最新の観てきた!クチコミ一覧

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La Isla Bonita

La Isla Bonita

Dance Entertainment REACH

座・高円寺2(東京都)

2017/09/13 (水) ~ 2017/09/14 (木)公演終了

満足度★★★★

 終演後、ロビーで出演者と観客が挨拶などをかわす際、興業としての全体を見て統括する制作が居ないのか、団子になって通路を塞いでいる演者・観客に対し、帰る客が通れないのを注意するスタッフは1人も居なかった。エンターテインメントを自認するのであれば、こういった点にも注意を払うのが当然。舞台レベルでの技術が高いだけに、そしてこれだけのパフォーマンスを展開する為にどれだけの修練を必要とするかが分かるだけに残念至極である。舞台は評価5だが、反省を促す為、この点で-1、総合点☆4つとした。

ネタバレBOX

 昔話の桃太郎を脚色したダンスパフォーマンス。エンターテインメントを謳っているだけあって、鍛錬された身体を用いてのダンスは華麗で躍動的且つ美しい。鬼たちの振り袖衣装や、桃太郎グループVS鬼たちの争闘シーンで用いられる白布・黒布の舞いも流麗である。更に奥のスクリーンに映し出される映像と効果音のコラボも上手く機能しており、照明も適確でダンスパフォーマンスの質の高さに興を添える。
一応、この辺りでざっと内容を俯瞰しておく。桃太郎たちが鬼ヶ島に乗り込む迄、人間と鬼の間に闘争が無かった訳ではない。発端は、人間の住む里に出掛けた鬼の子が人間たちに襲われ半死半生の状態に陥ったことだ。鬼たちは復讐の為、子鬼を襲った集落を焼き、住民を殺害した。その後暫く平穏な時が流れ、鬼たちは宝の山を発見し自分達の集落に持ち帰っていた。この章では、鬼たちの日常、即ち若い鬼たち同士の遊びや恋、長と長老との確執、人間たちに対する戦略・戦術論の差や、人間と変わらぬ情愛と日常の生活風景が描かれる。
次章では桃太郎の誕生譚と道連れとの邂逅、鬼ヶ島道行が描かれ、愈物語は最終章へなだれ込む。正義が桃太郎サイドにあることは、彼らの残虐非道な行為にも拘わらず、戦いの最中に持つ武器の象徴として用いられる白布で明らかである。実際の戦闘・戦争でもこのような印象操作が行われていることは言を俟たない。対する鬼達の布は必然的に黒である。敵たる成人の鬼総てを虐殺して宝を奪い、鬼の遺体から金目の物を略奪して引き上げようとする桃太郎一派に対して子鬼が戦いを挑むが、軽くあしらわれてしまう。桃太郎が最後に子鬼を突き飛ばしただけで帰ってゆくのであるが、ここは、後顧の憂いを絶つ為に三国志の曹操のように情け容赦なく子鬼をも虐殺してしまう方が演劇的にはインパクトがあろう。まあ、エンターテインメントと銘打っているのでやらなかったのであろうが。
以上感想と概要である。各演者の身体能力の高さと舞台美術や効果のコラボレーション、科白が殆ど無い中で物語を紡ぐ技術レベルの高さは見事である。
しろつめくさ の、はなかんむり

しろつめくさ の、はなかんむり

teamキーチェーン

シアター711(東京都)

2017/09/14 (木) ~ 2017/09/18 (月)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2017/09/14 (木)

初日14日のソワレ(90分)を拝見。

ネタバレBOX

当日パンフにさえ、あらすじを掲載しないという団体さんの意図を尊重して、雑感として述べます。

過去、何作か拝見してきたおかげで、この団体さんの作劇上の「癖」は承知しています。
今回も、ある人物を通して伏線が張られ、「ああ、最後に何か仕出かすな」とは思っていました。
悲劇→希望の光→再生、なラストでも構わないんです。ですが、終演時、(あくまでも推測だが)作者が期待しただろう、初めは静かな、でも、やがて熱く会場内に響き渡る万雷のアプローズ、とはならず、あまりにも「唐突な展開」に、終演のアナウンスが流れても、観客席は呆気に取られて拍手は無いまま。
「観客が置いてきぼりになるようなホンは書いちゃアカンがな」「それまで丁寧に描かれてきたおはなしが台無しじゃん!」…スイマセンけど、そう思わざるを得ないくらい、終盤の拙速な筋運びが悔やまれます。

役者陣。
ヒロイン役・田中愛実さんは、当て書きかと思うくらい、役にハマっておられました。
難しい役柄をこなされたマナベペンギンさん、(かなり正確に、実態・心理が描かれていた)ホームレス役の皆さん、何気に印象に残った中川えりかさん…わぁ~、役者さんたちはどなたも好演だったのになぁ。
「班女 HANJO」

「班女 HANJO」

劇団アニマル王子

シアター・バビロンの流れのほとりにて(東京都)

2017/09/13 (水) ~ 2017/09/17 (日)公演終了

満足度★★★★

原作を知らずとも、まったく気にせず楽しめる現代劇です。
いつものアニマル王子らしさありつつ、新しいアニマル王子もありつつ、意欲的な作品だと思います。
番外公演特有のオープニングアクトもあり、安心のタイトルコールもあり、華やかさもありつつ、強いしっかりとした話を展開していきます。
公演は17日までなのでたくさんの方に見てほしい作品です。

先輩、服を着てください

先輩、服を着てください

劇団東京都鈴木区

遊空間がざびぃ(東京都)

2017/09/14 (木) ~ 2017/09/24 (日)公演終了

満足度★★★★

そう言う事情では役者と言えど難しいですね(笑)。あの一団がよく分からなかったのと、あの演出はちょっとくどいかなと思いましたが、不器用な先輩が良かったです。

ノー・サイド NO SIDE

ノー・サイド NO SIDE

トツゲキ倶楽部

小劇場 楽園(東京都)

2017/09/12 (火) ~ 2017/09/18 (月)公演終了

満足度★★★★

いつものことながら、『トツゲキ倶楽部』の作品は感想がむずかしい。
なにげない感想のひと言がネタバレにつながり、バタフライ効果のごとく
多大な影響を及ぼしかねないからだ。

ネタバレBOX

SFの「タイムトラベル」物に目がない自分としては、
「それでも地球は廻ってる」での『トツゲキ風タイムトラベル理論』を
興味深く拝見しました。タイムトラベルするのは、今おっさんの自分で、
過去の自分になれるわけではない、とか、地球は公転してるから、
同じ場所にタイムトラベルすると宇宙空間に放り出されるとか、
うん、うん、そうなんだよなぁ。。。っと、ひとつひとつに相づちを
打ってましたが、問題のタイムマシンが、会話の中のみの存在で、
本当に桜井が発明したのかがあいまいだったのが心残りでした。

それに、いくらちくわの実験に失敗したとはいえ、
桜井がマシンを発明したことをひた隠しにしたかったのはなぜなのか?

実は、桜井は「NOSIDE」の信二からいづみの父親ユウキを探してほしいと頼まれ、
タイムマシンを使って過去に行くが、失踪する直前のユウキ(もちろん彼に
そんな気はまったくなかったはず)を無理矢理マシンに乗せようとして
もみ合いになり、しかも、わずかながらもタイムトラベルをしてしまったことで、
ユウキは北海道に飛ばされ、そのショックで記憶を失った。。。

つまり、信二の父親が失踪した原因は自分にあったから、
桜井はタイムマシンを封印しようと思った。。。
という裏設定があるんじゃないかと、妄想しています。

いや、みなまで言うな!みなまで言うな!!

なんか、長くなりそうなので、
「ハヴァナイストリップ!」や「NOSIDE」なんかの感想は
また別の機会にしてみようと思います。

追記
いや、違うな。
過去にタイムトラベルしたちくわが、過去のユウキにぶつかり、
それが原因で記憶を失う。って考える方が自然かな?。。。
アンネの日

アンネの日

風琴工房

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2017/09/08 (金) ~ 2017/09/18 (月)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2017/09/12 (火) 19:30

ノンケミカルの生理用品を開発しようとする女性8人の群像劇。初潮の告白から始まり、開発に向かう経緯と多くの困難を乗り越えて進む登場人物達は力強い。男である私には、生理に関して、理解はできるけれど「腑に落ちる」というのは難しいが、それでも、開発に向かう要因になるという状況は充分に伝わる。ともすると深刻になりそうな物語だが、最近の風琴工房らしくエンターテインメントを充分に意識した演出は楽しい。むしろ、プロフェッシュナルのあり方という視点が適切に思える作品だと思う。ししどともこが演じるような存在を出す必要があるのかと、少し心配したが、うまく収束させて取り込む作り方は見事だ。このような凄い作品で空席があったりするのは勿体ないとしか言いようがない。

みちゃダメ♡

みちゃダメ♡

アフリカ座

TACCS1179(東京都)

2017/09/14 (木) ~ 2017/09/18 (月)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2017/09/14 (木) 19:00

みちゃだめ、みちゃいました。歌あり踊りあり、単純に楽しかったです。
で、エロコメホラーとのことですが、実はホラーの部分はさほど期待
してなかったのですが、

ネタバレBOX

若美保さん、もちゃさん、sayakaさん。
寒気が止まりませんでした・・なんていうか、体は正直。あれ、
オレ、今寒気を覚えたよな、震えてるよな、ずっと。と、いう感じでした。
そして何故みちゃだめなのか、しっかり泣かせてくれるよな。でした。
La Isla Bonita

La Isla Bonita

Dance Entertainment REACH

座・高円寺2(東京都)

2017/09/13 (水) ~ 2017/09/14 (木)公演終了

満足度★★★★★

テンポよく展開された昔話でした。

ネタバレBOX

昔話桃太郎とダンスの融合が絶妙でした。会話がないのにすごくひきつけられるのです。強弱があって楽しむことができました。ダンスがいっそうひきたったと思います。
君の名前を藍色の空に呟いた。【ご来場ありがとうございました!】

君の名前を藍色の空に呟いた。【ご来場ありがとうございました!】

劇団えのぐ

南大塚ホール(東京都)

2017/09/09 (土) ~ 2017/09/10 (日)公演終了

満足度★★★★

変わった舞台だった。とても良質な時間を過ごさせてもらった

笑顔。(すまいる)

笑顔。(すまいる)

劇団光希

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2017/09/06 (水) ~ 2017/09/10 (日)公演終了

ストーリー中の人物が善人ばかりですね。
結果オーライで良かったな~と思いました。
でも、(セリフが長いためか?)数人の役者さんの「台詞」のカミが
とても気になりました。残念でした。

売春捜査官

売春捜査官

稲村梓プロデュース

サンモールスタジオ(東京都)

2017/09/05 (火) ~ 2017/09/10 (日)公演終了

満足度★★★★★

初見。前回公演の評判がよかったので、再演されれば必ず観ようと決めていた。結果、ものすごい物を観られた。稲村梓演じる木村伝兵衛、惚れた。
前半の小気味のいい芝居に演出、少し飽きがくるような場面もあったにはあったけど、こういうやりとりが結果、後半の緊張感漂う場面に生きてくる。後半の熱海でのシーンは圧巻。鳥肌が立つほどの役者の迫力だった。
次回また再演があるとしたら必ず観たい。中毒に似た感覚、稲村梓の木村伝兵衛をまた体感したい。

STAR☆JACKS act#011「じんない」

STAR☆JACKS act#011「じんない」

STAR☆JACKS

あうるすぽっと(東京都)

2017/09/09 (土) ~ 2017/09/11 (月)公演終了

満足度★★★

長い。
1幕でもっと話を進められるでしょう?
隅から隅まで丁寧に描き過ぎもどうかと。
台詞は皆さん言えてたので◎
アンサンブルの殺陣が酷かった。
人数は少なくていいから、出来る人が魅せないと。

涙は雨に

涙は雨に

空想実現集団TOY'sBOX

シアター風姿花伝(東京都)

2017/08/31 (木) ~ 2017/09/03 (日)公演終了

満足度★★★

【紅雨(こうう)の回】観劇

ネタバレBOX

美術部の元部室にあるノートを介して、現在と10年前の男子生徒が会話して、部室が使われなくなった原因でもある部員たちの事故死を回避することができるのかというSF。

あまりにも心配になって念じたら過去に行っていたというところはご都合主義でした。10年前の事故の噂話を全く聞いていないというのもあり得ないと思いました。
同郷同年

同郷同年

公益社団法人日本劇団協議会

恵比寿・エコー劇場(東京都)

2017/09/13 (水) ~ 2017/09/18 (月)公演終了

核廃棄物の最終処分場の誘致がテーマの男性三人芝居だから、気を引き締めて劇場に行ったんだけど、すごくよくできた90分の会話劇でとっても面白かった!
「反吐が出る」と言っていいぐらいの醜悪さにムカムカするんだけど(笑)、俳優さんに愛嬌があり、宮田慶子さんの演出でコミカルにも見せてくれる。場面ごとの変化にわくわくする。
劇作家のくるみざわしんさんは色んな戯曲賞を受賞されている現役の精神科医。今回の劇作家協会新人戯曲賞の一次審査も通過されている。
ひとつの言葉の意味が意図的に変えられ、何度も利用される様に胸が苦しくなる。今の日本の報道、政治家の発言とぴったり重なった。

ネタバレBOX

いじめの構造が明らかにされている。死ぬとわかっていても、徹底的にやる。死んだら、見せびらかすようにその「同郷同年」の友の墓の世話をして、自分は地獄行きだと言いながら、のうのうと公金で生活する。まさに反吐が出る。でもそういう人間が生き延びる。
第2回本公演「12人の噦く女子生徒」

第2回本公演「12人の噦く女子生徒」

演劇ガール☆フューチャ

シアター風姿花伝(東京都)

2017/08/25 (金) ~ 2017/08/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

ホントムカつきました。

ネタバレBOX

中高一貫女子学園の演劇部内で、ちょっと浮いた女子高生に対するいじめの賛否を巡って部内勢力図が移り変わっていく話。

いたずらの賛否ならともかく、いじめをするかどうかについての賛否を多数決で決めるおぞましさ、そして、討論している最中だからといった理由でトイレにも行かせない部長のパワハラ振りに、女子学園という隔絶された社会の一面を見たような気分になりました。男ならここまで書けない、さすが山田さんです。

それにしても、中学生がよくぞ一人で頑張りました。

そんなこんなで、題名の女子高生が女子生徒に変更になったわけですね。
悪について

悪について

小田尚稔の演劇

新宿眼科画廊(東京都)

2017/09/08 (金) ~ 2017/09/12 (火)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2017/09/12 (火) 19:30

価格2,400円

無題2135(17-138)

19:30の回(曇)

ちょっと早めに受付だけ済ませ18:58開場(1ドリンクあり)、奥が客席、桟敷+椅子席。

入り口側に大きなベッド(艶ありグリーン、シルク?)、ハンガーコート、マイク、茶のバッグなど。

19:35開演、長身の伊藤さんから~21:36終演。

単位がとれない大学8年生、大久保、傍聴、サイゼリア、日比谷公園、松本楼、つり革、マーティ・フリードマン、ネズミ、ブレードランナー、目黒寄生虫館、キッチンドランカー、ミラーボール、ブロードウェイ、新井薬師...

散歩に付き合って話を聴いている風。

知っている場所、未見の場所。

追加公演、ギリギリで観劇できました。

今回、ヌトミックで観ていた宇都有里紗さん出演。「それからの街(2015/11@Site)」「シュガドノッカペラテ(2016/11@みんなのひろば)」
「Saturday Balloon(2012/2@BankART Studio NYK)」。

「***の旅」(TV)を観ているような気楽さ、内容は普段的なもので、当パンにあるように終始「リラックス」して観ることができました。

だいぶ遅れていらっしゃったお客さん、役者さんのお知り合いのようでそれはいいのですが、内容と関係なく(とみえました)頻繁に吹きだすのでちょっと気になったのは器が小さいからか。

観客(聞き手)がそこにいる、ということを、意識している、ということが前提。

少し遅れたお客さん、役者は中断、席へ案内をし、再開する、開始早々の時間帯ではきっと毎回あるのだろうと思いながらここのやりとりがとても「生(なま)」っぽく新鮮でした。

台本は売り切れだったのでまたの機会に。

ノー・サイド NO SIDE

ノー・サイド NO SIDE

トツゲキ倶楽部

小劇場 楽園(東京都)

2017/09/12 (火) ~ 2017/09/18 (月)公演終了

満足度★★★★★

短編が3本。それぞれ別々に観ても納得できる内容だが、なんとうまいストーリー展開なんだ。ちゃんと一本につながっている、という芸の細かさ。間の取り方が上手く、誤解を生むすれ違いや会話の妙でクスクスと笑ってしまう。ドカンとくるバカ笑いはないけど、全編に散りばめた伏線がだんだんと腑に落ちる小気味良さが見どころ!楽し〜い舞台だ。

泥棒たち

泥棒たち

東京演劇アンサンブル

ブレヒトの芝居小屋(東京都)

2017/09/08 (金) ~ 2017/09/18 (月)公演終了

満足度★★★★★

 兎に角、演出するのが極めて難しい作品である。

ネタバレBOX

シーンが37もあるので場面転換が大変なのが、その理由の一つ。内容的にも作家の狙いが何処にあり、何を描きたいのかが中盤まで殆ど分からない。各シーンで登場する人物が複数であっても発される科白は、通常のダイアローグというより、どこかよそよそしい行き違いがある科白が多い為、モノローグの集積のように感じさせられる等々。原作がドイツで上演された際にも演劇作品として高い評価は受けたものの、何が表現されているのかについては理解した者が極めて少なかったという。確かに難物である。演出家の苦労は推して知るべしである。更に今作は、大事な役柄にかなり想定年齢の若い人物が設定されている為、日本の演劇状況では、中国や韓国のように演劇を演じる為の方法にティーンの頃から徹底的にアプローチし、技術を習得するシステムがまだまだ弱い為、若手には、基礎の基礎から仕込まなければならないという事情もある。(無論、能や歌舞伎、文楽などの伝統芸能は別であるが)
 以上のような様々な困難にも関わらず、中央に設えられた斜面の両サイドに設けられ線路の上を前後にスライドさせることのできる舞台セットの発明が場転の煩雑さを解消し、舞台上演の流れを寸断せずに物語を紡がせることに成功している点、公演開始後にも追加で行われた稽古などによって、役者陣の演技に喝が入ったことにより作家の意図を表現することが可能となっている。その結果、作家が表層で表現したことを通じて表明したことが、透かし見えてくる。何故、登場人物相互の間に不如意や擦れ違い、ぎくしゃくしたようなよそよそしい感じが流れるのか? に対する納得のゆく理由として。
それは現代の極度に数式化され極大化された利潤を追求し続ける資本によって、生きとし生ける者が、本来の生にとって最も本源的で、その生物としての振る舞いに相応しい大切なもの・ことを収奪されたことをあてこすっているように思われる。収奪されたもの・こととは、本能としてのラブであり、大切な人々との心地よい関係であり、命の喜びである。この点に気付いた時、実に苦い認識が、ヨーロッパで最も勤勉で合目的的な生活形態を持つドイツで顕著に意識されるに至ったのではないかと思われる。洋の東西の様々な異質性にも拘わらず今作が上演対象として選ばれているのは、これまた、この劇団の意識の高さを示しているであろう。つまりアメリカ流の収奪資本主義に同調する日本とEUの牽引役としてある程度この潮流に合わせざるを得ないドイツの状況との類似を見抜いている証を。
SHERLOCKIAN Aの項目

SHERLOCKIAN Aの項目

Project S.H

ワーサルシアター(東京都)

2017/09/13 (水) ~ 2017/09/18 (月)公演終了

満足度★★★★

さすがホームズをメインとした探偵物ですね。
色々な登場人物がそれぞれに自分を隠し、それぞれに謎解きするのは見ていても面白いですね。今度どんな謎解きをするのだろうかと、わくわくしながら観させていただきました。
初日ということもあり、セリフを噛んだり、がくがくした部分がありましたが、自分としては満足です。

ネタバレBOX

博士がカバンを運ぶアルバイトをするのだが、最初はすごく軽いカバンを一生懸命重くみせていましたが、その後、ずっと凄く軽々しく持ち運ぶのはいかがなものか。
夜の学校

夜の学校

公益社団法人日本劇団協議会

萬劇場(東京都)

2017/09/13 (水) ~ 2017/09/17 (日)公演終了

少年の意思によって歪められた不思議な町は、他人の夢の中に紛れ込んでしまったが如く、走りたくても足がもつれてしまう様な浮遊感と、実に胡散臭い閉塞感が漂い、段々と現実が遠のいていきます。
奇妙な登場人物の奇妙なやり取りを居心地よい空間で観ていると頭の中がフワフワしてきて、もし寝不足気味で挑んだ場合それこそ気持ち良~く夢の中に連れて行かれるのではないかと思うのでご注意を。
霞んでいたものがパーッと晴れていく様なラストにスッキリ。
タイトルの「夜の学校」から受けるイメージが観る前と後では全然変わっていました。

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