#33経済3篇
JACROW
新宿シアタートップス(東京都)
2023/06/08 (木) ~ 2023/06/18 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/06/13 (火) 17:30
『つながるように』を観た。18分の小品。
今回同時上演の『さくろのような』{2015年初演・2019年再演)のスピンアウトで本作も2020年に上演だが、『ざくろ…』は観てるが本作は観てない。『ざくろ…』の主人公である技術者の夫婦のその後を描く。ちょうどコロナ禍が始まった中国での不条理やら葛藤やらを扱った二人芝居だが、劇団員の二人がしっかりとした演技を見せて、短いけれども楽しめる作品だった。コロナ初期の状況を描いてて、笑ってる客が多いが、私は笑えない。当パンを読む限り、中村は本作をオマケにしか思っていない気がする。
ホテル・ミラクルThe Final
feblaboプロデュース
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2023/06/08 (木) ~ 2023/06/20 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/06/12 (月) 20:00
シアターミラクル最後の公演と言うことで、今回観られて良かったです。
ラブホテル(ホテル・ミラクル)の一室で繰り広げられる男女のロマンス劇。
「STAY ver.」と「REST ver.」があり、それぞれ短編劇が5本ずつ。今回は「STAY」を観劇しました。
俳優たちが体を張った多様な性の在り方。一度の過ち。片想い。割り切り。不倫。風俗。
欲望の街、歌舞伎町だからこそ映える!そんな一夜のアバンチュール的芝居です。
R.P.G. ロール・プレーイング・ゲーム
ワンツーワークス
赤坂RED/THEATER(東京都)
2023/06/09 (金) ~ 2023/06/18 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
冒頭、一人のサラリーマンが二つの家族の「お父さん」を同時にやっていて、おやッと思った。気持ち悪いほど仲の良い「家族」はネットの疑似家族で、隙間風の吹いているのがリアルの家族(舞台ではそれを同じ空間で別俳優が同時に演じる)と分かってきて、題名の意味も分かってがぜん面白くなる。そして、「お父さん」が殺される。(この場面は一瞬だが、迫力ある)
以下、殺人事件の真相究明となるのだが、取調室と、マジックミラー越しの別室と、過去のネット家族たちと、取り残されたリアルお母さんと、最大4つの出来事を、同時に舞台上で演じさせる。こうした時空間の処理は見事。同じ場面を巻き戻して別角度から見たり、演劇的想像力を喚起される。
高校生16歳の娘役の川畑光瑠が、本当の高校生のようだった。イラついたり、落ち込んだり、不機嫌だったりが、思春期らしい不安定さをよく出していた。リアルお母さんの小林桃子の弱い女の底の強さ、ネット娘の東史子の強気の裏の寂しさ、人恋しさも、それぞれよく出ていた。
『バッドエンドを抱きしめて』
劇団グラスホップ
布施PEベース(大阪府)
2023/05/06 (土) ~ 2023/05/07 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
千秋楽観劇。
意識無くしたノノに寄り添うラン、そして被験体百八號を中心に物語は動き始める。
人体改造、人類の行く末は…
とても素敵なSF世界感。
ノノ&ランの少女感(こんなベルさん演技初見)、ザクロの冷徹さ、ナナシの忠義など見所多数。
面白かった。良かった!
中之島春の文化祭2023
ABCホールプロデュース公演
ABCホール (大阪府)
2023/05/05 (金) ~ 2023/05/06 (土)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
Fブロック観劇。
15周年おめでとう🎉
■変ホ長調:
4年ぶりに拝見。W頑張れ!
■壱劇屋:
寿司食いね!
とっても壱劇屋さんな公演でした!
■THE ROB CARLTON:
ホセ&リー&ビクターにもう1人(次回公演の…)。
もはや鉄板!面白いとしか言いようがない!愉しい!
■田川徳子とユニット美人:
魚を食い物にする奥様、人って恐っ!
田川さんとユニット美人さん、良い感じでした。
■MousePiece-ree:
ルパン&銭形と…ゲーム最高!
やはり大トリはマウスさんしか無いね!
あ~~~っ
4年ぶりの文化祭、本当に愉しかった♪
来年もお願いします!楽しみ!
中之島春の文化祭2023
ABCホールプロデュース公演
ABCホール (大阪府)
2023/05/05 (金) ~ 2023/05/06 (土)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
Eブロック観劇。
観応え有の回!
■NICO×frogs produce #関西の役者が踊ってみた:
想い出の住まいからの梅子の引っ越し!
とっても胸熱な展開でした。
■彗星マジック:
世界を無事に救った魔法少女のSecond Life!
ガンバ!
■喜劇結社バキュン!ズ:
全員が犯罪者?!
おっおっおっおっ面白っ!
■劇団レトルト内閣:
異星人がABCホールへ?!
1シチュエーションコメディ、愉しい!
■片岡自動車工業:
副音声収録の現場で、振り返りツッコミ!
そしてサプライズ!
中之島春の文化祭2023
ABCホールプロデュース公演
ABCホール (大阪府)
2023/05/05 (金) ~ 2023/05/06 (土)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
二日目一発目!
Dブロック観劇。
とても個性的な回でした!
■ダイナマイトしゃかりきサ~カス:
野外も良いがホールで聴くハーモニーも格別!
良かった。
■男肉 du Soleil:
何が何だか?誕生日おめでとう🎉
■笑の内閣:
こちらも個性的、生のZoom演劇、面白かった!
■ABCテレビアナウンス部です。:
聖職者狙う殺人犯は…恐っ!
今回は「最初からやり直し」は無しでしたが、その分、朗読を堪能!
■本若:
座長二宮さん大車輪の殺陣でした!
この夜は終わらぬ。
劇団俳優座
俳優座スタジオ(東京都)
2023/06/02 (金) ~ 2023/06/16 (金)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/06/10 (土)
夜の病院待合室での一幕劇。開演前お客さんが間違って舞台上のトイレに入ろうとしちゃうくらいリアルな舞台美術。さすがの俳優座の方々、年齢も様々なの方が所属しているのでできるんだな。
何度もホロっとし、ハッとして、日本人ってなんでこんなに!!???と怒ったり。
上演時間少し前から看護師さんや先生の出入りがあり、あ、伊藤毅(やしゃご)さんの脚本・演出だって思いましたわ。
あなたがわたしにくれるもの(がたり)
やみ・あがりシアター
王子小劇場(東京都)
2023/06/07 (水) ~ 2023/06/11 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/06/09 (金)
なんじゃこれ!!?写真撮影、SNS投稿、携帯電話なっても、トイレいってもOK!そうか実験発表会なのね。それなら納得よ。すごく楽しいわ。音楽劇のようなRPG世界。役者がもらったものでかたるという発表会。資源ごみ(段ボール)がどれだけ出たのかしら?役者さんたちはすべて持ち帰りできたのかしらと考えるとそれも笑える。
再生
ハイバイ
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2023/06/01 (木) ~ 2023/06/11 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/06/03 (土)
その生が尽きるまで何度でも再生できちゃうかも~。今も脳内再生しています。あの音楽、そして息遣い、動き…。8年前も最高に感激して今回もまた、アドレナリン出っ放し。一緒に踊りだしたかったけど回り見て小さくリズムを取っていましたよ。スタンディング席チャレンジしたかったな。アフタートークもなるほどで面白かった。
人魂を届けに
イキウメ
シアタートラム(東京都)
2023/05/16 (火) ~ 2023/06/11 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/06/02 (金)
「魂」「母」「運ぶ者」「子供たち」…面白いなぁ。いろいろなことを考えさせられるよね。そこがまたたまらなく好き。大きい懐の母親役、篠井英介さんがこれまた素敵。
透明人間
劇団唐組
雑司ヶ谷鬼子母神(東京都)
2023/05/20 (土) ~ 2023/05/28 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/05/28 (日)
久しぶりの唐組観劇。桟敷席が懐かしい。やっぱりこれだよね!って。演劇熱を感じ、大鶴美仁音さんがかわいくて光ってた。惚れちまうぜ。水槽の謎もあったりで、ラストの幕開けはもうね、最高でした!!
死んだら流石に愛しく思え
MCR
ザ・スズナリ(東京都)
2023/05/26 (金) ~ 2023/06/04 (日)公演終了
実演鑑賞
鑑賞日2023/05/26 (金)
初日観劇。あ~ダメ。私は好きじゃない。なんか悪を正当化しているような、「母」「女」のイメージが強烈でしたわ。笑えるところも「これ笑っていいとこ?」と思ってしまい固まってしまった。でもって後半の二面化が見えてくるところからは引き込まれたけどね。
其の女
Nana Produce
小劇場B1(東京都)
2023/05/24 (水) ~ 2023/05/28 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/05/24 (水)
原爆乙女の一人のその後。幸せって何だろうね。ご主人の死、息子との対話では涙が溢れました。
「その先の闇と光」
ISAWO BOOKSTORE
雑遊(東京都)
2023/06/03 (土) ~ 2023/06/11 (日)公演終了
実演鑑賞
A「壁の向こうの友人」B「明日は運動会」を観劇。
実際に起こった事件を題材にし、それぞれある一つの視点から描くことによって事件の本質なり、(大げさに言えば)日本社会の実像が描かれており目を見開かされる。Aは死刑制度の是非について、Bはマスコミ報道の在り方について、それぞれ考えるいいきっかけになったと思う。
ただそれぞれを一篇の物語として捉えた時に、もどかしさだったり釈然としない感情を抱いてしまった。Aでは被害者の兄が犯人に対して(タイトルにあるように)まるで友人に語り掛けるような口調だった。最後の面会で、何回も面会した理由と合わせてその理由にも言及していたがあまりに複雑な感情で理解することができなかった。これについては実際に被害者の兄が書いた手記が出版されているので是非読んでみたい。
Bは加害者の4人の子供たちが久々に集まった(長男が集めた)家族会議の目的が母の冤罪を兄弟全員で動画で投稿しようというもの。この設定自体何かピンとこなかったし、物語の落ち自体が決まっているので、自然と会話の中に興味を引かれそうなことを探すのだが不覚にも途中で眠気が襲ってきて、肝心な長姉の台詞を聞き逃してしまった。無念。いずれにしてもなかなか出会えない社会派(嫌な表現だが)の作品を観劇できたのは貴重な体験だった。
夢に向かって
パン・プランニング
博品館劇場(東京都)
2023/05/26 (金) ~ 2023/05/28 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
劇団バックステージ的ミュージカル、大人数だけど、皆さんキャラが立って大いに楽しめました。バックバンドがフロントに勝るとも劣らない活躍でした。
スイートホーム
制作「山口ちはる」プロデュース
シアター711(東京都)
2023/06/07 (水) ~ 2023/06/11 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
❤️チーム
シリアスでコメディなめっちゃ面白い作品!
三嶋悠莉さんしか知らずに行きましたが
うえのやまさおりさんの演技力
山本華さんの爆発力
高良紗那さんのオドオド感
橋本樹さんのクール感
良かったです❗️
台詞にあった大阪の1stが東京で理解されたかだけ心配!
初老の血
劇団 枕返し
北池袋 新生館シアター(東京都)
2023/06/09 (金) ~ 2023/06/11 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
ハードボイルドなヤクザ物がコメディ化するとこんな風になるのですね。えらくキャラが立った人たちのアットホームでちょっとシュールな人情劇、じわっと楽しめました。
『THUNDER』
エトエ
SCOOL(東京都)
2023/06/10 (土) ~ 2023/06/11 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
雷鳴は轟かなかったけど、ストレートなコントで実にイイ。ちょっとシュールなところもありますが、概ねわかりやすく老若男女楽しめます。お子様の観客たちも大笑い。
カストリ・エレジー
劇団民藝
紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)
2023/05/26 (金) ~ 2023/06/04 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鐘下作品上演とあれば目の色変わり、「破戒」に続いて民藝観劇。初の鐘下戯曲と老舗劇団との繋ぎ手として演出シライケイタ。氏の作る舞台はいまいちピンと来ない所があるが(彼の思う「劇的」のポイントが自分のと少し違うようで)、新劇団へのある種の先入観は払拭する力強い舞台であった。
冒頭、廃屋に逃げ込んだ二人が水筒の水のやりとり、やがて一方(阪本篤)が知能が人に劣る人物を形象していると判り、「二十日鼠と人間」の二人らしい台詞となる。「え?自分は民藝のカストリ・エレジーを観に来たのだっけ?別の公演に迷い込んだ訳では・・?」と一瞬記憶を巡らした。後で見れば本作はモーム作を下敷きにした作品とあり、納得したがそれほどに「二十日鼠」のやり取りが(作家的には意図的に)再現されていたという訳である。
二人はある長屋に流れ着く。強突張りの大家と、長屋をしばしば訪れるその女房・・というあたりはどん底である(二十日鼠にその要素があったかは不明)。二人組に序盤で出会ったもう一人との間で共有される「秘密」が物語のポイント。守ろうとするものと、それを脅かす「外敵」という構図を、長屋の人間たちという群像が取り囲んでいる。大家の女房は新顔の彼らにも興味を持つ。旦那の嫉妬心に火がつけばヤバい。そして物語が進むにつれ首をのぞかせる不安(「二十日鼠」での不安要素でもある)がある。図体がでかく知的に弱い彼には一つの趣味(性癖)があって、それは手触りの良い動物への執着。だが撫でる内にその怪力で絞め殺してしまう。冒頭でも密かにポケットに入れていた鼠の事を相方に見つけられ、「出せ」「いやだ」のやりとり。出した鼠はすでに圧死していた。
どん底からの借用部分は、長屋仲間の群像の形成に寄与しており、シベリアという渾名の者が、少し前まで大家女房と関係していた。過去形なのがミソで、心の穴を埋めに、(勿論シベリアの姿を探してもいるのだろうが)長屋を覗きに来ては男共への、あるいは人間への興味を無邪気に持つ。過去の人間である夫との生活から、未来を見たい人間としても形象している。
鐘下氏は物語の舞台を敗戦直後のどこかに設定し、氏特有の人間同士の情と本心が激しくぶつかり合うドラマを書いた。が二十日鼠のラストに集約させるには、シンプルな方が良い感じもある。二人組にもう一人加わる浮浪者(実は金を隠し持っている)や、長屋の風景は敗戦後という世相の背景を与えていて、それは大きな要素であるが、人間の「自由」への渇望というテーマを凝縮して提示するなら「どん底」か「二十日鼠と人間」か、どちらかを選んだ方が良いのでは?という作家を愚弄するに等しい身も蓋もない感想が浮かんでも来た。「この作品でしか見られない」風景が見たかった、というのは正直な思いである。戯曲、演出どちらの要素に関わるかは分からないが。。