最新の観てきた!クチコミ一覧

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ミュージカル『レ・ミゼラブル』

ミュージカル『レ・ミゼラブル』

東宝

博多座(福岡県)

2015/07/08 (水) ~ 2015/08/01 (土)公演終了

満足度★★★★★

不滅
この面白さは永遠に受け継がれると思う。
新演出になじまない人も多かったし、私も一部分ではそうだけど、
時代に即して、続いていくほうがいいと思った。
一部のファンだけでなく、初めて観た人にも感動を与える。
そんな作品だと思うし、そうであり続けてほしい。

砂時計

砂時計

しかくさんかく。

インディペンデントシアターOji(東京都)

2015/08/06 (木) ~ 2015/08/09 (日)公演終了

満足度★★★

演劇に対し“純粋”を感じた舞台
学生演劇初体験でしたが、演劇に対し“純粋”を感じた舞台でした。

ただ、作者の言わんとするメッセージは表現できていたのでしょうか・・・?

私的には、各シーンの内容・関係性をわかりやすく、繋がりのあるものにしたほうが良いかと・・・。

演じる側、観る側、個々の感受性によって、物語を“感じ”、“共有”することで“舞台”が成立すると思うのです。

ネタバレBOX

劇場に入って、先ず目にするのは舞台の“セット”です。

“セット”を見て、をどのように使うのかと、勝手に想像し、
座席を決めたりするのですが、
今回のセットは、効果的に使われていなかったというか、
必要なかったというか・・・。
パックンちょ

パックンちょ

劇団K助

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2015/08/04 (火) ~ 2015/08/09 (日)公演終了

満足度★★★★★

無題1556(15-245)
19:30の回(曇)。

18:45受付、整理券あり、19:00開場。

前回が「ゼロイチ(2010/12@エコー)」なので4年半ぶり。「ドアを開ければいつも(2014/10から)」を観ている天乃さん客演ということで観に来ました。

入って左に客席(椅子席+クッション)、舞台には小さなテーブルと椅子2つ、なぜか奥の壁に脚立。

19:32前説(80分)、19:38開演~20:56終演。

ネタばれ厳禁なのでぜひ会場でご体験ください。久しぶりに笑ってしまいました。

「ダイヤのA」The LIVE

「ダイヤのA」The LIVE

「ダイヤのA」The LIVE 製作委員会

Zeppブルーシアター六本木(東京都)

2015/08/01 (土) ~ 2015/08/09 (日)公演終了

満足度★★★★

高校野球がより楽しく見れる
夏の全国高校野球 開幕の日に観てきました。アニメに忠実に作られていて、キャストも結構似ていました。前説がウグイス嬢のアナウンス形式になっていて始まる前から気持ちが高ぶりました。男性がメインの舞台だけど礼ちゃんや女子マネージャーもよかったです!第2弾は春かな~今から楽しみ♪

気がつけば五・七・五

気がつけば五・七・五

試験管ベビー

千種文化小劇場(愛知県)

2015/07/31 (金) ~ 2015/08/02 (日)公演終了

消化不良
「浦島サミット」「最低の台詞、最高の使い方」に続いて3回目の観劇。

今回も、笑わせて頂きました。
本当に、笑いのパートはテンポの良さに加え、思わず笑ってしまう台詞の応酬で、流石の試験管ベビークオリティといった印象。
ただ、残念ながら、今回のお客様参加システムは、物語の舞台(どういう人物が集う場所か)が分かってからは、どういうシーンで参加することになるかが読めてしまった。

で、投稿タイトルの消化不良。
理由は2つ。

まず、タイトル。
これ、企画?の段階ではもっと違う話だったんじゃないか?と思うくらい、内容とリンクしきれてない。
もう一つ、役者陣の台詞回し。
この団体に関して、今までこう思ったことはなかったのだけれど、今回はあまりに気になってしまった。
台詞一文の中に、声の大小?抑揚?うねり?何て言うのかな、よく分からないけれど、それが古参の方にも若い方にもあって、台詞が聞き取れない。
例えば冒頭の川柳も、「か○○○○ かくかくしかじか か○○○○」って、今何て言った?ってなってしまう。
普通の会話でそんな風になることはないから、やたら“台詞っぽく”感じる。
笑いのパートはやり込んでいるからか、テンポが良いからか、全く気にならないのだけど。

この2つがあって、消化不良。
途中で内容変えたから、練習不足になって、台詞がおかしくなってるのか?とか邪推していしまう。

11月の公演は楽しみにしています(^^)

振り向けば優しい心の贈り物

振り向けば優しい心の贈り物

劇団 浪漫狂

参宮橋TRANCE MISSION(東京都)

2015/08/04 (火) ~ 2015/08/10 (月)公演終了

満足度★★★★

三話からなるオムニバス作品は涙なくして見れない!
いやぁ、泣かされたなぁ・・・

ネタバレBOX

知人の山下明起が劇団長補佐を務める劇団浪漫狂が、若手の役者による外伝『振り向けば優しい心の贈り物』という舞台を上演したので(明後日まで公演中)、参宮橋のトランスミッションまで出かけてきた。

プログラムによると、一話はオリジナル、二話はダウンタウンの生い立ち、三話はドキュメンタリー番組をベースに作ったという、全体で100分ほどのオムニバス作品。
より詳しく書くと、一話は父子(娘)の結婚にまつわる父の秘められた気持ちと、父への感謝の話、二話は母子(息子)の野球を中心とした貧しさ克服の話、三話は年老いた両親と、その看護を巡る子どもたち、そして老夫婦の暖かな夫婦愛の話。どれも客を泣かせるツボというものを熟知した作りで、笑いが起こる場面もあるが必ず涙が出てくる結末。いやぁ、良い作品ですよ、三話とも。その中核には、親への思いと「ありがとう」という言葉が存在している。
泣かせるツボをいかに演じていくか、若手役者に突きつけた演出・作の劇団長・中村隆天の思いは、満点とは行かないものの及第点はクリアしたのではないだろうか。
特に、一話と三話の伴優香(特に目の表情)、二話の宮島歩の演技は秀逸。男優陣では、J田平、工藤謙太朗、久住翠希が頑張っていた。(工藤は以前別の劇団の公演で観たような役者だったが、気のせいかな・・)。

本当にあったら怖い話

本当にあったら怖い話

江古田のガールズ

「劇」小劇場(東京都)

2015/08/05 (水) ~ 2015/08/09 (日)公演終了

満足度★★★★

コメディ濃い目
チケットプレゼントありがとうございます☆
他の方も書かれてますが お化け屋敷のセットが 本当に上手くできていました。
しかし仏壇だけピカピカだったのだけ ちょっと違和感かな。


劇団の方が『霊が怖くて観にこれない方もいらっしゃるので、この作品は怖くないよと教えてあげてください』と仰ってました。
でもラストは怖いかも。


ネタばれで劇団さんに迷惑かけたくないし どこまで書けばよいか 悩むな~
↓ネタばれが強いので これから行かれる方は観ないでください↓

ネタバレBOX

お化け屋敷の潜入レポートその撮影のお話です。


始まりがお化け屋敷に向かうロケバスでのやりとり スクリーンに映し出されるところから始まります。 
『どんな展開になるの?!』ワクワク☆とテンションが上がっていきました。


しかし 霊を信じていない監督は 事前に仕込みをしてしまい(要はヤラセ番組)。
仕込みをプローデューサーにも秘密で行い 霊能者:霊屋にさえ秘密で行うところから
ヤラセがバレたり トラブルになったり アイドル:パインちゃんといろはちゃんの 性格悪いのをよく表したエゲツない戦いだとか・・・。
(パインてパインて、そのセンスが・笑)
それらが怖い展開となります☆


途中 まさかダンスになるとは思わなかった (笑)
マネージャー:陣内ユウコ 
あれだけ色気のない髪形と服装なのに・・・それでも美しかったこと。
監督:この方もはまり役だった。


他の方も書かれてますが 路線を外さないラストがよかった。
 

アフターイベントがあって 三元茶屋ミワさんの歌がとてもよかったです。
次は出演してた女優陣の リアル怖い話となり それが思いのほか良くて。
役者だけに劇場での怖い話が怖かった。
その後再度歌となり 歌に除霊されるようなイメージを持った それが愛を感じるものだったから。


・・・って主宰の人と三元茶屋ミワさんって 同一人物疑惑?!
私にとって それが一番の 恐怖だったかも (笑)




本当にあったら怖い話

本当にあったら怖い話

江古田のガールズ

「劇」小劇場(東京都)

2015/08/05 (水) ~ 2015/08/09 (日)公演終了

満足度★★★★★

怖くなかった…?
とても面白かったです!
怖いの嫌いな人も全然大丈夫ですよ!!

でも、終わってからよく考えてみたらめちゃめちゃ怖いですね、コレ。笑いがたくさんつまってて気づきませんでした。

みなさんかっこよかったです!!

そして、陣内さんお美しかったです!

核の信託

核の信託

ぷろじぇくと☆ぷらねっと

新宿村LIVE(東京都)

2015/09/04 (金) ~ 2015/09/06 (日)公演終了

満足度★★★★★

考えさせられました。
広島に原爆が投下されてから70年目の昨日、ムーブ町屋という場所で行われた"核の信託”のリーディング形式のプレ公演を観てきました。リーディング形式ということであまり期待はしていなかったのですが、実際はものすごい迫力で本公演も観たくなりました。戦争を知らない世代が増える中、被爆者側をテーマにした作品は数多くあるのですが、この作品は原爆を手にした側の心の葛藤を描いている作品で、大変めずらしく考えさせられる作品でした。本公演も是非観に行こうと思っています。おススメの一作です。

くるわに咲けと

くるわに咲けと

office HOMME / team Genius bibi

萬劇場(東京都)

2015/08/05 (水) ~ 2015/08/09 (日)公演終了

満足度★★★★★

Aチーム, 3公演目
Aチーム, 3公演目の観劇
踊りも素敵で、チームワークの良さも伝わってくる。
何度観ても、自然に、笑いに引き込まれ、そして、心が引き込まれる。

他人を思う心が、伝わってくる舞台

-奇譚-地獄たられば

-奇譚-地獄たられば

グワィニャオン

上野ストアハウス(東京都)

2015/08/06 (木) ~ 2015/08/09 (日)公演終了

満足度★★★

最後にやっと・・・
なるほど,やっぱりグワイニャオンらしい作風だなぁ。面白い。劇団えのぐは若いなぁ。今回,グワイニャオンとコラボして,得るものはあったんだろうと思う。

ネタバレBOX

最後にやっと全てが繋がった。スッキリした。
-奇譚-地獄たられば

-奇譚-地獄たられば

グワィニャオン

上野ストアハウス(東京都)

2015/08/06 (木) ~ 2015/08/09 (日)公演終了

満足度★★★★

らしい公演
この公演の観せ方は親切で、エピローグがプロローグに繋がりループするような展開である。伏線や散りばめたエピソードを回収し、説明しようとする感じである。その演出は、観客によって丁寧だと思うか、余韻がないと思うか分かれると思う。自分はどちらかと言うと後者である。

「グワィニャオン」と「劇団えのぐ」は、どちらも丁寧な制作をする印象を持っており、その意味で融和していた。しかし、折角のコラボなので、それぞれの劇団の特長を生かし、スパークするようなものがあったら面白かったかもしれない。

ネタバレBOX

舞台セットはシンプルで、中央奥に少し高い段差のある通路または廊下をイメージさせる横台。それに沿って粗格子または乱杭・柵のような造りがある。上手は場面に応じて、舞台上に用意する箱…椅子やゴミ箱に見立てるものが置いてある。下手は、奥通路から客席側にせり出し、壁には端切れのようなものが張られている。

人は、生前の業因によって加減ポイントがあり、地獄など六道への分かれ道があるらしい。これもよく見かける手法であるが、電車が地下に入ったら地獄…。生前、ああしていたら、ああしていれば、という”たら、れば“の悔悟の思い。その悔悟の情は、実に些細なことから、大きな過ちまで人様々である。その辻にいる衆生はどうなるのかを描いた奇譚である。
細かな点であるが気になったところ。
○地獄(迷宮?)や鬼の描写が怖くないのは愛嬌だとしても、もう少し“らしさ”があってもよかった。
○年代・年齢に拘ると、戦時中の母子(息子)が現代と同じ風貌(若い)や思考など齟齬、違和感が見えてしまう。地獄では時間感覚が生前とは違うことの説明がもう少しあると納得出来そうである(例えば、奪衣婆は600年もこの場にいるなどと絡める)。
○最後に、制作サイドに…初日は満席だったようだ。そのため舞台と最前列の間に増席(ミニ椅子)していた。しかし段差がないため最前列の観客は、座臥演技は観難くなっただろう。自分は3列目段差が大きい席に座ったので良く観えた。増席位置などは、一工夫が必要であろう。

次回公演を楽しみにしております。
Green(C)OPERA -グリーン・コッペラ-

Green(C)OPERA -グリーン・コッペラ-

劇団コスモル

OFF OFFシアター(東京都)

2015/08/05 (水) ~ 2015/08/09 (日)公演終了

満足度★★

前衛的なのか
いきなり「あれっ?ミュージカルでしたっけ?」と思えるような歌とダンス。劇中に何度もはさまれるのだかもう少し練習をしたほうが。ちょっと前にミュージカルを見てしまった私にはかなり残念に思えてしょうがない。
くすっと笑えるところもあるが、笑いが古い感じ。
なんて評価をしたらいいのか悩む。
ストーリーの主軸はわかったのだが、無駄なダンスや台詞が多くて分かりにくくなってしまっていて残念。

女は過去でできている

女は過去でできている

東京マハロ

赤坂RED/THEATER(東京都)

2015/07/31 (金) ~ 2015/08/09 (日)公演終了

満足度★★★★

女は強し!!
4者4様の生き様。クダラナイ男達に振り回されながらも、あそこまで自分の生き方に固執してると逆に気持ちいい。
最後の「某キャベツ畑に乗り込みます」は大いに笑えました。

-奇譚-地獄たられば

-奇譚-地獄たられば

グワィニャオン

上野ストアハウス(東京都)

2015/08/06 (木) ~ 2015/08/09 (日)公演終了

満足度★★★★

コラボ・・・いい
-奇譚-地獄たられば・・・初日の舞台、見てきました。最初おどろおどろしいムードで始まったのでどんな展開になるのかちょっと心配になりましたが、笑いあり、涙あり、考えさせられるところありと、てんこ盛りの1時間45分でした。
えのぐの皆さんの若さと、グワィニャオンの皆さんのちょっと落ち着いた感じと、客演の方々のはじけた魅力が満載でした。
劇場がちょっとさびしいところにあることを除けば、大変楽しめる作品でした。

“ … In The Attic ”

“ … In The Attic ”

まごころ18番勝負

小劇場 楽園(東京都)

2015/08/05 (水) ~ 2015/08/09 (日)公演終了

満足度★★★

画期的な客席。
客席の作り方が画期的だと感じました。仕切りで1つ1つに区切られた座席は初めてでしたので面白かったです。まるで遊園地のhorror houseを想像させる様な雰囲気。座席1つ1つに設けられた豆電球と、御案内をして下さったstaffさん達もその雰囲気作りに一役買っております。


男女4人組の会話はnaturalで素敵です。冒頭はoff会を強く喚起させ、初対面の会話をよく作り込んでいらしたと思います。


朗読部分は、読み手の表現が粒立ち、感情的な御芝居を拝見させて頂きました。音楽を多用しておりましたが、曲同士に切れ目があった方が効果的だと感じる朗読作品もありました。


客席を巻き込んでの空間作り、少し怖いなと感じながらも、自分も作品の一部なのだと不思議な感覚に陥りました。




ネタバレBOX

最後のsceneの劇場全体を包み込む俳優達の声、明滅する豆電球、素敵だと感じました。
もとの黙阿弥

もとの黙阿弥

松竹

新橋演舞場(東京都)

2015/08/01 (土) ~ 2015/08/25 (火)公演終了

満足度★★★★

もとの黙阿弥
井上ひさし作、栗山民也演出「もとの黙阿弥」、約3時間半、休憩35分、15分含む。
舞台は明治維新から20年後、西洋文化が上から広まりつつある東京。芝居(演技、騙し)を題材にしたドタバタ恋愛喜劇。
愛之助さんの下手な見栄や早乙女太一さんの反則の流し目に爆笑。真飛聖さんも大盤振る舞い。
三千円の三階席からでも楽しめたけど、演技合戦を堪能するには一階が吉かも。
楽隊の生演奏と群舞に挿入するスロー&ストップモーションが巧み。幕の降ろし方も渋い。甘く苦いラストに胸熱。
商業演劇が俳優の身体で日本史を保存してくれる。演劇は歴史の記憶装置。改めて感謝。

ネタバレBOX

「幻想と現実との差が激しすぎて、現実に戻れなくなった。そんな現実へと向かう覚悟はできていますか?」
彼らの敵

彼らの敵

ミナモザ

こまばアゴラ劇場(東京都)

2015/07/25 (土) ~ 2015/08/04 (火)公演終了

満足度★★★★

彼らの敵
約2時間。面白かった。最初はソフトな燐光群という印象だったが一対一の対話バトルや敢えて作る日常の時間が豊かで、せりふ劇好きの私にストライク。弱くて不恰好な主人公に自分を投影できた。主役以外の俳優が、虫唾が走るほど恥ずかしい人や、心優しい良心の人を演じ分ける。そのおかげで、自分が甘んじる環境や戦争などの不可抗力で、私だって豹変するかもしれないと思えた。再演でブラッシュアップされたらしい。ありがたいことです。

壊れた風景

壊れた風景

名取事務所

小劇場B1(東京都)

2015/07/29 (水) ~ 2015/08/02 (日)公演終了

満足度★★★★

壊れた風景
約一時間半弱。眞鍋卓嗣演出。千秋楽。ピクニック用の食物を通りすがりの人々が盗み食いする、40年前の別役実戯曲。自然な演技に説得力あり。銃や切れた手首を手にし、嬉々として荷物を漁る場面を挿入。ぬるぬると無責任に侵略戦争に加担する日本人の姿を見せた。凄い。

核の信託

核の信託

ぷろじぇくと☆ぷらねっと

新宿村LIVE(東京都)

2015/09/04 (金) ~ 2015/09/06 (日)公演終了

満足度★★★★

朗読バージョンを拝見
 本公演に先立って行われた朗読バージョンを拝見。本公演は、一般的な芝居形式で上演する。(念のため)
 アインシュタインらの訴えによって、アメリカは、原爆製造に手を染めた。所謂マンハッタン計画である。この計画は、大統領やごく一部の側近、情報組織、高級軍人を除いて秘密に行われた。集められた核物理学者達も、FBIから日常的に監視され、当局に反旗を翻せば最前線に送られた。
 だが、原爆製造に関わった物理学者の中にも、技術者として持つべき当然の倫理観を持つフェルミらのグループが居た。今作は、彼らが、その当然の倫理を果たす為に大統領に宛てた建白書を巡る物語である。(追記第一弾2015.8.8)

ネタバレBOX


 原爆のとてつもない破壊力とその悪影響は開発者には当然のことながら理解できた。無差別大量破壊兵器として機能すれば、それは、開発者の汚点にも、アメリカに対する信頼失墜にも繋がる。対日本戦にしても対独戦にしても、アメリカは、正義を標榜することができた。アンチファシズムで武装し、一種の救世主としてヨーロッパ戦線に参戦した訳だし、真珠湾攻撃に於いても3日前には暗号解読によって奇襲を把握しながら、空母を退避させて戦略の要を温存しつつ、先制奇襲攻撃を仕掛けたのは日本だという印象をアメリカ国民に持たせて戦意高揚に大成功を収めた。無論、それ以前、日本が日米戦争に突入するよう様々な封鎖政策を採っていたのである。いくら日本が愚かで、太平洋戦争開戦時の国家経済の規模が、アメリカの僅か4%に過ぎなかったとしても。
By the way,そんなことはどうでもよい。問題は、マンハッタン計画で開発された原爆をどのように用いるかなのである。今作に登場する財閥グループの執事、サンギエの属する財閥とは、無論、作者の創造になるものではあるが、ベースになっている財閥は、ロチルド即ちロスチャイルド家である。それも、本家、ヨーロッパの各ロスチャイルド家、そして米ロスチャイルドを総合し、更に他の財閥系を加味していると考えられるが、根本をロスチャイルドとしたのは、科白の中に、ナポレオン戦争で儲けた、と出てくる点とアメリカの情報組織を凌ぐ情報収集力を持つことを臭わす科白から判断できる。そして、彼らの判断基準とは、資本主義の持つ冷徹で差別的でプラグマティックでデモーニッシュな論理と大衆蔑視である。要は儲ければ良いのだ。この論理は、現在のTPPにも無論通じるし、AIIBへの不参加にも通じるデュアリズムを根底とする論理である。本家、英ロスチャイルド家が、歴史的にシオニズムに加担したのも、結局はユダヤ教を政治的に利用する立場を鮮明にしたからだろう。本来、ユダヤ教は弁証法的である。弁証法を用いなければ世の中の次元は上がらない。何故なら、二元論では常に論理は、是非のみを明らかにし地場を離れる事ができないからである。結果、デュアリズム同士のイデオロギー闘争は、力に拠る他、「解決」の方法を持たない。サンギエの論理が、どこか悪い意味でニヒリスティックな色調を帯びているのも、弁証法をネグレクトした精神的退廃を内在化しているからである。即ち、デュアリズムの問題点とは、未来を閉ざすことに他ならないのである。
今作に戻ろう。大統領、ルーズベルトは、戦争の惨禍に心を痛めている。アインシュタインと共に、原爆開発を進言したシラード、フェルミ、ルーズベルトの心の友で画家のヘレンを妻に娶ったジョン、そして3人と少々スタンスは異なるものの核の未来について大きな懸念を抱えるエドワードらは、FBIの監視下、大統領への直訴を悉く邪魔されてきた。軍部は、奇襲による原爆投下を主張する。だが、桁違いの破壊力を持つ原爆が、何の警告もなしに民衆の頭上で爆発することになれば、平和を本当は望んでいる一般民衆や女性、子供、老人迄が悉く大惨事に見舞われることは、彼ら核物理学者には、容易に予想できた。無論、死の灰の問題もある。一旦、原爆が炸裂すれば、その熱線、爆風のみならず、200種類以上の放射性核種が、生命の基礎に悪影響を与えることは、必然である。その結末は未知であったが、技術者の持つべき当然の倫理として、被害、それも甚大な被害が予想されるにも拘わらず、その悪影響をコントロールできる技術の開発も出来ていない段階で破壊兵器だけを作ること自体、技術者倫理に悖ることなど常識を持つ技術者なら誰でも考えることである。然し戦争という事態が、常識的で冷静な判断を困難にしていたという状況を考慮するならば、原爆を開発してしまったことは、喫緊の政治判断の結果だったにせよ、原爆を予告もなしに民衆の頭上に落とすことに関しては別問題であった。

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