俺の酒が呑めない 公演情報 劇団青年座「俺の酒が呑めない」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    劇作家を観る目の確かさに感服
    このところの青年座は、他で活躍される劇作家の選択眼が素晴らしいと常々感じていますが、今度は、箱庭の古川さん。

    この座組が発表された途端に、素敵な舞台を観られるに違いないと確信しましたが、当たっていました。

    元々才能ある劇作家の作品が、青年座という、全てベテラン勢揃いの劇団で、より作家としての花を咲かせる様を見るのは、観劇人間にとっての醍醐味でもあります。

    セットの、細部に亘る崇高さにも、惚れ惚れしました。

    芝居を観ただけで、日本酒の知識もたくさん増え、何だかホッコリ、得した気分になれるお芝居でした。

    ネタバレBOX

    古川さんお得意の家族のお話。

    洋物、和物、時代劇、現代劇、都会物、地方物、…、とにかく何でもござれの青年座という居場所を得て、いつにも増して、古川さんの芝居が、光輝いたような舞台でした。

    どうしてこうも、役者揃いなの?と信じ難いくらい、誰も彼も秀逸な存在感。特に、中盤まで、話にしか出てこない「忠さん」が登場した時は「、待ってました、津嘉山!」と声を掛けたいくらいでした。

    内容的には、さして目新しさはないのに、古川さんの描く、各人物の造形が細やかで、、作者の造詣の深さも醸し出す出色の芝居を生み出していて、お見事でした。

    そして、その芝居のリアル感を増長するセットの巧みさ!!

    人物が出入りするドアの奥までも、本当に感嘆するリアルさに、心が躍りました。

    舞台の後方上部に吊るされた杉玉が、驚くほど効果的。この杉玉が、季節感を醸し出しながら、更には、この酒屋のストーリーを象徴する役目も果たし、もう一人の登場人物のようでした。これが、アニメなら、杉玉にも台詞があっただろうなと思うような存在感でした。

    0

    2016/02/01 05:18

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大