
モーリタニアの空
劇団PATHOS PACK (パトス パック)
シアター711(東京都)
2015/09/02 (水) ~ 2015/09/06 (日)公演終了
満足度★★★★★
素晴らしい公演
人間が生きる...その様を庶民の目線でしっかり描く。そこに現代社会が抱える問題をさり気なくちりばめ...いや核心的に表現した秀作である。
登場する人々の苦悩と喜び、そしてそれを優しく見つめる...その俯瞰した世界観が場面に広がりをもたらす。
タイトルはアフリカ大陸にある国「モーリタニアの空」であるが、物語の”空”は日本、その理由は...

笛を吹け吹け 双子のフロイライン
演劇企画ハッピー圏外
TACCS1179(東京都)
2015/09/02 (水) ~ 2015/09/06 (日)公演終了
満足度★★★★
大胆解釈した物語
ハーメルンの笛吹き男...怖い教訓イメージがあるが、この公演では虚実の伝承ゆえに、その不確実を逆手にとって大胆に解釈した物語。
そして演劇企画ハッピー圏外らしい、軽妙だがしっかり物語に引き込む魅力ある演出は見事である。
伝承...その謎を解く展開は、わかり易く本当に楽しめる芝居になっている。
子供のころに聞いた伝承は、教訓または風刺のようであったが、本公演では、政治情勢などが絡む人間ドラマになっている。その意味では寓話というよりは、この公演のような歴史書(編纂)と評するほうが相応しい。この物語の中心となる街の統治を巡る権力闘争(政争)は、そこに住んでいる人々の生活に大きな影響を及ぼした。知られた諺に「木の葉を隠すには森に隠せ」ということを聞くが、その悲しい苦渋の選択とは...。

紙の花たち
スポンジ
「劇」小劇場(東京都)
2015/09/02 (水) ~ 2015/09/06 (日)公演終了
満足度★★★★
無題1589(15-278)
15:00の回(曇)。
14:15受付(整理券あり)...外で待っていると元劇団ピアチェーレ(日本女子大)の俳優さんに会う(いやいや懐かしい!)。14:31開場、階段を上るとハワイアンにセミの声。
民宿ひまわり、玄関、フロント(カウンター)、テーブル(白いクロス)、おみやげ(のしいか...)、カレンダーに時刻表。玄関の外は鬱蒼と茂った緑。下手にTVモニター(白い布がかかっている)、階段。
トランスしそうなS.E、うめき声、読経風、太鼓に鐘。
15:00前説(アナウンス、105分)、15:02開演~16:52終演。
毎日をそれまでの毎日のように過ごすこと、埃まみれになってしまった希望であっても忘れ去ることができないこと、自分を偽ってでも相手には知られたくないこと。どこに向かっても行き止まりのようなお話だったように思います。

TEAM NACS 第15回公演 悪童
CREATIVE OFFICE CUE
EX THEATER ROPPONGI(東京都)
2015/08/26 (水) ~ 2015/09/06 (日)公演終了
満足度★★★★
ライブビューイングでTEAM NACS 初観劇
個別出演舞台は観劇しているが、TEAM NACSとしては初めての観劇。
以前、この劇場で他公演の舞台を観劇したことはあるが、舞台観劇にはあまり適していない印象を抱いたが、今回の脚本と演出に惹かれ気になっていた。が、思案しているうちに案の定、発売と同時に即ソールドアウト。縁がなかったと思っていたら、近郊映画館でライブビューイングがあると知り、そちらでなんとかチケット確保。映画館で舞台観劇はゲキシネ以来。
初ナックスの為、役者さん全員の人間関係やカラーはよくわからないが、カテコの話術の巧みさに、その場でアイウエオ作文ができそうな頭の回転の良さを感じた。今回は外部演出の舞台の為、今回の舞台だけでこの劇団?ユニット?の魅力を全て判断するのは難しいが、会場内の熱気から人気居酒屋店というか小洒落たお店みたいな印象を持った。
カテコ内発表によると全国規模の劇場同時公開、約3万人のライブビューイング鑑賞だったらしい。映画館ゆえ、近席で飲食される中、いつもとは違う観劇体制。カメラ何台あったのか不明だが、全体場面で役者演技する中、人物が被っていたり見切れる写し方があったのは残念。来年早々には映像化されるそうなので、その時は修正して放送するのかな。
第一部演劇の部が約110分、第二部カテコの部、約40分?
来年早々WOWOW放送予定。結成20周年イベントも同時発表。

スター誕生
ミュージカル座
シアター1010稽古場1(ミニシアター)(東京都)
2015/09/02 (水) ~ 2015/09/06 (日)公演終了
満足度★★★★★
昭和に浸る
昭和の某・TV番組をモチーフに、芸能界・歌謡界を昭和なメロディーにのせて、コミカルに描かれていた。やはり、どこか未成熟ながら、それでいて愛着感のある昭和歌謡曲にホッと出来る懐かしさを感じた。とても心地よい時間であった。再演を願う。

音木商店街物語
えび
シアター風姿花伝(東京都)
2015/09/04 (金) ~ 2015/09/07 (月)公演終了

SMOKIN’ LOVERS(20名様限定公演)
惑星☆クリプトン
BAR BASE(東京都)
2015/09/04 (金) ~ 2015/09/13 (日)公演終了
満足度★★★★
無題1588(15-277)
12:00の回(曇)
11:33受付(手首にチケットを巻く)、開場(1ドリンク)。
壁側に椅子席+ソファ、カウンター席もあり。
SMOKIN’ LOVERS(20名様限定) 煙チーム
12:05開演~13:50終演。
「煙草が苦手な方はご遠慮ください」とあるので喫煙しない身としてどうかなと思ったものの空調が効いていたのでそれほどではありませんでした(座ったのは一番奥)。
入るとカウンター席に紫煙を吐き出している女性がおひとり。
オープニング含め9話で構成された短編集(2人/3人芝居)、オチがなかなか洒落ています。
劇中、岡村孝子「心の草原」を聴くことができる...「夢の樹(1985)」を買ったきりで...有楽町マリオン朝日ホールに行ったことを思い出す...。
カウンター席に座っての演技、時々、マスターがカウンター内にいるものの、背中と横顔と紫煙によるお芝居。

東京虹子、7つの後悔
キ上の空論
三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)
2015/09/03 (木) ~ 2015/09/13 (日)公演終了
満足度★★★★
虹子を見た
みんないろいろあるよなあ、自分だけが辛いんじゃないよなあ。
私は虹子とは逆で、「言わなければよかったこと」のほうが多い人生だけれど
そういう人生も愛せるようになりたい。

パイドパイパー と、千年のセピラ
劇団ショウダウン
あうるすぽっと(東京都)
2015/09/04 (金) ~ 2015/09/06 (日)公演終了

マクベス - Paint it, Black!
流山児★事務所
座・高円寺1(東京都)
2015/08/14 (金) ~ 2015/08/23 (日)公演終了
満足度★★★★
破滅のカタルシス
四角く象られた広間と奥へ続く階段、段上に王の椅子、背後に通路。人が手前脇や奥脇、上段の上下から頻繁に出入りし、歌い、走る。階段の上手側に坂本弘道と諏訪創が控え、生演奏をしている。坂本氏のパフォーマンス色も健在だったが、シンプルなコード進行の短調の曲が多く、もっと猥雑感のある曲も欲しかった。
正方形の演技エリアの左右にも客席があり、自分は上手側に座ったが、装置、群舞など正面に向けて作られており、初めは若干淋しく感じたが次第に物語に引き込まれ、気にならなくなった。
マクベスと夫人の両頭が突出し、二人の微妙な関係性から導かれる王殺しと隠蔽工作の顛末が、鮮やかに描き出されている。アジアのどこかを舞台に置き換えたとの事だが、その特色はさほど印象に残らなかった。
この作品はやはり美味しい。狂気が手を血に染めて行く。宴席、無二の戦友バンクォーの亡霊を見て取り乱す場面などは、小気味良い。
ダンカン王の子孫の巻き返しが勢いづく中、再び魔女に会って身の保証を取り付けたマクベスは、「森が動いぬ限り大丈夫」「女から産まれた者の手にはかからない」という約束に束の間の安堵を得るが、ついに臣下からの「森が・・!」、そして城門を破った宿敵マクダフの奇異な出自を告げられる、その瞬間のマクベスの身体。ある選択の過ちが自らを破滅へと陥れた悔恨の断末魔は、カタルシスそのもので、この快楽の立役者は間違いなくマクベス役若杉宏二、夫人役伊藤弘子。また改めてシェイクスピアの「創造力」を噛みしめた。
テンポ感のある舞台処理により、美味しいマクベスになった。チラシにあった翻案や演出の斬新さよりは、戯曲の幹をしっかり見せる演出で、実直な舞台作りだったと思う。

南の島に雪が降る
劇団前進座
三越劇場(東京都)
2015/08/07 (金) ~ 2015/08/17 (月)公演終了
満足度★★★★
思い出し投稿☆本家の「南雪」
原作者加東大介の所属劇団による上演は必見と、観に行った。 (会場は武蔵野市民文化会館で、三越にあらず)
ベッド&メイキングスの同演目の公演は、「野外劇」の強みで、会場じたいが物語の舞台となったマノクワリの空気を肌身に感じさせ、この違いの大きさをまず実感した。
戦前から続く老舗劇団の領分は、歌舞伎や新派に近い人情劇かと、よく知らないながら思っていたが、演技のほうは大舞台向けの分かり易いどちらかと言えば大味な表現で、位置的には新劇に近いように思った。前進座に関わりのある俳優の演技を、最近見たときの印象とちょうど重なり、「前進座はあの演技」と、私の中では刻まれてしまった。一本見て決めつけるのも何であるが。
笑い所を作っていて、私の目にはうまく行ってないのだが、逆に新鮮で興味深かった。手が古いというか・・、いきなりその俳優にスポットが当たって強調され、一呼吸置いて台詞を言う、という演出がそこかしこにある。このお話にはユニークな登場人物とエピソードがあるので「笑い」に事欠かないが、それでも戦中、南島に放置された部隊の悲惨な大状況であるから、涙の場面にも事欠かない。小説の最後は、帰国した後に知った戦友の後日譚を紹介し、俳優である自身の抱負で締められている。舞台はどう締めるか。つぶさに覚えていないが、前進座の先輩が実際に体験したこのお話を、引き継いで行く、そのために劇団があり続ける事への決意、だったかな。加東大介とこの劇団との繋がりへと収斂して行くのは自然な事で、その部分は納得できた、という感想を持ったのは覚えている。
演芸部のリーダーだった加東役が語り手ではなく、その部下が語りをやり、リーダーの奮闘振りを紹介するという構図も、加東を大先輩と仰ぐ前進座ならではかも知れない。
難点を敢えて言えば、先述した「間」のあとの台詞、というパターン、そして全体に台詞を丁寧に言うので、テンポが緩くなり、「緩急」がいまいちである。これ以上のテンポにはならないと、観客が悟ってしまうと眠気に繋がる。スポットを当てて笑い所を作るなど、その俳優が重鎮で、気遣いからなのか?と余計な想像が膨らんでしまう。もっとも、劇団が抱える観客のニーズに応えているという事かも知れないが、、出来得るならば、新たな客にも受けやすい演出をぜひ。

果てまでの旅
玉田企画
アトリエ春風舎(東京都)
2015/09/05 (土) ~ 2015/09/14 (月)公演終了
満足度★★★★★
木下崇祥さんは今回はお休み/約100分
女子部屋に行きたくてウズウズしているイケてない男子中学生3人組を主役に、修学旅行の一夜が描かれる。
旅先の学生たちがオマヌケな状況に陥る様を好んで描く玉田さんだが、今作も学生生活に見られがちな“滑稽なひと幕”が目白押しで、ケラケラ笑いながら楽しく鑑賞。
そうしたシーンが笑いを生むのは、言うまでもなく、玉田さんの細やかな観察眼が反映されたリアルな人物造形、そして精妙な作劇の賜物。今作ではとりわけ、クラスのイケてるグループとイケてないグループの描き分けにただならぬ冴えを感じた。
そう言えば私の学生時代も、イケてる男子グループには本作同様、垢抜けたキレイめな女子がマスコットガールのようにくっ付いていたなぁ。。
本作を観て、そのことを少し忌々しい気分で思い出した。
ヤツらがうらやましかったよ。。

幼女Xの人生で一番楽しい数時間
範宙遊泳
こまばアゴラ劇場(東京都)
2015/09/02 (水) ~ 2015/09/07 (月)公演終了
満足度★★★★★
東京と言葉に直接向き合った切実さ
初演も「幼女Xの人生で一番楽しい数時間」という形で上演されていて(@新宿眼科画廊、2012)、初演を観た私としては「幼女X」は2部構成の1部であって、前半だけだと片落ちな感があります。
「幼女X」だけだと物語や世界感だけを追いがちになるのですが、「楽しい時間」とセットで考えることで、山本卓卓さんが書いてるのは世界感や物語、ましてや映像を使った「メディアミックス」的な「演出」ではなく、「言葉」と「人間関係」のずれ、違和感、ディスコミュニケーション、それでも言葉やコンテクストに依存しなければ人と触れ合う事ができない人間としての根源的な焦燥感のような物な気がしました。
そのため、「楽しい時間」という言葉と時間と関係が繋がらない、しかし伝えようという努力は決して止めることが出来ない、という作品が一緒だと見えやすい、と思いました。
「幼女X」に関してはアジア情勢が一気に変化する中でのアジア滞在制作を経て、東京・日本語に対峙せざるを得ないという切実さを強く感じます。
アジアだけでなく日本国内、地域の中でも震災後物凄いスピードで分断が進行していて、世代間だけでなく所得差や地域差、信条で大きく言葉も分断されて、同世代でさえ言葉が通じない・・と感じることが多くなりました。その哀しさ、しんどさ、絶望感の中で、それでも、コミュニケーションを取ろうとする意志、希望を感じる(信じる)作品だと受け取りました。
言葉を使ってコミュニケーションをとる人間である以上、誰もが無縁ではないはずなのですが、この分断に対して、切実感のある人とない人で受け取り方が分かれるだろう、と感じた作品でした。

パイドパイパー と、千年のセピラ
劇団ショウダウン
あうるすぽっと(東京都)
2015/09/04 (金) ~ 2015/09/06 (日)公演終了
満足度★★★★★
無題1587(15-276) 【千年のセピラ】
19:00の回(曇)。
18:30開場、19:00開演~19:40、休憩、19:57~20:42終演。日程決められずギリギリの予約で座席はI列。
「スピンオフ」ということで「パイドパイパー」に繋がるのですが、途中、(本編を観た人向けに)もっと伏線を張ってもいいのではないかと思いました。
ヒーロー/ヒロイン誕生秘話、たとえば「X-MEN ZERO」「STAR WARS EPISODE III:REVENGE OF THE SITH」「Batman Begins」。
本編「パイドパイパー」が先か本作「千年のセピラ」が先か...
本編を先に観ているので、逆だとどうなるか難しいところですが、最近は、一般的に(映画など)本編先行型ではないかなと思います。
舞台が(横/縦/奥)広いので走りながらや位置を変えてのセリフはやや苦しいかな...と、いろいろ改善点はあると思いながらもこのような表現形式に挑戦すること、それを見届けるのもいいのではないかと思うのでした。

中屋敷南 新作公演 欲望と女の子
セッションハウス
神楽坂セッションハウス(東京都)
2015/09/06 (日) ~ 2015/09/06 (日)公演終了
満足度★★★★
紙吹雪
60分。リズミカルなダンスから始まる、若々しい女性5人のダンス。女の子を前面に押し出し、その上でダンサー一人の髪をはさみで切ってしまうという一回公演の大胆が記憶に残る。カーテンコールでの大量の紙吹雪は今後何かをしでかしてくれる予感が残った。

紙の花たち
スポンジ
「劇」小劇場(東京都)
2015/09/02 (水) ~ 2015/09/06 (日)公演終了
満足度★★★
前衛的Stage
「いつか自分が狂うんじゃないかという恐怖を持っている」
インド映画の巨匠であったグル・ダット監督の作品を彷彿させる独特の香り漂うstageであった。
インド映画というと、歌って踊って・・・が特長であるが、この作品については、ストーリーよりもどこかArt(音楽や照明)に注力した印象を受けた。また、終始、脚本家が「孤独」にこだわる理由もラストで理解できた。
小豆島の方言がシリアスなシーンにほどよくマッチして最後まで安心感を持って観劇できた。

Dance Show Case in DBB vol.7 Creation 2015
La Danse Compagnie Kaleidoscope
Dance Brick Box(神奈川県)
2015/09/05 (土) ~ 2015/09/13 (日)公演終了

パイドパイパー と、千年のセピラ
劇団ショウダウン
あうるすぽっと(東京都)
2015/09/04 (金) ~ 2015/09/06 (日)公演終了
満足度★★★★★
無題1586(15-275) 【パイドパイパー】
11:30の回(曇)。
10:55会場着、受付(全席指定)、11:03開場。横に広い舞台(左右均等)、2階建て。11:27前説(アナウンス)、11:31開演の挨拶、開演~14:00終演。
「マナナン・マクリル(2014/8@風姿花伝/2015/1@BASE)」に続いて3公演目になります。
当パンに載っている「相関図」をみるとたくさんのカタカナ名、役者さん19名。小説でも映画でもカタカナ名を覚えるのが大の苦手で、本作も難易度が高く、また、座席はC列でしたが、時々、セリフが聴き取りにくいシーンがあり、筋を追うのに苦労しました。
騎士というと、ずっと昔「中世騎士物語(ブルフィンチ)」を読もうとして頓挫しました。ちゃんと読んでおけば多少は理解が深まったのでしょう。
本作の剣と魔法(笛)的な世界感はオーソドックな構成。「謎」を維持しながら最後に明かされるという展開は安心してお芝居に身をゆだねることができます。
個人的にはもう少し小さな会場が好みなのですが、2016/1はBASE THEATERとのことでまた観に行きます。

『空を見上げれば』
劇団 水色革命
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2015/09/02 (水) ~ 2015/09/06 (日)公演終了

ザムザ二アン
虫会
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2015/08/20 (木) ~ 2015/08/23 (日)公演終了
満足度★★★
思い出し投稿☆希少な恐怖演劇
客席の傾斜をキャンパスにありそな緩い段々に見立て、ステージに客席を組んだ。奥(上段)の両側と、下手前側の三箇所から出入りできる。広いキャンパスのセミ・パブリック空間が、序盤、大学の「らしい」現代口語劇を展開させるにふさわしい雰囲気を出していた。
一転、ミステリードラマに突入し、非日常な状況が起きてくると、「現代口語」を得意とするだろう学生俳優の「非日常でなさ」がたどたどしく印象づけられる事になった。が、それも含め、人が一人また一人消えて行く事態にかなり遅く対応するドラマとしてののんびりさ加減も含め、脱力系、などとレッテルを貼るつもりはないが、そこはかとない可笑しみが漂い、悪くない。
「自然体」演技の仕上がり具合は、高いレベルだったと思う。