声
PANCETTA
ザ・スズナリ(東京都)
2024/10/10 (木) ~ 2024/10/12 (土)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
「声が紡ぐ三つの物語」
三名の出演者(佐藤竜、吉澤尚吾、一宮周平)が何役も兼ね、加藤亜祐美がピアノをメインにピアニカやボーカルなどさまざまな音で三つの情景を紡いでいく音楽劇である。
THE STUBBORNS
THE ROB CARLTON
三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)
2024/10/04 (金) ~ 2024/10/14 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
「言語と記憶の誤解が生むディスコミュニケーション・コメディ」
周到に練られた脚本と俳優の力演が客席をわかせるコメディである。
憧憬の記憶
劇団水中ランナー
ザ・ポケット(東京都)
2024/10/09 (水) ~ 2024/10/13 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
とても良かったです。
内容は書きませんが、演劇初めてという方でも観やすいと思います。
初見の劇団でしたが、他作品も観てみたくなり、
終演後過去DVDを久々に購入。
取り急ぎ、今日の千秋楽、迷っている方は是非観てください。
感想は後ほど書きます。
遊びの杜17
東京幻堂
「劇」小劇場(東京都)
2024/09/26 (木) ~ 2024/09/29 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/09/29 (日) 14:00
日本の民間伝承などを題材に伝統芸能的手法を取り入れて描く短編オムニバスシリーズの最新作。
まずは前奏曲的な「幻式巴三番叟」のオリジナル音楽が「バリ島の民俗音楽」っぽいことにニヤリ。古典的な題材にそれを使い、しかも違和感がないのが面白い。
続く「幽霊滝」の滝と鳥居の表現も好き。2枚の青色の長くて薄い布を交互に上下に動かす滝はままあるものの、同様の赤い布を組み合わせて鳥居表現するのはアッパレ。「瘤取り翁」の鬼、「くさびら」の茸の表現も楽しい(茸の表現は原典の狂言に準じているとか)。
最後を飾る「黄泉比良坂」はギリシャ神話のオルフェウスを想起させる中心部分は知っていたが、そこに至るまでもけっこうあったことを初めて知る。そんなこんなで今回も面白かった。来年の題材は何だろう?
新コオロギからの手紙/板の上の二人と三人そしてひとり
映像劇団テンアンツ
ABCホール (大阪府)
2024/10/11 (金) ~ 2024/10/21 (月)公演終了
新コオロギからの手紙/板の上の二人と三人そしてひとり
映像劇団テンアンツ
ABCホール (大阪府)
2024/10/11 (金) ~ 2024/10/21 (月)公演終了
憧憬の記憶
劇団水中ランナー
ザ・ポケット(東京都)
2024/10/09 (水) ~ 2024/10/13 (日)公演終了
遺失物安置室の男
劇団夢現舎
新高円寺アトラクターズ・スタヂオ(東京都)
2024/10/04 (金) ~ 2024/10/14 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
今回も、とても面白かったです。いつもながら少しシュールでいろいろ考えされるお話でしたね。何度目かのリニューアルしながらの再演のようですが、その理由もわかります。役者の皆さんの演技も安定的によかったですし、余韻が残るお芝居でした。仕事帰りに伺おうとすると、開演時間、飲み物のおまけも嬉かっです。
ヒューマンエラー
ピウス
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2024/10/09 (水) ~ 2024/10/15 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
人格を持つAIを巡る人間とアンドロイドの物語。
再演作ですが、ChatGPTのような高度なAIが出てきたこの時期に合った作品だと思います。
~喜楽に落語~ ハルカス寄席
近鉄アート館
SPACE9(大阪府)
2024/10/01 (火) ~ 2024/10/31 (木)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
落語は知らない落語家さんでも楽しめるのが魅力やなと思います☆個人的には漫才師時代から知ってるナオユキさんの漫談が見れるのも嬉しいです\(^o^)/
ぼくの好きな先生
マウスプロモーション
シアターX(東京都)
2024/10/02 (水) ~ 2024/10/06 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
いじめをテーマとしながらも、時にコミカルに表現されており、そのバランスが非常に見事でした。重いテーマを扱いながらも、笑いを交えることでテンポよく、最後には感動で涙がこぼれました。本棚の演出も作品の世界観に引き込まれました。
声優事務所の50周年記念公演とのことでしたが、この作品を記念公演に選んだこと自体、非常に挑戦的だと感じました。これは、役者たちの演技力に対する強い信頼があったからこそだと思います。実際、役者たちはその期待に見事に応えていました。ベテランから若手まで、全員が素晴らしい演技を披露し、声優の強みである声の個性と通りの良さも印象的でした。
そして、この舞台は観客としての自分自身に「では、自分はどうなのか?」という問いを突き付けられた、非常に考えさせられるものでした。
夢遊病の女<新制作>
新国立劇場
新国立劇場 オペラ劇場(東京都)
2024/10/03 (木) ~ 2024/10/14 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
歌は素晴らしかった。シラグーザ氏を、20年ぐらい昔に同じ新国立劇場に登場した時に聴いて以来、今回久しぶりに聴いたが、軽やかで明るく光るような歌声が全然変わっておらず驚き。アミーナ役歌手も声がとても美しく、気の毒になるぐらい超高い音も苦しくならずに出していた。リーザ役歌手もまったく遜色ない。
一方、演出はいくつか妙に思える動きがあったりで腑に落ちなかった。他のいくつかの歌劇場との共同制作ということなのだが。
売り言葉
平体まひろひとり芝居
雑遊(東京都)
2024/10/10 (木) ~ 2024/10/14 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鮮烈な体験。平体まひろさんのファンなら極上の空間。もう一回観たい気もする程良かった。舞台を挟んで3列ずつの客席。映画のセット並みに作り込まれた部屋。本棚には絵画写真美術演劇の専門書の類がビッシリ並び気分は美大生。開演前SEで流れる洋楽が病んだビートルズみたいな妙なポップさ。細かくいろんな場所に仕込まれた照明がノイズ音と共に明滅する演出が効果的。現実に押し潰されて認識が狂っていく自分。
話は高村智恵子、明治生まれで昭和13年に亡くなる。肩書は一応洋画家だが大成せず。夫である詩人、高村光太郎の書いた『智恵子抄』で彼女を知った人が殆どであろう。精神を病み今肺結核で死んで逝かんとする妻。最期に檸檬を欲した彼女がガリリとそれを噛んだ時、瞬間元の智恵子に戻り微かに笑う。高村光太郎の「レモン哀歌」は宮沢賢治の「永訣の朝」、「あめゆじゆとてちてけんじや」と並び日本人の深層心理に深く刻み込まれた愛する者との美しき別れの元型。誰もがその美しさに涙する···、筈だった。
こういうのを演ってこういうのを観る、というのが原初的演劇体験。間違えてゴダールの『気狂いピエロ』を観てしまった子供みたいな。
是非観に行って頂きたい。
僕と私の遠い橋【東京公演】
玉造小劇店
シアター711(東京都)
2024/10/08 (火) ~ 2024/10/14 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
11人で53人を演じるというお芝居。展開について行くのに必死であっという間。なんやわからんけどめっちゃ面白かった!パンフに「極めて変で、軽くて、爽快」とありましたがその通りだと思いました。鈴木さんのとこだけ脳がバグりましたがそれもまたサイコーでした。ごちそうさまでした。
売り言葉
平体まひろひとり芝居
雑遊(東京都)
2024/10/10 (木) ~ 2024/10/14 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2024/10/11 (金) 19:00
野田秀樹・作の一人芝居に平体まひろが挑んだ。いいものを見せてもらった。(2分押し)89分。
野田秀樹が大竹しのぶに書き下ろした2002年の戯曲で、「智恵子抄」の高村智恵子を題材にしたもの。いろいろなところで何度も上演されているが、大竹の初演を2ステージ観た後、観たことがなくて、22年ぶりに観た。冒頭いきなりの言葉遊びに、あぁこんな作品だったなぁ、と思い出したが、平体は現代的な服装のまま演じ、前半は笑いも取り、後半はシリアスになるという戯曲の特徴をシッカリ活かして演じてた。大竹の初演では、障子を破って自転車で登場、という演出が印象に残っていたが、本作は着々と丁寧な演出で、前半は一寸ありきたりかなぁという印象もあったが、徐々にペースが上がっていった。対面舞台という形や美術と照明も見事だった。
憧憬の記憶
劇団水中ランナー
ザ・ポケット(東京都)
2024/10/09 (水) ~ 2024/10/13 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
とても良かったです!
リアル感があり、同感したり考えさせられる事が多々ありました。
役者さん達の演技も素晴らしく、優しく切ないストーリーに感動でした。
父親を演じた剣持さんの表情、息子を演じた河津さんの天使のような笑顔に涙が出ました。
素晴らしい舞台でした。
憧憬の記憶
劇団水中ランナー
ザ・ポケット(東京都)
2024/10/09 (水) ~ 2024/10/13 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
ある劇団兼会社を舞台に、家族の問題や周辺の周囲の人々とのつながりを描いた物語。序盤はややガヤガヤした印象も受けましたが、物語が進むにつれ、各登場人物の思いが溢れ出て、クライマックスでの心の叫びでは心を強く揺さぶられました。登場人物も多いですが、各人の関係性や内面も丁寧に描かれ、自然と感情移入できました。各人がそれぞれ葛藤を抱えつつも、ひたむきな優しさに溢れており、ついつい応援したくなります。随所に笑いも散りばめれており、泣き笑いのバランスが心地よい、素晴らしい舞台でした。
兄妹どんぶり
劇団道学先生
新宿シアタートップス(東京都)
2024/10/09 (水) ~ 2024/10/15 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
『無頼の女房』を観て、やっぱり青山勝氏の演出力はずば抜けているなと再認識。かんのひとみさんだけを頼りに何となくチケットを購入。これが万馬券。荒み切った心の砂漠を潤してくれる恵みの雨。金を払ってでも観るべき芝居とはこれだ。騙されたと思って観に行って頂きたい。帰りに物販で散財したくなる筈。故・中島淳彦氏にRespect。このクラスの脚本を出されたら文句のつけようがない。ただただ感心。凄い作品だ。
主演の演歌歌手を目指す少女は初舞台!?の宏菜(ひろな)さん。随分歌上手い女優だなあと思っていたが本業は弾き語りのシンガーソングライター。ちょっと度肝を抜かれた。若き日の新垣里沙や高畑充希、蒼井優系の清純派の田舎娘だが歌い始めると観客の心を鷲掴み。よくこんな娘を見付けてきたもんだ。
そのマネージャーで義理の兄でもある佐藤銀平氏は佐藤B作氏の息子!もう見事と言うしかない絶品の話術。圧倒された。つかこうへい節の角番の男を舞台に鮮烈に刻み付ける。
時代は平成元年(1989年)、東京の下町にある居酒屋「歌声」。元音楽プロデューサーだった旦那(佐藤達氏)と店を切り盛りする女将(かんのひとみさん)のもとに兄妹(佐藤銀平氏&宏菜さん)がやって来る。「天才的な歌声を持つ妹をプロの演歌歌手にする為、裸一貫大阪から上京して来た。ついてはしばらくここで働かせてくれ」と。そこに元教師(藤崎卓也氏)率いる商店街のアマチュア・コーラス・グループが稽古にやって来る。昼間は店を稽古場として提供していたのだ。頼まれた妹は彼等に混じり歌声を響かせる。フォーク・ソングにかなり小節(こぶし)を回して・・・。
各役者の役に仕込んだ細かなキャラ設定が抜群に味になる。
佐藤達氏のちょっとゲイっぽい仕草とか巧妙。
芸能プロダクション社長、板垣雄亮(ゆうすけ)氏は何かとボブルヘッド人形のように頭を左右に揺らす癖。
消えた演歌の天才作曲家、ジョージ相原役の宮地大介氏。これがへべれけの志村喬や由利徹のようでヨロヨロ歩くコミカルな動作が場内を爆笑に叩き込む。お見事!
藤崎卓也氏が身にまとう笑いのセンスは自分の大好物。この斉木しげる系の笑いを求めていた。
気田睦(けたむつみ)氏が咥えているのは禁煙パイポだろうか?水道橋博士を思わせる表情。
菅沼岳氏はBEGIN寄せ。
夫の佐藤銀平氏を追って上京して来た妻の山像(やまがた)かおりさんがまた最高。きっちり物語を構えてみせる。
酔ったかんのひとみさんが忘れられない見せ場を作る。
美空ひばりの曲が効果的に使われる。ひばりが亡くなったのはこの年の6月24日。美空ひばりの『みだれ髪』は最早文学の域にまで達している傑作だと思う。
是非観に行って頂きたい。そして宏菜さんのCDを買って欲しい。
朗読劇、余炎
三度目の思春期
マホラ食堂(小田急線経堂駅南口徒歩5分) 2階客席(東京都)
2024/09/27 (金) ~ 2024/09/29 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2024/09/27 (金) 14:00
6月の悲喜交交による「古民家上演版」を経ての朗読版。朗読劇だけに3人の登場人物に加えてト書き担当がいるので情景を思い浮かべたり上演版を思い出したり。
朝ドラをBSで一度観てから地上波を字幕・副音声で観るσ(^-^) にはピッタリ、的な。(笑)
そして会場が食堂の2階テーブル席で演者もテーブルを前に並んで座るカタチだけに台本を手に持つ「一般的な朗読劇」と違って木製の書見台に台本を置くという演出がまた別なオモムキでステキ。演者が劇中の衣装だったり当日パンフレットが劇中の俳句誌を模しているのも〇。
そうして語られる内容が「戦意高揚に文学(を筆頭とした芸術)が使われる時代が二度とあってはならない」なのは秀逸。(10年前に書かれた作品とのことだけれども)
Flower
兎団
中野スタジオあくとれ(東京都)
2024/10/10 (木) ~ 2024/10/14 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
現代と過去(戦国時代)を往還する というよりは綯交ぜの混沌とした物語。解ったようで実は理解が追い付かない独特の世界観だが、飽きることなく観ることは出来る。この団体 気になっていたので観に行ったが 満席いや増席するほど盛況。開場前から並んでいる人が多く、コアなファンに支えられているといった印象だ。
心の在り様は、時代が違っても…例えば 花にも色々あり 一輪でも存在感ある大輪を咲かせるものもあれば、人知れず野に咲く花もある。それを戦国武将の生き様に準えて描く。もっとも戦国時代と言っても柴田勝家とお市(織田信長の妹)が北ノ庄城で自害するところから大坂夏の陣(主人公 真田幸村が討死)迄を駆け足で描いている。そのため ある程度知られた出来事(史実)を掻い摘んで紡いでいることから、全体的に粗くなっていることは否めない。ちなみに、お市の娘 茶々(後の淀殿)を戦国時代に生きた女性の代表格のように描く。冒頭 お市の最期のシーン、たとえ女性であっても自立することが大切、そんな旨の台詞が現代へのエールに思える。
「兎団式、何でもありの一大絵巻」という謳い文句、個々の武将の心情の深堀というよりは、エピソード等を誇張することで興味を惹く。そしてその時代をどう生き抜くか、その生き様が華々しかろうが 枯淡や簡素であろうが<どう生きるか>が重要だと。これが現代(シーン)の悩める中年男へのメッセージに繋がる。
一見 雑然とした描き方のようだが、史実としての物語は流れており 観せる工夫として歌やダンス、そして衣裳やメイクといったビジュアルで魅せている。勿論 効果的な音響音楽や照明の諧調によって印象付け、それら舞台技術が物語をしっかり支えている。
(上演時間2時間 休憩なし)