最新の観てきた!クチコミ一覧

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その流れを渡れ

その流れを渡れ

各駅停車

小劇場 楽園(東京都)

2016/01/28 (木) ~ 2016/02/01 (月)公演終了

満足度★★★★

心の微妙な変化
大災害と言ってもサバイバルをかけたアクションスペクタクルではなく、じっと待つしかない人々のイライラ感がよく表現された舞台。山の深さを表現した抽象的に背景と、大水害とは好対照をなすやさしいギターの音色がステキでした。地味でのんびりしてる割にはいろんな人ののっぴきならない人生が詰まってて、緊迫感もひしひしと感じられました。

その流れを渡れ

その流れを渡れ

各駅停車

小劇場 楽園(東京都)

2016/01/28 (木) ~ 2016/02/01 (月)公演終了

満足度★★★

初見
毎回こんな感じなのか?初めてなのでわからないが、今回のはちょっと分かりにくい感じ、何を伝えたいのかが、伝わらない印象だけが残った。

その流れを渡れ

その流れを渡れ

各駅停車

小劇場 楽園(東京都)

2016/01/28 (木) ~ 2016/02/01 (月)公演終了

シンプル?
劇場に始終流れていたアコースティックギターといい、すっきりとした美術やワンシチュエイションの舞台構成といい、すごくシンプルな印象を受けました。と同時にこんなシンプルな構成の劇で観客を魅了するには、俳優さんやその他諸々が役不足だなぁ、という感じが強い。お芝居はわりと骨太で、劇中の、他人から見たらどうということのない悩みや苛立ちも、その分からなさの故にリアリティがあって面白かった。でも全体にいろんなものが足りないような気がする。

ネタバレBOX

最後のもやもや感は私はあまり気にならなかったです。他人ってリーズナブルに動いてくれるわけではなく、何かのポリシーに沿って動いてくれるわけでもない。リアリティーを追及したらああいうエンディングになった、という妥協の無さがむしろ救いだ。でもこういうシンプルな劇はかなりの演技力や様々なものを削ぎ落とした核のようなものが必要だし、美術や衣装の美しさも重要になってくると思う。う~ん何なんだろう、あの女子大生のみっともない恰好や、従業員の割烹着みたいな服の上にエプロンって・・・・。何かこちらの方がモヤモヤした。何だか舞台が絵になっておらず、たとえダサダサの女性たちを表現するにしても、もうちょっと舞台全体の見栄えを考えてほしかったです。
ティーチャーズ・ルーム【ご来場ありがとうございました!!】

ティーチャーズ・ルーム【ご来場ありがとうございました!!】

劇団マリーシア兄弟

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2016/01/27 (水) ~ 2016/01/31 (日)公演終了

満足度★★★★

やはりいい
しっかりと芝居がそれぞれできているのがいい
一人一人の個性がしっかりでて
愛着がわきました。
その後もちょっとみたい気持ちになりますし

俺の酒が呑めない

俺の酒が呑めない

劇団青年座

青年座劇場(東京都)

2016/01/22 (金) ~ 2016/01/31 (日)公演終了

満足度★★★★★

古川ワールドへスリップ!
古川貴義さんの地元で取材されたそうで、地元の人しか出せない味も。現代のいろいろな課題を盛り込むのは"箱庭流"かも?前回の青年座での上演作品より、一段深みが増した感じで、とても楽しめました。

値千金のキャバレー

値千金のキャバレー

ホチキス

座・高円寺1(東京都)

2016/01/23 (土) ~ 2016/01/31 (日)公演終了

満足度★★★★★

ホチキス、凄い!
このところ、ドンドンパワーアップしていく感じのホチキス。伝説との距離くらいから観てると思うのですが、『伝説~』もそうでしたが、ホチキス、音楽を絡めてくと
とてもイイ感じになるんです。当時、一緒にやってた少年社中が躍進中ですけど、ホチキスも負けてない!そんな気がしました。頑張って欲しいです。

そして母はキレイになった

そして母はキレイになった

ONEOR8

シアタートラム(東京都)

2016/01/27 (水) ~ 2016/01/31 (日)公演終了

満足度★★★

絆をめぐる人間模様
世田谷のシアタートラムで上演された、劇団ONEOR8の『そして母はキレイになった』東京公演千秋楽を観てきた。これは、女優の高橋恵子が珍しく小劇場系の舞台に主演で立つというので、彼女の生の舞台を観たかったので出掛けたわけであるが、結果的に期待が大きかっただけに出来が平凡だったような気がしてならない。

プログラムによると、本作誕生のきっかけは、京都・清水寺の住職(ママ)が前年のイメージを漢字一文字で表すという催しで、2011年のイメージを「絆」としたことだとか。今回のテーマは確かに、夫婦・親子・恋人同士の絆というものに触れている。

駆け落ち同然にある街に住み着き喫茶店を営む夫婦。女の子二人という子宝にも恵まれながらも、妻(本作の主人公)は好きな男ができ、夫と子供姉妹を残して男と消え去る。
やがて夫であった男も亡くなり、残された姉妹が喫茶店を引き継ぐのであったが、或る日母がひょっこり立ち寄り、連日通ってくるようになる。その母に冷たく対応する妹と、暖かく迎える姉。母は近所の人からずっと姉妹のことや喫茶店の情報を得たいたらしい。たとえ目の前から消え去っても、親子の絆は断ちきれなかった。では姉妹はどうか。実は冷たく当たる妹のほうが母を思い、姉の方が内心母を許していなかった。姉妹にとって、自分たちを裏切った母を許せるかどうか。これが絆の強さ弱さの問題と言えるのか。まして、亡くなった夫はどうだったろう。結局、母親は海に身を投げる。(舞台ではその後が語られないので母が助かったのか亡くなったのかは不明。まぁ、亡くなったというのが暗黙の了解ごとなのだろう)
最後まで妻の行動を自分への裏切りと受けとりたくなかった夫の行動や、姉妹の母への応対がこの舞台の鍵であり、戻ってきた母の子どもたちへの想いが彼女にとって子どもとの絆の深さ(一方的かもしれないが)を物語っている。舞台はその夫婦・親子の絆を軸に姉妹の恋愛にも触れていたり、隣家親子や常連の会社員たちの演技で笑えたりとかなりヴァラエティに富んだ仕上がり。
ただ、それが総じて舞台全体のテーマを散漫なものにしていたことも否定出来ない。笑いとちょっと間延びした演技の間のあり方の問題なのだろうと思う。
そして、その結果高橋恵子の演技も表面的なものに終わってしまった感があった。
それと、舞台内容とタイトルがどうも一致しないような気がしてならなかった。素直に『家族の絆』とでもした方が妥当だったろう。もしタイトル通り「母がキレイになった」なら、夫や子供を裏切った行動を肯定してしまうことになりかねないからだ。ラストで海に飛び込んで亡くなった結果、姉妹の記憶の中で母がキレイになったと解釈すれば、また話は別なのだが・・・・

まぁ、作家が本作に投影した絆のイメージが曖昧なものであった結果なのかもしれない。
なお、出演者各位はなかなかの熱演。作品の不備を少なからず薄めてくれた。

藤原歌劇団 歌劇「トスカ」

藤原歌劇団 歌劇「トスカ」

財団法人日本オペラ振興会 藤原歌劇団/日本オペラ協会

東京文化会館 大ホール(東京都)

2016/01/30 (土) ~ 2016/01/31 (日)公演終了

満足度★★★

ラストシーンはある意味驚き!
アリアは勿論、ラストシーンの身投げをどう演出するのかはトスカを観る時に楽しみにしているのですが・・・!
トスカ役野田さんは情熱的でした!
新国立劇場のトスカと比べると、やっぱり演出は見劣りします。
予算が違うから仕方がないのかも。

ネタバレBOX

トスカが聖アンジェロ城の露台から身を投げるシーンはなく、階段で上るシーンで幕!
ある意味驚きですが、スッキリしません。
気持ち良い身投げは、観る側としては水戸黄門の印籠みたいなもの残念でした。
その流れを渡れ

その流れを渡れ

各駅停車

小劇場 楽園(東京都)

2016/01/28 (木) ~ 2016/02/01 (月)公演終了

満足度★★★★

楽しめました
この劇団のちょっと不思議で、それでいてリアルさを感じる世界観が好きなのですが、今回も大いに楽しめました。しかし客入りは少ないですね(自分の観た回だけかもしれませんが)。ゆったりと観劇できる分にはいいのですが。

ペルセポリス

ペルセポリス

かもねぎショット

ザ・スズナリ(東京都)

2016/01/28 (木) ~ 2016/01/31 (日)公演終了

満足度★★★★

あいさつ、ジーン
深みと広がりのある脚本にだんだんと目が開いた。“繙き、訪ね、活かす”知識と経験と共生を巡る想像のサイクルを強く意識させられた。陽気なあいさつひとつに彼我の違いを感じ・・・いや、やはり同じなのかな。此方は此方なりに大変ですから。

ティーチャーズ・ルーム【ご来場ありがとうございました!!】

ティーチャーズ・ルーム【ご来場ありがとうございました!!】

劇団マリーシア兄弟

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2016/01/27 (水) ~ 2016/01/31 (日)公演終了

満足度★★★

爆発だー、コメディーですよね!
私のイメージする、そして感じる職員会議とは全然ちがいましたね。
三股の美術教師の問題はどうなったんでしょうか。
リアルな芝居でしたら、正直な話、桜の木を植える案、学園祭でミュージカルの件、体育祭開催の件よりも大きな問題のでは・・・。
教育なんて語ること自体おこがましい(笑)!
本題の脅迫状の件に至るまでへの結びつきが?

ネタバレBOX

ラストシーンで犯人が二人いたことを暗示?
フールシェア

フールシェア

さるしばい

「劇」小劇場(東京都)

2016/01/27 (水) ~ 2016/01/31 (日)公演終了

満足度★★★★

多弁な引籠りの濃い濃いキャラ!(笑)
個々のキャラ濃い濃い!ドタバタコメディー!
特に、ゲン、タケ、リー、今井。
ギャグの応酬もツボに入るものあり、面白かったです。
場所にもよるが、1万なら別宅でOK、私も借りたい!(笑)

ネタバレBOX

曰くつきの恋愛禁止のシェアハウスの引きこもり住人たちの話。
オーナー自体が元引きこもりだった。しかし何かをきっかけに住人たちを外の世界に出そうと考えていた・・・。
その流れを渡れ

その流れを渡れ

各駅停車

小劇場 楽園(東京都)

2016/01/28 (木) ~ 2016/02/01 (月)公演終了

満足度★★

スッキリしない!
不明な事だらけ。
状況見て、あと皆想像してでは何のため作った芝居なのか?
何が言いたいのか、もう少し絞った具体性がほしい。!

ネタバレBOX

豪雨で土砂災害の為、山を下りられなくなった2組のカップルと外に倒れていた一人の男そして旅館の女将とスタッフの下山が可能かどうかの話。
夫婦は下山できないのか旅館の責任とも言わんばかりの文句を延々・・・。
若い学生のカップルのひとりの男性は5日後に控えた試験で単位を落としたら留年の為、下山したいのだがそこで恋人と文句の言い合い。男は足をねん挫し下山を諦める。
危険な状況下での下山を反対する旅館の女将に案内してもらい、夫婦と若いカップルの女性は下山することにしたか、生きて下山できたか?
倒れていた男はスタッフと幼なじみで教師だが本人曰く生徒をぼこぼこに殴って逃げてきたという。これも本当か嘘か?その後も?
夫婦

夫婦

ハイバイ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2016/01/24 (日) ~ 2016/02/04 (木)公演終了

満足度★★★★

失ってから悟ること
作者自身の私小説的な劇作の今回のメインは、タイトル通り夫婦であり、ご両親の話。仕事は立派にしていても家庭では世間知らず。「老いる」ことから始まる家族の仲違い修復時間。
家庭内での行動は別にして、医学の発展に尽力されたお父様は立派な社会人だが、wowowに加入したお母様は女の鑑だ。
お母様の病気の件で、不謹慎と言わしめそうな所をクスリと笑わせる、あの姿がぴったり当てはまるのはやっぱり山内さんしかいない。
約2時間。

ネタバレBOX

亡くなってから悟ること。生前の父のスライド写真の場面から、胸の奥底に沈殿していたものが徐々に動き始め、開演待ちの客入れ時の「リバーサイドホテル」を思い出し、(ノン)フィクションのよそのご家庭のことなのに涙が出てきてしまった。

「ハイハイ」から「バイバイ」まで。生まれてから死ぬまで。
あらためて、いい劇団名、と思った。
もうこうなったら映画の「スターウォーズ」並みに過去作を順に上演していくのも面白いんじゃないだろうか。岩井さんが大変になるけど。
元禄港歌-千年の恋の森-

元禄港歌-千年の恋の森-

Bunkamura

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2016/01/07 (木) ~ 2016/01/31 (日)公演終了

満足度★★★

立ち見で観劇
千秋楽前日になんとか時間取れ、立ち見観劇。
絶え間なく椿が降り注ぐ中、瞽女と時代の禍々しい格差にアホボンな上方色男。
終始落下してくる椿の音が時に耳障りだったり、小説の章段落のように各場面の恋路や生き方を区切って展開させていたような印象を持った。その流れか、段田さんの役柄は年齢的に見合ってないんではと、思ったが、能楽堂の山場からの巧みさに引込まれた。

瞽女二人が瞬きせずに花道歩く姿、能を舞う、三味線旋律、などなど役者の力量を目の当たりにし、凄いなーと改めて感心。
カテコの猿之助丈の堂々たる姿は女座長のような存在感だった。

ネタバレBOX

コクーンでありながら大衆演劇見てる感じがなきにしも有らず。
初見のため、蜷川さんの演出がどこまで出ているのかは不明だが、演出補のかたの名前は、もっと前方にクレジットしてもいいんじゃないかな、とキャスト表見て思ったり。
厳冬 ―父殺し篇―、厳冬 ―子殺し篇―

厳冬 ―父殺し篇―、厳冬 ―子殺し篇―

鬼の居ぬ間に

古民家asagoro(東京都)

2016/01/27 (水) ~ 2016/01/31 (日)公演終了

満足度★★★★

-父殺し編-観劇
初見。チケットプレゼントにて観劇。
古民家の一室そのものが舞台を彩る江戸間8畳ほどの和室、その奥は30席ほどの客席、アイテム類も昭和期の世界観。
久しぶりに黒電話のダイヤル音を聞いたが、「0」の番号音を耳にした瞬間にいろんなことを思い返しそうな、我にかえる「間」というか。
鬼畜の所業と執念深さに出口の見えない娘、一手報いても残酷な結末に言葉が出ない。
「面白い」とは言えないけど、印象に残る作品でした。
約40分。

ネタバレBOX

希望があるとすれば、当日会場までのアクセスを公式HPに記載して欲しいことと、当日アンケートの記入余白が舞台タイトルと被っていたので、もう少し記入しやすいデザインにして欲しい。
ピンクの唐草風呂敷、可愛い。
ティーチャーズ・ルーム【ご来場ありがとうございました!!】

ティーチャーズ・ルーム【ご来場ありがとうございました!!】

劇団マリーシア兄弟

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2016/01/27 (水) ~ 2016/01/31 (日)公演終了

満足度★★★★

ふわっと温かい
とても面白かったです。何気ない(?)台詞のやり取りの中に、笑いがあり、大事な事があり、感動がありました。会話を聞きながら、その問いかけに自分も一緒に考えていました。シンプルなストーリーでしたが、意外性もあり良かったです。登場人物それぞれが個性的で、役者さん達は皆、そのキャラクターを好演していました。ふわっと心が温かくなる素敵な舞台でした。そして、劇団自体も温かい感じが良かったです。

俺の酒が呑めない

俺の酒が呑めない

劇団青年座

青年座劇場(東京都)

2016/01/22 (金) ~ 2016/01/31 (日)公演終了

満足度★★★★★

劇作家を観る目の確かさに感服
このところの青年座は、他で活躍される劇作家の選択眼が素晴らしいと常々感じていますが、今度は、箱庭の古川さん。

この座組が発表された途端に、素敵な舞台を観られるに違いないと確信しましたが、当たっていました。

元々才能ある劇作家の作品が、青年座という、全てベテラン勢揃いの劇団で、より作家としての花を咲かせる様を見るのは、観劇人間にとっての醍醐味でもあります。

セットの、細部に亘る崇高さにも、惚れ惚れしました。

芝居を観ただけで、日本酒の知識もたくさん増え、何だかホッコリ、得した気分になれるお芝居でした。

ネタバレBOX

古川さんお得意の家族のお話。

洋物、和物、時代劇、現代劇、都会物、地方物、…、とにかく何でもござれの青年座という居場所を得て、いつにも増して、古川さんの芝居が、光輝いたような舞台でした。

どうしてこうも、役者揃いなの?と信じ難いくらい、誰も彼も秀逸な存在感。特に、中盤まで、話にしか出てこない「忠さん」が登場した時は「、待ってました、津嘉山!」と声を掛けたいくらいでした。

内容的には、さして目新しさはないのに、古川さんの描く、各人物の造形が細やかで、、作者の造詣の深さも醸し出す出色の芝居を生み出していて、お見事でした。

そして、その芝居のリアル感を増長するセットの巧みさ!!

人物が出入りするドアの奥までも、本当に感嘆するリアルさに、心が躍りました。

舞台の後方上部に吊るされた杉玉が、驚くほど効果的。この杉玉が、季節感を醸し出しながら、更には、この酒屋のストーリーを象徴する役目も果たし、もう一人の登場人物のようでした。これが、アニメなら、杉玉にも台詞があっただろうなと思うような存在感でした。
書く女

書く女

ニ兎社

世田谷パブリックシアター(東京都)

2016/01/21 (木) ~ 2016/01/31 (日)公演終了

満足度★★★★

樋口一葉が動いている。
永井愛作/二兎社公演舞台の再演。初演は未見。演劇人永井愛は「あの名演をもう一度」的再演はやらなそうな人だ。何がしかチャレンジのしどころあっての、今回は黒木華というキャスティングがそれなのか判らないが、いずれにせよ洗練された舞台だった。生ピアノの演奏/音楽のクオリティが高い。深みがあって繊細で、僅かな色彩の違い(即ち人の心理のひだ)も逃さず捉え、並走しているライブ感がある。俳優は全てうまい。こまやかな笑い、動線や転換のスムーズさなど演出の力量も十全という感じ。
 自分は樋口文学は「にごりえ」を読んだか‥という程度だが、独特の筆の進め方が印象的で、誰にも真似できない樋口オリジナル、可憐で大胆、「天然」なイメージがあり、それが今回の役にもそこはかとなく窺えた。「天然」即ち己の持てるものをさらけ出して生きる人、とするなら彼女は生を燃焼させた人で、舞台上にはその赤裸裸な姿があった。
 後年、文壇からの批評・批判の的となるが、ある宿敵(批評家)の挑発的な質問に堂々と答える傑物ぶり、さらにその彼を友のように対する地点に一葉は立つ。成長と変化が、黒木華の身体を通した一葉に起こって行く。母と妹とのコンビネーションが絶妙。
 日清戦争へ向かう時代の世相を描写する台詞や、一葉の師匠がこぼす「朝鮮」の話など、さらりとながら、人が「時代」と無縁には生きられない証左として織り込まれているのはさすが。 とは言え‘メッセージ性’を求める向きには薄味であったかも知れない。だがどこかしら味わいある舞台だった。

逆鱗

逆鱗

NODA・MAP

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2016/01/29 (金) ~ 2016/03/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

驚きと感動
MIWA以来のNODA MAP。また違う野田ワールドを観ました。詳しくは書きませんが、前半と後半に向けて変わっていく途中からのスピードや、セリフのひとつひとつ、これは?と考えてるうちに、進んでいき、できればもう一度観て確認したい!!とにかく深い深いお話。

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