都)

2015/04/02 (木) ~ 2015/04/05 (日)公演終了

満足度★★★★

頑張って!応援します!
ちょっと人間的に何なのこの人はって突っ込みたくなる役(役者さん個人ではない!)もあり,(もちろん脚色はしているのでしょうが)まったく愛知県民は・・・^^;って思いながらも,芝居と歌,ダンスと生演奏を楽しめた舞台でした。そして,この回はアフタートークありで,このアフタートークは参加してホント良かったと思いました。女優でダンサーの貴田みどりさん,ハンディを持ちながら,苦労や障害は大きいでしょうが,それでも向かって生きています。その姿勢の一端でしょうが,触れさせていただき,自分も立ち向かわなければと思わざるを得ませんでした。彼女に比べたら,自分はなんて恵まれているのに怠惰なんだろう,反省することしきりです。どうか,頑張ってください。陰ながら応援したいと思います。

アルバトロス・ダウン

アルバトロス・ダウン

岡本塾・ペーチカトライブ

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2015/04/03 (金) ~ 2015/04/05 (日)公演終了

満足度★★★★

楽しかったです
2団体の舞台でしたが、両方とも、肩ひじ張らず楽な気持ちで楽しめ、面白かったです。
「3S」は、コメディーの中に、意外な結末がありました。それと、おもちゃ会社の社長の楽しいキャラクターが、個人的にはツボでした。旗揚げ公演との事なので、今後も期待したいです。
「アルバトロス・ダウン」は、ダブルキャストのAチームを観劇しました。演技に関しては、もう少し頑張ってほしい方もいましたが、ストーリーは面白かったです。ちょっとレトロな味わいがあって好みでした。
楽しい時間でした!

ホテル・ミラクル

ホテル・ミラクル

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2015/04/03 (金) ~ 2015/04/12 (日)公演終了

満足度★★★★

闘争心めらめら
美術、選曲、照明、1話ごとの転換の立ち位置にまで、細やかなる配慮がなされていて、とてもおしゃれ。やや過激であっても決して下品にならないのは、この舞台の効果と役者さんたちの雰囲気による功績が大きい。各脚本家の間に漂う秘めたる闘争心がビシビシ伝わってきて、個性が明確な点も楽しめる。役者泣かせ(いじめ?)の、設定やセリフには、各役者さんたちの本に立ち向かう真摯な姿勢があり、お話とは真逆の清々しさえ感じられた。

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