最新の観てきた!クチコミ一覧

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散歩する侵略者

散歩する侵略者

踊場海月

中野スタジオあくとれ(東京都)

2025/12/19 (金) ~ 2025/12/21 (日)公演終了

実演鑑賞

イキウメ初期の代表作と言える日常に危機が忍び寄るSF作だが、他劇団による挑戦を楽しみに見た。(若手の面々とは承知だが出演陣に前観たポッキリくれよんズ所属俳優あり一定のレベルは約束と保険は掛けた。)
つくづく良い脚本だと改めて気づかせてもらった。小さい地下空間あくとれを狭いと感じさせず脚本の描く世界をどうにか具現していた。欲を言えば若手の演技は一本気で脚本に僅かながら仕込まれた笑いを成立させるに至らず、人物の行為のリアルな組立てという点ではやはりもう一歩であったのだが、危機の実態を凡そ把握し共有するに至った段階での、人間模様(事態の解決に邁進、とはならない。何が解決なのか糸口は皆目見えないからである)=本作の真骨頂と言える場面でそれを挽回するかのような瞬間が訪れる。脇筋であるが「所有」概念を奪われて平和を叫び始めた先輩(かつては世を斜に見たフザケたアウトロー)の変貌に失望しながらも執拗に追っていた後輩が、全てを飲み込んだ上で自分は付いて行く、と言う。そしてラスト、本筋において夫を乗っ取られた妻と「彼」の新たな愛からの決断の場面。
ギリシャ悲劇を持ち出すのも何だが、この普遍的テーマにこのような結末を与える作品、類似品は二つ生まれないだろう。SFでしか作れない仕掛けだが何故か切なくも懐かしい。
よく上演してくれた有難うと、えらく素直な気持ちが湧いてきたものであった。

怪物の家

怪物の家

日本映画大学 身体表現・俳優コース

サンモールスタジオ(東京都)

2025/12/19 (金) ~ 2025/12/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

俳優が学生で、卒業公演だろうが、戯曲と演出が良ければここまでの傑作を作れる、という見本的な作品。
蜷川幸雄、清水邦夫、唐十郎などを観たことある方にはたまらない作風で、かなりの見応えがあった。

焼肉ドラゴン

焼肉ドラゴン

新国立劇場

新国立劇場 中劇場(東京都)

2025/12/19 (金) ~ 2025/12/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

スタンディングオベーションで四度のカーテンコール
あんなに長く拍手してたのは人生初めてでした
鄭義信さんが横通って舞台に上がって行くとき拍手が贈れて良かったです

ストア派おじさん、故郷に帰る

ストア派おじさん、故郷に帰る

工藤俊作プロデュース プロジェクトKUTO-10

ウイングフィールド(大阪府)

2025/03/03 (月) ~ 2025/03/09 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

劇中劇が現実で、現実が劇中劇で?🤔
ストイックになれない脚本家の実家と、カササギがいなくなった世界が危険😱

理性で行動(ストア)しようとしても
「正しいと分かっていても、感情で出来ない」物語。
面白かった💕

泣き虫なまいき石川啄木

泣き虫なまいき石川啄木

こまつ座

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2025/12/05 (金) ~ 2025/12/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/12/21 (日) 13:00

座席1階

何年かぶりの再演で、初めてこの作品を拝見した。タイトルにあるような石川啄木に焦点を絞った戯曲ではなく、その家族や友人の群像劇。「一握の砂」など庶民の生活や心を描いた歌人の人生に関わった人たちの人間物語だ。

あくまで啄木の物語だから周囲の人たちは脇役ということになるが、どの役者も素晴らしい存在感である。なかでもこまつ座にたびたび出る山西惇は出色の出来。啄木の父で、酒に溺れ赤貧の家族の貴重な着物まで質入れしてしまう禅宗の坊主という役どころだが、とんでもない男なのになぜか憎めないキャラクターを演じ切っている。
ほぼ全員が二役で、その味わいもいい。物語に大きな起伏があるわけでなく、舞台はほぼ一貫して啄木一家が暮らした東京の下宿で展開されるが、休憩を挟んで3時間飽きることはない。脚本に力がみなぎっているだけでなく、役者たちの力の結集が大きい。こまつ座の舞台のなかでも、とてもいい座組だったと思う。再度のカーテンコール、スタンディングオベーションはむべなるかな、だ。
ただ、舞台転換の暗転が少し長いのが難点。少し間延びする時間があったのは惜しまれる。

舞台『25Magic』

舞台『25Magic』

Alexandrite Stage

新宿村LIVE(東京都)

2025/12/12 (金) ~ 2025/12/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

準備不足で予習なしに観劇したが、ちょっとメルヘン、ちょっと心温まる、クリスマスっていいな、と感じるお芝居でした。
ストーリーの起承転結、3組の男女の物語が、それぞれの要素を置いてきぼりにすることなく展開します。
歌、踊りもありましたが、22人のキャスト、各々が個性を持っていて、脚本、演出もそれをじょうずに引き出していました。
舞台と観客席のinteractiveなやりとりも多く、舞台との距離がとても近く感じたのはとても印象に残りました。

元宝塚女優の姿勢がとてもよかったです~

「​​沈む。躍れ、ひとり」

「​​沈む。躍れ、ひとり」

万博設計

AI・HALL(兵庫県)

2025/11/28 (金) ~ 2025/11/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

作者曰く、ある種の「病人」を描いた作品

震災後の荒廃した所に住んでいる住人たち
家族を失った人、絶望感に打ちひしがれてる人などみんな病んでしまってるのかも人たちのコミニティーにドラマがあった

そんな人の悲哀を演じる役者さん
演出などもあり、最後まで見入ってしまった

感情移入せず、俯瞰でその人間模様を楽した
色々と考えさせられる作品だった

焼肉ドラゴン

焼肉ドラゴン

新国立劇場

新国立劇場 中劇場(東京都)

2025/12/19 (金) ~ 2025/12/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

10月から2回目。
小劇場から中劇場に変わったが観ている側からすれば全く同じ感覚。出演者は呉日白(オ・イルベク)役のキム・ムンシク氏が健康上の理由で降板、チョウ・トガン氏に変わったのみ。チョウ・トガン氏はタカアンドトシのトシっぽい。

演劇として完璧な作品にも思える。観客に芝居を体感させるアトラクション的な開かれ方。特に自分が敬服するのはイ・ヨンソク氏とコ・スヒさん。韓国人の俳優の為、他の情報が一切なく今作の登場人物そのものとして観てしまう。この佇まいは他の人に代え難い。全てを受け入れる片腕ドラゴンと自分の宿命を呪い、すぐ「南無阿弥陀仏(ナムアミタブル)」を唱える高英順(コ・ヨンスン)夫妻役。二人は済州島(チェジュド)出身だが1948年(昭和23年)4月に始まった「済州島四・三事件」によって故郷の村も親族も全て失われる。済州島は日本の沖縄的な島で元々は流刑地。第二次世界大戦後、南北統一した独立国家を求める島民に対し、反共を掲げる米国統治の韓国軍が住民を虐殺。大虐殺と脱出の結果、28万人いた住民は3万人まで減った。何もかもを失くした二人の出来ることは働くこと。働いて働いて働いて働いた。

村川絵梨さんは安田成美を思わせる正統派美人。このルックスで演技もこのレヴェルなら怖いものなし。
智順(ちすん)さんは鈴木京香的。「や゛め゛で〜!!」が響き渡る。
石原由宇氏は森脇健児に見えた。

これで終わりとは考えられない。
観客の声から必ず復活上演されると思う。
素晴らしかった。

ネタバレBOX

2年前、息子のいつも居たトタン屋根の上にのぼって一緒に桜吹雪を眺めたことを述懐するラスト。
「春の風に桜が舞うとる。えぇ心持ちや。こんな日は明日が信じられる。たとえ昨日がどんなでも明日はきっとえぇ日になる。」
必ず明日は良い日になる。全てはうまくいく。

※開演前、隣人役の松永玲子さんが右足ギプス、松葉杖にて登場。前回とキャラ変えてきたなと思ったが智順さんの右脚のキズと被る為不思議に思う。他の役も全て松葉杖で演じた為、ガチの骨折と知る。
新装改編版 『世界の果てからこんにちはⅡ』

新装改編版 『世界の果てからこんにちはⅡ』

SCOT

吉祥寺シアター(東京都)

2025/12/12 (金) ~ 2025/12/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 二度目の観劇、本日21日は楽日。

ネタバレBOX

「世界の果てからこんにちはⅡ」SCOT 202512.20 14時 吉祥寺シアター
 板上レイアウトは先日同様。縞模様は照明でサイズを調整していると見える。場面によって板全体に及ぶ。作品構成は昭和から現在に至る迄を時の不可逆性をなぞるように展開するが、一場で徳富蘇峰と唐木順三、長谷川伸、梅崎春雄及び鈴木 忠志さんらの日本及び日本人に対する思考を綯交ぜにした評が表現されて問題提起及び観客への問いが設定される。二場以降は歌謡曲や演歌を背景に日本の民衆の心の奥深くに流れるメンタリティー、即ち言の葉表現に稔った万葉集以降の根底と本居宣長が考えたような心情吐露をベースに第二次世界大戦から当に現在の国際情勢に至る迄の歴史、国際関係迄を日本人のメンタリティーを錘にしつつ、世界の側から逆照射するような形で表象、ラストの所謂『失われた30年』以降、更に覇気を失い、摩滅しつつある日本に於いてそれでも生き抜く社会の底辺を支える人々の逞しさや祈りを表現したかのような場面に収束させる。鈴木氏の作品にしては可成り分かり易い作品になっているが、この構成によって得られる観客の理解は広く深いと思われる。因みに二場以降で演じられるシーンで用いられている曲は、美空ひばり、こまどり姉妹、北島三郎、五木ひろし、ちあきなおみ、杉本まさとらの歌詞から引用され、場面に応じて加工されたりもしている。 板上レイアウトは先日同様。縞模様は照明でサイズを調整していると見える。場面によって板全体に及ぶ。作品構成は昭和から現在に至る迄を時の不可逆性をなぞるように展開するが、一場で徳富蘇峰と唐木順三、長谷川伸、梅崎春雄及び鈴木 忠志さんらの日本及び日本人に対する思考を綯交ぜにした評が表現されて問題提起及び観客への問いが設定される。二場以降は歌謡曲や演歌を背景に日本の民衆の心の奥深くに流れるメンタリティー、即ち言の葉表現に稔った万葉集以降の根底と本居宣長が考えたような心情吐露をベースに第二次世界大戦から当に現在の国際情勢に至る迄の歴史、国際関係迄を日本人のメンタリティーを錘にしつつ、世界の側から逆照射するような形で表象、ラストの所謂『失われた30年』以降、更に覇気を失い、摩滅しつつある日本に於いてそれでも生き抜く社会の底辺を支える人々の逞しさや祈りを表現したかのような場面に収束させる。鈴木氏の作品にしては可成り分かり易い作品になっているが、この構成によって得られる観客の理解は広く深いと思われる。因みに二場以降で演じられるシーンで用いられている曲は、美空ひばり、こまどり姉妹、北島三郎、五木ひろし、ちあきなおみ、杉本まさとらの歌詞から引用され、場面に応じて加工されたりもしている。



孤毒のまじない

孤毒のまじない

route.©︎

シアター・バビロンの流れのほとりにて(東京都)

2025/12/17 (水) ~ 2025/12/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/12/20 (土) 18:00

気になってる劇団の新作は短編3作のシームレス上演。それぞれの趣きも違うし、全体のテイストもちょっと攻めてる感じが良い。113分。
 『LogIC』は自由に感情がコントロールできるとすれば…、の物語。よくありそうな展開だが、喜怒哀楽愛憎の6つの感情をそれぞれ演じる役者(六情)を作ったことで独自の感覚の芝居になっている。
 『じんこちゃん』は、いじめられていた日和(真城あさひ)は保険室登校の仁子(じんこ・本来は「さとこ」/大河原ひなた)に出会い、保険室登校するが…、という展開。妙にリアルな作品で、逆に、そういう展開はないぞ、とも思わせるが、全体に言いたいことは分かりやすい気がする。ま、でも、今の学校はこういう展開にはしないんだけど。
 『蠱毒』は劇団員3人で演じる力作。古い言い伝えをベースに抽象性の高い作品を、優れた肉体を持つ3人が演じて、独特の味わいを出してる。圧倒されて強烈だった。これが本作で平安がやりたかったことではないか。それにしても、こんな言葉(言い伝え)を知ってる平安がスゴイな。推しの岡本麻妃呂も存分に活躍して満足(^_^)v。
 結構長く観てるユニットだが、1作毎にテイストが少しずつ変わるものの、本作は結構チャレンジングだと思う。

季節

季節

劇団普通

シアタートラム(東京都)

2025/12/05 (金) ~ 2025/12/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

よく有る人間関係を観察出来て自分には刺さりましたし、イライラもしました。茨木弁がまた、良かったです。

横浜ヶ国

横浜ヶ国

雀組ホエールズ

赤坂RED/THEATER(東京都)

2025/12/10 (水) ~ 2025/12/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

社会風刺もきいていて笑わせてもいただけるお芝居でした。

パーク

パーク

甲斐ファクトリー

シアター711(東京都)

2025/12/10 (水) ~ 2025/12/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

面白かったです。公演に集う人々。色んな視点から見られるお芝居でした。

エキスポ

エキスポ

劇団麦の会

ビエラスタジオ蒔田(神奈川県)

2025/11/15 (土) ~ 2025/11/16 (日)公演終了

実演鑑賞

2001年に中島淳彦の道学先生の公演として初演されて以来、多くの上演がされてきた人情喜劇のスタンダード。 ワタシは ハイリンドや トローチ の上演を拝見しています。麦の会としては昭和百年の特集上演として。

https://kawahira.cocolog-nifty.com/fringe/2025/12/post-e17801.html

おばぁとラッパのサンマ裁判

おばぁとラッパのサンマ裁判

トム・プロジェクト

すばるホール(大阪府)

2025/03/02 (日) ~ 2025/03/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

大千秋楽観劇。
おばぁとラッパ先生が起こしたサンマ裁判✊
個人裁判はやがて米統治下で抑圧された沖縄全土を巻き込む運動に✨

沖縄の未来かけた運動に胸熱、涙溢れた😢
ウチナーグチも絶品👍
太川陽介さんは難解長尺台詞から解放され嬉しそう💕

春日桜想

春日桜想

劇団六風館

大阪大学(豊中キャンパス)(大阪府)

2025/03/02 (日) ~ 2025/03/03 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

初回観劇。
親友の自殺原因を調べに、ある家を訪れた2人は襲われ…

三人三様の家族との関わり、受験の悩み等が軽やかに描かれ、後半、親友が抱える孤独が浮き彫りに…

ハラハラドキドキの展開、楽しい💕
高校生らしいやり取りも愉しい😁
六風館さんらしい公演、面白かった🥰

「スイートホーム」/「千に晴れて」

「スイートホーム」/「千に晴れて」

制作「山口ちはる」プロデュース

本多劇場(東京都)

2025/12/18 (木) ~ 2025/12/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

今年一心に残る、心躍る作品に出会えて幸せでした!脚本、DVDなど是非作ってほしいです!

『末原拓馬奇譚庫-其之弐-』

『末原拓馬奇譚庫-其之弐-』

末原拓馬

Mixalive TOKYO・Hall Mixa(東京都)

2025/12/17 (水) ~ 2025/12/23 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/12/17 (水) 19:00

1月の末原拓馬奇譚庫に引き続き、其之弐も参加しました。
短編をオムニバス形式で上演していく形。
Twitterでちょいちょい上演作品を紹介していた中に、1月に上演したお話もあったのですが、演者さんによってこんなにも空気が変わるんだなと見てて楽しかったです

『Dive』/『海ではないから』

『Dive』/『海ではないから』

公益社団法人日本劇団協議会

舞台芸術学院(東京都)

2025/12/17 (水) ~ 2025/12/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

何を観るか十の中から二つ厳選するべく直前まで迷った週末。一つは決め、残る一つ、既に予約不可になった芝居を外したりで残った二つからこちらを選んだ。「日本の劇」戯曲賞は大きな賞とは言いつつ大賞に至らなかった「佳作」のリーディング、どんなものか期待は抑えめに観劇した。初の舞台芸術学院。来期から「学校」ではなくなるとの事。渡辺えり子(当時)、モダンスイマーズ創立メンバーの顔が浮かぶ。全て不景気に手を打てなかった政治のせい、という気がしてくる。
さて文学座座員を中心としたキャストでの「海ではないから」の演出は五戸女史。上演時間二時間、流石リーディングである事を忘れさせ没入させた。解説にはロシア人の母と日本人の父の間に生まれた青年セルゲイ、その恋人、母の再婚相手とその娘、などとあり、今なぜ「ロシア」か、何か実在の人物のモデルがあるのかと訝ったが、正にウ露戦争でのロシアバッシングを背景として書かれた芝居である事が見えて来る。不知の作者で来歴も知らないが思いの外骨太な作品で、見応え聴き応えある台詞に胸を掴まれた。役者も配置もピッタシであった。

養生

養生

ゆうめい

KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)

2025/12/19 (金) ~ 2025/12/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

ゆうめいの舞台に共通するのが、自分の感覚では、破壊と安定がある絶妙なバランスを保っている事。
実も蓋も無いような爆発場面が首の皮一枚で繋がって物語内にとどまる。ヘタをすればコケかねないその瞬間は想像するに役者にとっても大きな負荷があり、劇的の度合いがこれに掛かっている。作者の特徴がそこにあるとすれば、やはりカタストロフ志向、状況がシビアであるほど醜い横顔を晒すが、それでも尚人間讃歌を唄えるか、と問う。そう規定してしまうとまたその逆をやられそうであるが...大人しくお行儀の良い生き方を獲得して体制内化した(しがちな)大人の安定志向を揺さぶるこれは一つの角度であり、破壊衝動の発露に共鳴している自分がいる(登場人物らは出世や安定を望む者達だが隘路にハマりキレる、そのキレが降参であり敗走でありながら社会の中の何かを道連れにして結果復讐しているのだ)。
本作のスズナリでの初演を思い出してそんな考えを巡らしたが、一回り大きな空間(KAAT)での上演にも十分耐える作品であったと、まずそれを思った。記憶はあやふやだが所々台詞を書き改めた感じも受ける。以前より見え方が明確になり、その分皮肉や破壊の力も増したように思うが、作品自体は変わらず、深夜作業のエキスが迸る「あの気分」が充満し、この描写が絵画同様に模写の快楽に誘う。雑談の中で人間批評をする彼らが当事者性の土俵に立たされる滑稽さは絶えず繰り返される笑いの快楽も勿論。

芝居は語り手の橋本(本橋龍)の卒製(卒論ならぬ美大の卒業製作)紹介に始まり、脚立を組み合わせた巨大オブジェと養生テープで作られた床と壁という大きな「作品」が、そのまま深夜の装飾作業の現場となり、学生バイト時代の相棒(丙次)と共に卒業後の採用となる期間と、相変わらず同じ仕事をやっているが何らかの変化を経た十年後の二人が描かれる。+1名(黒澤多生)は学生バイト時代ではうるさい上司(先輩)、十年後はその人によく似た後輩として登場する。語り手は橋本だが、三人芝居の各人の芝居上の比重は同等、最後に絵に描いたような(奇想天外な)それぞれの破局が訪れ、撤去作業がままならず「詰んだ」ラストを迎える。
美大系とは言え作業自体は第三次産業の悲哀と、ガテン系の無味乾燥さが漂う。イベント会場の装飾は一見デザイン系のカテゴリーでもやる事は決まった図を拵える作業。このチョイスがまた良い。(というより作者の実体験かも知れない)
私の生き方これで良いのか、という自問はいつも世俗的な意味(ここで燻っていて良いのか)と、理念的意味(世俗的成功から程遠いのならせめて人に社会に歴史に貢献できているのか)を内包し、反発し合う。錆びた刃物のようにざらついて痛く、疼く。理想とは程遠い仕事に甘んじている時、仕事は無味乾燥な味で復讐するかのように神経を苛み、復讐して来る。賢く妥協するか、愚かでも勝負するかの葛藤は、強弱はあれど資本主義社会なら万人が潜る葛藤だろう。

ネタバレBOX

学生バイト時代と十年後の差は、バックレが許されない事、使用期限までに次の使用者に会場を明け渡す責務から逃れられない事。その位のもので、バイトから真面目にやってた彼らは仕事上の変化はない。もっとも丙次演じる相棒は家庭を持ち、深夜仕事続きで崩壊の危機にあるが。
この仕事の特徴は、ほぼ現場での作業だが独特なのは、カスタマーとしてサービスを享受する一般人(お客)を傍目に、こっちはそのお膳立ての作業をやっても特にリスペクトされる訳でもなく単純作業の範疇。客と「対面」するのでない、「近接」しながら立場が真逆である関係、すなわち楽しむ客(貴族)の下僕的立ち位置を思い知らされる。
元美大生なら本来目指していたであろう「クリエイティブな」仕事の要素がある程度どの程度あるのかは不明。芝居が終ってみればここには敗北者しかいないのだが、作業現場では誰も自分が負け組である事を表明する事は当然しないしできない。もちろん、階級は内在化し、自嘲は同等な相手へのディスりに他ならなくなる。

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