昭和歌謡コメディ~築地 ソバ屋 笑福寺~VOL.7
昭和歌謡コメディ事務局
ブディストホール(東京都)
2017/07/14 (金) ~ 2017/07/17 (月)公演終了
満足度★★★★★
新メンバーと新シリーズ。今回も期待を裏切りません。そして笑って笑って笑って・・・・
人情と昭和の風情と「きらきらアイドル」と。40代以上の人には「ああ!そうだ懐かしい」と笑顔になる演出がいっぱい。演出家の素晴らしさで今年はやりのもののテイストも入っていて。これも座長の元ずうとるび江藤博利さんの人柄とこてこてなギャグセンスのおかげ!?だと思います。毎回楽しませてくれます。次の昭和歌謡コメディーがもうすでに楽しみです。
ネタバレBOX
新メンバーの白石まるみさん 昔アイドル歌手でもあったとは初めてしりましたが歌もとっても上手で何より可愛い!!江藤座長が「どんなサプリつかっているの?」といじるほど可愛らしくきれいで。うっとりしました。ほんと可愛かったです。
孤独の観察
シアターノーチラス
OFF・OFFシアター(東京都)
2017/07/12 (水) ~ 2017/07/16 (日)公演終了
満足度★★★
それぞれの人間模様と関わりを群像劇を通して描いた作品で、役者さんんも演じる役の個性を引き出していたと思う。
結婚するカップルの描き方にはやや無理を感じる部分もあったが、説得力のある舞台であった。
普通
劇団時間制作
サンモールスタジオ(東京都)
2017/06/28 (水) ~ 2017/07/09 (日)公演終了
満足度★★★★★
時間制作さんの舞台。。。本当に圧倒的です!
題材も演出も役者も全てが一つの思いとなって舞台に現れるので、その熱量の凄さに圧倒されました!
そして、終演時には全ての役者さんが愛おしくなる。。。今回もそんな素晴らしい舞台でした!
CHEERS~七夕の奇跡
壱人前企画
ワーサルシアター(東京都)
2017/07/04 (火) ~ 2017/07/09 (日)公演終了
満足度★★★★
熱量満点のコメディタッチの舞台!
飽きることなく観れて楽しめました。
SCRAP
公益社団法人日本劇団協議会
Space早稲田(東京都)
2017/07/01 (土) ~ 2017/07/17 (月)公演終了
満足度★★★★★
リアルな芝居で役者さんの熱量を浴びながらの素晴らしい時間でした。
舞台の作りも役者さんと同じ空間に居る感覚での観劇スタイルがとても刺激的でした!
あるご縁からの急遽観劇でしたが、素晴らしい舞台と役者さんに出会えて本当に良かったと思える観劇でした。
人本のデストピア
バカバッドギター
上野ストアハウス(東京都)
2017/07/15 (土) ~ 2017/07/17 (月)公演終了
満足度★★★
人も動物も植物も一冊の本になってしまうということであったが、実際に本をイメージしたものに変身してほしかったです。
いろんな仕掛けでお客様を楽しませようと努力されていました。
こんな劇団が無くなってしまうのは残念です。
TimE ElevatoR ReseT
劇団さかあがり
吉祥寺櫂スタジオ(東京都)
2017/07/16 (日) ~ 2017/07/17 (月)公演終了
満足度★★
過剰なまでの演劇LOVEが伝わってきた。細部にまで手をかけたセットも楽しい。理解るのだけれど、あとに残る感じがない。更に絞り込んでもらうとキレてくるのでは・・・空白に思いを込めて。
革命☆☆☆☆☆未来部
ピヨピヨレボリューション
浅草九劇(東京都)
2017/07/12 (水) ~ 2017/07/23 (日)公演終了
満足度★★★★
楽しかったよ
ネタバレBOX
macoファンは、レアなロングヘアーmacoが見れます。
おんわたし
SPIRAL MOON
「劇」小劇場(東京都)
2017/07/12 (水) ~ 2017/07/16 (日)公演終了
満足度★★★★★
この劇団、SPIRAL MOONらしい丁寧な作りであるが、描く対象が今まで観た個人または家族とは違い、もっとスケールアップさせたようだ。
また、物語の展開には社会性を潜ませ、実に興味深い作品に仕上げていた。
(上演時間1時間30分、漫才15分)
ネタバレBOX
沖縄県の特定郵便局が舞台。そのセットは、上手側に座敷への上がり間口、座卓、雑貨を収納する棚。下手側には果物、扇風機などが置かれている。正面は窓ガラス、そこにカーテン。出入り口の奥(外)には石垣や南国の花が見える。実に風情豊かな作りである。
梗概…ある夏に日、郵便局長が海辺に流れ着いた瓶を拾ってきた。その中には10年前に中学受験の問題が書かれた手紙が入っていた。そこに書かれた住所に返信したところ、手紙の主の母親が島に来た。娘はj受験に失敗し自殺したと…。
他方、22歳の青年が保護司に連れられ郵便局を訪ねてきた。一定期間働かせてほしいというもの。彼は、10年前に犯罪を犯し少年院に入っていたらしい。それは手伝いに行っていた民宿に来た客が…。
この二つの話に、必然的な繋がりを持たせていない。しかし、母親は元教師ということもあり、青年に色々なことを教える。この交流への導きが実に自然体で見事。
青年の処遇を巡って、人々は喧々諤々。今から10年前(2007年)は犯罪の低年齢化を背景に少年法改正が行われている。そして少年法における10年の有期刑は重犯罪であったことは容易に想像できる。青年の過去が知れたのは、都会から来た旅行者のインターネット情報によるもの。都会での更生が困難ゆえ、沖縄で果そうとしたようだ。
本公演の主人公(対象)は人物ではなく、沖縄という土地(地域)を描いているようだ(上演後、沖縄県出身の芸人の漫才など、始終”沖縄”を感じる)。母親は、自分が娘を自殺するまでに追い詰めた悔悟、青年の罪の償い更生…それらの気持を「なんくるないさ~」など沖縄の言葉が柔らかく包み、緊張する心情を解きほぐす。さらに波風、波音という演出効果でしっかり印象付ける。
「恩渡し」…人から受けた恩をその人ではなく、別の人へ渡すこと。ある意味、心に余裕、ゆとりがないと出来ない様な行為。それをサラッと言って行なう風土。その心温まる人情、この劇団らしい見事なラストでした。
次回公演も楽しみにしております。
孤独の観察
シアターノーチラス
OFF・OFFシアター(東京都)
2017/07/12 (水) ~ 2017/07/16 (日)公演終了
満足度★★★★
友情という名の押し売りならぬ押し付けが厭らしく描かれる。このシアターノーチラスという劇団の真骨頂…ざわざわ心が落ち着かない、その心情がしっかり観て取れる秀作。
(上演時間1時間40分)
ネタバレBOX
舞台は挟み客席、中央が舞台(結婚式場の控え室という設定)通路。そこに丸椅子が数個置かれているのみ。物語は、高校時代の友人が結婚することになり、12年振りに再会するところから始まる。昔話に花が咲かせ、その会話姿は円陣を組むよう。客席からは表情が見え難い。人の性格など、すべてが分かる訳でもなく見える部分、見えない部分があることを暗示しているようだ。円陣を組むような親しさを見せるが、その内心は厭らしさが渦巻いているよう。
梗概…同級生同士(新郎・新婦)が結婚することになり、親しかった女性友達(30歳)が集まる。しかし、高校三年生の時、グループのメンバーだった女性が通り魔に襲われ亡くなった辛い思い出がある。自分たちは仲間…なのにあの時彼女を一人にしたという負い目のような感情。実のところ、高校時代の”友情”は、名ばかりの役割・分担がありグループ内に優劣、優越・迎合があったことを思い出していた。友達がいないこと…孤独と孤立といった恐怖心を煽ったこと等。そんなところに12年前に亡くなった友の姉が現れ…。
女性同士の嫌悪、意地悪といった些細な言動、仕草が心の棘になる。その個々の感情の揺れ、その波紋がぶつかり合うように広がり不穏な雰囲気を醸し出す。女性同士には絶対的な悪人は登場しない。それだけに陰湿さの表現は秀逸であった。
結婚式場の控え室に丸椅子のみはあり得ないだろう。本来はソファーなどを置くところであるが、それでは人物の動きが止まり、表情も一方向から見ることになる。あえて丸椅子で動きやすくすることで、(心)落ち着かない様子を表現させる。また人間の多面性を見る、その”観察”する視点を固定させない演出も見事。帰り際に作・演出の今村氏と話をした時、苦肉の策だと言われていた。
物語に男性2人が登場するが、1人は同級生・新郎である。もう1人は招待した同級生の亭主だという。唯一過去の柵に囚われない。暴力性をチラつかせ場を騒がせる。この第三者的な発言が核心を突いたり外したりし物語を動かす重要な役どころ。
気になるのが、この重要な男をどうして招待したのか(または出来たのか)。この男の登場・存在が不自然なのだが…。
友情…”友達でしょ”という悪魔のような囁き。いつも一緒に行動し、拒絶することも難しい。そんな不自由な友情物語を描いており観応え十分であった。
次回公演も楽しみにしております。
トレーディングライフ
ピウス
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2017/07/12 (水) ~ 2017/07/17 (月)公演終了
満足度★★★★
未見の団体。その作風はサスペンスで物語の中へグイグイと引っ張っていく力があった。チラシも人の横顔がノイズのように一定しない。その不安定な感じが物語を暗示しているよう。
(上演時間2時間)
ネタバレBOX
舞台セット、その豪華さに驚かされた。中央にゲームをするギャンブル(トレーディング)場。その場所を四方から囲むようにプレイヤーの控え室がある。出入り口のない館で「人生を換金して奪い合う」ゲームを行う。
男は平凡な人生を歩んできた。大学を卒業しそこそこの企業に就職し、真面目に勤めてきた。しかし、男は大学時代の友人に裏切られ多額の借金を負う。さらに会社も解雇され、何もかも失う。自暴自棄になる男に、昔の友人(恋人?)が失った物を取り戻す方法があると…それは「人生で獲得したものなら、何でも相応の金額として賭けることができる」というギャンブルへの招待だ。
当日パンフには、「ゲームの基本的なルール」と「ゲームの流れ」が書かれており、劇中の説明台詞を聞き逃しても後で確認できる。また登場人物はペア(「ベッター」と「プレイヤー」と呼ぶ)で成り立ち、4ペアで勝敗を競う。ゲーム主催は虚会が運営するが、一癖二癖あるような人物である。もっともペアの人々もそれは同様である。
人生を賭けたゲーム、その人生とは「記憶」の消失と刷り込みといったところ。自分の人生において不要な部分(時代)を金に換算し、勝負する。相手が捨てた人生(時代)を買い取ることも出来る。自分の人生とは…アイデンティティを失い、他人の人生に上書きされる。ゲームという進行、その劇中時間制限が緊張感あるテンポを生み出す。
単に賭けゲームだけではなく、裏切り、どんでん返し等、多くの見せ場を用意している。細かいところ(当初は漫然とした不要部分-英検資格等がいつの間にか○○時代へ変化)を突き詰めれば破綻しそうな展開であるが、むしろ劇中の雰囲気に酔いしれた方が面白く観られる。
卑小はさておき、物語の根底に関わるところ…この館での出来事は全て忘れるのではなかったか(「会場」にいる限り、そのトレードの記憶は残っている。逆に言えば「会場=館」を出たら記憶は無くなるのでは)。しかし、ある目的を持って、以前このゲームに参加した者達が集まって来たのはどうしてか?記憶は…
役者の演技力は確かで、夫々のキャラクターをしっかり立ち上げていた。また、都会の雑踏、車の騒音、時を刻む音、雨音など印象的な音響。またペア人物に焦点を当てた照明、ゲーム・ターンが終了した時の記憶の更新時の照明も妖しげ。舞台技術も効果的で物語全体の印象付けは見事であった。
次回公演を楽しみにしております。
孤独の観察
シアターノーチラス
OFF・OFFシアター(東京都)
2017/07/12 (水) ~ 2017/07/16 (日)公演終了
満足度★★★★★
とても面白かったです!人間って一人じゃ生きられない生き物だし、かと言って、人によって自分を使い分けたり。人はほんとの自分を探す為に生きてる、そんなことを感じさせられる内容でした。ひなさんの雰囲気がすごく印象的!また観てみたい。
狐姫
BLACK★TIGHTS
近鉄アート館(大阪府)
2017/07/14 (金) ~ 2017/07/17 (月)公演終了
満足度★★★★★
ブラック★タイツ『狐姫』観てきた。
白玉ちゃん純情やったな。
約3時間やったけど本当はもっと盛り込みたかったんだろな。
観て良かった楽しかった!
怪談 牡丹燈籠
オフィスコットーネ
すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)
2017/07/14 (金) ~ 2017/07/30 (日)公演終了
満足度★★★★★
扉座、桟敷童子のとは一味違う〈すみだパークスタジオ〉。奥行間口は広いが天井低く、夜の倉庫の四隅や、視界の届かぬ向こうが闇に溶け、入れ替わり立ち替わる光景が幻のようで、現のようで。ある夜の寝物語にみた夢のように判然としない、あの錯覚を瞬き一つで起こす闇を背に、虚実の結界をゆらゆらと辿るような時間であった。
演出は大手プロデュース舞台を多く手掛ける森新太郎、俳優は抜かりない演技を繰り出すが、舞台中央に据えられた縦の軸にゆっくりと回る(時に速度を増し、時に止まる)横広のくすんだ厚布との間合いや位置取りは見た目以上に難事だったのでは・・。
太田緑ロランス、松本紀保、山本亨、西尾友樹、児玉貴志、青山勝、原口健太郎、花王おさむ、松金よね子・・(主賓らしい柳下大は名も顔も初見だったが)、現代の衣裳が次第に違和感なく、むしろ役者の的確な芝居により「牡丹燈籠」を確かな手触りでこの瞬間に存在せしめた。
人間の業に絡め取られ、欲に突き動かされ、あるいは巻き込まれ修羅の場に轟然と立ち尽くす終幕の彼らは血にまみれて立つマクベスのラストの残像に通じ、破滅のカタルシスをめらめらと放射していた。美しい。その場所に立つ事はないと信じて眺め興じる己らだが、自らがそこに立って生きやう(死なう)としたのがミシマであったという事かな、などとふと思う。
ネタバレBOX
森新太郎演出の注目舞台は結構見逃しており、過去観劇したのはコットーネ「民衆の敵」(吉祥寺)、新国立劇場「エドワード2世」のみ。演出的な挑戦が明確にある印象だ。
「民衆の敵」は同時期に見た雷ストレンジャーズのストレートな小空間の舞台のほうが、的確に思えた。森演出は古典作品に「斬り込む」趣向に傾き、考え過ぎに思えたのだった。演出の意欲はビシビシと感じたが。
「エドワード2世」のほうは恐らく、ヒーロー性の欠片もない王の孤独をコミカルに、柄本佑に演じさせたのが演出的作為で、面白かったが、森演出の本領は大型舞台で確かめ得る、という線が見える。
が、今回のすみだパークスタジオはいかにも小劇場。だが使いこなしは完璧だった。もっとも「円」の舞台も小さな場所でやるイメージがあるが。
大竹野正典シリーズでないコットーネ舞台は、3作目になった。若干値が張るのは役者陣が贅沢だからか。その価値あり、と言える舞台。
児玉貴志がThe Shampoohatの休業中見られなかった所、久々に苦虫潰した表情(なぜカーテンコールで?)を見られてプチ満足である。松本紀保の地で行くような芝居と死の直前(とは知らず)見せる艶っぽさ、太田の全身そそのかし女のなり切り振り、主人をも諭す忠義ぶりを演じる西尾、その主人の存在感を最後に見せ付けた青山、欲に身を売り手抜かりなく殺す影の主役・山本、脇できっちり締め、また笑わせる松金、花王。その他名前を把握しない俳優のあの場面この場面。・・・
ファンタズマゴリア
天幕旅団
【閉館】SPACE 雑遊(東京都)
2017/07/06 (木) ~ 2017/07/30 (日)公演終了
満足度★★★★★
「天幕旅団の遊園地」を観劇。優しく切ない物語。最初から最後まで夢の中にいるみたいで,心地よく素敵な,そして目が醒めると物悲しい気分になる秀逸の作品です。やはり4人の天幕旅団は良い!観劇の回は挟み舞台だったけど,後半戦は囲み舞台になるとのこと。同じ物語でも違った感じになるんだろうなぁ。時間が作れれば,これも観てみたい。60分,素敵に充実した観劇時間でした。
香典泥棒
法政大学Ⅰ部演劇研究会
法政大学 市ヶ谷キャンパス 外濠校舎 地下一階 多目的室2番(東京都)
2017/07/13 (木) ~ 2017/07/16 (日)公演終了
満足度★★★★
いつもながらの中々凝ったセットだが、終盤、もっと驚く。この仕掛けには感心した。基本的に大人の狡さ、卑怯を嫌った若者達の、それでも生きていれば嫌も応もなく大人の年齢になってしまうことへのアンヴィヴァレンツや、そうなってしまうことの是非に対し、ちょっとしたピカレスク・ロマンの手法を用いたケツマクリ。若書きの粗さや、背伸びが見られなくもないが、ふつふつと湧き出るエネルギーと突っ走る勢いには爽快感さえ感じる。
花四つ☆
ネタバレBOX
実際多くの子供達が思って居るハズだし、思ってきたハズだ。何を? って大人は矛盾だらけの馬鹿だということをだ。3~4歳にもなれば、この程度の判断はつく。だが、いつ頃何が原因でそう考えていた子供達の多くが自分の正当な意見や行為、そして権利を捨てて世間に埋没してきたのか? 金か? 必要なら稼げばよいではないか? 金だけが目当てなら何をやっても食ってゆくこと位はできよう。恋か? 互いに年を取らず、いつまでも若く美しく健康ならば、それも良かろう。然し、それにも限りがある。では、地位や名声か? そんなもの、健康を損ねてしまえばそれまでのこと。また、大きく儲ける為には仕組みを先ず作らなければならない。今作では、実はそれが図られていた訳である。人々のメンタルを操り状況を動かして、動いた金を喰う訳である。現在、資本主義のやっていることもこれであろう。本当の金持ち達は、長者番付けに載るような馬鹿なことはしない。ケイマン諸島やカリブ諸島を経由してどれだけの金が洗浄されているか、考えてみるが良いのだ。皮肉にも、大人を嫌って単純な子供のような反応をした者達は狡猾の餌食とまでは言わないまでも、単に右往左往させられ、更に社会的リスクを背負わされたにも拘わらず、それら総てを企んだ連中だけが、高笑いをしつつ、おいしい汁を吸っているのだ。現在のこの「国」の為政者ような完全に破綻した支配層を持つ社会に於いては、このように冷静に企まれた悪だけが、不善を撃つことができるのかも知れない。
人本のデストピア
バカバッドギター
上野ストアハウス(東京都)
2017/07/15 (土) ~ 2017/07/17 (月)公演終了
満足度★★★★
20年に亘って続けた公演も今回が最後、との触れ込みで始まった今作。デストピア状況が描かれる。デストピアについては、余り多くの方に馴染みが無い概念かも知れない。要するにユートピアの反対概念である。今作では、総ての動植物(無論、人間を含む)が一冊の本になってしまう、という奇病の流行った小国の話として描かれている。花四つ☆
ネタバレBOX
こんな未来の無い状況なら必然的に起こってくるニヒリズムという深刻な問題は、スルーされているが。この物語の訴えるデストピア状況、即ち「原因不明の病」の大流行によってあらゆる生命が危機に晒されている中で、尚、ヒトはヒトらしく生きることができるのか? という本質的な問いに対する答えとして,ノブレスオブリージュが提示されていることの重大な意味を減ずる訳のものではない。斯様に受け取れる作品であった。タイトルセンスも人を引き付けるに足るものである。難を言えば、序破急のうち、序破の部分をもう少し、大人っぽく刈り込んでも良いかも知れぬ。
為政者の勤めの中心を果たすのが魔女の家系だが、それをサポートする軍部が体制護持に走る姿は、現実に軍の機能を表象しているだけに実に興味深い。
前説にも、センスの良さが認められる。この前説だけで、大きな拍手が起こったほどだが、何が起こるかは、観てのお楽しみ。
20年も続いて来た劇団が、今作をもって終演とするということだが、様々な事情があるにせよ、早目の復帰を願ってやまない。
-平成緊縛官能奇譚-『血花血縄』
吉野翼企画
こまばアゴラ劇場(東京都)
2017/06/22 (木) ~ 2017/06/24 (土)公演終了
満足度★★★★★
■約100分■
性的シーンは互いが互いのバリエーションにすぎず、冗漫で面白くなかったが、ウーマンリブ演劇としてこの上ない完成度! 原作小説が書かれた頃には「ウーマンリブ」という言葉、まだ生きていたはずである。
それにつけても、演出・吉野翼の完全主義が生み出す、統制美に貫かれた演技や合唱は毎度ながらの素晴らしさ。
ネタバレBOX
母、姉妹、女中…あらゆる女が父に性支配されている堕落した家に、初潮を迎えて間もない少女が反旗を翻す話。
「私が戻る頃には、ここの女たちは血と一緒にこの家から剥がれ落ちている!」
ラスト、こんなセリフを家の者たちに吐きつけながら学校へと向かう少女。その勇姿に心が高ぶった。
ドア
ユニットR
こまばアゴラ劇場(東京都)
2017/06/26 (月) ~ 2017/06/29 (木)公演終了
満足度★★
■約75分■
弛緩した演出が緊密に書かれた原戯曲を台無しにしている。動きや声を揃えるべきシーンで揃っていなかったり、失笑を誘うほどに小道具がチャチかったり、これでは素人芝居。
プライバシーの尊さを主張する原作を共謀罪法施行後の世界に結びつけたり、脚本面では努力が感じられたが。
ネタバレBOX
この団体、先述の小道具をはじめとして美術へのこだわりが稀薄すぎ。
プライバシーの尊さ、さらに進んでプライバシーの妖しさをテーマとしながら、隠れ家やそこへ通じるドアを魅惑的に視覚化できていないのは致命的。なにも、物理的に部屋やドアを作る必要はない。ドアをドアノブだけで表現したり、妖しい隠れ家を照明のみで視覚化したり、やりようはいくらでもあるはずなのだ。
それから、稽古不足。これは観客のほとんどが感じていたのではないか?
纏(まつ)わるひとびと
TOKYOハンバーグ
サンモールスタジオ(東京都)
2017/07/12 (水) ~ 2017/07/19 (水)公演終了
満足度★★★★★
7月16日ソワレ(100分)を拝見。
ネタバレBOX
題材は、当時、社会に大きな衝撃をもたらした実在の事件。そして、本作品のストーリー上でも、かなりの部分で「報道された事実」がトレースされています。
とはいえ、劇場で上演されるのは、あくまでもフィクションたる舞台作品。以下、純粋に舞台への感想を述べていきます。
父と娘、母となった娘とその子供たち…二代にわたるネグレクトする側・された側のものがたりを
「ドキュメンタリー映画」の製作にあたるスタッフたちのやり取り
劇中劇たる「ドキュメンタリー映画」の各シーン
の2元で描く構成。
最初は、題材となった「実在の事件」のあまりの生々しさを緩和させるためのバッファーかな?と思っていました。
しかし、ラスト近くで、登場人物達の関係性が明らかにされてからは、傍からは…いや、当の相手ですら伺い知れない、ネグレクトした側・された側の傷の疼きの正体を、残された当事者たち(和実と夕香)が追い求めていくという、脚本(滝本祥生さん)・演出(大西弘記さん)の意図、慮ることができました。
ネグレクト、虚栄心、現実逃避、再起、義理の・肉親の親との絆…ヒトの心の弱さ・愛おしさの有り様に、胸がいっぱいになった舞台でした。