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コラソンのおともらち

コラソンのおともらち

コラソンのあんよ企画

APOCシアター(東京都)

2024/10/04 (金) ~ 2024/10/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

3種3ようのお話しにグッと引き込まれます 西山様作演出 素晴らしかっです 有難う御座いました

ピンポンパン!

ピンポンパン!

トツゲキ倶楽部

「劇」小劇場(東京都)

2024/10/02 (水) ~ 2024/10/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

面白かったです!
本当にピンポンに関わるお話でした。運動部の慣習やもの言いに世代感が現れていて、そうか、今時はそんなこともパワハラとか言われるんだ・・・と、まだシゴキとかあった時代の人間としては時の流れを感じました。現コーチの卓球試合のシーン再現が笑えました。
しかしこのOG会・・・

ネタバレBOX

実は何もかも、こうなることを予想した教頭先生の作戦だったのではないか?
嗤う伊右衛門 2024

嗤う伊右衛門 2024

Mido Labo

サンモールスタジオ(東京都)

2024/10/02 (水) ~ 2024/10/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

面白かったです!
顔の半分がただれた女のチラシと伊右衛門ときたら、やはり「四谷怪談」を思い浮かべるし、概ねそういうお話ではありましたが登場人物の設定などは違っていたかと。
最初はなんとも胡散臭いと思って見ていたいわば脇役の登場人物が、だんだん可愛らしく?見えてくるのが自分としても不思議でしたが、演出の妙でしょうか。
地の文そのままらしい語りとセリフで紡がれ、最小限の舞台美術と、照明、効果音で作られた世界に没入してしまいました。しかし、それにしても・・・
(ネタバレ追記しました)

ネタバレBOX

伊右衛門とお岩の愛は純愛だったかもしれませんが、周りの人物たちの歪んだ愛が悲劇を生んでいるとしか思えませんでした。
原作も読んでみようかと思いましたし、読んだらきっと脳内では今日の登場人物たちがこれでもかと活躍してくれそうですが、胸糞悪い奴らが多くて読む気が失せてしまったということは京極先生にはご内密に。

以下追記
お岩さんは気丈で潔くて愛情深くてかっこいいです。喜兵衛に騙されて伊右衛門のためにときっぱり身を引くところにもそれが現れていると思いますし、伊右衛門もそんなお岩に惹かれたのかもしれません。しかしお岩さん、もっと素直になろうよー。もっとちゃんと話もしようよ!日頃は顔のアザも気にしない風なのに、やはり伊右衛門を前にするとそれが引目になってのツンデレなのかと思うし、伊右衛門はそんな天邪鬼なところも可愛いと思ったのかもしれません。伊右衛門は自分の子でもない赤ん坊も慈しんで、本当に優しい人だ。そんな人が簡単に自分を裏切るとか思わないで、喜兵衛の言葉を鵜呑みにしないでちゃんと本人に確かめようよ。第一、伊右衛門に赤坂に女を囲うお金なんてあるはずないとは思わなかったのかなあ。
それでも長屋に移り住んで、自分で稼いで暮らすお岩は色々開放された感じで楽しそうでもあったのですが、その後真実を知ることとなりあの凄まじい悲劇へと突入してしまうのでした。あの屋敷を譲られるらしい与茂七も、あんな光景を目の当たりにして困惑しただろうと思いましたが、あまりに深くて悲しい2人の純愛?の結末に打たれました。
思い切り感情移入してしまった3時間弱。充実した時間を過ごしました。
上演時間が長いと思っていたのでしたが、気になりませんでした。観に行って良かったです。
伊右衛門の来し方、なんで蚊帳の中の人になってしまったのかが気になりました。本編で語られているのに私が気づけなかったのでしょうか。気になるので、原作を読んでみたいとも思ったのでしたが・・・以下略。
嗤う伊右衛門 2024

嗤う伊右衛門 2024

Mido Labo

サンモールスタジオ(東京都)

2024/10/02 (水) ~ 2024/10/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

絵画では注目させるべき人物像だけを鑑賞者に一点集中させるテクニック、そんなテクニックがあるという情報をたまたま仕入れたばかりでしたが・・・生きた人物・人生が鮮明に浮かび上がり、人物そのものを存分に堪能できる演劇テクニックがあるとすれば、まさに本公演がそれではなかったかと
言うはやすく行うは難し、これほど類いまれなスキルを持った劇団さんを自分は他に知らない

閃光、雨、蠢く人の姿・・・何故にそんな態度を・・・どうしてそんなひどい事を・・・何度鳥肌が立ったか分からない
それは人の心に蛇を見たせいか、鬼を見たせいか、底知れぬ哀しみか、それとも悦びだったのか
一筋縄ではいかない人の業がとにかくエグい、エグすぎる
お岩さんの幸福観とは何だったのか、まずはお岩さんから順繰りに登場人物達の生き様に思いを巡らせていきたい
そうでもしないと もの凄い舞台を目の当たりにしてなかなか興奮が収まりません


 橋の下のショコラティエ

橋の下のショコラティエ

ぱすてるからっと

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2024/09/19 (木) ~ 2024/09/23 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

持田千妃来さんと真田林佳さんが出演のケーキチームを観劇。
金曜ソワレと日曜マチネの2回。

ぱすてるからっとさんの観劇は演目で5本目。2.5次元ならぬ「2.8次元」、いつも楽しいです。

前々回「悪役令嬢イミテーション」、前回「The Witch」と三作つづけて観劇したことになります。振り返ると3つとも魔法が出てくるんですね。

7月の「The Witch」では命のやり取りが激しいストーリーでしたが、今回はコメディ寄りで、そういう心配はありませんでした。戦いのシーンでも、ある意味安心して見ていられました。

去年の「水上のゴンドリエーラ」の続編とのこと。それは観劇していないので知らなかったのですが、劇中でなんとなくどんな話だったか分かってきました。その匙加減というか配慮がありがたかったです。

ネタバレBOX

数人がそれぞれ何かをかき混ぜているところから始まります。小泉花恋さんの鼻にはホイップクリームが。なるほどケーキを作るんだな、と。ほうほう、フローラという名前。話が進んで、あれ?まだホイップクリームが。・・・実はなにもついてませんでした。鼻が光って白く見えるんですね。

持田さんは主演のリーチェ。ぱすてるからっとさんの舞台に出演されるのは3本目ですが、持田さんの集大成を見られたような気がします。
「時計塔のレイラ」で主演、今回また主演に選ばれたということは運営さんからも評価されたということですね。
去年あたりから主演される機会が増えてきましたね。嬉しいことです。

真田さんのジュスタ。予想以上に特徴的なキャラでした。あとから台本を見て確認したところ、かなりアレンジされてたようです。真田さんにかかればどんなキャラでもスペシャルなものになるような気がします。

アレンジと言えば鮫嶋樹さんのイザベロはとても面白かったです。登場シーンのセリフが金曜と日曜で違ったので、きっと日替わりでネタを入れているのですね。

余談ですが「インヴォカチオーネ!」のたびに「あびらうんけん!」を思い出してました。前々回舞台「悪役令嬢イミテーション」での呪文です。

ヴェロニカの序盤のセリフ「この子の能力があればあの件ももしかしてと思って」が何の伏線なのか分かりませんでした。あの件とは?

劇中では梅がとても酸っぱいものとされていました。漬けた梅だったのか、かなり熟したものだったのか。実際の青梅は酸っぱくないはずで。

辞書によると、ゴンドリエーレ(男性)、ゴンドリエーラ(女性)。ショコラティエ(男性)、ショコラティエール(女性)、らしいです。もちろん分かっていて「ショコラティエ」を採用したのだとは思います。
コラソンのおともらち

コラソンのおともらち

コラソンのあんよ企画

APOCシアター(東京都)

2024/10/04 (金) ~ 2024/10/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

人間にとって他者との間に生まれる様々な心の“壁”
それを主題にした三話のオムニバス作品
タイトルの感じの猫絡みは
あまし無かったが
なかなかの人間関係を垣間見せていた
約二時間弱の作品

ネタバレBOX

各話の前に主宰西山氏が
いろいろと語りを入れてくる
ヒッチコック劇場風な構成でした
プロローグは猫ちゃんの写真を
いろいろと投影してました
まー猫絡みはココだけかな
#1にて猫のTシャツが出たくらいカナ

で#1の話は
姉に手伝わせて
あまし評判の良くなかった彼氏の部屋から
引っ越す彼女の話
彼氏くんのインパクトのある
ビジュアルにビックリでしたわ
#2は居酒屋で3人の男女が
ギターの無いバンドしてて
解散するかというリーダーの
ヨモツ話
居酒屋BGMの選択が懐かし音楽で
なかなか面白かった
#3はビジネスホテルの休憩室で
ひどい惨状になった部屋の清掃員さんらと
フロントさんや出入り清掃業者さんらとの
濃厚な人間関係な話でした
人と会話したい
さびしいけど壁を作ってしまう・・という
人間の心を描いていたなぁと感心しきり
海のない島

海のない島

劇団B♭

テアトルBONBON(東京都)

2024/10/02 (水) ~ 2024/10/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

さん昔のとても味わいのある舞台でした。

ネタバレBOX

昔と今を交差する場面を中心によく練り上げられていて完成度が高いと思いました。場面転換が多いのに、非常にスムーズで、役者の演技が素晴らしかったです。ひじょうに密度の濃い内容に感じました。
THE STUBBORNS

THE STUBBORNS

THE ROB CARLTON

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2024/10/04 (金) ~ 2024/10/14 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

京都を拠点に活動する団体で、僕は初見。ただ、噂は耳にしていて、一度観てみたいと長く思っていた団体さんでした。ボタンのかけ違いや勘違いで笑いが起こる、王道タイプのシチュエーションコメディ。理屈っぽい台詞の掛け合いはコメディ愛好者に好かれそうな作風で、これから東京でも注目を集めそう。僕は好きです。

ネタバレBOX

三人の登場人物は、それぞれ母国語以外の言語でコミュニケーションをとり、三名全員がその「言語」に精通している訳ではない。なので、時々「意味のすり合わせ」が必要となる。三名は(おそらく)大きなビジネスチャンスを抱えており、大事な会議の前哨戦として前日夜に集まった。この席で、日本語の同音異義語などを取り違え、勘違いが連鎖していく。

前半の「言葉の取り違いを中心とした笑い」はよく構成されており魅力的だったが、後半の回想シーンがやや強引な印象が残り、ちょっと勿体無い気も。ただ、後半をより盛り上げるには説明などが長く必要になり、すると余計に冗長になってしまうのかも。シチュエーションコメディを上手にまとめるのは難しい…と改めて感じた。でも、全体的に良作だと思います。
海のない島

海のない島

劇団B♭

テアトルBONBON(東京都)

2024/10/02 (水) ~ 2024/10/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

最高!でした。旗揚げ公演ということもあり新人さんばかりの劇団かな…と思ったら、どの俳優さんも他の舞台で観ている人ばかりでした^^ その意味では新鮮さより懐かしさを感じました^^ さて、内容ですが、最初に書きましたように「最高!」です。沖縄の地上戦を舞台にした演劇はどれもぐっとくるものがありますが、生身の人間が演じるからこそ生死の重さが感じられるからなんでしょうね。たぶん… すばらしい時間をありがとうございました。

僕たち映画部のはなし

僕たち映画部のはなし

劇団黙猿

イカロスの森(兵庫県)

2024/10/04 (金) ~ 2024/10/06 (日)公演終了

満足度★★★★

リアル青春コメディ
廃部寸前の映画部男子三人に降りかかる難問 最後に青春を謳歌できるのか…
中々楽しめたが、中盤のテンポにメリハリがなく、週末のサラリーマンには…
次回も楽しみにしています ダンス💃は必要❓

海のない島

海のない島

劇団B♭

テアトルBONBON(東京都)

2024/10/02 (水) ~ 2024/10/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/10/04 (金) 19:00

戦争の記憶を忘れてはいけないと思わせる素晴らしい舞台でした!又、戦争を起こしてはいけないと伝えてくれる舞台でもありました。

ピンポンパン!

ピンポンパン!

トツゲキ倶楽部

「劇」小劇場(東京都)

2024/10/02 (水) ~ 2024/10/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/10/02 (水) 19:00

座席1階A列6番

初日の夜公演も観ました🤩
1回目の公演を観て【観る練習】は出来ていたので、夜公演は役者さんの細かい動きや表情を観て、「あーっ‼️そう言う事なのかー🤔」って感心しながら楽しませて頂きました。
1回より2回も3回も観た方がより深く楽しめる、とっても素敵なお芝居です。

灯に佇む

灯に佇む

加藤健一事務所

紀伊國屋ホール(東京都)

2024/10/03 (木) ~ 2024/10/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/10/04 (金) 14:00

座席1階

いつもの加藤健一事務所とは少し趣の異なる会話劇。喜劇ではないから笑わせるところも少ない。加藤ご本人が「これをやりたくて温めていた」という戯曲という。

舞台は宮城県の小さな診療所。医師である父(加藤健一)は息子に院長を譲って今は土曜日だけの診療をしている。患者1人に30分も1時間もかけて話すという診療で「そんなことをやっていたら、クリニックはつぶれてしまう」と息子にしかられている。ある時、古くからの患者で家族ぐるみの付き合いになっている男性が、何だか上の空で訪れる。胃がんの告知を受けたばかりだという。この男性の妻もがんを患い、抗がん剤の副作用に苦しんで亡くなった。男性はそのことも胸中にあり、抗がん剤と放射線による積極的な治療を望む男性の息子と本音では意見が合わず、昔からのかかりつけに相談に来たのだ。

多くの患者をこなさないと経営的に安定しない地方の診療所。だが、病気を診るだけでなく患者の人生までも受け止めて診療に臨む姿勢で地域で信頼されている診療所も多い。加藤健一演じる医師はこのような医師であり、テキパキと診療して休診の午後は野球を楽しむというスタイルの息子の医師とは世代間の相違もある。こうしたテーマだけで亡く、この台本はがん治療の在り方までに切り込んでいく。

がんについては保険診療によるゲノム医療も始まっていて、治療の選択肢は少し広がってはいる。ただ、手術や化学療法などの標準治療を行ってもうまくいかないケースは多い。もう、次の手段がないという場合は急性期病院は退院を求め、緩和ケアを勧めるのが定石だ。どんな治療を選ぶのは患者や家族の判断であるから、徹底的にがんと戦うのか、戦うのをやめて痛みを取るだけの治療に切り替えるのか、それこそこの舞台のように患者と家族の意見が食い違うなどしてとても難しい。どんな治療を選択するのか、そこでは誰の意見を大切にしなければならないのか。この舞台が一つの答えを出している。

今作では加藤健一は群像劇の一人であり、前には出てこない。長く続いてきて本人も年を重ねてきた今、このような戯曲を加藤健一事務所はもっともっと取り上げていってくれたら、と思う。

Letter2024

Letter2024

FREE(S)

ウッディシアター中目黒(東京都)

2024/09/25 (水) ~ 2024/10/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

涙あり、ちょっぴり笑いありの、2時間半という長さを感じさせない、熱演でした。

ネタバレBOX

特攻隊員と大切な人との別れ,思いを託すシーンは、戦争を知らない世代でも、涙が出ます。
広い世界のほとりに

広い世界のほとりに

劇団昴

あうるすぽっと(東京都)

2024/10/02 (水) ~ 2024/10/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ローレンス・オリヴィエ賞ベスト・ニュー・プレイ賞受賞作。
或る事故をきっかけに家族の結びつきを失った三世代家族の再生物語、そんな謳い文句である。物語は、日常のありふれた光景や会話を描き紡いでいるだけだが、次々と情景や状況が変わる。登場人物は、舞台上の違う場所(部屋)や時間をあっさり乗り越え 心地良く展開していく。公演の面白いところは、会話がちぐはぐで一貫性があるのか、場面を繋ぐ構成も断続的で統一性があるのか。その不完全とも思えるところが、物語の崩れかかった関係に重なるようだ。

物語は、2004年の晩秋もしくは初冬から翌年の初夏迄の約9か月間か。英国マンチェスター郊外のストックポードで暮らすホームズ家の三世代。夫々の夫婦の関係や子供との関わりを断片的に描き、場所は違えど同じ時を過ごしていることを語っている。物語は休憩をはさみ前半と後半、その空白の時間(休憩)に或る事故が起き、数か月間の時が経っているよう。休憩の前後で状況が変化、端的には衣裳に表れている。

日常の生活…ストックポートに行ったことはないが、多くの場面に酒とスポーツ(サッカー?)が登場する。それを会話の潤滑材として 世代間の意識や行動の違いを描く。例えば祖父母の場合、祖母が外出する際 祖父が俺の飯はどうするんだ。外出などするなと怒り出す。父母の場合は、当然のように母も働きに出ている。その息子たちは…その考え方や行動が冒頭のシーン。それにしても汚い言葉が所々に発せられて…。
(上演時間2時間50分 途中休憩10分)

ネタバレBOX

舞台美術が、この三世代家族を象徴するかのような作りに思える。正面に薄汚れた壁、上手は木製扉、下手は硝子扉。側面に窓ガラスとカーテン、ベットやキッチン、丸テーブルやいくつかの椅子が置かれている。古びて薄汚れた、そして今にも崩れ落ちそうな天井…まさに半壊状態。
舞台技術は、舞台上の照明(スポットライト)を登場人物の動きに合わせ移動。舞台上の各所は夫々が違った場所(空間)であり、それを簡単に乗り越え展開していく。また白銀色または暖色によって現実を、薄紫紺は幻想を そんな情況の違いの演出が印象的だ。

登場人物は、家の修理工ピーターとその妻アリス には2人の息子がいる。兄はアレックス18歳、弟はクリストファー15歳。アレックスに恋人サラができ、彼女を見たクリストファーの胸がざわめきだした。ピーターの父チャーリーはいつも酒を飲んでいて、その妻エレンは生活を変えたいと思っている。そんな家族の暮らしに隙間風が…。冒頭 アレックスとサラが彼の家へ行き 両親に会う。そして一晩泊まるまでの落ち着かない様子を描く。その数日後2人はロンドンへ長期旅をする。祖父母・両親の世代では考えられないような行動をするが…後々事情があって戻ってくる。

休憩、後半は 舞台に大きな脚立を持ち込み、ピーターがスーザンの家の天井を修繕しているところから始まる。前半の厚着や上着を羽織る姿から、今 ピータとスーザンは半袖の薄着、そこに時の経過が表れている。そして話の流れでピータが息子クリストファーが事故死したことを始めて喋る。この休憩中に描かれない重要な出来事をサラッと挿入する。しかしクリストファーの死は、それまで隠れていた家族の不平不満を表面化させる契機になっているはず。たぶん事故死後は狂乱状態、そこを敢えて描かず ある程度落ち着いた時から描き出しているためインパクトが弱い。事故死という やり場のない悲しみと怒り、その過程を通して それまで鬱積してきた思い、家族のぎこちない関係が鮮明浮き上がるのでは…。

アレックスとサラのSEX、エレンとアリスの初めての経験(処女)、エレンは夫チャーリー以外の男性と経験を、更にチャリーやアリスは夫々 浮気寸前 といった台詞(告白)が並ぶ。しかし肉感的なイメージはなく、どちらかと言えばサラッとした印象、まさに乾ききった関係のよう。が、一度は離婚を考えたピーターとアリスだが、息子を失った悲しみを分かち合うことが出来、絶望から再生への光が…。その件が性急で残念。
次回公演を楽しみにしております。
広い世界のほとりに

広い世界のほとりに

劇団昴

あうるすぽっと(東京都)

2024/10/02 (水) ~ 2024/10/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

「広い世界のほとりに、独り佇みもの思えば、恋も名誉も無に沈む」19世紀のロマン主義詩人ジョン・キーツ。
この世界、実は何も無いと気付いた詩人が吐いた溜息。だが何かあるのでは?無の中にまだ何かあるのでは?足掻いた英国の劇作家サイモン・スティーヴンスの書き殴った戯曲が今作。果たして何か有ったのだろうか?それは観劇した者それぞれの胸の内。
開演前にはモリッシーの曲が流れている。

ホームズ家の三世代家族の人間模様。個人で独立して工務店をやっているピーター(江崎泰介氏)、妻のアリス(落合るみさん)。リタイアしたが時々手伝ってくれるピーターの父親チャーリー(金尾哲夫氏)、妻のエレン(姉崎公美さん)夫妻は近くに住んでいる。ピーターの息子、18のアレックス(笹井達規氏)、15のクリストファー(福田匡伸氏)。
アレックスはドイツ人の彼女、サラ(賀原美空〈みく〉さん)が出来て家に泊まらせる。クリストファーは一目で彼女に夢中になる。アレックスとサラは二人で家を出てロンドンで暮らそうと考える。何気なく家族の生活に落ちた小さな石ころが波紋となり、遂には家族の存在の核にまで届き揺さぶっていく。

休憩10分込みで2時間50分。
ハッキリ言って前半は退屈。だが休憩後の後半がまるで違う作品のように面白い。これを味わわないのは実に勿体ない。落合るみさんがどんどんどんどんイイ女になっていく。恋バナの時の表情なんか少女のよう。どこの国もこの年代の女性がキーパーソンなんだな。
主人公ピーターに家の修繕の依頼をする妊婦スーザン(舞山裕子さん)もいい味。ピーターの誰にも言えない心の痛みをずっと静かに聞いてあげる。
観客も世界もいつしかピーターのどうしようもない心象風景に同期していく。
杉山至氏の舞台美術に照明の田中祐太氏が投げ掛ける光。影の形を練って作った造形なのだろう。伸びる影のフォルムが見事な演出となっている。登場人物達の心情を伝える光と影の演出。
この戯曲の本国での評価は各世代の纏った痛切なリアリティーなんだと思う。それぞれの抱えたやり切れなさ。
是非観に行って頂きたい。

ネタバレBOX

「私の前で汚い言葉を使わないで!」
妻に夫が手を上げた、ただそれだけで大事件になる英国文化。日本人の感覚だと別に大したことではない不思議。逆に英国ではドラッグなんて朝ティーを飲む感覚でガキ共皆やっているのに日本だと社会生命の抹殺。金尾哲夫氏の酒がないとどうにもやり切れない悲哀。

冒頭はバスに乗っている二人、笹井達規氏と賀原美空さん。このシーンのニュアンスがよく伝わらなかった。導入としては失敗。前半は居眠り客が多かった。弟の事故死の後、アレックスは帰郷しなかったのか?そこもよく分からない。

ロンドンの屑ジャンキー、ポール役の赤江隼平氏、家を全焼させてしまい刑務所行き。
ジョン役須々田浩伎(すすたひろき)氏も印象に残る。過失がないとはいえ息子を車で撥ねて殺してしまった男。母親にとってその絶対に相容れない筈の男に惹かれていく不思議。

英国マンチェスターのストックポートが舞台。やはりスミスやOASISの曲を流したい。前半は音楽で賑やかにやるべきだったかも。個人的には曲で空気を醸成した方が良かった。

Oasis 『I'm Outta Time』

もし俺が落ちていくんだとして、君は拍手を送ってくれるだろうか?それとも皆の後ろに隠れてしまうのか?
だって離れなきゃならなくなったとしても、ずっと俺の心の中に君は居続けるんだ
ピンポンパン!

ピンポンパン!

トツゲキ倶楽部

「劇」小劇場(東京都)

2024/10/02 (水) ~ 2024/10/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

シンプルな舞台で中央に卓球台置いて
周囲に人数分のパイプ椅子を置いての
会話劇ですかね
体育会系の立て型社会とか
怖い先輩とか世代の格差とか
いろいろと詰め込んでて
なかなか楽しめた作品となっていました
100分で全席指定デス

ネタバレBOX

女子高の卓球部のOG会
集まる切っ掛けは久々に
全国インターハイに出れるようになり
選手7人の北九州までの遠征費用を
OG会で集められないかとの寄付金集めの話です
3期の怖い先輩23期の伸びやか世代
強豪だった筈の部が不祥事のために
練習試合も断られるようになってしまった
18期のメンバーとかに
現コーチと前コーチ等を交えた会議が
メインなスートーリー展開となります
伏線の貼り方も上手で
納得のできる綺麗な終わり方で
感動できました(^-^)
嗤う伊右衛門 2024

嗤う伊右衛門 2024

Mido Labo

サンモールスタジオ(東京都)

2024/10/02 (水) ~ 2024/10/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

面白い、お薦め。これぞ舞台は総合芸術と思わせる秀作。
「京極ワールドを一冊読み切った達成感」…この謳い文句に誇張はなく、十分に堪能させてもらった。
本「嗤う伊右衛門」は再演ということだが、自分は未見。京極夏彦の小説も未読であるが、その世界観がしっかり伝わる。いや小説という自分の想像によって世界を膨らませることと違い、舞台は視覚聴覚など直接的に感じる。その意味で狭いといった印象を持っていたが、登場する人物1人ひとりを深堀し、語り部をもって物語を紡ぐ。そこには頁と頁、行間を読むといった小説の味わいとは別の面白さがあった。語り部は1人ではなく、1冊の台本を手にした者が話を前に…。このように人物と物語が併走していく感覚が好い。

小説の登場人物は、役者の体を通して立ち上がる。勿論 役者の体現がそうさせるのだが、たぶん小説とは違って生身の人間=役者の感情が直接訴えてくる迫力に圧倒される。繊細かと思えば荒々しく大胆に、しかも所作に様式美まで感じてしまう。
この役者陣の熱演を支えているのが、舞台技術ー照明・音響音楽であることは間違いない。単に技術的な効果だけではなく、情景や心情といった内外に秘める機微のようなものが演出される。見事の一言。
(上演時間 前半1時間35分 後半1時間10分 途中休憩10分 計2時間55分)10.5追記

ネタバレBOX

舞台美術は、段差を設えその前に畳一畳。下手に めくり。物語の情景・状況に応じて畳の向きが横・縦・斜めに置き換わる。物語は 小説の目録通りに展開するようだ。目録は めくりに書かれ、演者が捲る。例えば「木匠の伊右衛門」「小股潜りの又市」等と書かれており、舞台では その人物を中心とした場面が描かれる。その人物の背景なり性格等が掘り下げられ、次々に登場する人物との関りが鮮明になる。

「東海道四谷怪談」は、概ね 塩冶四谷左門の娘・お岩(おいわ)とお袖(おそで)の姉妹を巡る怪談劇で、お岩は夫・民谷伊右衛門(たみやいえもん)の極悪非道な行いによって非業な死を遂げ、幽霊となって恨みを晴らそうと。一方「嗤う伊右衛門」は、気性が男勝りで凛とした お岩を敬い愛していたと。また 伊右衛門は生真面目、律儀といった性格のようで 梗概は似ているが、まったく逆の心情が描かれている。そこに京極ワールドの純愛が切なく悲しく紡がれる。

冒頭、伊右衛門が蚊帳の中で、その場所から外は暈けて見える。勿論 外からも内は暈けた人影しか見えないだろう、そんな旨の台詞から始まる。蚊帳を捲ると闇が入ってくる怖さ、そこに人との関わりが透けて見える。人の外見は鮮明なのに、内心は計り知れない。胸襟を開いて 懐に入れることの怖さ。物語の人々は上辺だけの言葉を信じ、騙され窮地に陥る。それでも信じ合うことの尊さ、そこに顔の美醜など関係ないと。

舞台技術が見事。照明は全体的に昏く ピンライトで人物を浮き上がらせる。それは心情であり情況である。また青白い目つぶし閃光で雷、また葉影のような落ち着きなど多彩。音響は雷鳴やドロッとしたという 語りに合わせた効果音など、目に見えない情況が迫る。また和装が映え、その端正な立ち居振る舞いが美しい。
次回公演も楽しみにしております。
How do you survive? #1

How do you survive? #1

How do you survive?

ニュー・サンナイ(東京都)

2024/10/03 (木) ~ 2024/10/05 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/10/03 (木) 19:30

5年ぶりの今城文恵作・演出で新ユニットの旗揚げ。ちょっと不思議な展開で面白い。(3分押し)25分(32分休み)30分。
 『多夫多妻なぼくら』は、重婚で多夫多妻制が成立した近未来。歳の離れた兄の息子・龍人(結城洋平)と久々に会った満咲美(山脇唯)は、子どもを何とかキッズルームに預けられないかと相談され、古い知り合いの幸太郎(森啓一朗)に相談するが、話は思いもかけない方向に向かい、…の物語。まぁ予想できる展開だけど、なところで、1幕が終わる。
 ライブハウス形式なので飲食も楽しむということで30分の休憩を経て『一夫一妻のわたし』。1幕の終わりから続く話は、ますます思いもかけない方向に向かう。
 今城の物語は、ちょっと変な生き辛さを抱えた人を描くことが多いんだけど、本作も似た傾向かな、と思う。次回作も観たい。
 初めて行った会場だが、とても面白いスペースだし、周辺の店も興味深い。

ピンポンパン!

ピンポンパン!

トツゲキ倶楽部

「劇」小劇場(東京都)

2024/10/02 (水) ~ 2024/10/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

女子高卓球部のOG会を舞台にした会話劇。ある出来事に関して核心にふれず進行していくことで、徐々に元部員達の思いがあふれ出していく。最初は、ああ部活の上限関係での会話ってこんな感じだったよなと思いながらも、各人の立ち位置や心情が読み取れ、ひき込まれていく。ラストにどんどん分かる事実が伏線も回収しており面白い。トツゲキさんらしく、基本的には良い人ばかりなので、暖かく見守れる舞台でした。

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