最新の観てきた!クチコミ一覧

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白貝

白貝

やみ・あがりシアター

浅草九劇(東京都)

2025/10/08 (水) ~ 2025/10/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

やみ・あがりシアターさんらしい、でも毎回毎回大きく違う、よくこんな発想が生まれるものだなと思う世界設定。
お芝居の構成としては複線回収ってことなんだけど、最初は何のつながりもない点と次々道ですれ違うだけの連続に見せかけておいて、実はそれら全てがまとまってきて…という体験が、このある障害を持つ人物の視点から見た世界…覚えられない他人達の正体とつながりが段々分かってきて…と同じような感覚を疑似体験出来るようになっている、と考えると新しい観劇体験をしたように思った。

ネタバレBOX

観劇後に調べたら人の顔を覚えられない障害ってホントにあるんですね。自分も比較的そうかも…
知らなかったので、そんなことあるのか?という目で観てしまったけど、実際ありうるんだと考えると山に逃げ込みたくなる気持ちも分かるし、そうでなくても山は人に会う煩わしさから解放させてくれるのかも。
それを追いかける多様な事情を持つ素人登山者達が手を替え品を替え下手なお芝居を繰り広げるとか、良くできた仕掛けだなと思いました。

個人的に、劇中出て来た山の中腹から下山して東京の劇場まで観に来ていたので、とても親近感を持ちましたし、ほとんどが実在する山なので、色々思い浮かびました。東京から関東近辺を巡ってる人があの山に行くのならそのサービスエリア(実際にはパーキング)には行かないよなぁとか、あの峰からそっちにいったのかなぁとか…など、それはそれで楽しい体験でした。

あと、これ仕方ないのだけど、何度も出はけするお芝居で、会場の構造上、奥の奥の席に座ると、裏通路を通る役者さんの振動が伝わって来るんですよね。
Waltz for Daddy

Waltz for Daddy

幻灯劇場

恵比寿・エコー劇場(東京都)

2025/10/23 (木) ~ 2025/10/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

生演奏、反転した天井まで届く凝った美術。
とてもとても素敵な表現が連続するステージでした。
ふわっとした、抽象的な物語でして、テイスト気に入って、どっぷりになれれば最高なんだろうなって。

自分個人としては、睡魔に襲われる部分もあった。
意外とセリフを立ててきていて、もっと、言葉によらない表現中心なのかしら?って思っていたので、やや肩透かしではあったかな。

かもめ

かもめ

劇団 新人会

上野ストアハウス(東京都)

2025/10/29 (水) ~ 2025/11/03 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

さすがです。贅沢で重厚な時間。しっかりとした演技力と普遍的なストーリー。血の通った人間の感情を表現する際のお手本みたいな舞台でした。

ネタバレBOX

チェロとクラリネットの音が所々に効いています。生演奏は良いですね。
華岡青洲の妻

華岡青洲の妻

文学座

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2025/10/26 (日) ~ 2025/11/03 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

華岡青洲、江戸時代和歌山県の医師。外科手術を行なうにあたり、麻酔薬の開発こそ必須だと知る。十年間動物実験を重ね、六種類の毒草を調合して麻酔薬を作る。曼陀羅華(まんだらげ=チョウセンアサガオ)、トリカブト、白芷(びゃくし=ヨロイグサ)、当帰、川芎(せんきゅう)、天南星(てんなんしょう)。全身麻酔薬として発明した麻沸散(=通仙散)。だが実際に人間に投与する為には更なる人体実験が必須。十数人の親族の協力があったとされる。
1804年、記録に残る所では世界初、全身麻酔での乳癌手術に成功。(アメリカでウィリアム・モートンがエーテル麻酔での手術を成功させたのは1846年)。
それ以前の外科手術は患者に激痛をひたすら我慢させる悲惨なものだった。

一番今作を象徴するのが現在では使われていない江戸時代の紀州弁。語尾にOshiが付く独特の語感。「〜のし」「〜よし」「〜とし」と音として面白い。この会話を女性陣が柔らかく紡ぐ屋敷にはゆったりと漂う優しげな空気感。これが後半、どろどろ煮えたぎる修羅界へと堕ちた屋敷にて見事なる異化効果を上げる。小面(こおもて)を被った般若達の口にする雅な方言として。

華岡青洲(幼名・雲平〈うんぺい〉) 釆澤靖起(うねざわやすゆき)氏
妻・加恵(かえ) 吉野実紗さん
母・於継(おつぎ) 小野洋子さん
妹・於勝(おかつ) 太田しづかさん
妹・小陸(こりく) 平体まひろさん

原作者有吉佐和子は華岡青洲の偉業よりも嫁姑の確執に焦点を当てた。母・於継を杉村春子が演じた舞台は大評判、当たり役となった。女優陣の織り成す剥き出しの生き様こそが人気の所以。

8歳の時、美しくて賢いと噂で聞く於継をどうしても見たくなり、乳母に頼んで隣村まで足を伸ばした加恵。夏の照りつける太陽の下、垣根越しにこっそり庭を覗き見ると無数の気違い茄子(キチガイナスビ)の真白な花が狂ったように咲き乱れている。その中に凛と立つ於継の横顔。余りの美しさに眩暈がする。真白で清らかな美しい花と於継を重ねて見た幼き加恵。その正体が気違い茄子=チョウセンアサガオ=曼陀羅華であることを後に知る。実に巧い文学的仕掛け。

是非観に行って頂きたい。

ネタバレBOX

華岡青洲の理念とした活物窮理(かつぶつきゅうり)=治療を具体に即して考え、方法を合理的に見出す。目の前の生きた患者に合わせて柔軟に治療法を見出すこと。重要なのは知識や経験だけでなく、目の前の患者の症状である、と。

江戸時代最大の飢饉、天明の大飢饉は1782年から1788年、冷夏や長雨が続いた。全国で90万人以上が餓死。

第一幕 1782年
第二幕 1785年
第三幕 1793年〜1795年
第四幕 1808年
(原作は小説なので事実とは年代も違っている)。

話の構成や演出は古くて退屈も感じた。前半は居眠りが多い。だがその伝統故の良さもある。重厚な歴史あるドラマを味わっている悦楽。商売としては嫁姑の見応えある攻防をこそ売りにすべきホン。そしてそれを身近に目撃し続けた妹・小陸が結婚に恐怖し生涯独身を貫く悲劇にも。
平体まひろさん目当てで観に行ったのだが流石の存在感。嫁姑の地獄を目の当たりにして自身の縁談に震え出すシーンは客席から笑いが起きた。

松竹が8月に大竹しのぶさんで『華岡青洲の妻』をやっていた。大竹しのぶ版母の於継も観たかったなと思ったら68歳にして妻の加恵役だった‼(青洲の母・於継役は波乃久里子さん)。

映画版は増村保造監督で市川雷蔵主演、若尾文子VS高峰秀子‼これも観なくては。ここに高峰秀子をキャスティングしてくるセンスが素晴らしい。絶対に悪女ではなく善なるイメージの女優がやらないとこの作品は駄目。往年の倍賞千恵子とかが演ると客は興奮する。

映画版では加恵が於継に対し憧れを超えた同性愛的なものさえ感じさせたらしい。青洲の取り合いではなく、深遠なる女の性を描ければこの作品はもっと別の意味を持つ。
舞踏/音楽 即興劇 「起源論」

舞踏/音楽 即興劇 「起源論」

東京戯園館

座・高円寺1(東京都)

2025/10/29 (水) ~ 2025/11/02 (日)公演終了

実演鑑賞

この名義の公演は座・高円寺でここ数年毎年やられていたようで(座高円寺公演情報は押えていたはずであるが..)今回が初めてであった(舞踏であった事は当日劇場で知った)。
初耳の名前を観に出かけたのは競演者の名が目を引いたから。日替わりの競演者は皆音楽家でとりわけ初日の二名は少々特別感あり。一人が林栄一(sax)、一人が石渡明廣(g)。前者は40年スパンで日本のジャズ界の第一線で活動する人。ライブハウスのラインナップを見ていた大昔はこの名前が頭一つ出た所(バンド)で演奏。後者は言わずと知れた祝祭的(法外)バンド渋さ知らズのリーダー。恐らくはジャズ畑の人だろうと踏んではいたのだが、今回その無尽の音世界を堪能した。80分の上演時間ほぼ全編音を出す。林氏もサックスの持つ音の迫力、美しさ、繊細さを体現するが、既に老境にある風貌に驚きつつ「現役の音」にも驚いた。
これはほぼ音楽ライブである、と思いつつ、初の工藤氏の動きも目に入れていたが、音が彩る「相」のダイナミックな変遷に導かれて、という所が大きいのであるが、音に乗っかりつつ蠢いているだけの相関と見ていたら、最後には音に拮抗する存在として俄然姿を現わして来た。舞踊には踊り手の数だけ「言語」があると思っているが、工藤氏の中では一貫した何か(言語体系?)が、最終的には観客に見えて来たという事だろうか。危機と逼迫の時間、事態を俯瞰する時間、世界を愛おしむ時間・・それらとシンクロする身体があり、緊張の持続する時間が一つの作品と思える最後を迎えるという感じ。こちらの深読みもあったか知れないが、胸が熱くなる瞬間もある。
林氏とは以前一度競演歴あり、石渡氏は前回に続いて二度目という関係。過去作品でも競演する「音楽」を重視している事が分かる。しかし全く異なるだろう別日の「音」とのコラボはどんな空間を作るのか、と興味は募る。(観には行けないが・・)

全速全進!

全速全進!

劇想からまわりえっちゃん

インディペンデントシアターOji(東京都)

2025/10/16 (木) ~ 2025/10/20 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

漠然と「システム化された現代の海賊界に身を投じた主人公が野生に目覚めてゆく話」を予期していたらほぼハズレ(笑)、スティーヴンスン「宝島」に出てくるような「いわゆる海賊」でこれはこれで楽しい。
そしてそんな海賊たちが(現代だけに)スマートフォンで連絡をとったりするのが「いかにもフィクション」な感じで楽しいし、登場人物たちが「キャラクター見本市」のようで愉快。
また、時折挟まれる歌(オリジナル)とダンスの場面も佳き♪

笑いの神様へ

笑いの神様へ

RISU PRODUCE

赤坂RED/THEATER(東京都)

2025/10/29 (水) ~ 2025/11/03 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

説明文にあった通り、父を探しに来た娘と浅草芸人たちのドラマ。展開は想像を超えるものではなかったが、いくらでもウエットにできそうなところを抑えて、変に泣かせに走るような真似をしていないのがよかった。

此岸と彼岸の間

此岸と彼岸の間

獏天

劇場MOMO(東京都)

2025/07/01 (火) ~ 2025/07/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

若い活気ある演技。笑い有り涙有りの感動で素敵な時間を過ごさせて頂きました。本当に今の時代は幸せだと実感しました。この平和を後世にを考えさせられ涙。次回も凄く楽しみにしております。多忙な日々を送っておりますので現実逃避出来た様な素敵な時間でした。7月3日、鑑賞させて頂いたのですがコメントが出来るの今日知り遅ればせながらです。

月は今日も僕を見ている

月は今日も僕を見ている

劇団十夢

キーノートシアター(東京都)

2025/10/26 (日) ~ 2025/10/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/10/26 (日) 17:00

価格2,000円

10月26日〈日〉17時鑑賞

心温まる、すばらしい劇でした。

登場人物はサラリーマンの桂太とその妻優香、そして霊媒師の麗樹。
優香は1週間ほど前に、交通事故で死去。
桂太は心の整理がつかなくて、霊媒師に頼る。
霊媒師は最初、多額の金品を要求するが、
しだいに桂太と優香に心打たれ、2人の関係を取り持つように…。

桂太は亡くなった妻に再会するため、一生懸命努力します。
麗樹も霊媒師として精一杯協力します。
そして、最後に……。

最後のシーンは本当に感動しました。
桂太と優香の、お互いを想う気持ちがひとつになりましたね。
ワンピースに着替えた優香は本当に素敵でした。
そんな優香を見つめる桂太も輝いて見えました。
周囲の観客も皆、涙ぐんでいました。

脚本も役者さんもすばらしい。
劇団十夢さんが作られたこの作品。
今後、他の劇団も、この脚本を踏襲して
演じていくようになると思います。
すばらしい劇でした。
ありがとうございました。

蛍の光、窓のイージス

蛍の光、窓のイージス

劇団文化座

あうるすぽっと(東京都)

2025/10/17 (金) ~ 2025/10/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/10/23 (木) 14:00

価格4,500円

10月23日〈木〉14時鑑賞。

卒業式での生徒の答辞。
その中に、政府に対して批判的な内容が…。
修正を迫る教員とそれを拒む生徒。

劇を観るまでは、生徒の側を応援する気持ちでいっぱいでした。
でも最後は穏便な形で解決してよかったです。

学校の職員室が舞台です。
舞台装置がリアルで立派でした。

おおまかな話の流れは以上のような形ですが、それ以外にも、
学校特有のさまざまな物語(テーマ)がちりばめられていました。
管理職と一般教員という、教員内部の確執。
理事に媚びる教員と、そうでない教員。
部活動での教員の役割。
ブラックな教員の労働環境。

脚本もしっかりしていて、飽きさせない内容。
役者さんもお上手で、文句なしの120分でした。
すばらしかったです。

かもめ

かもめ

劇団 新人会

上野ストアハウス(東京都)

2025/10/29 (水) ~ 2025/11/03 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白い、お薦め。
何度か観たことがある戯曲だが、とても分かり易い舞台として楽しめる。作中の人物像がしっかり立ち上がり、日常生活における会話や人間模様の織りなす関係が だんだんと盛り上がっていく。戯曲の持つ 力 もあろうが、四幕を実に巧みな手法で紡いでいく。戯曲の力、演出の技、演技の思いが調和した好公演。
(上演時間2時間10分 休憩なし)

ネタバレBOX

舞台上の上手に客席を設えた 変形2面客席。舞台美術は 上手奥に階段、下手は、冒頭 幕が下りていて奥が見えない。登場人物の1人 トレープレフが、自作を家庭劇として上演するため仮設舞台を設えているため。床は 継ぎ接ぎ絨毯に椅子が無造作に置かれている。下手客席寄りに演奏スペース。演奏は星 衛さんでチェロや横笛の生演奏。
シンプルな舞台美術だが、暗幕へのプロジェクションマッピングで光景を立体的に映し、生演奏で情感豊かに紡ぐ。幕が揺れると水の揺らめきのようだ。四幕ものだが、一瞬にして場景が変わりテンポよく展開していく。勿論、場景に応じて小道具の搬入/搬出や衣裳替えをする。ラストは ランプの灯りが情緒的で印象に残る。

物語は、女優 アルカージナの息子トレープレフが従来の(古い)芸術を革新する作家を目指し、日々思い悩む。また女優になることを夢見て人気作家トリゴーリンに思いを寄せる娘ニーナ。閉塞した状況、その出口が見い出せない絶望と憂鬱が作家志望のトレープレフと女優を志し挫折したニーナを通して描かれる。若者2人のすれ違う愛は、この時代の変わり目に痛み悶えながらも希望の煌めきを放つ。ニーナだけは客席通路を使い、別場所(外の世界)や閉塞状況からの脱出を試みる、そんな暗示を感じる。

チェーホフ戯曲の特長とでもいう静劇、静かな湖畔に建つ家で猟銃の音が鳴り響く。そのラストシーンに向かって だんだんと迫力と緊張感を増していく。とても雰囲気のある場景の中で繰り広げられる会話、その間(ま)が絶妙で生き活きとした人間の語らいがある。工夫し計算されつくしたような会話は、作者 チェーホフの人生観を垣間見るようだ。それを抒情豊かにしているのが生演奏、それを感情的な表現とすれば、効果音---例えば暴風雨などは物理的に聞かせる巧さ。さまざまな演出上の工夫や技巧が駆使されている。

ラスト---トレープレフは、これから向かうべき道が見い出せず、夢とイメージの混沌とした中を さ迷っている。信念もなければ使命も解っていない。一方 ニーナは、絶望し挫折しながら、自分がどうすれば良いのか知っている。女優という仕事で大切なのは、かつて夢見た晴れがましい名声・栄誉ではなく<忍耐力>だと…。
ニーナの言葉は 現代人へのメッセージ…世界のどこかで起きている戦争や紛争下にいる人たちへの希望(一刻も早い解決)に繋がるような。
次回公演も楽しみにしております。
デンジャラス・ドア

デンジャラス・ドア

劇団アンパサンド

ザ・スズナリ(東京都)

2025/10/23 (木) ~ 2025/10/29 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

一見、よくありそうな職場の光景。何もできなくてすみませんと謝ってばかりの新人、私がやるからと言ってほかの社員を早く帰そうとする社員、帰るはずが外に出て皆のお菓子を買ってくる社員……。その過剰な繰り返しに、観ていて「早く帰れよ」とイライラしつつ笑ってしまう。次第に不穏な空気が漂って臨界点を超えると、目が点になるようなデンジャラスな安藤奎さん世界がさく裂。怖いが笑える。笑ってしまうが怖い。本当に面白い。

デンジャラス・ドア

デンジャラス・ドア

劇団アンパサンド

ザ・スズナリ(東京都)

2025/10/23 (木) ~ 2025/10/29 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

前のアンパサンド公演の受付に置いてあった未見の戯曲「デンジャラス・ドア」は読みかけて中途で終っていた。「ドアが勝手に閉まる」のに気づいた新人社員の女性主人公と先輩女子社員のその先の顛末を、劇場で見る事となった。
アトリエヘリコプターで観た第二作「サイは投げられた」、「地上の骨」、最近の「歩かなくても棒に当たる」と続くスプラッターな阿鼻叫喚系で、「地上の骨」までは普通舞台では見せない(見せられない)設定を手作り感満載のギミックで強引に見せてしまうのだが、他ユニット、爍焯とに書き下ろした本作(「地上の骨」の前)も、この時期らしく工作物が大活躍する絶叫舞台。(ちなみに爍綽とによる初演は浅草九劇で。主宰佐久間氏の役を今回安藤奎が演じ、他は同じ配役であった。なお爍綽と版の演出も安藤氏。)
西出結が前作に続いて出演。先般の東京にこにこちゃんにも同じく主役で。故・鎌田氏のナカゴー/ほりぶんの後継を競う(とは小生の勝手な見立て)両ユニットは「笑い」が要だけに役者を選ぶようである。別役実の世界の具現は「難しい」と以前しきりに書いていたが、要は「役者を選ぶ」という事なのかな。「笑い」系であるので。
劇の感想が全くであった。また後日。

How to Make a Love Song

How to Make a Love Song

Onpuma

SOOO dramatic!(東京都)

2025/10/28 (火) ~ 2025/10/30 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

とても居心地の良い、素敵な公演でした。
60分だけど、きちんと右往左往とドタバタコメディして、最後は綺麗に客席まで巻き込んで歌にまとまる。
手話も含む色んな言語での伝え合いは、齟齬も起こすけど。
それでも伝えようすること、わかろうとすること、なんだか感動的でした。
色々と飛び交うので、わからない部分も結構あったりなんだけど。
そこがストレスにはならなかったな。わからないってことも肯定的に感じられた。

これ、書いてる時点で、明日の10:00回のみってちょっとハードル高いけど、良い公演でおすすめです。

ネタバレBOX

客席もちょっとコーラス参加するんですが。
公演後に、その音声データがサプライズ的に送られてきて、ちょっとビックリしました。
チケット購入したら、結婚式の招待状がメールで届いて、観終わったら、この粋なサプライズ。
良いですね。
我ら宇宙の塵

我ら宇宙の塵

EPOCH MAN〈エポックマン〉

新宿シアタートップス(東京都)

2025/10/19 (日) ~ 2025/11/03 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/10/29 (水) 19:00

100分。休憩なし。

デンジャラス・ドア

デンジャラス・ドア

劇団アンパサンド

ザ・スズナリ(東京都)

2025/10/23 (木) ~ 2025/10/29 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

(笑えた度)5.1(今感)4.08(完成度)5.1(平均)5

たしかに、、、、

デンジャラス。

ネタバレBOX

開始から60分ほど、ずっと無音、
ごくわずかしか変化しないオフィス系明るめの地明かりだけ。

ほぼ会話のみであれだけの劇的テンションを持続させるのは並じゃない。

静かな会話劇としての自然でごく普通の流れを、
少しずつ、確実に脱臼させていくバランスが絶妙。

アフタートークの、作家・安藤さんご本人の天然ぶりを見ていたら、
ごく自然にサラサラとあれだけのホンを書いているのでは、と思えました。
なんたる才能!

後半。
カラフルな色が仕込まれたスポットや、ダンス仕様っぽいLEDなどの、
どう見てもハデハデ演出用灯体が見えていたので、
いつ来るか、いつ来るかとワクワクしていたが、
想像の右斜め上を行く、へたうまゆるダンスシーンで大満足。

極めて現代的な不条理劇とスプラッタドタバタゆるゆるB級エンタメの奇跡の邂逅、
とか、
いろいろいえるかもしれないけど、
何を言っても違う気がする。

奇跡の邂逅なのですから
「ありふれていない演劇で世界最強」とでも、
とりあえずは、言っておきましょう。
デンジャラス・ドア

デンジャラス・ドア

劇団アンパサンド

ザ・スズナリ(東京都)

2025/10/23 (木) ~ 2025/10/29 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/10/29 (水) 14:00

90分。休憩なし。

デンジャラス・ドア

デンジャラス・ドア

劇団アンパサンド

ザ・スズナリ(東京都)

2025/10/23 (木) ~ 2025/10/29 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

2023年4月に「爍綽(しゃくしゃく)と」(=女優・佐久間麻由さんの企画ソロユニット)の第一回公演として脚本・演出したものをセルフカバー。TOKYO MXにて全3話のドラマとしても放送されている。安藤奎さんが初監督。

永遠の主人公・西出結さんは過酷な職場の新入社員。仕事もまだ覚えられず戦力にはなっていない。常に運が悪く日常の細々な事でもタイミングが合わない。悪い星の下に生まれてきた。
優しい先輩の永井若葉さんは沢山話し掛けてくれるのだが結構面倒臭い。ロッカーにお菓子を大量所持している。社会人の娘と暮らしている。
安藤奎さんも優しい。図書館で本を借りている。
安藤輪子(わこ)さんは「資本主義」に対して思うところがある。カレーはある店でしか食べられないがそこが閉店してしまった。
西田麻耶さんは部長のビリヤードのような指図に苛ついている。間接的に人を使わず直接本人に言えよ。
藤谷理子さんはスピリチュアルか宗教にハマっていて「人生は魂を磨く修行の場だ」と念じながら苦行のように働いている。ミスが多い。

リーダー格だった「ミツザキさん」が辞めてから職場の苛酷さが増した。皆満足に食事休憩も取れず長引く残業で帰れない。
西出結さんはオフィスの片開きのスライド式ドアが開けると間を置いて勝手に閉まる事が気になってしょうがない。そもそもそういう設計のものではない。一体どういう仕組なのか?

とにかく会話が面白い。細かいワードのセンスが冴えている。各々のキャラがかなり細かく設定されており、それが観客に丁寧に共有されていく。その為、会話の流れが脱線する様も観客の予測通りで皆ニヤニヤしながら眺めることとなる。ああこの人、絶対話の流れを堰き止めるよなあ、とか。この人、やたらと面倒臭い拘りがあるよなあ、とか。逆に全く予想もつかない方角に会話がすっ飛んでいく痛快さも。

ネタバレBOX

観客誰もが一番気になるのはドアの仕組み。人力だろうがタイミング合わせるの大変だろうな。

ドアが意思を持ったかのように通る人を襲い始め、挟まれた永井若葉さんの左手が千切れる。ここの美術が好きじゃない。コント仕立ての感じ。メチャクチャリアルで観客をドン引きさせてこその永井若葉さんの「大丈夫だから」が活きる場面。このどっちつかずの絵がイマイチでそこからはボンヤリしてしまう。(観客に不快感を与えたくない気持ちは分かる)。藤谷理子さんの右手の親指が千切れ、西田麻耶さんは頭を割られる。安藤奎さんが首チョンパ。

小道具仕込みの時間稼ぎとして突如始まるK-POPのような(?)ダンス・シーン。安藤輪子さんのやたらキビキビとしたダンス、藤谷理子さんのattitudeな顔付きが印象的。

藤谷理子さんのブツブツ呟く「日々の誓い」の内容ももっと捻って欲しかった。(「日月神示」っぽいのが理想)。

不条理残虐スプラッターの世界。それを超越して安藤輪子さんと西出結さんは自分自身を取り戻す。ずっと己を抑圧してきたものの正体を知りそれからの解放を掴み取る。資本主義の、長縄の呪いから自由に。人間の再生と云うテーマが対位法として構築されるような奴こそが自分は観たかった。(ギャグとして)。だが観客大受けだったのでこれはこれで正解なのだろう。
Waltz for Daddy

Waltz for Daddy

幻灯劇場

恵比寿・エコー劇場(東京都)

2025/10/23 (木) ~ 2025/10/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

星新一の世界観を感じました。生演奏も良かったし、面白かったです。

プンティラ旦那と下男のマッティ

プンティラ旦那と下男のマッティ

MODE

座・高円寺1(東京都)

2025/10/17 (金) ~ 2025/10/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

後半になるにつれ、どんどん惹き込まれて面白かったです。長いと感じませんでした。

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