最新の観てきた!クチコミ一覧

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MID騎士(KNIGHT)ミラージュ

MID騎士(KNIGHT)ミラージュ

無頼組合

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2015/12/11 (金) ~ 2015/12/14 (月)公演終了

満足度★★★★

安定のクオリティ。
冒頭の歌とダンスでさー、もうやられちゃうのよ。
あー、いいなーって思うの。
まずここで涙が出る(笑)
ストーリーの核の部分が今回は今までで1番良かった。

時代絵巻AsH 其ノ七 『朱炎〜あけぼの〜』

時代絵巻AsH 其ノ七 『朱炎〜あけぼの〜』

時代絵巻 AsH

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2015/12/10 (木) ~ 2015/12/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

切なく美しかった
お互いの事を大切に思いながらも、戦いを選択した男達の哀しく切ないストーリーで泣けてきました。そして、とても美しく感じました。役者さん達は全力で演じていて、とても良かったです。景虎を演じた黒崎さんの出陣シーンが神々しくさえ感じました。目頭の熱くなる、感動的な舞台で、大満足でした。

ツインズ

ツインズ

パルコ・プロデュース

PARCO劇場(東京都)

2015/12/06 (日) ~ 2015/12/30 (水)公演終了

満足度★★★

作風の灰汁の強さ
安部公房と北村想が合体した映画「バクダッドカフェ」+「渚にて」、てな印象。個性的なキャストに期待はあったけど、全体的にモノトーンな雰囲気で、見ているだけで感情が薄暗いままうつむき加減で見てしまいそうだった。調理場面も多い為、少しお腹を充しておかないと舞台上からの匂いにやられるw。
各自、個性的な人物設定の印象が残り、サイドストーリーで見たら、もっと話が理解できたんじゃないか、人物の枝葉の部分がダイジェスト的展開、と思った。
今回のお話(暴力とか性描写セリフなど)、渡英前の阿佐スパの作品をいくつか思い出したが、何と無くその時の作風に戻りかけてるのかな。
約2時間。

ネタバレBOX

海辺で暮らす家族。一族の父親は瀕死状態。そこに一家の次男と娘が帰ってきたところで話が始まるが、その男、バットを片手に、男女に殴りかかる加減を知らない男。それをなだめようとする兄。生傷絶えない人たち。料理番の男は、出どころが定かでない食材を使い、皆に食べさせるがかなり美味いらしい。
看護師が産んだ男女の双子=ツインズがいて、ある日、その双子が海に流されて行方不明になってしまい。ぞんざいな扱いの双子は、後々解釈出来そうだが、なんか勿体つけたまま時間経過した感じで終盤にかけ尻窄みになってしまった大作コミックを読んだみたいな。パンフレットを読んだら補足されているのかななどと、一回限りで見ただけで理解するのに少し難儀な舞台でした。
『痕跡≪あとあと≫』◆◇終演。ご来場ありがとうございました!!!◇◆

『痕跡≪あとあと≫』◆◇終演。ご来場ありがとうございました!!!◇◆

KAKUTA

シアタートラム(東京都)

2015/12/05 (土) ~ 2015/12/14 (月)公演終了

満足度★★★★★

良作
劇団結成して20周年だとか。
円形劇場での初演も見て、見せ方も面白かったし役者さんも素晴らしかったし、話もわかっているし。リピートして見ても感慨も薄いだろうな、と思いつつ劇場の使い方がどう変化しているのか見たくて見に行った。
わかっているのに、世代の違う母の行動とそれぞれの意思の強さに今回もまんまとボロ泣き。

円形のステージを彷彿とさせる見せ方も面白かったです。

その王国の夜は明けない

その王国の夜は明けない

シアターノーチラス

シアター711(東京都)

2015/12/09 (水) ~ 2015/12/13 (日)公演終了

満足度★★★★

シアターノーチラスの「今」が今作=いろいろと右肩上がりかな(^^)と感じました
EX:個々の登場人物の作り込みは凄かったと・・・・・

BGMの少ない作品で=台詞と雰囲気が重苦しい感じで、
緊張感を観客に強くしいるかしら?と思えた1時間50分。

体調=特にメンタルな方が万全でないとダメージを食らうかも・・とも思えたデスよ

ネタバレBOX

内容は簡単に言うと「店長、カフェ閉めるってよ」って感じかな(^^;)

WORKING!!・・・みたいな登場人物群ではあるが・・・、
そんな明るいコメディさは微塵も無いのが本作であります(^^;)。

開店30分前に全スタッフが集められて1週間後の急な閉店を知らされ、
各々が思うところ・仕事・生き方等に考えさせられ動くお話=
で開店準備し、さぁ店を開けるぞってとこで終演となる物語。
(「はたらく魔王さま」のように特に能力や志の高い人物もいなかったなぁ・・)

生きる事に足掻いて悩んで苦しんでるといった群像劇ですかね
(「暴力脱獄」の主人公みたく全力で生きるってことも知らなそうな・やらなそうな多数の従業員さんらが、とこが皆残念系って感も受けたデスよ)でも中では自分の欲望に忠実で、その欲の達成に全力ではあるが。それが自分の”生”だと思うと虚しさを感じてしまうというOLさんは何か哀愁でしたなぁ・・・。

ポーラー

ポーラー

金曜の夜の集会

小劇場 楽園(東京都)

2015/12/10 (木) ~ 2015/12/13 (日)公演終了

満足度★★★

ファンタジー色よりもSF観が強かったかしら
言葉遊びが気に入るかが好みの分かれるところかなって思えたさ

ファンタジーでもファタモルガーナ系は久々で楽しかった♪

あゆみ(長編)

あゆみ(長編)

野方スタジオ

野方スタジオ(東京都)

2015/11/19 (木) ~ 2015/11/25 (水)公演終了

満足度★★★★

初「あゆみ」。野方にて。
マンションの一室をスタジオとして運営しているこの場所で、先日シアターミラクル公演を終えたばかりのfeblabo作「あゆみ」を間近に観た。長方形のスペースを壁沿いに椅子で囲み、役者がハケる場所は客席の輪の中の椅子数個のみ。主人公あゆみの誕生からの一生の物語は、「歩む」形態をとりながら描かれ、客席の輪の内側を円状の道として進みながら、女優らが入れ替わり立ち替わり主人公や母、友達、同僚その他諸々を演じる。主人公の女の子も一人ではない、というのがミソだ。入れ替わりも潔く快い。膝の先30cm位を役者たちが横切ると風を感じるほどの接近具合で、時おり目が合うことも。観客数は「本日最多」との主宰の弁だが、狭い部屋の中、対面の客の顔もくっきり見え、他のお客はどう見ているんだろうとつい表情を覗いてしまう。・・そうした全てが新鮮で、面白かった。
舞台の出来としては、何より女優たちの好演が大きい。出ずっぱり、快活、しなやか、爽快だった。全員が同時に中央に立つ事はないが、椅子に座っている間も安閑とはできず、劇が流れる時間を呼吸し、スムーズにバトンして行く。全てを7人が総力で作り上げた舞台、爽快。

作品は、柴幸男らしい(といっても「わが星」位しか知らないが)、人生という「時間を俯瞰」する作品で、印象的なエピソードを織り込みながら進行する。展開がリズミカルで、そのリズムは終り近く、「山を登る」スローな歩行として、人生の道行きの比喩となる。歩行する彼女の「想念」に浮かぶシーンとして、それまで紹介されたエピソードの謎解き(後日談など)が簡明に点描される。この「進んで行く」感は、音楽のように響いてエピソードと併走する効果を持つ。うまい。
 野方スタジオという小さな主体のプロデュースとして、この美しい演劇が生み出された事は、様々な可能性を開かせる話題だと思う。無から何かを生み出す「創造」の営為が、演劇である。

 「あゆみ」という作品について。ここには「感動」の典型的なモデルがある(意味が重複しているが・・)。この点が考えさせどころなのだが、最初の投稿では雑な思考そのままを書いてしまった。書き改めたら、ネタバレに載せることにする。

ロボットの未来・改(またはつながらない星と星)

ロボットの未来・改(またはつながらない星と星)

中野成樹+フランケンズ

アキバナビスペース(東京都)

2015/11/20 (金) ~ 2015/11/25 (水)公演終了

満足度★★★

ロボットと人間の境界
人間をその比較対象とする場合の「ロボット」とは、ロボット的存在・・即ち、明確な目的がありそのための行為(仕事)を行う存在のことで、人間がロボット的である局面を見出すことが目論見の一方。他方ではロボットが人間に近づき、「人間的」という尺度において精度を増したときの、ロボットの「人間的」あり方を見出す。時代を、既にそんなロボットが登場している未来に設定し、一見区別のつかないロボットと人間が共存している状況を、今の私たちの生活風景の延長として眺めてみる・・ そこがこの作品の狙いだろうかと思う。
このアプローチで多彩なシーンを連ねた「ロボット・人間エピソード集」となっており、精神科のカウンセリングに来る相談者と医師との対話など、興味深いシーンも幾つかあった。しかし、この着想が触手を伸ばし得るだけの幅は各エピソードに見られるのだが、一つ漠然とした印象を脱せなかったのはなぜか・・。 うまく言えないが「主語」が統一されていない感じ、とでも言おうか、見方を統一できない感じが残った。人間にとって切実な問題につながる警告というようなものになっている訳ではなく、面白がるならもっとやっちゃって良いのではないか、とも思う。あるいは、表現上の拙さの問題だろうか(俳優の)。
 ロボット=人間論は面白いテーマだ。テキストの練り上げの余地があり、今後もバージョンを変えるなどで(断続的にでも、シリーズ化などして)温めていってほしい。

ビーイング・アライブ

ビーイング・アライブ

ワンツーワークス

赤坂RED/THEATER(東京都)

2015/12/11 (金) ~ 2015/12/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

面白い!
明日は我が身。そんなリアリティ溢れるテーマを扱った作品。シュールではあるが、笑いも散りばめられているので救われる。

【『比丘尼』全公演終了しました。御来場、誠にありがとうございました!】

【『比丘尼』全公演終了しました。御来場、誠にありがとうございました!】

殺陣集団 伽羅牡丹

調布市せんがわ劇場(東京都)

2015/12/11 (金) ~ 2015/12/13 (日)公演終了

満足度★★★★

観てきました
日本の人魚伝説 八百比丘尼をもとの舞台だと思います

人魚姫とは違てなかなかハードでありました。
ただ小さい子どもさんが私の近くに二人いたのですが
最後まで飽きないで見入っていたので子どもは楽しかったようです

殺陣と話しの両立はなかなか難しいものでしょう

かっこいい俳優さんが多かったのでぜひ次回さらなる成長期待しています

クリスマス解放戦線

クリスマス解放戦線

渡辺源四郎商店

こまばアゴラ劇場(東京都)

2015/11/21 (土) ~ 2015/11/23 (月)公演終了

満足度★★★★

バブル風味の運動ソース、禁欲のカルト添え
設定が明快でスパイスが効いた現代風刺・近未来劇。現実離れもここまで行っちゃ・・と突っ込み入れるも一々人間(社会)のウィークポイントを穿ってるからその風刺に笑って見進めれば、最後にはしっかりとオチが。達つぁんの「クリスマスイブ」がプロテストソングとは、これ如何に。。あり得なくもない話に思えてしまっているのが、不思議である。

ネタバレBOX

クリスマス禁止令がバブル期を頂点に見られた日本人の「醜悪」を理由として発布され、権力による監視体制も厳しい。これにささやかに抵抗しているグループがある。そのリーダーの自宅(?あるいは拠点)でクリスマスイブの日、クリスマスを祝う、というイベントをやろうとしており、全国の大学サークルに散らばっているメンバー達が集ってくる。が、やって来るメンバーは先輩から引き継いで来たという者(その先輩はもう就活で続けられないとか、先細りの雰囲気も少々)や友達と名乗る者もいる。ツリーはT、モールはM、などの暗号で指示をしあい、ドアの外で合言葉を言ったりする。さて集まった中にスパイがおり、摘発となるが、そこへ武装グループの救助の手が入る。しかし彼らはサンタクロースが実在すると信じるカルト集団であった。禁欲という点において管理社会と彼らの教義は志向が重なるが、カルトのほうが非科学非合理にみえ、しかし権力の向かう方向を支持するわけにも行かない。大学を留年しまくってる主人公の男は、そのどれにも屈せず与せず、ただひたすら、(サンタも信じず)ツリーの電飾と音楽の中でロウソクを立てたケーキをカットして食べ、好きな人にプレゼントを渡すという、言わば「企業戦略にまんまと乗っかった」ようなクリスマスを守ろうとしているのだ。このノンポリさ加減は普通なら侮蔑の対象にさえなりそうだが、彼はそこにだけこだわる。その強いこだわりの理由が、芝居の冒頭、闘争の最前線へと上京して行った前のリーダー(女性)との事に発していることは観客は周知だ。が、ラストはふいに訪れる。嵐が吹き荒れた後、彼が一人残ったその部屋に、10年前別れたその元リーダー、あの日プレゼントを渡しそびれた彼女が戻ってくる、冒頭で交わした合言葉を言って・・。そこで交わされるのは、彼女の近況報告(夫がおり今妊娠している)と男の簡単な現状報告。静かな会話の「間」に青春の初々しさがゆったりと流れ、やがてさよならとなるが、彼女を呼び止めた主人公は、10年越しのプレゼントを箱から取り出し、次々に渡す。恐らく、毎年用意していたのだろう(笑)。・・・そんなささやかなクリスマスの時間のような平和を奪うものはすぐそこに近づいているのかも知れない。
ねじられた周波数

ねじられた周波数

創像工房 in front of.

ザムザ阿佐谷(東京都)

2015/12/10 (木) ~ 2015/12/13 (日)公演終了

満足度★★★

実存的他者と出会うべし
 2人兄弟の弟の方が、多重人格障害を負っている兄弟の話なのだが、何だか腑に落ちないと観劇中に感じて居た原因が、分かった。

ネタバレBOX

今作では、生まれることができなかった三男が、二男の別人格して登場するのであるが、通常心理学的には、多重人格障害を持つに至った患者の多くが、小さな頃に虐待受けていたり、戦争による深いトラウマを抱えていたりすることが、発症の原因である。
 然し、今作では、この世に存在したことがない三男が、存在したかったというパトスだけで、キチンと産んでくれなかった母を殺したり、二男が現れていない時に三男が現れてそういう行為に至ったことを隠す為に、長男が事件現場に火を放ったりと、主体の置き方が誤っていることによって生じた論理破綻を、恰も自同律の永劫回帰のように見せ掛けている。
 自分にもなるほどと思えるケースは、二男が何らかの理由で深い魂の傷を負い、その為に他の人格を作りだしてゆくという形にすると、その悲劇性を際立たせることができると考える。出てこない父が、二男の目の前で特高の凄惨な拷問によって殺された等でもよかろう。戦争プロパガンダの話も出てくるのだし、日本の特高の拷問は凄まじいものであったのは事実であるから。まして、安倍のような阿呆が、戦前・戦中の治安維持法より悪い法を成立させているし、更に悪化させようしている最中でもあるのだから。
わかれ道のリテラシー

わかれ道のリテラシー

9-States

小劇場B1(東京都)

2015/12/09 (水) ~ 2015/12/13 (日)公演終了

満足度★★★

?
残念ながら、好みに合わなかった。

【『比丘尼』全公演終了しました。御来場、誠にありがとうございました!】

【『比丘尼』全公演終了しました。御来場、誠にありがとうございました!】

殺陣集団 伽羅牡丹

調布市せんがわ劇場(東京都)

2015/12/11 (金) ~ 2015/12/13 (日)公演終了

満足度★★★

形而上学不在
 殺陣のグループということもあって、シナリオは表層的で、比丘尼の生き続けなければならぬという宿命の呪わしさは全然出てこない。

ネタバレBOX

一応、八百比丘尼らしき謎の尼は出てくるが、それが確実にそうと分かる仕掛けにはなっておらず、彼女は、その宿命を嘆くという訳でもない。寧ろ、ヒロイン、椿の生涯を淡々と語る、語り部的存在である。
 まあ、重点を置いている所が違うから仕方がないと言えばそれまでだが、もう少し形而上学的な視点も入れる方が物語としては面白くなろう。構造的にはメタに持ってゆけるのに、そうなっていないのは作・演出が複眼的思考をしていないからであろう。視座が単一だからメタ化できないのだ。これでは、芝居を観なれた観客には退屈である。
 殺陣のグループということで、身体性の高さと殺陣は一定評価できる。
スポケーンの左手

スポケーンの左手

シーエイティプロデュース

シアタートラム(東京都)

2015/11/14 (土) ~ 2015/11/29 (日)公演終了

満足度★★★★

作家はしてやったり。左手にまつわるお話。して舞台は。
小川絵梨子演出舞台を暫く観ていない・・という理由で奮発してチケットを買った。私が初めて小川演出を観たのは同じシアタートラムで上演された「クリプトグラム」だったか、イキウメの芝居だったか・・前者では誠実な印象を受け、また新国立「OPUS/作品」もまず楽器の扱いがgood!、脚本共々よく出来た舞台だった。他の二作程がいまいちと感じた、その原因を今思い出す・・・なるほど。
それは、小川氏が取り上げた作品を、演出家としてスマートにスタイリッシュに形にする、試みや技術を見せられている感触が強く残り、演出家が作品そのものをどう捉え、作家がはき出そうとしている何かを、どう咀嚼して自らも提示しようとしているかという部分、演出という仕事についての議論になって来るだろうけれど、私としてはそこが見えないのは不満、そしてそれは脚本のせいではなく演出が踏み込んでいないからではないか・・と感じたのがその中身だ。
今回の上演にそれが当てはまるのかは判らないが、トラムでの一時間半弱の芝居が終わったとき、どうやら作者はこのあたりを狙っていたのだろう・・と、本上演とは異なる形を想像して補い、それで漸く納得して劇場を出られたという事があった。
このお話は、様々な解釈の余地があって面白い。鍵となるのは中嶋しゅう演じる左手の無い初老の男、彼は十代の頃同年代の悪い連中によって、山あいを通る線路に左腕を押しつけられ、列車にひかれた。そしてはね飛ばされた手首は連中の一人が持ち、去り際に「さいなら」と手で挨拶し、持ち去ってしまった・・と、言う。以来彼は(それを始めたのが何時かは判らないが)その連中と、左手を探し続けている。・・そして物語は、彼が探しているという左手、本物でない左手を差し出して報酬を得ようとしたあるカップルが、目論見を見破られ、男は怒り心頭に発している所から始まる。
ドラマ構造としてはミステリーで、呻き声の聞こえる物置に向かって銃を撃ち込む衝撃なシーンから、そこに居る男と彼に関わる二人の背景が、徐々に明らかになる。
人物は三人の他、ホテル(そこはその一室)のフロント係(一癖ある男)の計四人。このフロント係はこの芝居の中では、左手の無い男を巡る話の本質からややズレた一人語りのシーンが長くあり、それは男に対して「死を恐れない」態度を取る事の真実味を与える背景とはなるが、語りの時間は独自で不思議な魅力を放つシーンとして成立している。・・それはともかく、謎解きがほぼ終えた「現在」、事態は「左手」を巡るやり取りにおいて、既に結論は出ていて、男は怒っているが二人を懲らしめて左手が出てくる訳ではない。そこで作者は男に過去や心情を語らせているのだ。
さて、終盤に決定的な「謎解き」のヒントを見たように観客が思う一瞬のシーンがある。男が何度も偽物をつかまされてきた、その数だけ彼のトランクの中に大量の左手(のミイラ)が入っており、手錠をはめられたカップルが男の不在中トランクを開けてその衝撃の物体たちを見る、というシーンの後、男が戻って来て部屋を撤収する際、ぶちまけられた手を拾ってトランクにしまうのだが、一つだけ残る(なぜ残すのかの説明が十分でないのでわざとらしいがそれはともかく)。そして二人が去って他者の視線の無い間に、男はその残った手を拾い、「おや?」と見直して、自分の右手と比べてみる。自分のものかも知れない、と思う。が、その考えを打ち消す・・という一連の動作だ。ここには、左手探しが彼の生き甲斐となっており、本当に見つかる訳には行かない事情が垣間見えたりもする。
・・さてそうなった時、ドラマは何を提示できるか。
男は自分の「不幸」を語るが、なぜその連中が彼の手を奪ったのかについての彼の考えは明らかにしない。左手を取り戻すという決意は、あまりに不条理な扱いを受けた事実に対する、きわめて正当な態度だ、という事は出来る。もしかしたら・・と、観客はその事への思いを馳せる事もできる。が、彼は何かを伏せているのではないか、という疑念を挟む余地も十分にある。自分の落ち度を棚に上げ、怒りに身を預ける事で己の弱点と向き合う事を拒んでいる・・そういう考えるもこのドラマでは自然だ。男が手にとった「手」をドアに投げつけて言う最後のセリフ「畜生!」に、含まれる意味合いは多義的であり、また、彼の人生という大きな荷物に対して吐かれた台詞でもありそうだ。大きな大きな、大事な大事な、人生が「左手」ごとき(とは語弊もあろうが)に左右されてしまったことへの、嘆きをうっちゃろうとする「畜生」であるならば、これは役者冥利につきる大いに含蓄ある「畜生」を放ってほしかった。(またそこまでの演技であってほしかった)というのが感想だ。
このドラマが人物の「変化」の予兆を書き込んで居ないようには思えないのだ。

東名人間現る‼

東名人間現る‼

順風男女

OFF OFFシアター(東京都)

2015/12/08 (火) ~ 2015/12/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

東名人間って!
高校時代のけんかの仕返しがしたくて、東京と名古屋を何度となく行き来する小心男が主人公ですが、ひとつひとつのお話がコントとしても成立していると言う、初めて見るタイプのお芝居でした。コントですからもちろん可笑しくて笑い転げてしまいましたが、中にはなかなか含蓄のある「いいおじいさんと悪いおじいさんと普通のおじいさん」の話もあって「なるほどな」と思ってしまいました。みなさん早変わりでいろんな人を演じていて面白かったです。主人公役の南さんも幼稚園児やらお地蔵様やら汗だくでしたが素敵でした。

談ス

談ス

北九州芸術劇場

J:COM北九州芸術劇場 中劇場(福岡県)

2015/12/12 (土) ~ 2015/12/13 (日)公演終了

満足度★★★

肺は大丈夫か。
あんなにパワープレイで息づかいが荒く、終盤はチョークもかなり粉々で、まっていたかはわからないけれど、かなりすいこんではいなかったでしょうか。というのも感じさせない身体表現とコミカルなシーンで構成された、あっという間のひとときでした。

BATIKレパートリーシリーズ vol.02

BATIKレパートリーシリーズ vol.02

BATIK(黒田育世)

森下スタジオ(東京都)

2015/12/11 (金) ~ 2015/12/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

無題1690(15-379)
15:00の回(小雨)

14:30受付(整理番号あり)、14:45開場(靴は脱いで)。桟敷席2列、椅子席。
15:06前説(途中20分の休憩有)、開演~15:48、休憩、16:07~16:48終演。

シアターイーストでの「春の祭典」はダメでしたが、今夜は凄くよく感じました。

d-倉庫での「ダンスがみたい! 17」のおかげだと思います。

ツル子の恩返し

ツル子の恩返し

劇団 go to

FUCA(福岡県)

2015/12/11 (金) ~ 2015/12/13 (日)公演終了

満足度★★★

集中しなさい!
って言われると気が散っちゃいますね。写経をしながら自分と向き合って、願い事まで叶えてくれたら。でも、そんなにうまくはいきません。客席の近くにて表情の変化で笑わせていただきました。

MID騎士(KNIGHT)ミラージュ

MID騎士(KNIGHT)ミラージュ

無頼組合

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2015/12/11 (金) ~ 2015/12/14 (月)公演終了

満足度★★★★

前作から続けて観劇しました
1時間50分を長いと思わせない、楽しい公演でした。
銃撃戦の演出がとても好きです。

何役も兼ねる方が多いので、
当日パンフレットの中には写真入りで、
裏には身分と役名キャスト名の一覧で掲載されている今回の方式、
とてもいいなぁと思いました。
アンケート書く際にも重宝しました。

あと2つで騎士シリーズ最終回ということで…
今後の展開が気になります。

ネタバレBOX


逃亡中のわりにそんな大声で叫んでたら見つかっちゃうよー! と、
ハラハラしながら見てました。
何もない舞台上に様々な道を作る演出は、
何が出てくるか予想がつかなくてとても楽しいです。

夜景を見て、「あの灯りが、私の国にもほしい」という
ヒラリオくんの言葉に心が動きました。
あと、南雲さんの「この国の情のなさ…」てな言葉にも
皮肉だなぁと、心がずきっとしました。

お約束だと思われるカオスからの1曲や、素になってしまうシーンも
好みがわかれるとは思いますが、
この作品のテンションと座席数の劇場ならアリだなぁと思いました。

オカマは何というかすごく…すごかったです(笑

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