最新の観てきた!クチコミ一覧

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らいおんの憂鬱

らいおんの憂鬱

ザレ×ゴト

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2016/02/04 (木) ~ 2016/02/08 (月)公演終了

満足度★★★★★

楽しい時間はあっという間。
終始ライトでポップな今時な空気感に包まれる。
悪く言えば緊張のない、良く言えば判り易く見やすい舞台。
テンポの良いセリフ回しと、小ネタっぽくセルフつっこみな笑いがちりばめられ、
重たい設定を気軽に楽しめるエンターテインメントに昇華する。
軽さの中にも、ロッキー、北村、ナナなど
物語が浮足立たない重り的なメンツが効いていた。
13人の登場人物それぞれが色合いと役割を持つ展開は作りがうまい。
作・演出の手腕も二重丸。
次回作にも期待します。

狼の爪痕

狼の爪痕

劇団 武士道

シアター風姿花伝(東京都)

2016/02/06 (土) ~ 2016/02/09 (火)公演終了

満足度★★★

殺陣
迫力ありました。

ネタバレBOX

明治初期、政府転覆を図る徒党の首謀者となった実は生きていた元新選組伊東甲子太郎を、政府側に立って成敗した元新選組原田左之助たちの活躍を描いた話。

切っ先が首の近くを通るなど殺陣は迫力ありました。

しかしながら、政府転覆を図る組織は組織の体をなしていませんでした。政府転覆などできるはずもありません。
売春捜査官

売春捜査官

★☆北区AKT STAGE

北区AKT STAGEアトリエ(東京都)

2016/01/09 (土) ~ 2016/02/13 (土)公演終了

満足度★★★★

良い時を過ごす。
なんとなく訪れた舞台は研究所の卒業公演。
期待も気負いもなく臨むも
ヒロイン木村電伝兵衛役の女優さんの迫力と完成度に圧倒される。
小松川さんというらしいが、喜怒哀楽を見事に演じきり、
最後の独白台詞に涙する。男性陣もがんばっていたものの、
つか舞台の攻撃的な台詞を打ち続けるのに精一杯な感が…。
しかし舞台自体は勢いと気持ちを感じる。
運営は卒業公演だからこんなもんなんだろうな。

10978日目の鏡

10978日目の鏡

劇団だるめしあん

十色庵(東京都)

2016/02/05 (金) ~ 2016/02/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

女子の脳内を垣間見る
静と動の様な感覚の2人の女性作家による5話オムニバスは、
30歳を迎えた女性のある一日の物語。
一人称的に女性の夢と妄想と現実が交差するファンタジックなストーリー。
取捨選択の戦いを重ねる日々は、男と女の性差を感じさせる。
女の子って大変なんだ…と思いつつ、男性社会の今に生きる男として安堵する。

新大久保のライブハウス公演では判らなかったが、
独立した物語ではなく一人の女性の物語だと…。
最後の最後で2人の作者の想いがまとまる抒情詩に惹きつけられた。
とても素敵な作品でした。

らいおんの憂鬱

らいおんの憂鬱

ザレ×ゴト

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2016/02/04 (木) ~ 2016/02/08 (月)公演終了

満足度★★★★

初見
今回初めて観たが、あの終わり方は賛否両論あるだろう。他の作品がどのような作風なのか知らないが、すべてがあのような終わり方だとしたら、それは「らしさ」でいいと思う。が、初めて観た立場としては、あのまま終わってくれたほうが余韻が残った、かな〜(笑。

夫婦

夫婦

ハイバイ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2016/01/24 (日) ~ 2016/02/04 (木)公演終了

満足度★★★★★

不思議なすがすがしさも
自分の年代では、リアルすぎて胸が苦しくなるようなシーンもあったのだが、不思議なことに、終わった後に嫌な気持ちは残らなかった。
すがすがしい気持ちにさえなったのは、作家の腕ゆえであろう。
ただしこのテーマを、他の劇団が軽々に真似してはいけない。

『思春』~遥かなるオヤジーデ~

『思春』~遥かなるオヤジーデ~

Toy Late Lie

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2016/02/03 (水) ~ 2016/02/07 (日)公演終了

満足度★★★★★

スバラッ!
久しぶりに舞台を生で見たのですが、ストーリーの組み立てが秀逸。途中まで、なにがどう繋がっているのか少々不安感を醸すような流れから、中盤にかけて徐々に明かされていく人間関係、それが終盤の盛り上がりになだれ込んでいき引きこまれて行きます。それに、ところどころに笑いの要素をちりばめ、飽きの来ない展開、舞台の面白さを再認識させて貰えました。

全日程終了していますが、再演の価値ありだと思います。

走れメルス

走れメルス

演劇ユニット そめごころ

湾岸劇場博多扇貝(福岡県)

2014/09/19 (金) ~ 2014/09/23 (火)公演終了

満足度★★★★

素敵なお芝居!
あの狭い空間によくあの人数を入れたなぁと。笑
なのに、全然窮屈じゃない。むしろそっちの方が役者の一挙一動を間近で見れて嬉しかった。

お話は…難しかった…野田さん……
でも、中村さん演出ということで、舞台空間は私好みで音響も衣装も素敵だった!
今回は、ダブルキャストでノーマルとシャッフルがあったみたいだけど、それぞれ全く違うテイストだったらしい。私はノーマルを観たけどシャッフルも観てみたかったなぁ。
二つの役を短い練習期間で自分のモノにする役者さん、真逆のテイストを考える演出さん、それぞれに脱帽しました…

Death Disco

Death Disco

演劇ユニット そめごころ

甘棠館show劇場(福岡県)

2014/05/10 (土) ~ 2014/05/11 (日)公演終了

満足度★★★

かっこいい!
あらすじからは想像出来ないストーリー展開で、そうくるか〜という感じ。冒頭のダンスシーンはとてもカッコ良い。素敵。

両サイドに客席を設け、前から見ても後ろから見ても右から見ても左から見ても楽しめる演劇空間。

とにかく圧倒されっぱなしでした。
内容はちょっと難しくて、せいやさんの伝えたいことが全部汲み取れたかは分かりませんが、とても考えさせられるお芝居でした。

THE BEE

THE BEE

演劇ユニット そめごころ

甘棠館show劇場(福岡県)

2013/05/08 (水) ~ 2013/05/09 (木)公演終了

満足度★★★★

面白かった!
各役者の良さが存分に出ていて、観ていてゾクゾクした。
観終わった後、ふぅ…と一息入れたくなるような内容。
演出も役者も大変だっただろうけど、一瞬一瞬に釘付けになるお芝居でした。

スローモーションのシーンがすき!

青春の門〜放浪篇〜

青春の門〜放浪篇〜

虚構の劇団

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2016/02/03 (水) ~ 2016/02/17 (水)公演終了

満足度★★★★

恥ずかしい台詞も数打ちゃ?
大島渚の映画(「日本の夜と霧」など)に大学生の頭でっかちで意気がった左翼的な台詞が頻出する。独特の文体だ。それを思い出した。劇中にある「学生嫌悪」の対象としてサンプルになるのは、三島由紀夫が東大で全共闘学生と交わした討論の映像(本にもなっている)。これを見ると、頭の回転の速さや思考の周到さを競ってるような、それでいてどこか「明るい明日」を信じていて、君たちの本質はその「安心」の土台にあるのだろう、その居心地の悪さを払拭しようと悲観ぶったり理屈をこねくり回してるのだ、それでいその言動は結果的に君たちの得るべき地位を正当化しているんだぞな。。そんな突っ込みをしたくなる発言、要は「恥ずかしい」台詞というものが、かつて日本にもあった。(もっとも彼らはその世界観の中では真剣であったに違いないし、議論しない現代の日本の方が病んでいる。ただし議論の内容の吟味は別の話)
 「キューポラのある町」とか「青い山脈」も戦後らしい気恥ずかしさを醸すが、微笑ましい。これに輪をかけて屈折させたのが、上のそれと言えるか。

 鐘下辰郎が中原中也・小林秀雄らを題材に書いた作(汚れつちまつた悲しみに・・)を、先般桜美林大で観て圧倒された記憶が生々しい。こちらは昭和初期の文人たちの言動で、中原の一見「痛い」「恥ずかしい」台詞を、己を信じる力をメーター振り切るまで放出することで超克し、そのエネルギーによって「感動」に変えていた。
 この衝撃をもう一度と今回、虚構の劇団初観劇と相成った。ハードルは高い。

 さて今作は「演劇」が社会運動と渾然一体となっていたある時期のある場面を切り取った話だ。 五木寛之の原作にどの程度忠実かは分からないが、大学の演劇サークルのメンバーが中心となるドラマなので、現代の役者にも取り組みやすいものだったかも知れない。

 しかし桜美林の鐘下組が凄すぎたためか、今回は物足りなさも残った。戯曲は鐘下氏の書き下ろし、演出は千葉哲也。今回の「虚構の旅団」企画は「演出」の外部依頼が主眼との事だから、鐘下演出だったなら・・という選択肢は無かったわけだ。しかし肉薄しつつも届かなさが見えたというのが正直な感想で、「惜しい!」。
 左翼的世界を、揶揄の対象でなく、暗面を抉り出しながらも最後は明るく肯定的に描いたドラマは珍しい部類だと思う。

 舞台の設え、客席は出入り口を見る側に横長に組まれている。床よりも面積を広く占める二つの長方形の台(高さ40cm位か)が、機能として面白かった。 床と台それぞれにフタ付きの四角い穴があって、人がそこから登場し、出はけに多用されバタンバタンと開け閉めされる。その穴に入った役者が、外への階段に抜ける扉から出てきたり、雑遊は色々出来る劇場のようだ。

ネタバレBOX

役者のダメ出しはネチネチやりたくないが、「惜しい」との思いが強く、少しばかり。。
 ぶっちゃければ千葉氏が助っ人俳優として呼び込んだ、映像畑の三俳優が私としては不満。 学生役と若い少女の女優ははまっていたが、人生の厚みを出してほしい三人、ヤクザ役の男性と、その女、食堂のおばさん(元活動家)がもう少しだった。・・といってもよくやってはいるのだが。。
 ヤクザ役の男性は難しい役どころ、というのは演劇サークル学生10人の「敵」として存在する一方、かつては「活動」をやっていて挫折したか転向したかでヤクザをやっている、という設定である。脚本の問題かも知れぬが、悪者を彼一人に負わせ、他は舞台上には登場しないのである。色々受け止めねばならない事情だが、どことなく若さが出てしまう。学生らを怒鳴り散らす叫びも単色で直線的、若さだ。 もっと屈折して「読ませない」雰囲気が無きゃ、脚本が持つ年齢的広がりが出てこない。
 ヤクザの女も同じく、若さが見える。彼女は主人公の青年との対比で言えば、圧倒的に世間擦れしてなければならないのだが、線が細い。炭鉱、夕張と聞いて不意を突かれたような彼に、何を感じたのか・・ 同じ匂いを感じたか、あるいは青年の望郷の眼差しを感じたか、今は母親として包んでやりたい思いがよぎるのではないか・・といった演技が「形」には見えてこない。
 そして最重要人物、食堂のおばさん。この人もかつて「活動」に青春をささげていた設定だが、確かに役年齢なりにやや年配の女優が起用されていたが、若干キャラ違い。民衆の心も知り、それゆえ「革命」など到底無理だと悟ってもいるだろう苦労人が、学生らが決死の行動に出る姿をみて、年甲斐もなく心を動かされる、そういう人物は、もっと硬柔使い分ける練達な風情をまとうのではないか・・ また重い腰を上げるのには相当なものがある、と見えなきゃ、話の腰骨が湾曲してしまう。よくやってはいるのだが、「硬」に傾いていたように思う。その結果、最後にダイナマイトを巻きつけて登場した瞬間、笑えない(その原因は一人の負わせられないと思うが)。ここは痛快に笑いたかった。。
 ありきたりな取り組みでは、この最後まで「恥ずかしい」大量の台詞の臭気を、爽快さに変えることは出来ない、それだけ難物な本であったというのが結論になるか。
逆鱗

逆鱗

NODA・MAP

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2016/01/29 (金) ~ 2016/03/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

海と水族館
怒濤の言葉遊びは健在、毎回よくあんな発想が湧くもんだ。
日本語を話す日本人ならわかる話。序盤笑って、後半になるうち真顔になって見ていた。
約135分。

ネタバレBOX

昔々のその昔、沈没船の窓越しに交わした人魚と人間の約束。
その約束を果たすため、人形ショーをやっている水族館にオーディションが開かれることを知り、人魚は人間のフリをして、人々の前に現れる。
深夜の海中水族館、「そこ」に運び込まれた「モノ」と一緒に、深い海の底へ潜り込んでいき、「底」で見えたものは人と魚が一緒になった「もの」それは人間魚雷。ファットマン、リトルボーイ、鱗の暗号文…人魚の心の底から絞り出した悲鳴に反戦という言葉を強く思い出した。

上演が発表された直後、「赤いろうそくと人魚」をモチーフに書いた作品との記事を読んだ記憶があったが、勝手な想像だが、お子さんたちに読み聞かせしているうちにこうなったのだろうか。
久しぶりに野田さんの舞台を見たなーと嬉しくもあり、また内容に重苦しさもあり。骨身に沁みた舞台でした。
漂流劇 ひょっこりひょうたん島

漂流劇 ひょっこりひょうたん島

Bunkamura

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2016/02/03 (水) ~ 2016/02/11 (木)公演終了

満足度★★★

なんと言って良いのやら…
昨年の上演発表後から色々あるわ、公演開始したらしたで酷評に近い、というかほぼ酷評の下馬評は目にしてた。
表題の歌はよく知っているが、人形劇そのものは懐かしのテレビ番組やYouTubeなどで掻い摘まんで覚えている程度、井上ひさし氏の晩年に「この作品は死後の世界の話」という発言も、どこかで目にした。

見た後は少し長いかなーとか、ここが松本の劇場だったら味わいが違ってたのかもなどと、祝日午前中の教育テレビ感を彷彿。
テレビ原作に親しみがあって、お目当ての役者が歌い、なおかつ滑稽さとブラックファンタジー的な要素を期待していたら、どうしてこうなった?ということなのか。初期の東映マンガ祭り的少年少女のための(ってジャンルはないけど)井上作品の軽妙な文体を読んでた印象が強いせいか、この舞台は観る前から都合の良いように劇世界を思い描いて見ていたのかも、と自分の観劇姿勢も少し考えたりして。

役者さんはイキイキと楽しげに演じ、明瞭でリズミカルに歌い上げる。当たり前か。
ただ、コクーンシートで見た自分が言うのもなんだが、特設S席の座席設定はあまり意味はなかったような気がする。

ネタバレBOX

劇中、串田さん着ぐるみ着てよく動けるなー、と妙なところで感心。
プロローグから始まり、8編の話、カーテンコールまでの場面構成。
「漂流劇」と銘打っているためか、断片的なエピソードが8話あり、舞台上方の煙や光、爆発音などで話を区切っていく。
脚本構成から各々の持ち味が見え「海賊とイス取りゲーム」での会話やり取りのナンセンスさはシティボーイズ風コントにも思えたが、そこから先はファンタジーとインテリジェンスを兼ね合わせた結果、井上色は控えめになり「存在の不確かな国際警察官」「さまざまな人の生息する無人島に漂着」の場面では串田氏のシューレアリズムが勝ってた感。
博士が知恵を働かせ、こどもたちが力を合わせてドラゴンを作る「こどもたちと海賊の闘い」でのドラゴン製作過程は、これまで見てきた串田さんの舞台上のガラクタだらけの廃墟から何かを作り出す演出に思えてみてとれたが、闘い方は所詮、こどもの浅知恵。すぐにカラクリもばれ壊れてしまうが、ここら辺は井上さんの情動にも思えてくる。
「みつからない宝探し」で盗賊含め、全員が懸命に探す宝箱は見つかるものの蓋を開ければ空振りばかり。絶望の空気が漂う中、ピストルを撃つ度に寿命が縮んで逝ったダンディを含む、舞台に放り出されていた死人や荷物が空高く上って行くが、あのモビールは子どもたちや漂流していた彼らの魂を表したもの、と思った。
祝祭的な感慨もなく、終わった瞬間は、ああ、やっと終わったかと感じたが、大人の目で見るより子供の頃の童心に戻って見たほうが邪推もせず楽しめそうな舞台だった。
嫌いにはなれないけど、もっとどうにかできなかったのか、と口惜しくなってしまった。
しあわせな日々

しあわせな日々

双身機関

こまばアゴラ劇場(東京都)

2016/02/05 (金) ~ 2016/02/07 (日)公演終了

満足度★★★★

しあわせとは。
Oh les beaux jours(仏)という題らしい。美しい日(々)。 以前観たALICAの上演も同じく中央に盛り上がった山の頂上に腰まで埋まった女優(ウィニー)が伏せていて、開演と共に起き上がって語り始めるパターンだった。時々男(ウィリー)が一言返す。美術は金氏徹平氏、男優は福岡ユタカ(ミュージシャン)を起用。休憩をとって二幕には女優は胸まで埋まっていたが、時間経過というより「徐々に埋まって行くみたい」程度の変化で、さほど深刻なイメージは無かったように思う。金氏氏の作った山は家電とかさまざまな物が入り組んで置かれ、時々崩れて大きな音を立てて床に落ちたりする(裏の操作で落ちる仕掛け)ので、「何かが壊れて行く」感じを表現していたのだろう。女優の語りは身体との距離があり、全てが比喩のように見えた。
 こちら双身機関版は、最初「同じ」との印象から観る内に「違い」が見えてくる。 女優の語りに温かみがある。夫への愛情の形、現状への折り合いのつけ方が語りに滲んでいて、「ああ、こういう話だったのか」と改めて気づく。
 この芝居の数少ない物語的要素は、一つは一幕から二幕への「埋まり方」の変化、そして夫(恋人?)の寡黙な中でも幾つかの発語を、どう作るかで夫の人物や彼女との関係性が謎解きとして浮かび上がる部分、あとは彼女の語りが徐々に明かしていくもの(といっても劇的な何かが起きる訳ではないが)。 ウィニーの一人語りがほぼ全てである。
 ベケットがこれを書いた時代の通念、風潮、事件、もしくは演劇的状況がきっとこの作品の下地に恐らくある。というのも、この芝居がこれ自体完成された美をたたえているのかどうかと言うと・・疑問である(そこは意見の相違がありそうだが)。従って、これを今やるというのは、ベケット的には日本でやるなら日本に置き換えた「しあわせな日々」をやるのが正解なのではないか・・と、戯曲をきちんと追えていないが、そういう印象である。
 女優の演技と、美術的な成果を評価。

真夜中すべての白を

真夜中すべての白を

Micro To Macro

大阪市立芸術創造館(大阪府)

2016/01/29 (金) ~ 2016/01/31 (日)公演終了

満足度★★★★★

自然と涙が…、独裁者によって引き裂かれた家族の絆…
独裁者によって引き裂かれた家族の絆を…、
再び取り戻したとき…、
感動のクライマックス、自然と涙が溢れました。

キャスト陣も豪華で、がっかり)乾さんのアンドロイド、上田さんの独裁者、とっても良かったです♪
他の役者さんも熱演で!
見応え十分、感動の公演でした♪

ネタバレBOX

音楽に包まれた楽しい家族に忍び寄る独裁者の陰…。
世界統治を確固たる物にするため、父の研究を、娘の才能を取り込み協力させようとするが…、固辞をする家族。
そんな時、テロに見せかけ、娘を誘拐しようとするが、これに失敗。
しかし、銃弾が息子の胸を貫く…。
独裁者によって引き裂かれた家族の絆。

父は家族の絆を取り戻すため、1人身を隠し、息子をアンドロイドとして甦らせようとするが…、記憶が繋がらない…。
DJにあこがれていた息子の記憶を取り戻すため、462.6KHzのラジオ放送を立ち上げ、息子ににDJをさせる。
バラバラになった母と娘もラジオを聞き、リクエストを寄せながら、昔の音楽を、家族を思い出す。

そして、独裁者が最終兵器を起動しようとするとき、息子も過去の家族の記憶を甦らせ、最終兵器を阻止するために、バラバラだった家族がそれぞれ立ち上がり、独裁者を追い詰めるが…、
独裁者は最期の手段に出る…。

家族のみんなが助かるなら…、何の迷いもなく、自らの命と引き替えに、飛び出す息子…。

そして再び一つになった家族を包むのは、昔流れていたあの音楽だった。
屋根

屋根

富良野GROUP

新国立劇場 中劇場(東京都)

2016/02/05 (金) ~ 2016/02/07 (日)公演終了

満足度★★★★

流されて、見る夢
ラストシーンは何だか泣けてきた。朴訥で、一歩一歩踏みしめて生きるような最後の場面に、希望が透けて見える。

生まれ落ちて、家族で助け合って生活し、老いていく。世の中に流されるようにして生きるしかない私たち。その流れに抗するすべもなく、受け入れて生きていく。自分の生きる分だけ稼ぎ、家族と共にいるという、本当にささやかな幸せを願っている。

猟師の言葉が印象的だ。
自分は獲物を殺すが、自分が食べるためだ。戦争は人を殺すが、お前は人を食べるのか。

電気が通り、家財道具が増え、便利になっていく。舞台はそれを真正面から否定はしないが、「身の程」を考えさせる。国土を拡大する、電気を使うために原発を作る。いつの間にか「身の程」はどんどん大きくなっていく。

老夫婦が、縄をなう。材料は子どもたちが「いらない」として捨てた服だ。「この縄を見ると、写真のアルバムのようにその時のことを思い出す」とおばあちゃんは言うのだ。

大量の物品に囲まれるアンチテーゼとして、断捨離などという。
この舞台では、そのいずれも、「身の程」とは違うのではないかとそっと伝えているようだ。

今日が東京公演最終日。カーテンコールで拍手が鳴り止まない中、倉本聰さんが姿を見せた。見てよかった、と思える舞台だった。

国道、業火、背高泡立草

国道、業火、背高泡立草

烏丸ストロークロック

三重県文化会館(三重県)

2016/01/30 (土) ~ 2016/01/31 (日)公演終了

満足度★★★★★

一つの舞台に重なる現在と過去の芝居
一つの舞台で現在と過去の二つの芝居がシンクロして展開し、素性が明らかになっていく 構成は好きだな。描かれるのは、想いと乖離する人の業と迷走か。 すごく生活感が滲む役者の仕草、SE的な生演奏、世の商売の胡散臭さが印象的。

書く女

書く女

ニ兎社

大垣市民会館・大ホール(岐阜県)

2016/02/04 (木) ~ 2016/02/04 (木)公演終了

満足度★★★★★

意外にコミカルな仕立て
 意外にコミカルな仕立て。一葉の作家悩を感じさせる妄想の演出が漫画的で馴染む。さすがに作家が書く作家の話なので、作家の業と本質を思わせるセリフにハッとするものが多く、また評論家との対峙も興味深い。あの結末なのに、ちっとも悲しそうに見えないところも独特。
 黒木華さんの演技がまた多彩で、一葉の多面的な人格描写にリアリティを持たせている。セリフの無い部分の演技や仕草が絶妙で、近視の表情や執筆中の仕草・妄想なんか、すごく魅力的に人間味を際立たせているな、と・・・。割と近くの席で観れて良かったわ、ホント。

砂に浮かぶ町

砂に浮かぶ町

空宙空地

七ツ寺共同スタジオ(愛知県)

2016/01/29 (金) ~ 2016/01/31 (日)公演終了

満足度★★★★★

ラストシーン、印象的やったな~
交差する2世界の登場人物が、舞台で混在しながら同時に芝居を展開するのが異次元的。照明で主体が切り替わる演出が面白い。非常にコミカルに進行しつつも、幻の理想という悪夢をひたすら繰り返す一種の地獄絵図が内実であったのが、皮肉かつ強烈。さすが関戸節。

そして役者は・・・
・おぐり・早川姉妹の可愛さと狂気の芝居が際立ちました。
・あんなに明るい芝原さん、初めて観た。
・藤村さんはやっぱり困ってナンボの役者ねw
・長沼さん、早川さんとの立会いで出足を止める右差し手見事(何の芝居だw)

 そしてラストシーン、印象的やったな~。空宙空地史上、一番綺麗だった。良い余韻。

ネタバレBOX

実は、当初シートの四隅が釣られているのを見て、そのままバッとおぐりさんごと包んで、「町が消える」のを想像しましたが、そこまではいかんかったか(物理的にムリwww)
ミラクル祭'16

ミラクル祭'16

新宿シアター・ミラクル

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2016/02/05 (金) ~ 2016/02/14 (日)公演終了

満足度★★★★

みてきた
面白かった。あれによる性格判断もありえそうな感じ。

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