
ちょっと、まってください
ナイロン100℃
本多劇場(東京都)
2017/11/10 (金) ~ 2017/12/03 (日)公演終了
満足度★★★★★
特別なものを見たた気分になる芝居である。芝居の内容がいい、とか、役者がうまい、というのではない。舞台の上と一緒に観客が芝居を楽しめる公演なのだ。
ケラの久しぶりのナイロン公演。今回は別役トリビュートである。
確かに、配られたチラシにもあるように、舞台面は別役色満開、登場人物にも、せりふにも、美術にも、ア、ここは象だな、マッチ売りだな、とさまざまな別役作品引用が出てくるが、それがつまらない薀蓄になる前に、ケラのせりふと演出が次々にこの作品独自の笑いにしてつないでいく。その間合いがうまい。ケラの別役への先人に対する敬意も感じられて快い。それが、ズルズルになっていないところがさらにいい。事実、観客はどのように引用されたかは全く知る必要がない。
同じ話を繰り返すしかすることのない金持ち一家が刺激に惹かれて柄にない事を始める。それに金持ちと同じような家族構成の乞食一家が巻き込まれる、と言うのが芝居の大筋だ。夫婦とか家族の持ついかがわしさを、狂言回しのペテン師があらわにしていく。ペテンと詐欺は違う、というあたりに作者が嫌うテーマ性もあるのだが、ここは作者に従って、そこはどうでもいいことにしよう。いかにも今どきの人間らしい主張をくりひろげるかみ合わない家族の笑劇である。
一幕、家族の間には別役的な食い違いの笑いが続く。いつもは話が転がりすぎて笑いも無理強いになりかねないケラの舞台だが、今回は別役を意識してか、実にいい塩梅のところで収まっている。ここが面白いのは、長年のナイロンのメンバーが勢ぞろいした上に客演のマギーや水野美紀がうまくハマっているからだろう。四半世紀掛けて、自分の劇世界を表現できるグループを作り上げたのもケラの凄いところだ。
別役になかったものには映像と音楽がある。今回も、セットに崩れいく線画の映像を重ねて幕間を楽しめる時間にしているし、音楽もきまっている。デモ隊の合唱なんかいい選曲だ。
今回のホンも別役をよく「研究」しているというのではない、「勘所」を押さえるのがうまいのである。それは才能だ。孤立して群れないし後継の作者もいない。だが、本多で30公演打て、見た回は補助席一杯の大入りだった。観客層の年齢バランスも理想的だ。ほかの演劇人からは嫉妬されるだろうが、面白いからやっているんだと、居直って、これからも面白い舞台を見せてほしい。どのような最期を迎えても本望だろう。今こういう覚悟のある演劇人は少なくなった。
休憩入れて3時間十五分。長いがだれた感じはない。

グランパと赤い塔
青☆組
吉祥寺シアター(東京都)
2017/11/18 (土) ~ 2017/11/27 (月)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2017/11/22 (水) 19:30
座席H列
19:30の回(小雨)
19:10会場着、受付(全席指定)。
「パール食堂のマリア(2011/7@三鷹)」からでとびとびながら5作目。
会場に入れば吉田さんが客席の誘導、隅々まで気を配りお客さんを席までご案内し、前説ではよく通る声で諸注意を。
上下をつかった構成、後方列でもとても観やすかった。
小さいころ、まだ田んぼがあり、道路は舗装されておらず、TVには色がなく、自分の視界だけが、歩いて行けるところまでが世界であったころ。
灰色に近いイメージの時代、禁煙などなく、まだまだ父権が強かった時代、それでもアメリカはアポロ11号を宇宙空間へ、月世界へ送った。
何もない真空の世界のその向こうに何が見えるのか。今では重力波でさえ感じる世界になった。
きれぎれながら憶えていること、あとで知ったこと、戦争、被ばく、大地に沁みこんだものはけっして乾くことがない。
それは常にすぐ後ろに迫っている怖れ。
自分のあのころを重ねながら観ている自分に気がつく。大人になって...など考えもせず、今だけを感じていたころ。
大家族、大人数があたりまえ、子供は親の言うことをきくことがあたりまえ、長男は...。
時間は音もなくながれ、木々は色づき世界は拡がる、未来への希望と不安。太陽系を超えて飛び、深海まで行く。
そして家族はどこへ。
いろいろ感じながらの2時間強、とてもいい時間を過ごすことができました。
今泉さんはてがみ座の公演(2011/4~)で、また@ゆうどの青空文庫や「砂利塚アンリミテッド(2015/5@駅前)」「さよなら、三上くん(2015/4@APOC)」
「青(2016/9@OFFOFF)」への客演。どの作品でも芯の強い役を演じていらっしゃいましたが、本作ではまた違った面をみることができました。
ランドセルが似合う、というと失礼かもしれませんがとても懐かしいものを感じました。
石田迪子さん「短篇集:ノスタルジア(2014/7@APOC)」「わたしたちのからだは星でできている(2016/7@青少年センター)」。
小瀧万梨子さん「小瀧ソロ(2011/5@gallery Bauhaus)」が初めて、いろいろ観ていて最近では「夏の夜の夢(2017/3@サンモールS)」。

みたび、オールディーズ
colorchild
中目黒キンケロ・シアター(東京都)
2017/11/22 (水) ~ 2017/11/28 (火)公演終了

Maria
牡丹茶房
三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)
2017/10/20 (金) ~ 2017/10/29 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2017/10/26 (木) 19:00
事前に目にした感想ツイートなどから予期していたものと裏腹に、フィクションとして面白く、戯曲/芝居としてよく出来ていて存分に楽しんだ。とはいえこれ、二日酔いのまま観るのは避けた方が良さそう。(謎笑)
前半の展開に半世紀ほど前のフランス映画を(そういやアメリカでリメイクされたっけ)、後半に某女性劇作家の作風をそれぞれ想起。それを経てのあの収束のさせ方、好きだなぁ。あと、ヤマ場での7(+1)色ならびにラストの「アレ」な照明もイイ。
もちろん「病んでるなぁ」や「こいつったら!(怒)」な人物は複数いたけれども。そして事前の評判から「覚悟していた(笑)」ものよりは穏やかだった、あるいはフィクションとして割り切る下地ができていたのかも?
(ご隠居風老人の語り口調で)「あー、このあたりは昔は花街でしてな、惚れたはれたの挙句の刃傷沙汰など日常茶飯事、未練を残して亡くなった方が沢山いたそうで、地縛霊もさぞ多いことでしょう。そんな霊が悪さをしても、それはもう仕方のないことで……」なんてことも考えた。

『青いポスト』/『崩れる』
アマヤドリ
インディペンデントシアターOji(東京都)
2017/11/04 (土) ~ 2017/12/03 (日)公演終了
満足度★★★★
本編ではありませんが,コントバトル観劇。役者さんの個性が現れた作品ばかりで,結構ぶっ飛んでいましたが,とても面白く観ることが出来ました。

子ども参加型演劇『サンタクロース会議』
青年団
こまばアゴラ劇場(東京都)
2017/11/15 (水) ~ 2017/11/21 (火)公演終了
満足度★★
■約60分■
冷静な頭脳を持つ子なら、本作での議論を聞いてサンタクロースの存在を疑い出すのでは?と感じた。それでいいのか?

RUIKON
アロック・DD・C
アロック新宿アトリエ(東京都)
2017/11/20 (月) ~ 2017/11/26 (日)公演終了

手を握る事すらできない
劇団時間制作
萬劇場(東京都)
2017/11/08 (水) ~ 2017/11/19 (日)公演終了
満足度★★★★
16日、大塚の萬劇場で上演された劇団時間制作第十五回公演『手を握ることすらできない』を観てきた。例によって、オールダブルキャストの公演で、自分が観たのはAチームの平日割引日であった。
プログラムの記載によると、今回のテーマは「居場所」ということらしいが、これではちょっとわかりにくい。何の居場所というかというと、高校におけるいじめを受けている生徒の居場所、それを知ってもどうすることも出来ない教師の場所、そして、いじめる側の生徒の居場所。
劇舞台は、とある高校のクラス(劇ではD組という設定)。このクラスではある女学生がターゲットになっているいじめが存在する。そのいじめをなんとかしたいクラス担任教師だが、過去にその対応を誤り生徒同士の殺人・自殺未遂事件を起こしており、どう手を付けて良いか分からない。そこに熱血感あふれる女性教育実習生がやってきていじめの存在を知り、担任教師や生徒と対峙するが、教頭を筆頭とする学校側の対応、モンスターペアレントの存在などが壁となって、いじめに目をつむるほか無い状況に。
その現在から、舞台は殺人・自殺未遂の起こった過去に遡り、いじめの実態(いじめの対象がたやすく入れ替わることや、中学と高校でのいじめる側といじめられる側の立場の逆転現象)などがつづられていく。
実は、自分は元教師でありこうしたいじめの実態に直面した経験があったので、舞台を観ていて過去の自分に引き戻され、普通なら泣けるシーンでも学校や教師の対応に怒りと慟哭に突き上げられ、悶々とした気持ちで舞台を見続けた。正直言って、観ているのが辛い。しかし、客観的に考えれば、それはこの脚本の出来の巧さにも繋がるのであった。
役者側では、過去のシーンに登場するいじめられ役の楠世蓮、彼女を殺すことになる同級生役の佐々木道成、クラス担当教師役の静恵一が核となるしっかりとした演技を魅せていた。特に佐々木の演技はややオーバーな部分もあったが秀逸。教師役が軽く感じられたのが難点と言えば難点だが、実際今の教員のいじめにたいする態度はこんなもんだろうなぁと思わせる好演とも受け取れる。
よい舞台を見せてもらった。

蒲田行進曲
“STRAYDOG”
明石スタジオ(東京都)
2017/11/22 (水) ~ 2017/11/26 (日)公演終了
満足度★★★★★
初日・Bチーム。これまで映画版しか観たことがなかった『蒲田行進曲』。今回の公演は、基本的に’82年の紀伊国屋ホール上演版を踏襲したとのことだが、相当にスレてしまったこんな歳の自分でもぐっときたのだから、あの頃こんな密度の高いものを20才そこそこで観てしまったなら、そりゃ魂をもっていかれた者が続出したのも無理はない。
主役どころの3人はみな良かったし、監督役の人にもぞくぞくさせられた。映画版『蒲田行進曲』が、あそこやあのシーン等を膨らますことで、舞台に対抗するしかなかったこともよく分かった。

STARTER
劇団Turbo
駅前劇場(東京都)
2017/11/22 (水) ~ 2017/11/26 (日)公演終了
満足度★★★
なんか楽しくガチャガチャとした感じを醸した作品でした(^-^;)
いろいろと盛り込んでの内容でしたが
何とは無しの今ひとつ感があったかなぁと思えた1時間45分
全席指定

蒲田行進曲
“STRAYDOG”
明石スタジオ(東京都)
2017/11/22 (水) ~ 2017/11/26 (日)公演終了

MANGA Performance W3(ワンダースリー)
Amazing Performance W3(ワンダースリー)実行委員会
DDD AOYAMA CROSS THEATER(東京都)
2017/11/03 (金) ~ 2017/12/22 (金)公演終了

みごとな女
SPIRAL MOON
サブテレニアン(東京都)
2017/11/08 (水) ~ 2017/11/12 (日)公演終了

きらめく星座
こまつ座
紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)
2017/11/05 (日) ~ 2017/11/23 (木)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2017/11/18 (土) 18:30
座席1階8列
こまつ座『きらめく星座』紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA
開戦直前のヘビーな状況の中でもユーモアを忘れずに強くしなやかに日々を過ごしているオデオン堂のみんなが素敵だった。
「非国民の家」というレッテルを貼られていても悲壮感が無いのが良かった。
最後は思わずギョッとなるような終わり方だったけれど、
彼らならきっとそれぞれの場所で逞しく過ごしているに違いない。
途中15分の休憩をはさんで3時間弱
終盤は少々腰がきつかったけれど最後まで集中して観劇できました。
幅広い客層のお客さんが観劇していました。老若男女が楽しめる作品だと思います。

骨と肉
JACROW
【閉館】SPACE 雑遊(東京都)
2017/11/15 (水) ~ 2017/11/20 (月)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2017/11/18 (土) 14:00
座席1階1列
JACROW『骨と肉』SPACE雑遊
まさに骨肉の争い。
取締役会での緊迫感溢れる展開が素晴らしかった。
こういった現実の事件や出来事をモチーフにした作品は大好きです。
今作は特にネタの選び方が出色。
アフタートークで聞いた現実でのお話も面白すぎる。
これまで短編、中編しか拝見したことが無かったのですが
思いのほかコミカルな演出があって驚きました。
(今までに観た作品はシリアス一辺倒だったので)

いや、ばれるで、こりゃ。
株式会社エアースタジオ(Air studio)
新宿スターフィールド(東京都)
2017/11/08 (水) ~ 2017/11/12 (日)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2017/11/08 (水) 18:00
座席1階1列
株式会社エアースタジオ『いや、ばれるで、こりゃ。』新宿スターフィールド
コント寄りのはっちゃけたノリの裏でしっかり伏線張ってきちんと謎解きまでやっててソツが無いなと思いました。
緩急の効いた構成が良かった。面白かったです。
2003年が舞台ということで当時のネタがちょいちょい出てきて懐かしかったです。
古めのノートPCやガラケーなど小物にも拘っていたように見えました。
この手のコミカルな作品だと演技が大味になっていることが多い印象なのですが
本作はどの演者さんも演技がとても良かった。
A班ではとめさん、長男のまさし、内田ちゃんが特に印象に残りました。

劇団M.M.Cオリジナルミュージカル『星の王子さま』
劇団M.M.C(マルチミックスカンパニー)
新宿村LIVE(東京都)
2017/11/15 (水) ~ 2017/11/19 (日)公演終了

「さらばコスモス/鼓動の壺」
世界劇団
山小屋シアター(広島県)
2017/11/18 (土) ~ 2017/11/19 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2017/11/19 (日) 13:00
価格2,000円
観たい!に書いていた通りの期待を裏切らない舞台でした。
「鼓動の壺」が短編、「さらばコスモス」が長編
いや~しかし、おもろかったです。。2回観てしまいました。
自分が今までずっと観たいと欲していた感じの舞台で、
あんなに夢中になって観たのは久しぶりでした。。
声と肉体を酷使し、表現力豊かな舞台・・・行き着けばシンプルですが
オーソドックスな演劇を極めるからこそ今だと新しいというか。。
劇団・客演とも魅力的な役者さんばかりですし、
劇王のときも感じましたが衣装も素敵で
あれはあれでひとつの世界を表現してると思います。
「鼓動の壺」は普遍的なことをテーマにしているにもかかわらず
リズミカルで楽しく。
長編「さらばコスモス」では短編で描けない世界を戯曲として
一生懸命描こうという本坊さんの今現在の意欲も感じられ、
広島 → 北九州 → こまばアゴラ劇場
と回を重ねるうちに少し成長もするのではないかと思ったり。。
医学部から医師・・という経歴から
生命に対する感性が少し違うのかなぁ思ったり・・。敏感というか。。
まあ、人それぞれ好みのスタイルの演劇はあると思うのですが
わたしにとっての今のベストはここかな。。
あと意外にも演劇はじめて的な人にも評判が良さげな感じで
ええ、そうなの?って思うとともに然もありなんと思ったり。。
チケットは前売り。
まだ続くのでアバウトな感想ではありますが。。

「15」
雀組ホエールズ
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2017/11/15 (水) ~ 2017/11/26 (日)公演終了
満足度★★
鑑賞日2017/11/22 (水)
前半は、舞台の取っ散らかり方と言い、役者が前面に出てきてアクションとセリフで笑いを取る展開といい、まさに吉本新喜劇なのだけれど、後半は、しつこいくらいのお涙頂戴の人情劇、初めて明かされる過去の話が重く、皆善人になってしまうところは、松竹新喜劇ですね。
ただし、前半支店長のアクション以外にそれほど笑えなかったし、後半織部さんの強盗たちへの異常な感情移入は理由を聞いても同調できなかったし。うーん、どうでしょうか。

「15」
雀組ホエールズ
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2017/11/15 (水) ~ 2017/11/26 (日)公演終了