最新の観てきた!クチコミ一覧

64541-64560件 / 191508件中
彼の町

彼の町

劇団銅鑼

俳優座劇場(東京都)

2017/03/15 (水) ~ 2017/03/20 (月)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2017/03/19 (日) 15:00

この舞台のよさは、劇中劇という形でチェーホフの短編をつなげることで、細々とせずにチェーホフの短編を幾つも観られること。そして、チェーホフ劇を演じる役者役の役者さんたちが、自身のチェーホフへの思いを体現しているように感じられること。構成・演出の勝利です。

ネタバレBOX

老演出家と若手女優の会話(正確ではありません)
女優「チェーホフは死を待っていたのではないでしょうか」
演出家「やはり、チェーホフは生きたかったのだと思う。何十年後も新たな作品を作り    出して、それを観てもらいたかったのだと思うよ。」
老演出家役の鈴木瑞穂さんには、チェーホフが望んだように永遠に作品を作り上げてもらいたいです。
泥の子と狭い家の物語

泥の子と狭い家の物語

こぐれ塾

浅草木馬亭(東京都)

2017/03/22 (水) ~ 2017/03/26 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/03/22 (水) 19:30

座席1階2列

「観たい」に投稿されている方同様に、鵺的「フォトジェニック」後、小崎愛美理さん主演の舞台ということで観劇に参りました。また、1人の人物(魔女)が家庭内に入り込み家庭崩壊を招く、それに16歳の娘が立ちはだかるというストーリーにも興味がありました。
元は大阪を舞台としたラジオドラマだったそうですが、今回は公演場所の木馬座がある浅草に舞台を移し、原作に若干のアレンジを施したそうです。
大阪から東京に舞台を移すとなると、やはり言葉の問題があります。単に言葉を変えるだけではなく、大阪弁特有のニュアンスもあるでしょうから。「悲喜劇」とうたっている以上、喜劇の部分に不安がありましたが、そこは無理せず。大阪弁のところは、酒井さんと浅野さんが担当し、小崎さんが興奮すると関西弁を時折混ぜることで、笑いの部分は十分クリアしていました。言葉のギャップとして、むしろ標準語がメインになることで、悲劇性を高めることができたようにも感じます。
小崎さんは、「フォトジェニック」の倒錯的な演技とは打って変わり、なななんと16歳の娘を、ある時は情熱的に、ある時は淡々と演じきっております。パンフレットでは、「一筋縄ではいかない女優」と評されていましたが、まさに言いえて妙。あの憂いのある目元は変わらないのですが、これほど演じ分けができるのですね。
浅野彰一さんのコメディーリリーフも素晴らしい。
舞台変換はほとんどないのですが、それでも幕を閉じることで屋外を描き出して、そこでのやりとりが浅草の小演劇を彷彿させます。(ただし、屋外の場では笑いがまったくないので趣向としてですが)一見の価値があります。

ネタバレBOX

ただ、2点指摘を。
牛嶋裕太さんと村田実紗さんの役柄の背景がよく解らなかりません。この2人は、主人公・小豆の大事な友人であり、この2人と疎遠になったことについて小豆が後悔していることは判るのですが。なぜ役として必要だったのか。最後に活躍する浅野さん1人で押し通してもよかったのではないかと。
また、やはり魔女を倒すには、母娘の愛情ということに落ち着くしかなかったのかな。
ちょっと凡庸な感じがしました。16歳の小豆が知恵と感性を駆使し、皆の助けを借りて魔女を倒すという展開が観てみたかったなと。
時をかける稽古場2.0

時をかける稽古場2.0

アガリスクエンターテイメント

駅前劇場(東京都)

2017/03/22 (水) ~ 2017/03/28 (火)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/03/23 (木)

2014年に観た舞台の中で、私自身にとっての確かナンバーワンだった作品。
再演ではなく、リブートと聞いて、期待半分・不安半分で駅前劇場に足を運びました。

ネタバレBOX

個人的には『毒婦二景』以来の舞台となるハマカワフミエさん、そして矢吹ジャンプさん以外は、2014初演と同じキャスト(かなぁ?)。お馴染みの、暗転・暗転・また暗転の中、大まかなストーリーも・笑いどころの記憶も、瞬時に蘇り、2時間10分、懐かしさ半分・クスクス笑い半分で過ごさせてもらいました。
でぇ、「時かけ」経験者だけに、不意を突かれ、腹を抱えて大爆笑!とまではいきませんでしたが、リブート版、登場人物による、観客の情感に訴求するセリフが、初演時に比べて、より胸に迫ってきたように感じました。

観劇後、今回もまた、チケット代以上の満足感に浸ることが出来ました。初演時に買ったTシャツの長持ち具合に味を占めて、お礼代わりに、またもオリジナルTシャツを!
5年後?の再リブート作品を観に行く際には是非コレを着て、伺いたいと存じます。
青春の延長戦

青春の延長戦

冗談だからね。

インディペンデントシアターOji(東京都)

2017/03/22 (水) ~ 2017/03/26 (日)公演終了

満足度

観客席後方に座ると役者がよく見えない。横、前の人たちも見えないらしく頭を移動させて覗き込むのでますます見えない。さらに座る演技が多くて舞台上に居るのかすら分からない。舞台、観客席の作り方をアドバイスする大人はいなかったんだろうか。
見ることはあきらめてセリフを聞くだけにしたが、面白さはまったく分からなかった。

くじらの墓標 2017

くじらの墓標 2017

燐光群

吉祥寺シアター(東京都)

2017/03/18 (土) ~ 2017/03/31 (金)公演終了

満足度★★★★★

 羊水の成分は海水にとてもよく似ている。

ネタバレBOX

我々は、この羊水の中で系統発生を繰り返して生まれてきた。霊長類の長などと粋がってみても、海が我ら生命の母であることは疑えまい。今作は、このような生命としてのDNAに刻まれた深く古い記憶をも覚醒させる。それは、適所に埋め込まれた伏線の巧みな言説や演劇的仕掛けが、物語の進行に応じて見事な演出やピタリと嵌った舞台美術や照明・音響等との相互作用によって観客の常識的な桁を外し、イマジナティブな世界へ飛翔させるからである。
 夢か現か、嘘か真か、我々の仲間であるハズの鯨漁師の言い伝えでは鯨が人になり、裏切れば人が鯨になるという(では鯨漁師でない我々は鯨か人かという問いを内包しているとすれば)が、これらを通して語られるのは、「ドグラマグラ」の如き言説。そして、ドグラマグラより整序された問いは、我らは何者でどこから来て何処へゆくのか? という永遠の問いである。冒頭、自殺する動物として人間と鯨が挙げられるのも、自覚した死を梃にすることによってしか、我らは真剣に己の生について問うことがないからであろう。
 鯨の鳴き声の使い方、舞台美術で捕鯨母船のスリップウェイを中央に設えてあることから一目でそれと分かる作りになっていることも実に効果的である。ロップやメットがキチンと合理的に壁に掛けられ、いつでも取り出せるようになっているのも、ウオッチの為にブリッジに上がる梯子がついているのも、荷物置き場の天板部分をそう使おうと思えば寝ころべるように作ってあるのも素晴らしい。
 初演は1993年、ザ・スズナリであるが、シナリオに変更は殆どないのに、全然古びていない。それだけ時代が変わっても変わらない問いを提起した作品ということができよう。
灰色オセロ

灰色オセロ

八焔座-Yaenza-

ひつじ座(東京都)

2017/03/15 (水) ~ 2017/03/26 (日)公演終了

観に行ってよかった!面白かったです!

『越美鉄道』

『越美鉄道』

黒雪構想

ワーサルシアター(東京都)

2017/03/22 (水) ~ 2017/03/26 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2017/02/22 (水)

物語に引き込まれる感覚が凄い!
この感覚をたくさんの人に感じて欲しいです。
開場すると素敵な鉄道の旅が始まります。

『無名劇団×チューズデーず』

『無名劇団×チューズデーず』

火曜日のゲキジョウ

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2017/03/21 (火) ~ 2017/03/21 (火)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2017/03/21 (火)

テイストの違う作品でどちらの劇団も楽しめました♪特にチューズデーずの栗田ゆうきさんのメイド姿は可愛いすぎて、ガチでメイドカフェで働いて欲しいくらいでした★

今日は砂糖の雨が降るから

今日は砂糖の雨が降るから

perrot

インディペンデントシアターOji(東京都)

2017/03/16 (木) ~ 2017/03/20 (月)公演終了

満足度★★★

メルヘン、ファンタジー、

ネタバレBOX

人間と、人間の遺伝子から作られたブリキというものが混在する社会におけるブリキ容認派と反ブリキ派の争いを描いた話。

ブリキがあくまでも表面が人間状のアンドロイドなのか、それとも成長する生物なのかブリキの本質が判然とせず、どちらを応援すべきか分かりませんでした。

しゃべりの途中で本音のような言葉を挟む女性も、せわしなく、何を言っているのか分からず疲れました。

飴の水鉄砲で身体が溶けるというのも訳分からず、全体に若者らしいというよりも子供っぽいという感じでした。
よみがえる怪物

よみがえる怪物

ソテツトンネル

新宿眼科画廊(東京都)

2017/03/03 (金) ~ 2017/03/07 (火)公演終了

満足度★★★★

不思議感が満載の出し物でした。話の内容は面白かったです。怖いというよりも、クスッと笑ってしまう感じです。
受付の方もいい雰囲気で、気持ちよく観劇に入れました。
帰りは花園神社を通って、新宿駅に向かいました。

ジャーニー

ジャーニー

AnK

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2017/02/22 (水) ~ 2017/02/26 (日)公演終了

満足度★★★★

とても面白かったです。自分が宇宙を漂っている感覚で、今まで観てきたものとは一味違うものでした。
ダンスもあって、盛り上がれます。
舞台の作り方も凝ってて、興味深いです。違う作品もまた観てみたいところ。

ヨブ呼んでるよ

ヨブ呼んでるよ

鳥公園

こまばアゴラ劇場(東京都)

2017/03/16 (木) ~ 2017/03/22 (水)公演終了

満足度

■約70分■
また煙に巻かれた。

今日は砂糖の雨が降るから

今日は砂糖の雨が降るから

perrot

インディペンデントシアターOji(東京都)

2017/03/16 (木) ~ 2017/03/20 (月)公演終了

満足度★★★★

機械に人間の遺伝子を組み込んだ「ブリキ」と人間が共存する未来、ブリキの行動には制限を設けるべきとする側が政権を取ったことで起こるあれやこれや……。
具体例は覚えていないが子供の頃に胸をアツくさせて読んだり観たりした作品群に通ずる懐かしさに切なさも加えファンシーにコーティングしたSF風寓話、終盤のある会話に切なさを感じたら、実はフラグだったり、なんてことも。(後付けの理屈だ(笑))
確かに差別や偏見に対するメッセージもあるものの、それを声高に叫ぶのではなくそれによって起こることに重きを置くのがかつての少年向け/子供向けの作品群を想起させたのか?

ネタバレBOX

終盤のマキナとイロハの「ブリキも入れる店があるの?」「今はまだないけれどきっと…」(大意)なやり取り、こんな世界だけれども直してゆくぞ、という決意が含まれていてグッとくると共にどこか切なさの欠片的なものが感じられたが、その後の展開で「そうか、あれはフラグだったのか」と。

冒頭部分にNODA・MAP風味を感じたのでアフタートークでいわもと主宰に「お好きな劇作家は?」と質問したところ野田秀樹の名前は出てこなかったが、ゲストの広田さんが「他には?」と追撃した時に出てきて「やっぱり!」(笑)

ブリキの「機械に人間の遺伝子を融合させたもの(だったっけ?)」な設定にはカレル・チャペックの「RUR」に出てくるロボット(機械人形/機械人間よりもどちらかといえば亜人間)を想起。

先に「具体例は覚えていないが」と書いたが実は「鉄腕アトム」の「ロビオとロビエットの巻」は思い出していて、アフタートークで「ロミオとジュリエットもモチーフ」と伺って「ある意味、当たりィ!」とも(笑)
x2+(y-3√x2)2=1~アイノホウテイシキ~

x2+(y-3√x2)2=1~アイノホウテイシキ~

空想実現集団TOY'sBOX

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2017/03/16 (木) ~ 2017/03/20 (月)公演終了

満足度★★★

割と出尽くした感のあるストーリーを
軽めに判り易く表現できていた舞台と感じました
でも
その分いろいろなバランスが微妙だったかなぁ・・
とも思えた全席指定=約90分の作品

できれば開演時間は守って欲しいが~
マグロちゃん(作演さんちの猫ちゃんです(^ー^)の話を開演5分前から続けて
上手に時間つなぎが出来てれば尚良かったのに・・とかも思ったです

終演後は
生のポーズ=パントマイムにて
今作名場面集=撮影タイム=ありです

ネタバレBOX

拡張性心筋症の主人公が心臓移植を受けて生き延びるのだが
自分が生き延びたことに罪悪感を覚えて否定的な考えに陥るも
その心臓の提供者との超常的な対話(笑)によって
ドナーの元彼女も巻き込み前向きに生きる事になるストーリー

なかなか病院側白衣の二人や
主人公の彼女のキャラなど
周囲の人間たちが結構ハッチャケた方々で
笑いの要素が多いです

=必殺!心停止=は受けました(^-^)

臓器移植による”ココロ”のありかたも問う
モーガン・フリーマンが
なんぞ解説でもしてきそうな感じもあったですよ

漫画エンジェルハートとかが理解し易いかね

まぁ心臓が理解し易いけど
実際では肝臓とかの移植でも
なんぞ心理変化とかある報告があるそうです

やはり主人公の彼女のハジけっぷりは~
狙い通りに大いに受けました(^-^)
さよならソルシエ

さよならソルシエ

マーベラス

THEATRE1010(東京都)

2017/03/17 (金) ~ 2017/03/20 (月)公演終了

満足度★★★★★

初演で感動して、再演を熱望していましたが、ちょうど1年たっての再演でした。
劇場が違うので、多少(振付とか)変更があったようでしたが、何度見てもよい作品だと思いました。
音楽も照明も映像も、すべてがうまくかみ合って一つの世界が出来上がっていました。
これはぜひ、何度も上演してさらに磨きをかけていってほしい作品です。
再再演を!!!

怒りの旅団-アングリー・ブリゲード-

怒りの旅団-アングリー・ブリゲード-

ワンツーワークス

赤坂RED/THEATER(東京都)

2017/03/16 (木) ~ 2017/03/26 (日)公演終了

満足度★★★★

客演の若手主体の舞台で、いつもとは違う雰囲気を味わった。舞台装置の大胆な作り替えは見事。2時間40分、パワフルな芝居を1日2公演には脱帽。

ネタバレBOX

奥村さん、関谷さんの早変わりはメインじゃなかったんですね。芝居半ばでの刑事バージョンの乱交は場面の切り替えという要素はあるのだろうが、意味がよくわからなかった。
Endless SHOCK

Endless SHOCK

東宝

帝国劇場(東京都)

2017/02/01 (水) ~ 2017/03/31 (金)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2017/03/16 (木)

歌・ダンス・フライング・太鼓・階段落ち・・見所満載で、目が幾つあっても足りない位です。とても豪華で素晴らしい舞台(ミュージカル)に感激・感動しました。内容は毎年進化しますが、今年は堂本光一さんの肉体も進化し、凄い筋肉に驚かされました。今年も観る事が出来て、心から良かったと思いました!大満足の時間でした!

ダンデライオンII~飛龍伝より~

ダンデライオンII~飛龍伝より~

ThreeQuarter

JOY JOY THEATRE(東京都)

2017/03/19 (日) ~ 2017/03/20 (月)公演終了

満足度★★★★

JOYJYO…初めて行く会場であるが、要所要所にスタッフが立ち、道案内をしており分かりやすかった。また場内は乾燥しているのでアメを配っており、制作サイドの気配りが嬉しい。この劇団「スリークウォーター」は、「4分の3」の意味。劇団員以外も客演、スタッフ、そして観客と「1」になることを目標に活動しているという。その思いがしっかり伝わる対応であった。

物語は、つかこうへい の有名な作品。それを清水みき枝女史の演出で「卵」「雛」「鶏」チームのバトルロイヤル公演第十弾として上演した。
【鶏チーム】を観劇したが、1960年安保反対学生運動の熱量が役者の演技の熱量を通して伝わってくる。
(上演時間2時間)

ネタバレBOX

舞台は、いくつかの平箱(赤が印象的)を積重ね貼り合わせバリケードをイメージさせる楯が左右に2つ。それは可動するもので、その配置によって闘争状況を演出する。赤は赤旗、故郷のリンゴを連想させる色として使用している。細かいことだが、学生側は、大学名が書かれたヘルメット、大学(法政、早稲田)校歌、角材を用意し、機動隊側は警棒、制服など舞台技術も良かった。

梗概…1960年安保反対学生運動を指揮した全共闘委員長・神林美智子と第四機動隊隊長・山崎一平の間に生まれた子「勝利(かつとし)」は国会前である男と会う。この子の俯瞰するような回想を通して、二人の馴れ初めから別れまでを緊迫感溢れる物語として描き出していた。

つか作品らしく、学生運動をしている学生の方が機動隊の給料より仕送額が多い。学歴にしても然りである。国家権力の象徴として登場する機動隊、革命を叫ぶ学生の暮らしが、その生活レベル(貧富)において逆転しているアイロニー。
”革命”とは人と人が信じ合い赦し合うこと、と叫ぶ。その信念のためには体も…その哀しいまでの行為。立場が人をつくるというが、その典型的な展開に抗うことができず、運命(さだめ)に翻弄される切なさがしっかり伝わる。

演技は、鶏チームということもあって、迫力、緊迫感に溢れていた。この劇場は後部が一段高くなるが、ほとんど段差がない。それゆえ後部座席から伏臥、横臥したシーンが観えただろうか。特に客席寄りで演技をした場合、最前列の人の体で遮られてしまうので、演出上の配慮が必要になると思う。

「やってられねえよ」ということを言わなくても済む世の中…そんな台詞があったが、本公演は「観られてよかった」という素晴らしい世界を観(魅)せてくれた。

次回公演を楽しみにしております。
「谷のかげ」「満月」

「谷のかげ」「満月」

劇団俳小

d-倉庫(東京都)

2017/03/15 (水) ~ 2017/03/19 (日)公演終了

満足度★★★

アイルランドの近代劇一幕物。どちらも翻訳は松村みね子女史、上演台本・演出は松本永実子女史である。「谷のかげ」は短編であるが物語性が伝わる。一方「満月」は比喩なのか、錯覚なのか、その混沌とした展開が抽象的のようで難解であった。
「谷のかげ」(35分) 「満月」(55分) 途中休憩(セット転換)15分

ネタバレBOX

「谷のかげ」(ジョン・ミリントン・シング作)
山に囲まれた谷間にある小屋…レンガ作りの重厚感がある。上手側に暖炉、中央にテーブルと椅子、下手側はベットが置かれている。

この家には、年老いた主人・ダン(勝山了介サン)と若妻・ノラ(吉田恭子サン)が住んでいる。ノラはダンが亡くなり、その始末に困っている。そんな雨の日に旅人(斎藤真サン)が一夜の宿を求めて現れる。彼はノラが「死体」の始末のために近所の人の助けを借りに行く間、小屋の番をすることになる。しかし、その間に死体は起き上がり…。

風が不気味な音を立て吹く音響効果。それが寂寥感を際立たせるが、別の視点から観れば人の孤独な心情を表しているようだ。毎日繰り返される平凡な暮らし、そこへ旅人が現れ、少しの変化が見える。財産目当ての打算による結婚生活。そこから女性の自立が芽生える。一方、高齢・孤独への不安。人間(男女)の嫉妬と打算、夫婦の普遍的なテーマが垣間見える。

「満月」(グレゴリー夫人作)
「谷のかげ」から一転して、簡素な舞台。上手側に木箱2つ。下手側には片輪が外れた荷車。奥は閉ざされた扉があり、時々、町の外が見える。

クルーンの町の人々から尊敬されているハルヴィー。しかし、神父の迎えに乗じてクルーンの町を逃げたいと思っている。満月の夜に、狂犬が町に現れ町の人々が大騒ぎをする。そんな時、突然クルーンに戻ってきた狂人のメアリ。いつしか物語が歪みだし、住民たちとメアリのどちらが正常で狂人なのか…。

序々に自分以外は変人、狂人という意識に変わっていく。その歪で錯覚するような感情が精神を病んでいるように思える。また町の内・外という観点からみれば異次元とも受け取れる。彼岸と此岸の世界を往還しているのか、正気と狂気の交感か…人は自分こそが絶対正しいと信じている、その傲慢な感情が透けて見える。その感情が顕わになるのが「満月」の夜だという。

登場しない神父の存在は、登場人物の由り立っている場所、世界はどこか。そもそも生存しているのだろうか。狂人の女性の白い衣装が病院着のよう。物語のシーンは分かるものの、全体の流れが難しい。

次回公演を楽しみにしております。
未亡人の一年

未亡人の一年

シンクロ少女

ザ・スズナリ(東京都)

2017/03/08 (水) ~ 2017/03/12 (日)公演終了

『ララランド』に「見習え!」と思わず言いたくなる戯曲の丁寧さ。二つの時間軸に対して三つの部屋を用意する演出も見事だし、クイーンなど曲の使い方もよい。感情が年月を経てシンクロする様が感動的だった。

このページのQRコードです。

拡大