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切り裂かないけど攫いはするジャック

切り裂かないけど攫いはするジャック

ヨーロッパ企画

本多劇場(東京都)

2023/09/20 (水) ~ 2023/10/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★

推理小説もコメディも両方好きなので期待していたが
村人のどうでもいい推理を長々と聞くのが退屈で
頼むから早く先に進んでくれ!とずっと祈っていた。

ゲームで例えるなら早く村から出たいのに
村人の話がクソ長くてボタン連打して
聞き流している展開に似ていた。

その退屈な推理はボケにしては弱く
それに対してのツッコミも弱い。
だから、笑いとしての掛け合いが成立してない為
ずっと退屈な時間が続いた。

会話で笑いが起きないから
ドリフのコントの「志村、うしろうしろ!」みたいな
古典的な手法で笑いをとっていて私には合わなかった。

大きな舞台美術が出てきてもう〜ん…でした。

第11回西谷国登ヴァイオリンリサイタル

第11回西谷国登ヴァイオリンリサイタル

西谷国登リサイタル

浜離宮朝日ホール(東京都)

2023/09/23 (土) ~ 2023/09/23 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

とても良かったです。
ヴァイオリンやピアノの音色を聴いて、やはり生演奏に敵うものはないなと実感しました。
ルドルフハケン氏との共演も素晴らしく、音楽って楽しいんだなと再認識しました。
ソロもオーケストラも楽しめる充実の内容で、西谷さんの人柄の良さも感じました。
素敵な時間を堪能しました!

オダマキとフクロウ

オダマキとフクロウ

十七戦地

東京おかっぱちゃんハウス(東京都)

2023/09/20 (水) ~ 2023/09/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/09/23 (土)

固いネタを味わい深い古民家を改装した一軒家劇場で、
これまた巧みにかみ砕いて怒涛の台詞で語って吠える。
一体どんだけ勉強したら哲学と戦争の脚本なんて書けるのだろう?
ホンの凄さと役者さんの熱量に脱帽。

ネタバレBOX

昭和21年の秋、ひとりの哲学者が大学から追放された。
「誤った哲学で戦争を正当化した」というのがその理由。
その麻野教授と弟子である哲学科の教授、助教授、講師ら5人が
教授の自宅に集まり、大学の決定に「抗議」するか「恭順」するか
話し合うことになった。
文部省とGHQに抗議すれば自分たちも麻野教授と同罪と見なされる。
恭順すれば、自分たちは哲学者として間違っていたと認めることになる。
教授の娘文代も、身を隠している父に伝えるため、と同席する・・・。

フライヤーに「知の敗戦処理」とあるように、
戦争犯罪人は軍人だけなのか、教育に携わった者も責任を問われるべきではないか、
という問いかけが重い。

「哲学の論理を検証する」という一見無謀な設定をしておいて
柳井さんの脚本は言葉ひとつひとつを粒立てるように取り上げ、
そこに新事実を当てはめていく。
その驚きの事実がすんなり納得できるのは、いつの時代にも通じる
人の心の普遍性に共感できるからだ。

麻野教授の裏の顔や、他の教授たちの秘密、世渡り上手な助教授の目論見や
盲目的に教授の哲学を信じ「腹を切れ」と迫る助教授。
そして下っ端の講師にも大きな秘密があった。
次々と明らかになる事実の前に、「哲学」が翻弄され、
少しずつスライドしていったことが判って来る。

クールで世渡り上手な、そして腹黒い助教授を演じた北川さん、
繊細で優しいイメージが強かったが、要領よく押しの強い役がはまって素晴らしい。
少し貫禄も出てきて、クセが強い人物がますますリアルになった。
マジで「今さら言ってくれるな」的な、自己満講師の懺悔を聞いたあとで
文代を演じた藤原さんの間と声のトーンが絶妙だった。
死ぬの生きるのまで出て来る展開で、役者さんの熱量はハンパない。
哲学者ってこんなに熱くなるのか、というエネルギーに圧倒される。
それにしてもあの台詞量、役者さんには酷な脚本であることは間違いない。
どうやって覚えたんだろう、と小学生のような疑問でいっぱいになった。

劇中、哲学者ヘーゲルの著書から
「ミネルヴァのフクロウは黄昏に飛び立つ」という意味の言葉が引用される。
ローマ神話のミネルヴァは知をつかさどる女神、フクロウは知の象徴だ。
哲学というものはいつも現実が起こった後で、あとから現れる、という意味らしい。
一方、オダマキはどんな意味だろうか。
花言葉を見てみると「断固として勝つ」のほかに「愚か」というのもある。
教授たちから「愚かな民衆に哲学が解るものか!」と言われた
その民衆の支持を得られない思想も哲学も、やがて否定され追われていく。
「オダマキとフクロウ」、なかなか味のあるタイトルだなあ、と勝手に思った。

人は国に殺され、軍に殺され、思想に殺され、そして嫉妬に殺される。
令和の時代に、この作品が問うテーマはあまりにも大きい。



第11回西谷国登ヴァイオリンリサイタル

第11回西谷国登ヴァイオリンリサイタル

西谷国登リサイタル

浜離宮朝日ホール(東京都)

2023/09/23 (土) ~ 2023/09/23 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

チケプレで観させていただきました。
コンサートは初めてでしたが、聞いたことのある曲もあり、とても楽しかったです。
生の演奏は素人でも体で音楽を楽しめて良かったです!
またみてみたいと思いました。
ありがとうございました!

しあわせ色の青い空

しあわせ色の青い空

7どろっぷす

小劇場 てあとるらぽう(東京都)

2023/09/21 (木) ~ 2023/09/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

前作は「ムッちゃんの詩」という演目だったようだが、未見。本作は「しあわせ色の青い空」~東日本大震災とムッちゃんに捧ぐ~となっており、生きる希望が見いだせない被災者 優香がタイムスリップして 戦時中のムッちゃんの懸命に生きようとする姿を見て 再生・再起していくというヒューマンドラマ。

テーマは「生きる」。”当たり前”のように生きている、その大切さ重要さを語り継ぐような物語。多くの小学生が観劇していたが、集中して観るには1時間45分の上演時間は長かったようで、真意が伝わったかどうか。
戦争と大震災という悲しみを繋いで、それでも人は生きていくという<希望>を綴っているが、少し無理があるような。

人は慣れてしまう。どんなに悲しく惨い経験も 生きていくうちに感情がマヒしていく。そして記憶さえも薄れていく怖さ。戦後78年、戦争を知らない世代に 最悪の不条理を語り継ぐことの大切さ、その意味で このような公演を続ける意義がある。ただ、戦争と震災を同一視点で見ることは出来ない。
そして優香の前に現れた<海の精>によって被災者の心は救われるが、一方 「ムッちゃんの詩」はどのようなラストだったのだろうか。この公演は 描き切ったようで 観客に問い掛け 考えさせていない。勿論、当時 小学6年生のムッちゃんと小学1年生の町子ちゃんの悲しい出来事は分かる。しかし、戦争と災害という異質とも言える物語を繋ぐことによって「反戦」と「再生」という訴えが中途半端になったようで残念。
(上演時間1時間45分 途中休憩なし) 【B班】 9.28追記

ネタバレBOX

段差があるだけの素舞台。海を眺めている女性 優香に声をかけたのが、海の精たち。優香は東日本大震災で両親と妹を亡くし、生きる気力もなくボーっとした日々を送っていた。海の精は、そんな彼女を戦時中(1945年)の大分県へタイムスリップさせる。

そこにはムッちゃんという小学6年生の少女がいた。彼女は横浜で暮らしていたが、戦災で母と弟を亡くし大分県の親戚の家へ、という事情が語られる。優香が、ムッちゃんが生きていた時代や当時の人々の状況を俯瞰しているように描く。直接 当時へ入り込んでいないため客観的でリアリティが感じられないのが残念。前作は「ムッちゃんの詩」ということで、当時(戦時中)の悲劇として紡いでいたのではないだろうか。今作は総じて若いキャストが演じており、若さゆえか戦時の悲惨さが演じ切れ(滲み出)ていない。

防空壕の中で結核に罹ったムッちゃんと親しくなった小学1年生 町子ちゃんとの交流。喉が渇いた町子ちゃんへ水筒を渡したムッちゃん、食料もなく水だけで命を支えていたが、その大切な水をあげる。しかし 2人の親交は長く続かない。結核は治らない病で、人に感染するため隔離されていた。防空壕の中でも一層劣悪な場所に幽閉されていた。やがて終戦を迎えるが、その時 ムッちゃんは…。嗚咽しそうな場面であるが、自分も優香と同じように眺めるといった感覚、それでは感情移入できない。

その様子を優香は見ているがどうすることもできない。戦時中の悲惨な状況を知ることで、優香は生きることを、といった思いを強くする。繰り返しになるが、予定調和で 俯瞰=醒めているような感じで、感情が揺さぶられない。勿論、戦争の悲惨さ、反戦の思いは伝わるが。

優香がタイムスリップした時代、大勢の若者が戦時中にも関わらず生き生きと暮らしている様子、その青春群像劇でもある。歌を手話を交えて歌い、踊る姿はいつの時代でも平和でありたいことを思わせる。それだけに、戦争と被災を交錯させたような描き方では、その思いは中途半端にしか伝わらないような。
次回公演も楽しみにしております。
熱海殺人事件

熱海殺人事件

SHASEN

日本写真映像専門学校・実習棟1階ホール(大阪府)

2023/09/22 (金) ~ 2023/09/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

凄かった!「熱量MAX演劇」でした!SHASENの生徒さん達の舞台を創る熱量を真っ向から受け止めて熱い演技で舞台から客席へと投げ返す役者さんの熱量が相乗効果となりとんでもなくエネルギッシュな作品へと昇天してました☆たった四人のお芝居とは思えない壮大なスケールを体感させて頂きました\(^o^)/ブラボー!!

路地裏の舞台にようこそ 2023

路地裏の舞台にようこそ 2023

一般社団法人アラヤシキ

EARTH,SPACE★HOUSE,成田屋,Traveler's Bar Osaka tacos,リヤカー屋台のおでん,アメシスト,ココルーム,太子会館 老人憩の家,ひと花センター,東田ろーじ,西成永信防災会館,日之出湯,こいさん路地,イチノジュウニのヨン,釜ヶ崎芸術大学,ホテルバクロ,なでしこパーキング,市営萩之茶屋北2号棟,FP HOTELS難波南,opencafe ロック亭,MATSUJYU LAUNDRY,新世界まちなか案内所,スペースkirin,Cafe TONARI no TONARI他(大阪府)

2023/09/15 (金) ~ 2023/09/24 (日)公演終了

演技は皆さん完璧😃✌️
小さな街の祭りが終わった後の情景と、何故か結婚せずに同棲している男女のなかを割って入る四捨五入で30になる女性 最後は葬式の場面となるのだが、誰の葬式?多分あの男性が… 女が強い世の中になった❗

切り裂かないけど攫いはするジャック

切り裂かないけど攫いはするジャック

ヨーロッパ企画

本多劇場(東京都)

2023/09/20 (水) ~ 2023/10/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★

時代設定として「切り裂きジャック」がロンドンを恐怖に陥れる少し前にし、都市の一角で「人攫いジャック」なる
人物が街の人々を、そして警察や探偵たちを大いに騒がせる……といった話になっています。

おそらく劇団初の“ミステリーコメディ”という野心的な内容になっているのですが、笑いの部分は巧みなものの
ちょっとハンドル操作を間違った感がして、最後に無理やり風呂敷をまとめたような雰囲気が、う~んという
評価になりますね。

ネタバレBOX

”ミステリー”部分は中盤にサラッとギャグ展開込みでタネ明かしされてしまうので、あとは“コメディ”部分を
楽しむべきなんですけど、コロナ禍が明けた後に後半の展開はちょっと鬼門じゃないかなぁと。

ネタバレすると、“ジャック”というのはあらゆる才能を持った人々の結社であり、その構成員1人1人であり、
地球の中心にあるという「ジャックランド」を拠点に各政府機関などで暗躍しており、今作の登場人物が
その「ジャック」だったというオチなんですけど。

ただ、コロナ禍で散々シャレにならないレベルの陰謀論がまことしやかに語られるようになり、一定程度
受け入れられるようになっちゃうと、今作みたいなノリってどう受け止めていいのか分かんないんですよね。

登場人物の1人が割とガチで陰謀論を吹聴するタイプのキャラで、見ようによっては現代の風潮ともかこつけて
一種の風刺として機能させてるのかもしれないんですけど、上田さんまさか……じゃないですよね? って
正直感じちゃったんですよね。この手の話でよく出てくるキーワードの「フリーメイソン」飛び出してきたし。

もっと言っちゃうと、地球の地下深くに国とか大陸があるというのもちょっとソッチ系の匂いがそこはかとなく
するというか。

キャラは相変わらず立ってるんですけど、上記に加えて「俺たちの戦いはこれからだ」エンドにしたのもなぁ。
終わらせ方分からなくなって、秘密組織っぽいのも絡めて幕閉じるとしたらコレしかない!みたいな感じ
かもだけど、終わった時ちょっと虚無になった(苦笑
ジャングルジャングル9

ジャングルジャングル9

アイビス・プラネット

王子小劇場(東京都)

2023/09/20 (水) ~ 2023/09/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

#ピーズラボ 観劇。ずっと配信で見ていたインプロバトルを劇場で観劇できただけで感慨深い。毎回同じ回はないので単純に比較はできないが配信と比較して役者さんから受ける圧が圧倒的に強く心地よい。又、映像に乗らない「空気感」のような物があるのだなと感じた。9回ともなれば資産として多くの作品も生まれており、その中にはブラッシュアップすればショートフィルムや短編芝居として面白い作品になるものも出始めているのではないのかとちょっと思った。残念だったのはレジェンド平野勲人の芝居が見られなかったこと。

ネタバレBOX

毎回募集してもらうのはもちろん楽しい要素ですが例えば面白かったカードワンセットを別の役者で試すとかも見てみたい。
あの場であの時間でお題達を考えるのは個人的には無理というか映像と比較して情報量が多くそんな暇はない。
愛について語るときは静かにしてくれ

愛について語るときは静かにしてくれ

コンプソンズ

OFF OFFシアター(東京都)

2023/08/02 (水) ~ 2023/08/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

前半の会話劇好きだな。
最後のパッション溢れる芝居良かった。

vol.4「負けるな」

vol.4「負けるな」

ちーちゃん短編をやろうよ

下北沢 スターダスト(東京都)

2023/09/14 (木) ~ 2023/09/19 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★

話についていけなかった。

ReLIVING(リリビング)

ReLIVING(リリビング)

中野劇団

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2023/09/16 (土) ~ 2023/09/18 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

設定が良かった
オチがもう一捻りほしかった

天召し -テンメシ-

天召し -テンメシ-

ラビット番長

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2023/09/21 (木) ~ 2023/09/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

普段将棋にはあまり興味のない私でも2時間魅入ってしまう濃い内容の舞台。
重い雰囲気でも田島と桂子の親子の会話に何度も笑ってしまいました。

柔らかく搖れる

柔らかく搖れる

ぱぷりか

こまばアゴラ劇場(東京都)

2023/09/20 (水) ~ 2023/10/04 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ネタバレ

ネタバレBOX

ぱぷりか『柔らかく揺れる』を観劇。

2022年・岸田戯曲賞受賞作品

夫を不慮の事故で亡くした小川家の母を筆頭に、アル中で出戻りの長男、ギャンブル狂いの次女、店を火事で亡くした従妹と娘が一緒に住んでいる。
父親の三回忌に長女が帰省するが、家族らが抱えた問題が露呈していくのであった…。


登場人物たちが抱えている問題(家父長制度、不妊治療、LGBT、中毒)と原因不明の父親の死が微妙な按配になり得ているのが魅力だ。
「人が死ぬような場所ではない浅瀬の川で父親が死んでしまったのは、子供たちが殺したのか?」
サスペンスにはしていないが、常に引き摺られながら、登場人物たちと対峙していき、大黒柱だった父親の影響と田舎の慣習が与える重苦しさと生きづらさを感じてしまう。
登場人物と同じ状況下ではなくとも、我々の弱さや痛みを想起させ、針で刺されているような痛みを終始感じながら観劇していたのは間違いない。
観客も登場人物の苦悩を同化してしまい、観劇中は決して目は背けることをさせてくれない内容であった。
天召し -テンメシ-

天召し -テンメシ-

ラビット番長

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2023/09/21 (木) ~ 2023/09/24 (日)公演終了

実演鑑賞

面白い、お薦め。
当日パンフにも記されているが、「天召し」は三回目の上演で 全てを観させてもらった。「将棋」の孤独で厳しい世界観、一方 井保三兎氏が演じる田島(棋士 森信雄)の仄々と和ませる雰囲気が重苦しく感じさせない。その絶妙なバランス感覚が良い。そして この作品にはモデルが沢山いると。賭け将棋で生計を立てた池田(新宿の殺し屋・プロ殺しなどの異名がある小池重明)、智(棋士 村山聖 追贈九段)を義理の親子として繋ぎドラマ化する。池田の破天荒・破滅型の生活、智のネフローゼ症候群に悩まされながらも、直向きにプロ棋士を目指すという二人の男の生き様ー将棋という勝負(真剣)に魅入らされた人生劇場。

モデルになった人たちはネット情報にあり、その人物像を彷彿させるような描き方だが、それらの人物をいかに関係付けて舞台化するか。自分の記憶では、この作品は「将棋シリーズ」の第1作で、以降数々の将棋を題材にした秀作を上演している。上演前から孤独で厳しい世界であることを強調したような雰囲気が漂う。他の将棋を題材にした作品は、上演前には将棋初心者向けの大盤解説をしていたが…。シリーズ第1作には色々な思いや要素が込められており 特別なのかもしれない。

時代や状況の変化は、小説家 木下(団 鬼六)がナレーションのように説明するが、それでも明確にならない。物語として時代(時間)の流れを大切にしているようだが、違和感なく展開出来ていれば木下の状況説明は省略しても良いような。
そして智だけではなく 他の弟子育成、さらに女性にも将棋を指導(女流棋士に)する田島の姿。また台詞にもあったが、将来コンピューターによって絶対負けないプログラム将棋云々、を通して時代を超越した現代性をも垣間見せる。
第35回池袋演劇祭参加作品(★評価は演劇祭授賞式後)。
(上演時間2時間 途中休憩なし) 追記予定

PANIC LOVER MONKEYS

PANIC LOVER MONKEYS

PANIC MONKEY PRODUCE

ステージカフェ下北沢亭(東京都)

2023/09/20 (水) ~ 2023/09/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

よくあるベタなストーリーの短編4作品
凄くよかった。役者に力が無いとできない芝居だなと思いました。
ベタなストーリーだから観る側には余計なストレスはない分、作品を見入りやすい。
なので、役者の演技力がものすごく試されるような作品で、しかも短編だから余計に印象に残りやすい。
演出も役者と一緒になってかなり考えて作り上げたんだろうなと思いました。

ただ、前節と後節のアレは要らない。シンプルにした方がいい。作品内容と合うような演出になってない。

天召し -テンメシ-

天召し -テンメシ-

ラビット番長

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2023/09/21 (木) ~ 2023/09/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

実在した村山聖さん、小池重明さんをモデルにした将棋に魅せられた人とその周りの人達を描いた舞台。やはり面白い!細かい笑いを入れながらも厳しい勝負の世界を描いた脚本が素晴らしく、役者さん達の熱演もあって見応えのある舞台でした。

ネタバレBOX

面白かったのですが、期待値が高過ぎたのか、再演の為か、前回観劇した時ほど、今一つはまらなかったのは観る側の私の問題かな。
天召し -テンメシ-

天召し -テンメシ-

ラビット番長

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2023/09/21 (木) ~ 2023/09/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

「新宿の殺し屋」小池重明(本名はシゲアキだが皆ジュウメイと呼ぶ)。SM小説の大家であり、アマチュア将棋連盟の機関誌の編集長まで務めた団鬼六が晩年の面倒を見た。賭け将棋(真剣師)の世界では伝説、プロを相手にしても連戦連勝。特例でプロへの編入寸前まで行ったが、借金問題と女性問題が噴出して御破算。社会不適合者で生来の破滅主義者。どうしようもないクズ中のクズだが、将棋盤を前に座れば化物のように強い。まさに漫画のキャラクターのような男。最後は重度の肝硬変、病室で自らの身体に刺さったチューブを引き千切って自殺。

「怪童丸」村山聖(さとし)。腎臓の難病、ネフローゼ症候群を5歳で発症。ずっと死と隣り合わせで病院内の教室で学ぶ。狂ったように将棋にのめり込み、月3回の外出日にひたすら将棋教室に通い詰める。入退院を繰り返しながらプロになるも、A級在籍のまま29で逝去。大崎善生の書いた『聖の青春』はドラマ、舞台、映画にもなった。(映画では松山ケンイチが演ずる)。山本おさむの漫画『聖 ー天才・羽生が恐れた男ー』は傑作なのでお薦め。『月下の棋士』や『3月のライオン』にも村山をモデルとしたキャラが登場する。

小池重明に西川智宏氏、文句なしのMVP。生まれながらのカルマに塗れたどうしようもなさと天性の人たらし。
村山聖に渡辺あつし氏。妙な愛らしさ。
団鬼六に野崎保氏。盤石。
大崎善生に宇田川佳寿記氏。いろんなキャラが合わさっている。
ラーメン屋の店員に岡本美歌さん。泣かせる。

一番自分が将棋に熱狂していた時代のスター、記憶が甦る。
将棋界の『座頭市と用心棒』。どちらも絶対に負けられない戦い。テーマは『約束』。
是非観に行って頂きたい。

ネタバレBOX

何か脚本がまとまっていない。構成もイマイチ。団鬼六目線で大崎善生から二人の棋士の伝聞を、その都度聞くテイにした方が時間の経過も感じられた筈。この二人を使ったにしてはちょっと勿体無い。だが泣いた。村山聖のことをいろいろと思い出した。村山は恋愛に憧れ、少女漫画のマニアでもあった。病気のせいで体中がむくみ寝たきりになりながらも妄想で女性を夢見た。膀胱癌になっても「子供を作れなくなる」と手術を拒否。結局、手術で膀胱と片方の腎臓を摘出したが亡くなった。そんな村山聖に今作は最高のラストを用意してくれている。多分、村山はニヤニヤして観ている筈。

実際1982年、西日暮里将棋センターにて中学生将棋名人戦の為、上京した中1の村山聖が当時全盛期34歳の小池重明と一局指している。大熱戦の末、村山が制す。小池はニコッと「僕、強いなあ」。

天召し=天馬の蹄の如し。

※コメント有難うございます。
ジャングルジャングル9

ジャングルジャングル9

アイビス・プラネット

王子小劇場(東京都)

2023/09/20 (水) ~ 2023/09/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

「戯曲と即興のハイブリッド演劇」という謳い文句ですが
「真剣と遊び心のハイブリッド演劇」とも言える企画公演

スタートは野口オリジナルさんの一人芝居「異界の魚」
演劇に賭ける情熱は人一倍、なのにこれまで一度も報われることの無かった劇団員、これってデフォルメされているにしても実際モデルになっている役者さんがいるのかもなぁと
彼にとって最後の通し稽古
コメディーのカテゴリーには収まりきらない涙ぐましい笑いと突き抜け感
こちら客席に語りかけてくる熱量が凄すぎる
生の迫力ですっかり熱くなっている状態から、第2部の演目「尋問」に移行する流れが巧い

「尋問」
この演目は他の誰でもない明日以降の6号役で出演される役者さんに全く情報が入らぬよう徹底されているのでネタバレに繋がる事は一切書けない
日替わりで演じられる6号役が事前に知らされているのは共演する9号役 高田淳さんと2号役 星璃さんから尋問されるらしいという事だけ
観客も6号と同じ状況ではあるけれど、反応のしかたは十人十色
6号を演じる役者さんの個性が絶対出てくる、もう直ぐに“”らしさ”が滲み出てくるのだから面白い
9号、2号を演じる役者さんは6号の行動パターンを幾つも想定したうえで挑まれているのだけれど想定から外れた場合、いやでもアドリブで対処しなければならないという
戯曲と即興、演技の裏で駆け巡っているであろう心理も想像しながら観るということで2倍楽しめるのでした
その駆け引きの確認という意味でもアフタートークは必見

ネタバレBOX

観た回の6号役は演劇ユニット*pnish*の主要メンバー森山栄治さん
個人的には何度か劇団外のプロデュース公演での“気の良い兄ちゃん”っぷりを記憶していたので、すっかりダンディーな雰囲気になっていたのも感慨深かったけれど、何と言うかクイズ!ヘキサゴン‼的な面白味がある役者さん
そのギャップが面白い!

令和5年8・9月文楽公演

令和5年8・9月文楽公演

国立劇場

国立劇場 小劇場(東京都)

2023/08/31 (木) ~ 2023/09/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

第一部を鑑賞。そのため四段目の途中までしか観られなかったが、第二部の四段目の続きと五段目も観るべきだった。

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