
SEX
劇団時間制作
サンモールスタジオ(東京都)
2015/12/16 (水) ~ 2015/12/23 (水)公演終了
満足度★★★★★
観てきた
前半の銭湯でのワンシチュエーションコメディで笑わせてもらいつつも作品の
テーマについても考えさせられる素敵な舞台だった!

悲しみを聴く石
風姿花伝プロデュース
シアター風姿花伝(東京都)
2015/12/11 (金) ~ 2015/12/21 (月)公演終了
満足度★★★★
銃声の町、土壁の中の静けさ、心の炎
昨年の「ボビーフィッシャーはパサデナ・・」に続く、劇場支配人那須佐代子出演・上村聡史演出の海外作品。今回は同名小説の戯曲化である。昨年の舞台が圧倒的だっただけに今回はどうかと、不安と期待を交差させながら客席で開演を待つ。戯曲の出来という点では甲乙ついてしまうものの、深みのある舞台にまた出会えた喜びが勝った。 必然的に「静寂」をともなうこのドラマの劇的状況は、戸外で断続的に鳴り響く着弾音や銃声によってさらに強調されるが、ドラマ上の問い(観客にとっての不知)は、そこにずっと横たわっている男と、彼への女の語りかけによって純化する(答を追う価値を高める)。
女はどこか諦観を帯びているが、夫の不在(ある意味での)によって熱情を帯びてくる。それは希望にも繋がっている。虐げられた者がつかむ希望は普遍的であり、瑣末な凹凸をならし、背徳と地続きである。 自由の地平を切り開く者は、自分自身であろうとし人間であろうとするがゆえの背徳へ至るものなのではないか・・などと考える。キリストは当時の支配的考え方では背徳者だった。 このドラマの人物たちのあられもない秘部を、観客は最後には受け入れてしまう。舞台上で起こることが視覚的に、徐々に明瞭に現前させてゆく大胆な演出の賜物でもあるだろう。

その少女、ときめきに死す
劇団テアトルジュンヌ
立教大学 池袋キャンパス・ウィリアムズホール(東京都)
2015/12/16 (水) ~ 2015/12/20 (日)公演終了
満足度★★★
群像劇
青春群像劇といった趣で、16人という大勢のキャストで芝居を作るのはなかなか苦労したかと思います。人数の利を生かしたダンスは有益でした。
お芝居の面では、状況や雰囲気の切り替えがはっきりしていなかったり、メリハリに欠けたのが惜しかったです。
当日パンフがハート型の折り紙というのは、凝っています。

ライン(国境)の向こう【ご来場ありがとうございました!次回は秋!!】
劇団チョコレートケーキ
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2015/12/17 (木) ~ 2015/12/27 (日)公演終了
満足度★★★
もしかしたら・・・・。
敗戦国日本が、あの時南北に分断されていたら・・・・・。
詳細な資料も作られて、かなり本気な設定で、面白い脚本だったと思います。
朝鮮半島の苦しみが少し見えた気がしました。

スタッフ・ロール
劇団クロックガールズ
劇場MOMO(東京都)
2015/12/15 (火) ~ 2015/12/20 (日)公演終了

イルクーツク物語
劇団俳小
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2015/12/09 (水) ~ 2015/12/13 (日)公演終了
満足度★★★★
当時のソ連そのもの!
アルブーゾフ作品に触れるのは初めて!
体制迎合型戯曲で、まさに当時のソ連そのもの!
あの体制下で批判的なものはないのは、私にとっては不可思議!
因みに1980年にソビエト連邦国家賞なるもの授賞している。

ほたえな 胸中が猿
グワィニャオン
萬劇場(東京都)
2015/12/16 (水) ~ 2015/12/20 (日)公演終了
満足度★★★★★
「龍馬もの」ではトップクラスの面白さ
“グワィニャオン”は、「女女女ニョニョニョ」&「Tポーズお願いします。」に次いで二度目の観劇。
“ソラトビヨリst.”に書き下ろした戯曲をグワイニャオン風に味付けしたという本作。
“ソラトビヨリst.”の方は拝見していないので、その差異は語れないが、
今まで観た「龍馬もの」の中ではトップクラスの面白さだった。
公演中なので、詳細は云えないが、ラストは思わず感嘆の声が漏れてしまった。

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開座
森下アトリエ(東京都)
2015/12/16 (水) ~ 2015/12/17 (木)公演終了
満足度★★★★
無題1694(15-383)
19:30の回(曇)
19:10会場着、19:39開演~20:27終演。
クラシックギター(弾き語り)、三味線が交互に/同時に演奏され、岡庭さん、田嶋さん、渡部さんがソロを舞うという形式。
久しぶりのアトリエ公演。実に枯れたギターからなんだか馴染みある旋律...
じっと聴いてみると「Stairway to Heaven」を編曲していてビックリ。
舞は三人三様、夢見心地のような田嶋さん、憑かれたようなみかさん、岡庭さんは両極端な舞。

ものがたり降る夜
ことのはbox
上野ストアハウス(東京都)
2015/12/16 (水) ~ 2015/12/21 (月)公演終了
満足度★★★★
セックスに向き合うことが出来ないのは
事前にあらすじから想像していた物語とは随分違った。マザコン、ファザコン、2次元萌え系、草食系男子、潔癖症や男性恐怖などなど。「普通」とはちょっと違う人達の物語かと思っていたけれど、「普通」の私たちがセックスに向き合うことが出来ていない人達なんじゃないかと気付かされた。ストーリーは秀逸だと思う。演技にもう少し個性があればとは思った。

えど~まえ・さんしゃいん‐高見沢家へようこそ!‐
THE CHAINS
こった創作空間(東京都)
2015/12/16 (水) ~ 2015/12/20 (日)公演終了
満足度★★★
結局は満足感あるけれども
なんだかんだ、観終わった時に満足感があるのは、脚本を書く力がある人なのだろうと思います。
実は事前に予定上演時間より長いと聞いていたので、もたれる場所がある席を選びました。背もたれのない劇場なので、上演時間はもう少し短い方がお客さん思いかと。
知り合いの劇団さんを観に行くと、どうしても作っている人たちのことを考えてしまいます。今回は、お芝居を観るってなんだろう、と思いながら観ていました。
コメディとか、お笑いでもコントでも、「上演時間中、心地よく過ごせる」ことが前提になるお芝居は、ドラマものとは違う難しさがあるなぁと思います。「心地よくない」時間があると、価値がだだ下がってしまうというか・・・
脚本家でも、演出家でも、お客さん目線でものを考えるのは大事だなと、その目線でいくと、まだまだ無駄が多く感じました。
とか、こんなことを考える余裕なく面白がらせる、作品を期待しています。書けそう、できそうなのに、何かが合致していない感じがずっと続いているので・・・
合致といえば、役者さんによって演技の「フィクション度」?みたいなものが揃っていないのが気になりました。世界の基準が揃っていない感じ。入り込みにくい要因の一つでした。

SEX
劇団時間制作
サンモールスタジオ(東京都)
2015/12/16 (水) ~ 2015/12/23 (水)公演終了
満足度★★★★★
万人受けじゃないけどぜひ万人に
タイトルだけ目にすると行為の話かと思うけど、説明にあるように性同一性障害の女性をメインに置いたお話。と同時に同性愛のお話。
かと言って、始終重苦しいわけでもなく、笑えるところもあり、もちろん涙するところもある。当事者はもちろん、関わりのある方や、関わりがない、あるいはないと思ってる方にも見てほしい。
劇中、とてもとても大嫌いな人がいるのだけど、でもたぶんそういう人は多いのではないかとも思う。しかも、たぶんその人よりもとても分かりにくい形で実際にはいるんだろうなと。でもそういうひとにも見てほしいとも思う。今回はBチーム。Aチームではまた新たに思うこともありそうで楽しみ。

SEX
劇団時間制作
サンモールスタジオ(東京都)
2015/12/16 (水) ~ 2015/12/23 (水)公演終了
満足度★★★★
SEX♂
タイトルに度肝を抜かれて躊躇したものの、観てみれば説明文にもある通り、性同一性障害、同性愛をテーマにした、真面目な舞台でした。
自分がマイノリティに対してどう思っているのか、建前や偽善抜きに一度しっかり向き合うキッカケになる…そんな舞台だと思います。

ライン(国境)の向こう【ご来場ありがとうございました!次回は秋!!】
劇団チョコレートケーキ
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2015/12/17 (木) ~ 2015/12/27 (日)公演終了
満足度★★★
なりえたかもしれない歴史
朝鮮半島で実際に起こったことを日本に移し替えたと言うべきか、
なりえたかもしれない日本の姿と言うべきか、
日韓関係が悪くなっている今の社会状況下で、
他国に想いをはせるのに、これほど直截的な問題提起はない。
自分たちがそうなっていたら、、、を考えることから、
何かが変わるかもしれない。

『痕跡≪あとあと≫』◆◇終演。ご来場ありがとうございました!!!◇◆
KAKUTA
シアタートラム(東京都)
2015/12/05 (土) ~ 2015/12/14 (月)公演終了
満足度★★★★★
あとあと
こりっちの説明ではストーリーが分かるようなことは何も書いてなかったし、当日配られたチラシも読まずに観劇しましたがなんの前知識もなくてもお話が分かりました。これってけっこう重要なことだと思いますよ。説明も事前のチラシも暗さが漂っていたので、覚悟して行ったのでしたがそれほど悲惨な内容でなくて良かったです。10年前の出来事。その後の登場人物たちの行く末。各自の選択が、あとあとの人生に大きく影響を与えて行くのですね。

えのもとぐりむ作品集 第6部 灰色の蝶/フクロウガスム/鴟梟-sikyo-
株式会社Legs&Loins
Geki地下Liberty(東京都)
2015/12/09 (水) ~ 2015/12/20 (日)公演終了
『鴟梟-sikyo-』
応援している役者さんが出ているので今回見に行きましたが、この作品を見ただけでは「えのもとぐりむ」の世界感を理解しきれないのだろうと思う。作品がたくさんあるので、1回の観劇料金がもっと安かったらと思う。1万円で三作品見られるくらいだといいのに。劇場の入り口が森に迷い込むみたいな装飾になっていて怖かったです。

ノー キディング
円盤ライダー
鶯谷・HOTEL SHERWOOD(東京都)
2015/12/14 (月) ~ 2015/12/30 (水)公演終了
満足度★★★★★
お泊まりもしてみたい!
終演後お食事していたらキャストさんが来てくれましたが、できたらもっとみなさんに来ていただきたかったりして(笑)。チラシには宿泊案内のところに「ハプニング宿泊付きチケット予約」とありましたが、お泊まりしたらもっととんでもないことが起こったのでしょうか?まあ、それはともかく、とても楽しいひとときでした。「移動、探索型アトラクション」ってそういうことだったんですね!

コードシリーズ 「BIRDMAN~空の果てにあるもの・ライト兄弟~」
One on One
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2015/12/17 (木) ~ 2015/12/23 (水)公演終了
満足度★★★★★
今年最後の!?
感想を一言で言うと“これで今年の見納めでいいんじゃない?”まだ今年は二週間あるが、仕事と大掃除で忙しい身としては、この先、年内はそうそう観にはいけない。ギリギリまで観に行きたいという想いが無いわけではないが、もうこの作品で大満足して“観劇納め”としても良いんではないかと思うくらい、見応えある作品でした!演技・歌共にレベル高し!「オズの魔法使い」に絡めた兄弟の想い、内藤・鯨井両君が切なくなるくらい演じてくれた。また、オズのキャラクターどれも魅力的!楽しく切なく、心踊る時間を頂きました。(ちなみに「しあわせの詩」再演希望です。また桔平に会いたいです!)

人猫『このニャかに人猫(じんびょう)がいるニャ』
株式会社ADKアーツ
俳優座劇場(東京都)
2015/12/16 (水) ~ 2015/12/23 (水)公演終了
満足度★★★
出演者の本質が見える
こういう舞台、確かに慣れているものは強い。どう振舞えばいいか、経験値がものをいう。しかし、初めてのものはその本質があまりにも見え過ぎてしまう。あぁこの人は情報整理がよく出来てるとか、ちょっとこいつは小ずるいぞとか、この子あんまり賢くないかも!?とか・・・お気に入りの出演者が初心者で参加した場合、気づかなくてもいい本質に気づかされて、ちょっとガッカリさせられてしまうことも有りで・・・(逆も有りだが)今回もちょっと気に入っていた出演者の発言・行動にあぁ・・・この子ってこういう子なんだと、気づいて少々哀しい思いをした。もちろん他の出演者の思いがけない良さも見えはしたが・・・。

ROCCA ZAMURAI
SPINNIN RONIN
座・高円寺2(東京都)
2015/12/15 (火) ~ 2015/12/17 (木)公演終了
満足度★★★★★
感情溢れる舞台
最近はどこの劇団でもダンスシーンが多い。しかし、あくまで役者のそれであって、ダンサーのそれではない。ダンサーさんたちが出ている場合もあるが、小劇場クラスではなかなか圧倒されるようなものに出会う確立は少ない。
ここでは圧倒されるような動きが、ほぼ全員から放たれる。繊細さ・切迫感・緊張・悲哀・歓喜。踊りの中にそういう感情が溢れ出ていた。ここにいるのは演技者でありダンサー、それも飛びっきりの粒揃い!指先・つま先まで神経が行き渡り、柔軟で細かく刻まれる動き、ただただ美しくパワフル。観ているこちらの体が釣られて動く。そしてその美しさに息を呑む。圧巻の舞台でした。

泳ぐ機関車
劇団桟敷童子
すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)
2015/12/05 (土) ~ 2015/12/15 (火)公演終了
満足度★★★★
完成度の高い安定した舞台にちょっと不満も・・・
14日午後、劇団桟敷童子の炭鉱三部作一挙上演最終演目である『泳ぐ機関車』を観に行った。
粗筋は下記の通り。
三好辰介は身重の妻と千鶴・美代の子供姉妹を連れ、寂れた炭鉱町にやってきた。その炭鉱を、自分の手で大きく発展させる夢を持って。自己資金と妻の母親から借りた資金を元手に、その炭鉱町を発展させ町の神様とまで呼ばれるようになった。しかし、私生活では妻は男の子(ハジメ)を産んですぐに亡くなり、男手一つで(実際は住み込みの女中・島森鈴子と関係を持つ)厳しく育てていた。炭鉱の従業員と身分関係なく親しく交わって順調に日々を送っていた辰介だったが、落盤事故で17人の犠牲者を出したことで生活や周りからの一家への態度は一変。家財も失い、辰介も失踪(実際は自殺した)し、子どもたち3人は遠い炭鉱町に住む親戚の元に預けられることになる。
末子ハジメは、落盤事故の原因でもある炭鉱の地下に流れる地下水に蒸気機関車を泳がせ、その蒸気で地下水を暖かくし、人々の心も暖かく和ませたいという夢を描いたのだが、結局その町を離れることで夢は夢で終わってしまうことになる。せっかく結ばれた孤児との交流も断ち切れれて・・・・。
実は、炭鉱三部作の『泥花』は預けられた後の三兄弟の物語、『オバケの太陽』は成人してからのハジメの物語で、今回の炭鉱三部作上演は時系列を遡る形での上演となっている。作品の完成度からも、話の展開や配役という点から観ても、時系列での上演よりも今回の方式によったほうが確実に楽しめるし感動させられたのは確か。
作品の完成度から言えば、今回の『泳ぐ機関車』が秀逸であることは確かなのだが、三作品を連続して観てみると、残念なことに徐々に作品展開のパターンや演出の方法を予測できるようになってしまった。そんなこんなで、完成度が高く期待度も同じく高かった今回の『泳ぐ機関車』で受けた感動は、前回上演の荒削り感のある『泥花』よりも低くなってしまった。と入っても、前2作の盛大な紙吹雪に代わる水の使用や、終演近くの舞台一面のひまわり、それに3作品恒例になった蒸気機関車の登場場面は演出面で圧巻であった。
役者の演技面でも、客席の笑いを誘うセリフや仕草は生きていた。反面、涙を誘われる場面の感動の度合いがちょっよ浅くなってしまったのは、そうした場面の演技面でのあっさり感が根本にあるかもしれない。
役者個人で観ると、三好辰介役の池下重大、ハジメ役の大手忍、野毛綾華(辰介の妻の母親)役の板垣桃子がなかなかの演技を魅せてくれた。客演陣も安定していて、作品として流石に各種賞を受賞しただけのことはある。
今回一連の炭鉱三部作を観て、一番感動したのは宣告書いたように『泥花』、次いで今回の『泳ぐ機関車』という印象を持った。自家には来年の夏に新作上演。期待したい。