最新の観てきた!クチコミ一覧

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ナイゲン(2016年版)

ナイゲン(2016年版)

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2016/08/11 (木) ~ 2016/08/22 (月)公演終了

満足度★★★★★

面白かった
全ての出演者のキャラクターが、ユニークで、それぞれ特徴が出ていて、楽しめました。
次々に展開が変わるのが、面白く、次にどう変わるのか、期待感が持続します。
見終わった後味も良く、満足出来ました。

夏に死す

夏に死す

劇団桟敷童子

すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)

2016/08/02 (火) ~ 2016/08/14 (日)公演終了

満足度★★★★

他の劇団との際立った違い
手厚い出迎えから座席への誘導までこの劇団は圧倒的なホスピタリティがある。さらに手作り感たっぷりの見事な舞台セットやあっと驚くスケールの大きな仕掛けは今回も健在だった。これらは他の劇団との違いとして際立っている。
ただ、今回は現代の現実的な問題を題材としていたためかストーリー性や意外性という点でやや物足りなかった。

TARO URASHIMA

TARO URASHIMA

る・ひまわり

明治座(東京都)

2016/08/11 (木) ~ 2016/08/15 (月)公演終了

満足度★★★★★

楽しかった。
とにかくストーリーが面白い。予想をはるかに超える展開にキャラクターが沢山登場で常にびっくり、口が開いていました。
歌も素敵で面白く楽しいステージでした。

ネタバレBOX

丙姫の設定がとてもいい。
方言での暴言、兄への暴力、何よりシャウトがかっこいい。
夏の夜の夢

夏の夜の夢

青年芸術家協会

江東区深川江戸資料館小劇場(東京都)

2016/08/13 (土) ~ 2016/08/14 (日)公演終了

満足度★★

これはまるで大人の学芸会
有望新人発掘プロジェクトという言葉に惹かれ見に行きました。しかしあまりにもお粗末な演技力にびっくり。がっかりでした。発声も悪く聞き取れないセリフも多くありました。妖精の白い衣装の糸がほつれてぶら下がったり細かいところにも心配りがほしいものです。でもそれなりに2時間楽しまさせていただきました。

白紙の目次

白紙の目次

劇団時間制作

サンモールスタジオ(東京都)

2016/08/10 (水) ~ 2016/08/17 (水)公演終了

満足度★★★★★

ライン下り
キツい! 不意に寄せる波の力がハッとするほどに強い。持っていかれた蒼い世界、直に、斜に、横目に、上目に、肩越しに、見つめる自分が現れる、本心を探られて息苦しい。浮かぶのは、”持たざる者”の自覚が潜むからこそ追い込まれる葛藤、持ってみるまでわからない深層・・・。入場から退場まで、丁寧かつ過不足のないプロの構えを追いかけたくなる。

白紙の目次

白紙の目次

劇団時間制作

サンモールスタジオ(東京都)

2016/08/10 (水) ~ 2016/08/17 (水)公演終了

満足度★★★★★

時間制作の熱い舞台に満足させられた!
時間制作の舞台。。題材、演出、効果、そして俳優陣のパフォーマンスと、素晴らしい総合力で毎回満足させらている。
その中でも今回は依存をテーマに思いのパワーの交差を見事に描いた圧倒的な現代劇であった。
そして、何よりも初主演の田名瀬さんのポテンシャルの高さに圧倒された。
若い役者さんが、演出の思いを感じ取り、全身全霊で演じる姿に感動した!
本当に素晴らしい舞台だった^_−☆

野狂~おのしのこのし~

野狂~おのしのこのし~

カムカムミニキーナ

ABCホール (大阪府)

2016/08/06 (土) ~ 2016/08/07 (日)公演終了

満足度★★★★

恐怖は、人の心
賢愚いかなる王の下でも忠実なる僕として、国を支え続け、不気味に栄え続ける一族小野氏。一部の小野一族が、自由奔放に過ごす 地獄の魔人小野篁(たかむら) 絶世の狂女小野小町 怨念 何が実態で何が怨念 解らなくなる 倒錯したシーン中にお笑いがどんどん入る 恐怖は、人の心 ちょっと変わったホラー面白かった。 

遥かなる甲子園 (再演)

遥かなる甲子園 (再演)

関西芸術座

浪切ホール 大ホール(大阪府)

2016/08/06 (土) ~ 2016/08/06 (土)公演終了

満足度★★★★★

閉ざされた甲子園 今の社会への警笛
聴力障害を持った少年たちが野球をする。 健常者も含めた大会の出場への壁 閉ざされた甲子園 彼らの夢。 なぜ規定に、安全を考慮。 安全責任は高野連?監督?個人? 根拠のない規定 決まり事の壁は差別、区別。 壁を壊すのは難しい。聴力障害を持った少年少女が周りの人と力を合わせて、壁に穴を開ける。奇しくも今大会で女性記録員がシートノックの補助を強制退場になった。 高校野球 高野連批判だけでなく、人種 男女 国 移民 今の社会への警笛にも感じる この芝居は、「子どもえんげき祭 in きしわだ」の一つのプログラムですが、子供だけではなく、大人もしっかりと考えなくてはいけな、素晴らしい作品。

ウソを数えて108つ

ウソを数えて108つ

劇団暇だけどステキ

大阪市立芸術創造館(大阪府)

2016/08/05 (金) ~ 2016/08/07 (日)公演終了

満足度★★★★★

彼の死 取り残される想い 狂った思考 戦略 策略
 前説 カッパの前説 衣装の手と足と腰巻き 劇団**のをそのまま・・・ カッパだけにカッパらった・・・ 今 外は雨 カッパの皿も潤う。

 オープニング スクリーンの映像 白い幕に映るガールズバンドの影が。
白い幕に写す バンド ミュージックビデオ オープニング役者紹介 映像が終わり ガールズバンドの影が白い幕に映る、かっこいい演出 すぐに 流れる曲 上がる幕 バンドのシーンと歌が生歌に再び録音に戻る。
舞台は小さなライブ会場 ドラム ギター ベース 大きなスピーカー 下手にカウンター 上手から階段 2階は外 2階下手での床の端ギリギリでのシーンは、危うい感じで物語の危うい部分と重なり危機感が増幅する。
 20年前の出来事 聞きたくない ほっておいて。 父親は誰。帰って下さい。
MVに映った神社の境内から出てくる多数の手 心霊TV シェーン山下 もう一つ写り込んでいる。消そうとしたけど消せない。誰かか 仕組んでいる。
彼の死 取り残される彼への恋心 恨み バンドの仲間 片想い MVに映ったもの 狂った心と思考 戦略 策略 最後に繋がりが観えてくる物語 ウソを数えて108つ この題名もいい、 重いシーンは、お笑いを入れてスピリチァルに成り過ぎない様にして主題がはっきりして観やすく作っている、面白かった。

ナイゲン(2016年版)

ナイゲン(2016年版)

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2016/08/11 (木) ~ 2016/08/22 (月)公演終了

満足度★★★★

傑作ではあるが…
何度も上演されている作品で、評判は聞いていたのだが、ようやく観ることができた。確かにテンポが素晴らしく、面白い作品だ。だが、観終わって何だか物足りなく感じるのは、やはり前提として学校側の指示を認めているからなんだろうな、と思う。その制約を逆手に取って、というところまで行っていない分、却って不満が残ってしまう。

15 Minutes Made Volume14

15 Minutes Made Volume14

Mrs.fictions

インディペンデントシアターOji(東京都)

2016/08/10 (水) ~ 2016/08/16 (火)公演終了

満足度★★★

ショーケース公演だから
6劇団が15分ずつ上演するという型式で、東京の小劇場を紹介し続けているという努力は敬服する。しかし、それは質が常に保たれていることを保証しない。
今回の5劇団(主催のMrs.fictionsは必ず出るから)は一定の質はあるのだが、一つでも面白くないところがあると、それが気になってしまうのは、私の悪い癖なんだろうなと思う。「かわいいコンビニ店員飯田さん」は面白かった。それと、主催の「Mrs.fictions」も2通りの解釈の余地を残した舞台は巧みだったと思う。

庚申待の夜に

庚申待の夜に

風雷紡

小劇場 楽園(東京都)

2016/08/10 (水) ~ 2016/08/14 (日)公演終了

満足度★★★

何故今、谷中村か
社会派とは言っていないが、社会的な話題を取り上げることが多い同劇団だが、本作は足尾鉱毒事件の谷中村を舞台に、最後まで残った家族の一夜の物語を舞台化した。おどろおどろしい展開の中、秘密が少しずつ露になってくる状況は面白いし、楽園という小空間でスケールある展開をしているのは巧い。ただ、なぜ今、谷中村を扱うのか、疑問は残る。

フローズン・ビーチ

フローズン・ビーチ

別れの始まり

スタジオ空洞(東京都)

2016/08/11 (木) ~ 2016/08/14 (日)公演終了

満足度★★★★

面白い!
言わずと知れたケラリーノ・サンドロヴィッチの岸田戯曲賞受賞作を、この小空間で、女優陣の企画で上演するという。だが、スケールやら拙さやらはあるものの、原作の不気味な面白さを再現することには成功していると思う。特に、市子役の今城は、犬山イヌコとは違った意味での狂気を巧く表現できている。2年ほど前にシブゲキで上演されたプロデュース公演よりは数段良い。
宣伝が不十分なのか、観客が少ないのが何とも勿体ない。

鶴澤寛太郎の会

鶴澤寛太郎の会

寛の会

渋谷区文化総合センター大和田・伝承ホール(東京都)

2016/08/12 (金) ~ 2016/08/12 (金)公演終了

エネルギッシュでした。
20代の寛太郎さんの三味線と小住大夫の義太夫は、若さにあふれていました。力の限りの演奏と義太夫は、二人のこれからの決意みたいにも思えました。又こういう企画があったら、ぜひ参加したいです!!
評価はしません。
多分そういった類のものではないから。

ナイゲン(2016年版)

ナイゲン(2016年版)

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2016/08/11 (木) ~ 2016/08/22 (月)公演終了

満足度★★★★

迫力満点の展開
様々な高校生の人物像が登場します。
無駄に熱い奴、想いが熱い奴、若い時には特にありがちな損得論、見てるうちにリアルな高校生の熱弁にみえてきます。
楽しくも充実した時間を過ごせました。元気を頂きました。

西成の虎

西成の虎

ネコ脱出

小劇場B1(東京都)

2016/08/10 (水) ~ 2016/08/14 (日)公演終了

満足度★★

観てきた!
70年代の大阪西成を舞台に、伝説の歌人「西成の虎」をめぐる物語。
実話を元にしたお話らしいのですが、ヤクザ、西成警察、麻薬、ホームレスの暴動などなど結構バイオレンス(^_^;)

西成の裏の面も描きつつ、大阪ならでは?の笑いと人情あふれるお話に仕上がっていたと思います。
たくさんのエピソードがあって、歌やダンス、アクションも随所に差し込まれ
1時間45分とは思えないほどの盛りだくさんな内容でした。

ただ、若干ぶつ切りな印象を受けることがあって、唐突に感じる場面が何度かありました。
特に劇団コント?の部分は大変面白かったけれど、ネタのコーナーみたいになっていて、
作中でやるには少し違和感がありました。(あそこはアドリブなのかな?)

百物語 2016

百物語 2016

ファントマ

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2016/08/12 (金) ~ 2016/08/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

面白かった!
新機軸のゾンビ劇は場面が激しく変わり動きがあり、とても面白く秀逸であった。伊藤えん磨さんの出番はいつものとおり楽しく、今回はハプニングもあった。
次回は、もっと劇でのえん磨さんの出番を期待したい。

Oleanna -オレアナ-

Oleanna -オレアナ-

ミキミキ・コネクション

キッド・アイラック・アート・ホール(東京都)

2016/08/11 (木) ~ 2016/08/14 (日)公演終了

ディスコミュニケーション
100分を二人だけで演じ切るという、チャレンジングなお芝居。
ディスコミュニケーションをテーマにしているだけあり、会話が噛み合わなかったり、相手がどう反応するか予想がつかなかったりと、常に振り回されている感覚がありました。元がどんな戯曲なのか、興味がわきました。

虚構の劇団 第12回公演「天使は瞳を閉じて」

虚構の劇団 第12回公演「天使は瞳を閉じて」

虚構の劇団

座・高円寺1(東京都)

2016/08/05 (金) ~ 2016/08/14 (日)公演終了

満足度★★★★

虚構の劇団2度目。若い。
前回は鐘下辰男脚本・千葉哲也演出という番外編?だったから実質今回が初の虚構・本公演観劇(自主企画公演は二度ばかり観た)だ。
ノリの若さ、撥ね方が少し前時代風に感じるのは、己のひねた人格のせいか。 正面向いて面白さ(役者の魅力=観客への浸透力)アピール!な場面満載で、俳優アピール公演か・・とふと思う。
冒頭は、原発事故で放射能に汚染された被災地を訪れた人たちが「実験台」となる。透明な壁で囲われた(おそらく天井も、なのでSFだ)シェルターと化したこの区域は、その後外界で起こった悲惨な顛末によって、世界で唯一人間の住む場所となった。そうとも知らず、エリアからの脱出をあきらめた彼らは「街を作ろう」と、目標を一転、その「街」での物語が芝居の大半、展開する。
「作られた街」での出来事だから、奇妙な設定も、登場人物らが特殊な職業(テレビプロデューサーとか)に就いててもさほど違和感なく、その彼が「らしからぬ」言動をとっても、大丈夫。中心的な夫婦を取り巻く人脈たちの人間模様が、時にシリアスに描かれるかと思えばすぐそれは「はいカット!どこからがドラマでどこからがドキュメントか判らないまったく新しい形態のドラマ」とか説明をつけ、その後も同じパターンが何度か。終盤、「ドラマ収録」に戻らない夫婦の深刻な局面を迎えたりするが、この「街」での劇じたいがどこから真実でどこから虚構だか判らない作りになっているので、厳密に物語を追う必要性を感じさせず、そもそもよく判らない。
一定間隔で挿入される笑える場面(ショータイムなどの番組)で観劇者をラストまで引っ張る戦法だ。
 この戯曲が、比較的愛されて再演を6度重ねてきたという、その大元が私にはよく判らなかった。時代が何を求めていたのか、その残り香がこの舞台にはあって、それを味わいに客はきっと観にくるのだろうと考えた。その核心部分が、興味の対象ではある。
 ラストのナレーションによるシリアス落ちが、劇中のドラマとどうリンクするのか・・・私にはここにも相当飛躍が感じられる。
 想像するに・・、深刻な問題をそれとして語ることや、語る態度じたいが忌避すべきもので、忌避する事の正当性が80年代、90年代当時にはあった、のだろう。この「アンチ」がある種軽薄なノリに「芯」を与え、確信をもって馬鹿をやる役者を動かし、「虚構」の中に少しだけ真実味をまぶすのがせいぜいな「劇的」の形を作らせているのだ、と解釈してみた。
 冒頭のくだりで、俳優の演技にもっと深みを求めたくなったが、全体に対する不足感の原因は、そのあたりか。

 今年劇作家協会会長となった鴻上尚史氏の「劇作」、以前読んだものはシリアスな問題をエンタメに置換した「楽しめる」戯曲だったが、今回のは少し高度だったのではないか。
 美的に一定レベル以上の役者による、今回の芝居。役者としての「出世」を夢見ることのある程度許される層が、そうした観客の応援も想定しながら大衆演劇よろしく披露している(鴻上氏自身がそうした業界と出入りしている関係で)公演で、でもそれだけじゃないよ、それなりにしっかり演劇やってますよ、そう胸を張れる部分もある、その両サイドの境界を歩んでいる劇団の公演、と理解すれば一番よいのかも知れない(そういう位置づけkの劇団は他にもありそう)。
 ・・ほとんど酷評、になっているかも知れないが、特に嫌な印象を持ったわけではない。ただ演劇の質として私の期待を下回った理由について、(浅いかもしれない)考察をしてみた。

 他の気に入らない部分が原因かも。音響の「こけ脅し」効果は嫌いである。ショータイムなどの場面転換で、音がガッ!と鳴る。若者にはライブ感覚で効果ありかも知れないが・・だが基本ライブのノリの芝居じゃない、と思う。
ストレートプレイの誇りをもって、脅しで勝負しないでほしい・・などと心で呟いていた。許される最大音量を出し、台詞直前でグッと落とす、この落とすのは音響のセオリーだが、「落差」を最大化することで悦に入ってるだけなんじゃない?と、オペ(だけを責めるのは酷かもしれないが)の姿を思い浮かべたり。申し訳ないが、万事こういう若さ勝負な感性に「忌避」感情が発してしまったかも知れない。
最後は自省となった。

夏に死す

夏に死す

劇団桟敷童子

すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)

2016/08/02 (火) ~ 2016/08/14 (日)公演終了

満足度★★★★

動き軋む桟敷童子
桟敷童子の芝居は作者本人がいつか漏らした如く、幾つかのパターンのローテーション、そう言われて否定できない「似たり寄ったり」感はある。これを楽しみにお客もやって来る。だがまったく同じ舞台では無く、新作には何らかの新趣向が必ず盛り込まれている。ようは、「予測の裏切り度」が勝負なのは事実だ。
その点、劇団歴のどの時点から見始めたかで観客にとっての新鮮度は異なるだろうし、神話的なのが好みか、リアルな方が好みか、などもあるだろう。

しかし同じ事を繰り返して行くだけ・・という作者(東氏)の謙遜な述懐とは別に、決して「同じ事」は(再演を除いて)やらない創作の作業は、新たな舞台世界を志向することを宿命づけられている訳で、「体夢」「エトランゼ」そして「夏に死す」と続く桟敷童子の<試み>は劇団の「形」をこねなおし、軋ませるものに(結果的に)なっている、と思う。
今作の試みに、拍手を送りたい。現在を舞台にしたストレートプレイが役者に要求する「リアル」は、従来の、一定のテンションと同質な思いを共有し、集団で作る台詞のリズムが快感でもあった芝居とは少し違う風を舞台に吹かせる。言わば役者を裸にする。その分、役者本人の輪郭が、特徴が、そして魅力も見えてくる。そういう面がある。
集団芝居でも重要な役を担い、繊細な演技が光っていた池下氏の退団はそれだけに惜しいが、、とは言いつつも、桟敷童子の風合いがそぎ落とされた訳ではなく、ストレートプレイだけれど桟敷童子風味がしっかり残る、そのバランスの具合は過渡的なのか、一つのモデルになるのか、微妙だ。
人情にほだされる感動をしっかり作り出し、観客の共感をもぎ取る力は、定型的だが発揮されている。 問題は今作の場合、基本リアルな現代劇であり、オチの部分でありきたりな「定型」では物足りなくなるという点だ(これは以前の芝居にも感じていた事だが)。
 父は戻って行く。そして、死は宿命として訪れる。 一夏の出来事(波乱)の後、人の世の「定型」に戻って行く、というオチは、この夏の「出来事」じたいが持つ問題の困難さ、複雑さゆえに、どうもふさわしくないのだ。
「現在」というこの時間、つまり現実の世界に、解決しないものとして存在している問題群は、非日常が日常を取り戻す事で解決した、という型にはまりにくい。
これというのも「現在」のリアルに深く繋がる芝居になったからこそ、結末での「扱い」に不満が残ったという事であり、問題を「撫でた」程度の(人情物語に終始した他の)芝居とははっきり一線を画するものだった、と私は感じている。従って落とし所に難しさはあったが全体としてこの仕事に、拍手を送りたいと、強く思う。

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