
義経千本桜—渡海屋・大物浦—
木ノ下歌舞伎
愛知県芸術劇場 小ホール(愛知県)
2016/05/27 (金) ~ 2016/05/30 (月)公演終了
満足度★★★★
木ノ下歌舞伎「義経千本桜ー渡海屋・大物浦ー」、二時間以上の全編に見応えあり(演目以外のストーリーダイジェストも)。舞台・衣装・照明、美術が全て美しく繊細かつ意味あり。二人のデウス・エクス・マキナの間でみっともなくあがく男の不様な格好よさ。そして、繰り返される物語で死ねない男も…

橋の下歌舞伎
ハラプロジェクト
矢作座(豊田大橋の下・矢作川河川敷特設会場)(愛知県)
2016/05/22 (日) ~ 2016/05/24 (火)公演終了
満足度★★★★
ハラプロジェクト「橋の下歌舞伎」『ビニール勧進帳』&『俊寛』、弁慶・富樫・俊寛の立ち姿や表情が素敵。基本線は変えずに日本人好みのアレンジ。原作にない殺陣が流れにハマる。痛快無比な弁慶の大暴れと、悲しみを背負う俊寛の敵討ち。今週末の橋の下音楽祭では、草原ステージにて『鈴ヶ森』上演!

ペリクリーズ
俳優館
俳優館スタジオ(愛知県)
2016/05/19 (木) ~ 2016/05/22 (日)公演終了
満足度★★★★
俳優館・シェイクスピア・リーディング・シアター「ペリクリーズ」、晩年のシェイクスピア「らしくない」戯曲を、リーディング「らしくない」車座で。地中海東を股にかけて、あれよあれよと展開する荒唐無稽な話を、調子のいい狂言回しが楽しく解説。

SQUARE AREA【ご来場ありがとうございました!】
壱劇屋
千種文化小劇場(愛知県)
2016/03/24 (木) ~ 2016/03/24 (木)公演終了
満足度★★★★★
壱劇屋「SQUARE AREA」、役者全員が、磨かれた身体性と観せ方の統一意識を共有した作品作り。1cm・ミリ1秒単位で関係性を見せるダンスの凄まじさ。演出的にやりたい事を前提にしたドラマも、緻密な回収力とままならぬ人生への共感性で感動を呼ぶ。アフターイベントの捨て身もステキ。
壱劇屋「SQUARE AREA」、最高にいい意味で「金を取って見せられる」小演劇。壱劇屋、また名古屋でやるとのこと。県外劇団の定期公演がなかなか根づかない状況への朗報。やるにしろ観るにしろ演劇好きなら、観れば得られるものは多いはず。

劇闘 ゲキトウ~短編芝居の東西戦!~
日本劇作家協会東海支部
長久手市文化の家 風のホール(愛知県)
2016/02/27 (土) ~ 2016/02/28 (日)公演終了
満足度★★★★
劇闘@長久手、リレー戯曲のみ観劇。昨年までに比れば、さすがに内輪感が少ない。東軍・平塚チーム、繋がりの難解さは、クセックACTで稽古中のロルカ「観客」並み。西軍・鹿目チーム、なんだかんだで次の受け手の反応を考慮、分かりやすくストーリーが繋がる。どちらがいいかは、好みか?
【『劇闘』リレー戯曲 見所】
・東軍男子三人のふんどし
・代役・渡山さんの立ち姿
・台越くんの無茶な展開
・西軍男子三人のBLっぽさ
・佃さんのキレキレダンス
・鹿目さんの「爆発は芸術だ!」

DEAR LOVERS
N.N.P
ナビロフト(愛知県)
2016/02/27 (土) ~ 2016/02/28 (日)公演終了
満足度★★★★
「DEAR LOVERS」@ナビロフト、「少女王者舘」という趣の台本や演出が、儚いイメージ。楽器・演者含む舞台美術は等身大オルゴール的。歌・ダンス・ギターのシーン、明確な対マンセッションもいいかも。カワイイ女子だらけで顔認識弱いが、、、ごとりさが頭一つ抜きん出ていた\(^o^)/

思い出し未来
少年王者舘
七ツ寺共同スタジオ(愛知県)
2016/02/11 (木) ~ 2016/02/14 (日)公演終了
満足度★★★★
少年王者舘「思い出し未来」、SF的ガジェットを投入すると(私には)意外と分かりやすい構造。所々従来のパターンから外れているかと思えば、限界までねちっこかったり。間断無き言葉遊びや幾何学ダンス、照明による切り分けは相変わらずキレキレ。

この声
オイスターズ
名古屋市東文化小劇場(愛知県)
2016/02/11 (木) ~ 2016/02/11 (木)公演終了
満足度★★★★
オイスターズ「この声」、誤解と思惑と断絶が転がすコミュニケーションの行き違い+話題のあやふやな定義で、笑いやシュール、深刻なテーマと矢継ぎ早に会話の基底がスライドする、平塚さんならではの会話劇。コミュニケーション対象でなければ、存在すら認知しなくなるのよね…

『ラストパイ』 『テトラへドロン』より抜粋
公益財団法人愛知県文化振興事業団
愛知県芸術劇場 小ホール(愛知県)
2016/02/11 (木) ~ 2016/02/11 (木)公演終了
満足度★★★★★
【黒田育世レパートリーダンス公演覚え書き】・「テトラへドロン」化学式 原子崩壊 ズレが生む広がり また一致 サイズ可変 影 ・「ラストパイ」厳密かつ自由な振り付け 魂の音楽 血の照明 シンプルかつ明確な衣装 40分のソロが繋ぐ時間 命のやり取り 一人の人間の中で 一瞬の出来事
黒田育世レパートリーダンス公演「ラストパイ」①、たぶん厳密・入れば自由になれそうな振付、魂から絞るような音楽、さっと血が走る照明、 シンプルかつ明確に個を見せる衣装。どの要素も、キレイだけではないクセのある魅力。それを踊るのがNoismではない、一般参加者というのが最重要。
黒田育世レパートリーダンス公演「ラストパイ」②、40分のソロを旗印に、各ダンサーが何かを相手に命のやり取りをする時間が連なる光景は、祭祀でトランスする巫女と熱狂する群衆にも、実は全てが一人の人間(おそらく赤い人)の中での出来事にも見える。終わった時には、一瞬の出来事にも思えた。
黒田育世レパートリーダンス公演「ラストパイ」③、ダンサーもそうでない人もいる二組(私は夜鑑賞)32人の一般参加者が、一回のステージのために十日足らずで己を絞り上げ完全燃焼。奉仕であり報酬である体験。その幾ばくかを、客席からも共有。2016舞台ベスト5入りは確実。

砂に浮かぶ町
空宙空地
七ツ寺共同スタジオ(愛知県)
2016/01/29 (金) ~ 2016/01/31 (日)公演終了
満足度★★★
空宙空地「砂に浮かぶ町」、フィリップ・K・ディック的な、別位相が同居する幻想作品。設定や話は分かるが、舞台演出の面(照明の切り分け、演技の規準、ネーミングの統一感、楽屋オチ的笑い等)で分かりにくい…。美術は最低限でよかったのでは。幻想文学にうるさい観客の意見です。

隣のきのこちゃん3~マルナゲドン~
トキメディアワークス
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2016/12/28 (水) ~ 2017/01/05 (木)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2017/01/03 (火)
価格4,000円
体調不良の中見に行ったのですが、笑いは偉大です。明日からちょっと頑張れそうです。

3人芝居クリスマスケース
劇団「劇団」
in→dependent theatre 1st(大阪府)
2016/12/23 (金) ~ 2016/12/25 (日)公演終了
満足度★★★★★
初めて見たゲキゲキ 観た事のある役者さんが ぽつぽつと。クリスマスに奇跡の物語、12の出来事 最期に同じ時間に重なる奇跡 家族と子供 約束 意識に量子がついて形になった それはピグリフ サンタ 愛 ピグリフは人の心が想い合って重なった時に生まれる だからどこにでもある どこにでもない。 お父さん 寝てしまった 待ってて 必ず起きるから。重なる奇跡は、偶然か、やっぱりクリスマスにはこんな芝居を観たい。 とても面白かった。

ピノッキオ/ふたごの星
座・高円寺
座・高円寺1(東京都)
2016/09/03 (土) ~ 2016/10/03 (月)公演終了
約1時間5分。何もない空間を多数の幕で場面転換。さすがのテレーサ・ルドヴィコ演出で子供たちを怖がらせて飽きさせない。7人の俳優が次々に着替えて登場。籠型の面もいい。個人的には前作「旅と…」の方が好みかも(恋とHさが足りない)。幼児には早過ぎたか怖がる泣き声が止まない(可愛い!)。

BENT ベント
パルコ・プロデュース
世田谷パブリックシアター(東京都)
2016/07/09 (土) ~ 2016/07/24 (日)公演終了

埒もなく汚れなく
オフィスコットーネ
シアター711(東京都)
2016/06/01 (水) ~ 2016/06/12 (日)公演終了
亡くなった劇作家・大竹野正典さんの人生を描く瀬戸山美咲さんの新作。約2時間10分。事実が基のフィクションで、演劇活動と会社勤めの両立生活がリアル。身勝手な夫と依存する妻のバトルが苛烈で面白い。本格的な登山にハマるのに納得。山登りは美しい。
アングラ風の演出で(ネタバレ)役が登場して爆笑。大竹野役の西尾友樹さんの演技がとにかく素晴らしい。感覚、思考、行動がはっきりクッキリしてる。緻密だがその計算は見せない。

The Wonderful Parade
to R mansion
こまばアゴラ劇場(東京都)
2016/06/22 (水) ~ 2016/06/26 (日)公演終了
1時間。超楽しいワンダフルなショー!観客歓迎ムードも大道芸もさすが。フィリップ・ジャンティ・カンパニーの「闇」のテクニックとの相性も良いですね。開幕前に前売り完売していました。

母と惑星について、および自転する女たちの記録
パルコ・プロデュース
PARCO劇場(東京都)
2016/07/07 (木) ~ 2016/07/31 (日)公演終了
達者な女優さんばかり。斉藤由貴さんのダメ母ぶりが良い。ごく身近な家族のドラマと並行して海を越える心の旅ができた。同じ蓬莱竜太&栗山民也タッグ作の「まほろば」と共通する感覚も。

赤鬼
genten
多摩美術大学 上野毛キャンパス 鏡の間(東京都)
2016/07/02 (土) ~ 2016/07/23 (土)公演終了
多摩美で野田秀樹作、田中圭介演出「赤鬼」。充実のトーク込みで2時間10分。セリフの意味を心身に落とし込めていて好感。学生が企画運営して演出が講師だから授業のようでもあり。これが授業なら素敵。無料カンパ制でカンパ箱にはお札いっぱい。

残花―1945 さくら隊 園井恵子―
特定非営利活動法人 いわてアートサポートセンター
座・高円寺1(東京都)
2016/06/01 (水) ~ 2016/06/05 (日)公演終了
満足度★★★★
詩森ろばさんの新作です。ご縁あって5/31、18時開演のゲネプロを拝見。
広島に向かった移動演劇隊の話。俳優が明るく弾けるほどに怒りと悲しみが増幅。丸山定夫、三好十郎…戦時下の演劇の熱に触れ涙。

パーマ屋スミレ
新国立劇場
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2016/05/17 (火) ~ 2016/06/05 (日)公演終了
「パーマ屋スミレ」再演。語り部の酒向芳さんの観客との有機的な関わり方が方向を決めた気がする。過去と現在を同時に観る感覚で考え続けた。鄭義信三部作の中で一番冷静に鑑賞したかも。具象美術や事実を語る言葉が雄弁。スミレ(南果歩)の決意と行動から学ぶ。優しい言葉を使いたい。