満足度★★★★
2008年、相葉弘樹、進藤学、富田麻帆、松下恵出演のストレートプレイを観ていた。
これと比べるのはどうかと思うが・・・演技力・演出ともに、今回版の方が遥かに上に感じるのに、迫ってくる痛みは言葉だけだったほうがきつく思える。歌や音楽はその世界の中に感覚を導くがその分言葉が柔らかくなる。素のせりふの方が突き刺すように思える。もちろん初回の印象の方が強い場合もある。ストーリーもある程度覚えている。それも痛みを和らげる効果になっていたのかもしれない。また演出が凝っているので、それに目を持っていかれる部分もある。つまり意識が分散される。救いのない兄弟に集中し過ぎない事が、痛みを和らげているのかもしれない。とはいえ、なかなかの出来!先に書いたが、出演者のレベルも高い。初回の方には見応えある舞台だと思う。ただ、どうにも気になったのは、逆にその音楽。変調が多くどうも心地良くないのだ。歌は上手い方が揃っている。その歌声は素敵なのだが、メロディーラインがスッキリしない。話の感じでいえば、兄弟の受難を表しているかにも思えないでもないが・・・・・心に残る曲、というものはひとつもなかった。