最新の観てきた!クチコミ一覧

56261-56280件 / 191896件中
10th Anniversary Tour

10th Anniversary Tour

マームとジプシー

穂の国とよはし芸術劇場PLAT アートスペース(愛知県)

2017/09/08 (金) ~ 2017/09/10 (日)公演終了

満足度★★★★★

10th Anniversary Tour(マームとジプシー)、4作品完走、いや、うち3作品は各々3作品の集合体だから都合10作品か…。

1作家の作品をこれだけ短期集中で観ると、重なる思念も対照的な思念もあり、シームレスに繋がって人類の集合思念の水面に身を委ねた感じでしたね。

トリトメガァル

トリトメガァル

第6回名古屋学生演劇祭

うりんこ劇場(愛知県)

2017/08/31 (木) ~ 2017/09/03 (日)公演終了

満足度★★★★★

計算高く生きてきた女・安堂が…その考え抜いた数々の「人生設計」を、天才(天然)・如月に ことごとく踏みつぶされ、狙ったターゲットをかっさらわれていった大学生活。…悲観の末に選んだ「自殺」の先には、輪廻転生の終わりなき地獄が待っていた。

…というのが…基本プロットに見えるのだが、その実は決してそんな単純じゃなかった。

以降はネタバレboxへ

ネタバレBOX

(続き)
単に「転生の果て」というのでなく、…話の構成自体が、「過去」に「未来」に…そして「創作世界」に飛んでいき、同じ役者でシームレスに繋がっていくので、因果関係がだんだん混沌としてくる。

「現実」と思って観てると実は「創作世界」だったりして、あるいはその複合かもしれず…なんか入れ替わってる気もしてきて…現実とその2次創作が混然一体となっている不思議な感覚。

特に近藤綾香さんの数多の役どころは、実際に観ている最中は把握しきれない膨大さです。
そして、話の中で数多でてくる逸話・ネタの数々の…理系的理屈っぽさが私は本当に好きで、その上でゲーム世界的・漫画的な手法やモチーフが散りばめられるのが本当に性に合う。

更に哲学的な要素が入ってきて、…観る側としては完全にオーバーフローになるけど、「分からないことを言われる心地よさ」が滲んでくる、楽しい。

結末。敵対している様でいて、結局2人はつるみ続ける… 何となく如月も安堂を求めている気もしてね、…最後のシーン…作家と編集長…で暗転は、そういう腐れ縁がオチであるかの様。混沌の全ては数々の創作だったって見方もアリか。

好きなとこメドレー。

①何か派手な甲羅を背負った亀仙人が出てくるなぁと思ったら、…家庭用プラネタリウム然の発光装置はLED照明なのか…。スクリーンを背にしたシーンでの映像はとても印象に残った。

②「大器晩成推し」等から滲み出る…数多くの脳内合理化。ああ言えばこう言う的な発想の乱舞。…「読者に媚びること」と「自分のしたいこと」の対比から、「読者の喜ぶこと」⇒「私の脳内で考えた読者の喜ぶこと」⇒「だからこ媚びることも自分のしたいこと・自分に寄り添ったことだ」となる論法は最高にイカス。

③人間とは…棲み分けをせず集団で溜まって、協力しているようにみせかけて仕事を奪い合い、勝負から脱落したものは怠け者になる生物。

④「ゴキブリに転生、即バルサンで昇天」最高。

⑤人類の黒歴史…天動説(笑

⑥「想像(想像)力」と「やり甲斐」と「幸せ」と「苦しみ」の相関。そしてその皮肉。

⑦生き物は「アウトプット」あってこそ。勉強、勉強ではインプットばかりで、アウトプットのない人生になってしまう。

おしまい
第6回名古屋学生演劇祭

第6回名古屋学生演劇祭

第6回名古屋学生演劇祭

うりんこ劇場(愛知県)

2017/08/31 (木) ~ 2017/09/03 (日)公演終了

満足度★★★★

多様な12作品をお得に楽しめました。

感想はネタバレboxへ

ネタバレBOX

■【コント1/3時間(ギカドラ 豊橋技術科学大学】
コントと銘打ちながら、コントらしからぬシュールさが興味深い。
警察を呼ばない等の序盤の無理やりな「違和感」を、後で合理的に拾って、しっかり展開に繋げる丁寧さには芝居としては好感。
ただ、冷静であればコント的ハチャメチャ感は薄れる二律背反…作品の方向性としてチグハグなところがあるのかも。

個人的には、姿をみせないオギの…可愛いところから一転するテロリズム感が大好き。これをもっと育てて欲しかった。このちょっとサイコパスっぽいところを、もう少し序盤から匂わしたり、中村との協力関係に「裏」を仕込んだり、猟奇的にエピソード膨らましてくれると、私的にはもっと好みになったなぁ。…ま、私が喜ぶだけだけど(笑)
「6分残し」で終わることろは、何となくモヤっとした、勿体無い。せっかくの「時限」の設定をスポイルしてしまったような気がする。ロウソクの火の輻射熱で誘爆っての無理があるし、ここは是非とももう一仕込み欲しかったかなぁ。

■【眼をつぶってごらん(愛知県立芸術大学演劇部 劇団ムヂンエキ】
芸大生らしい感性で「空気」が繊細に表現されていて、それらが観る者に染み入ってくる感じ。音と光で…切なくも美しい感覚が迫ってくるのが好き。専門の異なる者の集まりの強みか。
光にすがる…音の無い世界の住人。音にすがる…光の無い世界の住人。本来なら邂逅し難い2人の…ほんのひと時の出会い。

…すがるというのは適切ではないか…。何かを失った者が、残った何かに""すがる""のでは無く、残る感覚に…より鋭敏に感性を注ぎ込む。そうして得た「大事な何か」を他者と共有したい気持ちは自然なことで、それを誰が責められようか。

しかし、失った経験を持つ身には、「大事なものを共有させる行為」が…「失ったことを強く感じる」ことを他者に強いた結果になったという罪悪感は、容易に拭えるものでは無かったか…。

まるで天罰であるかの様な音の喪失のタイミング。事件の後でも待っていてくれたと思しき浜辺の彼女。…きっと分かり合えるはずなのに、お互いがそれを望んでいるはずなのに…何とも切ない結末。

涼やかな音を聴かせてくれた「眼をつぶってごらん」というタイトルが、最後の最後にダブルミーニングとなって主人公の後悔を…封印していくのが、何とも皮肉であり、臆病さのリアリティでもあった。

浜辺の彼女に求められる芝居は、その境遇を簡単に悟らせてはいけない…でも分かった後に、思い返して不合理に見えてもいけない…という難しいものですが、十分に呑み込めるレベルで観ていて心地よよい。また、境遇を悟れた後でも、その作る空気を十分に楽しめたので、そういう作りは作品として強いね。察していても、最後の白杖はインパクトあって良い終幕。"

■【昨日を0とした場合の明後日(はねるつみき​】虚を突く感じの「常住さんらしさ」あふれる芝居。でも「いつもの」ってわけではない。

常住さんの作演、これまで観たのは新栄トワイライトでの「夭逝」「私が考えた最強のニンゲン」なのだけど、これらは斜に構えてはいても、人間の自由奔放さや強さに溢れてた。個々の人間に対して愛情があった。

しかして本作は、その愛すべき人間が集団と化した時に…果たしてどうか…ということを思い起こさせた。歴史は繰り返すというが、より単純化し…滑稽な装いを纏わせることで、その愚かさを際立たせる。「単純化による愚行の可視化」といったところか。
「ネックピロー」を王冠よろしく支配者(神)の象徴にしてみたり、…「ウルトラスーパーミサイル」なんてネーミングセンス…、いずれも権威を完全にコケにした感じが良い。

そして、繰り返される愚行への不満、揶揄、皮肉を、率直な…むしろ若者の拙い言葉で叩きつけるのが印象的。
…そして…何よりも「諦観」の趣きが全般に強い。ここが、常住さんの「人間個人に対する眼差し」と「社会に対する眼差し」の違いに思えた。

この集団…社会の怖さ。支配者ですら結局、権力争いの道具でしかない。…いや、支配者に祀り上げられているからこそ、ただの神輿…モノなのか。

非人間的な営み。この世界を動かしているのは…いったい何なのか。初めはアダムとイブの2人だけだった。そこには慈愛だけがあったはずだ。…
…人が増えて、増えて、増えて…、増えると人は人では無くなるのかもしれない。あるいは増えすぎると、人と見做せなくなるのか。社会は拡がって…いつしか魔窟となる。

やがて人類は、再び""同じ""歴史を紡ぎ始める…そして最後に、先に触れた「ネックピロー」が、また一つ良い効果を生み出して芝居は終わる。

世界から耳を塞ぐ …

…愚行を無かったことにするかの様な…人の振る舞いに見えた。"

■【I;dea(アイデア)(名古屋芸術大学劇団 超熟アトミックス】
その身から何かを紡ぎ出して世に晒す人たち… それで身を立てようと志す人たちの葛藤。
まさしく芝居の作り手としての率直な気持ちを形にしたもの。共感を得られるであろう反面、観る側の作り手たちの身近にありすぎて、ディテールで粗を感じさせてしまうかもしれない。

マジレス?すると…他人の意見を容れるか否かが本質ではなく、自分の志向に照らして、他人の意見をどう取捨選択するか、インスピレーションとしてどう使うか、どう自らの血肉にしていくか…にこそ意味があるかと思うが、言葉の上ではそういう拡がりはみせず、情緒的に展開。

言葉の一つ一つは間違っちゃいなし、切実さも伝わる。…ただ、その言葉が発せられる動機や行動の裏付け、背景、影響等が…一般論的な感じでしか伝わってこなくて、何かドラマに乗って行き難かった。(卯月の苦悩や、乙葉の誠実さ等の個々には良いものあったのだけど…)
…特に乙葉の行為の動機が見えず感情移入できないのと、卯月が具体的にどういう発想で創作をクリアしていくのかが感じ取れず、実感して楽しむには何かが足りない気がした。
「書きたいことを書け」では解決しないよね…。"

■【ちぇんじ!(もぐもぐ熱帯魚】
エンタメとしてはたっぷり楽しんだんですけど、俳優がもともと持っている面白さへの依存が強すぎる懸念もあります。それは定番を持つ強みとも言えますが、もう少し驚きが欲しいな…と思うのは、私、欲張りさん?…あっ、でも、いきなりの吉田ショーコ出現は、出オチ級のインパクトか(笑

コメディ主体で観た時、この座組に期待するトコは期待した通りに出してくれました。折角の畳み掛ける台詞がやや上滑りする等の稽古不足?もありましたが、…そういうトコにも、喉潰したアクシデントにも、逆境すら逆手に取って客を楽しませようとする意欲と柔軟性でチャラですね。このノリ好きなんよ。

さてここから、一つ強く思ったことを…。

オクムラショーコの葛藤の表現として、本体の立花ショーコから分裂したとして吉田ショーコを再登場させる着想は面白い。

ただ、あれだけトシくんを悪く描いてしまったら、「彼を諦める決断」が簡単になってしまって、ショーコの葛藤が薄く感じられる様になる。単に「元のショーコの方が好きだった」とだけ言わせる方が両選択肢に重みが出て「元のままであるべきか…可愛くあるべきか」の葛藤が引き立つと思う。

多分、タイトル「ちぇんじ!」通りの「自分を変えていく…可愛くなる…」への…作り手の想いが強すぎて、対照となる「今のままでいる。止まる。」ってことが対比として矮小に表現され過ぎてないだろうか。それ故に、対する「ちぇんじ!」が一方的で傲慢な行為に映るのです。逆に折角のポジティブさに影が差す。
同様にリコ部長も挫折者扱いするのでなく、別の意思として尊重した描き方は出来ないかな…。
結局、同じ結末に持っていくにしても、逆の立場の者はディスるより、まず尊重した上でアプローチした方が主張に客観性が生まれると思う。"

■【グッドラック(劇団モーメント】
無能感が先に立って、そもそも挑戦ができない…無傷のケンジ。
結果よりもまず努力を怠らないマミは、挑戦の上の挫折で傷だらけ。

…となると、シナリオはどうしても予定調和に落ちていってしまうのだけれど、それでも、最後の「頑張れ」は率直に心地よかった。
一時期蔓延した「頑張れ」の言葉狩りの風潮が、私はあまり好きではないので、とても好感。

さてそんな中、芝居に潤いを与えたのが、様々な小ネタの数々。…「シフト、入れ替わってる~」に始まって、「誰がお母さんだよ!」のツッコミ等々…

そしてクロさんが良い味だしてたなぁ。妻との電話や、語っている最中に暗転にされちゃうシーンなんかは最高にウケた。"

■【トリトメガァル(アルティメットドラゴンナイフ UDK 劇団ハイエナ】
計算高く生きてきた女・安堂が…その考え抜いた数々の「人生設計」を、天才(天然)・如月に ことごとく踏みつぶされ、狙ったターゲットをかっさらわれていった大学生活。…悲観の末に選んだ「自殺」の先には、輪廻転生の終わりなき地獄が待っていた。

…というのが…基本プロットに見えるのだが、その実は決してそんな単純じゃなかった。

単に「転生の果て」というのでなく、…話の構成自体が、「過去」に「未来」に…そして「創作世界」に飛んでいき、同じ役者でシームレスに繋がっていくので、因果関係がだんだん混沌としてくる。

「現実」と思って観てると実は「創作世界」だったりして、あるいはその複合かもしれず…なんか入れ替わってる気もしてきて…現実とその2次創作が混然一体となっている不思議な感覚。

特に近藤綾香さんの数多の役どころは、実際に観ている最中は把握しきれない膨大さです。
そして、話の中で数多でてくる逸話・ネタの数々の…理系的理屈っぽさが私は本当に好きで、その上でゲーム世界的・漫画的な手法やモチーフが散りばめられるのが本当に性に合う。

更に哲学的な要素が入ってきて、…観る側としては完全にオーバーフローになるけど、「分からないことを言われる心地よさ」が滲んでくる、楽しい。

結末。敵対している様でいて、結局2人はつるみ続ける… 何となく如月も安堂を求めている気もしてね、…最後のシーン…作家と編集長…で暗転は、そういう腐れ縁がオチであるかの様。混沌の全ては数々の創作だったって見方もアリか。

好きなとこメドレー。

①何か派手な甲羅を背負った亀仙人が出てくるなぁと思ったら、…家庭用プラネタリウム然の発光装置はLED照明なのか…。スクリーンを背にしたシーンでの映像はとても印象に残った。

②「大器晩成推し」等から滲み出る…数多くの脳内合理化。ああ言えばこう言う的な発想の乱舞。…「読者に媚びること」と「自分のしたいこと」の対比から、「読者の喜ぶこと」⇒「私の脳内で考えた読者の喜ぶこと」⇒「だからこ媚びることも自分のしたいこと・自分に寄り添ったことだ」となる論法は最高にイカス。

③人間とは…棲み分けをせず集団で溜まって、協力しているようにみせかけて仕事を奪い合い、勝負から脱落したものは怠け者になる生物。

④「ゴキブリに転生、即バルサンで昇天」最高。

⑤人類の黒歴史…天動説(笑

⑥「想像(想像)力」と「やり甲斐」と「幸せ」と「苦しみ」の相関。そしてその皮肉。

⑦生き物は「アウトプット」あってこそ。勉強、勉強ではインプットばかりで、アウトプットのない人生になってしまう。

おしまい"

■【56db(幻灯劇場】
これは観るんじゃなく、演るんが一番楽しいヤツや〜。
演劇というよりは、ゲームでありスポーツでありアトラクションであり…、他ジャンルのパロディまで取り込んだ空気作り…異文化融合パフォーマンス。
京都の劇団ですが、既存概念に縛られない…ルールを自ら作るスタイルは大阪のdracom(ドラカン)を彷彿とさせます。

さて、この舞台には他では味わえない様々な経験が待っていた。
初めての特異なルールを理解しょうとする愉しみ、…最初は理解しきれないが故の…プレイヤーの一挙手一投足への意識の集中…それに伴う緊迫感、初体験の光と音の各種効果に息を呑み、想像できないKAGUYAの挙動にワクワクし、徐々にそのレギュレーションの工夫に唸りはじめ、…それを超えた「現場での偶然」に驚き、それに四苦八苦するプレイヤーに笑……

…っちゃダメ(笑

そう、笑っちゃいけない芝居なのだ!

何故なのかは京都公演があるので秘密(笑
未だかつて経験したことのない、笑ってはいけない芝居。…笑いを噛み殺す楽しさを知りましたよ。…

そして観客にも左右される偶然性、意外性の楽しさ。
子供客怖え(笑)

そして予選最終ステージでの、感極まったプレーヤーが発した…ある行為!

まさしくヤッテモーター(=゚ω゚)ノ

良い回観れたよなぁ。
貴重な体験という意味では、今回のあらゆる作品を凌ぎました、素晴らしい。

これは目指すはアミューズメントパーク出店だよね!

どっかから白羽の矢が立たんかね。そして自ら体験してみたいよ、ホント。
芝居としてみた時には、時間の関係もあるけど、今回は山場のプレイに注力したダイジェストの印象が強い。

芝居的な趣向を凝らすなら、やはりスルガフジ開発の過程にありとあらゆる屁理屈とドラマを盛り込んで膨らますと面白いかもね。
そしてプレイの実績が溜まれば、「好プレー珍プレー」みたいに珠玉のプレイを再現する様な…計算し尽くした感動と笑いの舞台に磨き上げるのも良いかも。

無限の可能性を秘めてます。"

■【ダスイッヒ(愛知学院大学演劇部 ""鯱""】
自分の隠された気持ちを探る…心理カウンセリング的な構成。彼女と気持ちの疎通ができず破局目前の主人公の前に現れた謎の男。
相手に自分の心は見えない… だから、自分で表現していかねばならない。
喜怒哀楽の感情を分担して体現すると思しき4人の支援者とともに、感情と心理を掘り起こすトレーニングを始める主人公。この着想は面白い。実際、カウンセリング技術として本当にあるんじゃないかと思えるぐらい。
4人の組み合わせによる表現はコメディ芝居としても面白い。ちょっとした脳内劇でもあるね。

ただ、結局、そこで得られる気づきが、あまり納得のいくもの…あるいは納得のいく帰結として感じられないところがあって、もう少し練る余地があるんじゃないかと思った。

あと、彼の彼女への「気持ち」というのがどうしても予定調和になってしまうので、芝居として驚きが薄かった。「俺は君が嫌いだ。」で始まるくだりは工夫部分と思うが、とにかく最初から「彼女が好きで別れたくない」という気持ちが絶対の結論として決まっている展開だったので、序盤から「彼の心変わりもあり得る」と読める何かを仕込んでおかないと、せっかくの工夫が活きない気がしました。
"
■【エンドレス水族館(南山大学演劇部「HI-SECO」企画 ハイセコ】

「私の旦那が冷たくなった」

先入観を逆手に取ったミスリードを…ソレと感じさせずに冒頭から提示しておく…こういう手法は大好き。しかも超シンプルで無理がない、…
…ソレと分かった時に条件反射的に沁みてくる文意、ずるいわぁ。

当初、「旦那ユキチを取り戻す決意と覚悟」にみせた水族館行きは、反転して主人公タマコの心象を映し出すものとなっていた。

コミカルな魚たちのいる水族館は、…その楽しさと対照的に、ミスリードが察せられるにつれ、タマコの閉じ籠った「心の殻」と姿を変えて目に映る。

ユキチとの時間のみならず、これまでの人生で大切にしてきた絵画、友人たち、魚たちとの交わりを映しながら、…自分の価値観と現実を整理していく時間。それはただの引き篭もりではなく、悲劇を消化するために必要な時間。

現実を受け入れるため…タマコを外へいざなうための想いが様々に流れて…最後にタマコを連れ戻しにくるのが…父である寿司職人というのが学生演劇としては新鮮でした。

最後に差し出される寿司をみっともなく頬張るタマコの姿は、「死を受け入れる行為」と「生き物の命を糧とする行為(食事)」を重ねたものに映り、無様であればあるほど、人の営みとして心を打つ。良い結末でしたね。

さて、この作品。演出として意見が分かれそうなのは、魚たちの扱いかなぁ。
タマコ・ユキチを明らかに食ってしまう魚たち(特にタイ)の目立ちぶりは、バランスとして大丈夫かなぁと…心配の念も浮かんだ。しかしソレを極めた結果として、タイがバイクに乗ってハケる時に自然と拍手が起きるなど、単体としても見所となったし、タマコを翻弄し、諭す大きな流れや壁としての圧力を感じさせて、結果残せたんじゃないかなぁ。"

■【かけがいのないインスタントな私(魚眼ベニショウガ 】
筋肉をこよなく愛する名古屋学生演劇界きってのマッチョマン・林知幸さんが作演?ってとこから興味津々でしたが… 全くもって失礼な言い草ですが、予想以上に面白いものを見せてくれてビックリ。…しかも、かなり知的に捻ってる。名に冠する""知""の字は伊達じゃない。

最も特徴的なのは、本来ならモノローグになるところを4人1役で回す表現。続くと単調になりかねないモノローグにリズムを生み出して観る側を飽きさせぬ面白い趣向。当番(?)の識別として数珠を回していくのも、分かり易いのみならずパフォーマンスを付加して見た目に楽しかった。しかも、この空気で舞台が葬式ってところも良いよなぁ。
そういう外見だけの話でなくて、1つの人格をうまく配分して分解すると、こういう風に多重人格を作れるのかなぁ… これって実は多重人格の仕組みなのでは?っていうとこが、ちょっと脱線した個人的興味(笑)…本当は人の心の中にある個性の発露のバリエーションなんだろうけども。状況に応じて要素を取捨選択して形成される即席の個性…いわゆる外面(そとづら)ってところか。それは環境によっても大きく変わる。
父の死に際し、喜んでいる…嬉しがっている…というくだりの(へ)理屈は面白かった。特におぼつかな~い感じでふらっと立場を変える寺田宗平さんの演技が、非常に人間臭くて好きなとこ。そういうもんだよなぁ…
…ここも、人の考えは割と簡単に変えられる…変えて""みせられる""ってところの一端。… ディベートが競技足りえる所以。

もう一つ興味深かった点。
この手の深層心理を表す分裂した人格(登場人物)は、脳内の""天使""と""悪魔""みたいに「第三者」のよそおいで本人に客観的にアプローチしてくるのが一般的だけど、本作はあくまで「自分の主観」を現す分身として…自分の事として振舞っているのが面白かった。"

■【シック・ソサエティ(公募出場枠】
滅多に観れない青山さんの大人数を使った芝居。人混み、雑踏、雑多な意識の集合…という雰囲気がよく出てた。言わば寄せ集めのメンバーでよく作ったね、この空気を。公募に飛び込むメンバーの意識の高さでもあるか。
…どことなく「パブリックイメージリミテッド」が思い浮かぶ趣向だけど、かの作品の「何が起ころうとしているか分からない」感じとは違って、扱おうとしている空気はより具体的に思えた。

率直にタイトルを真に受ければ、何を「病んだ社会」と捉えているか…ということになるが…

本作には、昨今の「漠然とした危機感」に対する各々の反応の違いがふんだんに盛り込まれている。いや、実在するリスクに「漠然とした」は適切でないかもしれないが、明かなリスクを「漠然とさせてしまう空気…そう受け取って生きていかざるえない空気」は今の世の中には確かにある。

ネット社会の発達により、あまりにも多くの相反する情報に曝されることで身動きがとれないイメージだろうか。作中に出てくる、結論ありきのインタビュー収集・作意的な選別が暗示している様に、全ての情報が信憑性を失って、情報が広範には機能しなくなっている「社会の停滞感」…そんなものを想起した。

「逃げないといけない」、…「災いと一緒の街」…煽る雰囲気の言葉も出てくるが、世の中、煽りにも慣れちゃったね… というのが率直なトコ。実感できないリスクより、それで行動を起こすことにより失われる目の前の生活のリスクの方が怖いということもある。→
…もはや作品の感想というよりは、作品に誘発されて思うこと…ほぼ「随筆」の様相を呈しているが(笑)、概ね、青山さんがこういう作品を作るときは、それを促している気もするので、それに乗せられたって…ってトコでお終い。

…余談だけど(いや、コッチのが感想に近い?)…、
『如何にバレずに「お願いします」を崩して言うか。』にはむっちゃウケた。

世の中の不安に圧し潰されて泣きだす彼氏…の繊細かつヤバい感じも印象的でしたね。"
新年工場見学会2018

新年工場見学会2018

五反田団

アトリエヘリコプター(東京都)

2018/01/02 (火) ~ 2018/01/05 (金)公演終了

満足度★★★

■約200分(途中休憩込み)■
今年はふるわず。ハイバイのは別役っぽくも山内っぽくもなかった。

憫笑姫 -Binshouki-

憫笑姫 -Binshouki-

壱劇屋

HEP HALL(大阪府)

2017/08/25 (金) ~ 2017/08/28 (月)公演終了

満足度★★★★★

五彩の神楽のはじまり、憫笑姫。
前作の独鬼で言葉の無い殺陣のみのお芝居に心動かされ、期待大で見に行ったのだが、期待を超えられた。
姉である主人公が妹のために剣を振るう。ストーリーは単純明快。決して強くはない姉が妹を想う様子が、主人公の動き、周囲の人々、照明、音響、ひとつひとつから非常に丁寧に紡がれていく。言葉を使わないが故に、少しでも情報を得ようと目を凝らす、その度アクションモブ達の表情や動きにまた心動かされる。勘弁してくれよ、こっちはもう胸いっぱいなんだよ。
劇作家である末満健一さんの威圧感やNMB久代梨奈さんの華やかさがまた良い。ストーリーに説得力を与えている。主演である西分綾香さんだけでなく、客演、他の劇団員、アクションモブたち、どこも外せないバランスの良い舞台だと感じた。

ななめライン急行

ななめライン急行

ホナガヨウコ企画

吉祥寺シアター(東京都)

2017/12/01 (金) ~ 2017/12/10 (日)公演終了

満足度★★★★

ダンス+演劇、みたいな公演は意外とよくある。
舞踏+演劇、なんていうのも珍しくない。
(余談ではあるが、ダンス+演劇(的要素)のカンパニーであれば、ミクニヤナイハラプロジェクトが最強ではないかと思う)

この作品もダンス+演劇(さらに+音楽もあるが、まあ音楽はダンス公演では欠かせないのだが)であり、つまり「ダンス+演劇」が斬新だ! とは言えないぐらいの、それだけでは「売り」にはならない中での公演。

まずはダンスである。
とにかく4人のダンサーが素晴らしい! 
彼らのダンスはいつまでも観ていられる。
出演者全員がハイレベルな感じはなかなかない。

ホナガヨウコさんはダンサーであり、振り付け師でもある。
NHKの『シャキーン』とかMVなどの振り付けもやっていたと思う。
だから(こちらの思い込みか)「振り付けされたダンス」の印象が強い。それぞれのダンサーから溢れてきたダンスというよりは。
振り付けをきちんと踊っている、という感じ。
でも上手い。惹き付けられる。

中でも杉山恵里香さんのしなやかさにキレがあるダンスがカッコいい。特にさよならポニーテールの曲のときの。
上田創さんの武道的なカタもきまっていた。
ただ1人ダンサーではない新谷真弓さんのキャスティングもナイス!

さよならポニーテールの曲の振り付け&ダンスもさすがだ!
MVを観ているようで、楽しい。

残念ながら演劇パートがもうひとつ。演出次第でもっと面白くなりそう。
ストーリーは単純だが、悪くはないのだから(上からの偉そうなコメント? 笑)。

神々の黄昏

神々の黄昏

新国立劇場

新国立劇場 オペラ劇場(東京都)

2017/10/01 (日) ~ 2017/10/17 (火)公演終了

満足度★★★★

『ニーベルングの指環』の3日目にあたる作品。
上演時間5時間55分(!)

さすがにお腹いっぱい! かと思っていたら、そうでもなく楽しめた。
非常にわかりやすいのは、演出の力なのだ、と納得。

「槍」を象徴的にイメージした装置類。中央に刺さるような槍の穂先が、場面に効いてくる。
抽象的でシンプルなセットなのだが、もう少し何かあってもよかったのかな、とも思う。

ジークフリートは、英雄というよりも、ぽっちゃりの体型と、落ち着きがなかったりする演出のためか、やんちゃな暴れ者というイメージ。
ブリュンヒルデが上手い。

読響の演奏はとても良かった。

『ゴールデンバット』『セブンスター』

『ゴールデンバット』『セブンスター』

うさぎストライプ

アトリエ春風舎(東京都)

2017/11/29 (水) ~ 2017/12/09 (土)公演終了

満足度★★★★

『ゴールデンバット』

地下アイドルが主人公の1人芝居。
面白い!!

(以下はネタバレboxへ)

ネタバレBOX

地下アイドルが観客に語りかけるという設定なので、一人芝居であることに無理がなく、物語に入りやすい。

菊池佳南さんの熱演&昭和歌謡&フォークの熱唱で、主人公がどんどん魅力的になっていく。
そういう中で、彼女の生きる力の強さも同時に感じる。
「生きる力の強さ」というのは、「彼女ならば、この先もなんとかやっていけるだろう」と思わせるような、そんな感じのことである。

さらに年齢が彼女の2倍ぐらい上の、かつて歌手を目指していた瑛子の人生と、徐々に重なり合い、ラストのカーペンターズの『Yesterday Once More』で2人が交差するラストは感動的。
なんていい選曲なんだろう。

主人公は何度か設定を変えている地下アイドルなのだが、現在は喪服の似合う未亡人アイドルという設定になっている。
これって、彼女を捨てた元彼への当てつけなんだろうか(笑)。
『ゴールデンバット』『セブンスター』

『ゴールデンバット』『セブンスター』

うさぎストライプ

アトリエ春風舎(東京都)

2017/11/29 (水) ~ 2017/12/09 (土)公演終了

満足度★★

『セブンスター』

一人芝居って、面白くするのが難しい。
役者の力量がモロに出てしまうし(相当なレベルが必要)、演出も複数の役者が出てくるものとは、気の使い方が異なると思う。

(以下ネタバレboxへ)

ネタバレBOX

いい感じ系の話だが、兄に対する憧れ度というか、兄の魅力自体がわからないのと、小6ならば種子島がどこにあるのかぐらいわかるだろう! という突っ込みでストーリーに乗れず。

この話は、「弟と兄」の関係を軸に、弟から見た話に集中すべきではなかったのか。
それがテーマになっていくのだから。

「兄のしてくれた話を友だちに(学校で?)話す」なんて台詞があったのだから、弟が塾で仲良くなった女の子を家に呼んで、宇宙の話をするときに、そんな感じが出るべきであろうし、言葉の端々に「兄」のこと「兄自慢」みたいなことが出てもよいのではないか。
最初のガレージ(?)をスペースシャトル内に見立てたシーンの台詞にも「兄」が出てくるべきではないかと思う。「兄の作ったこのスペースシャトルで…」みたいな。

兄のほうは中学でタバコを吸っているし、途中で学校にも行かなくなっている。せっかくそんな展開があるのだから、弟の兄に対する憧れも嫌悪に変わってもいいのではないか。そしてまた「誇れる兄」になっていき、現在に至るという心の変化も出せたはずだ。

小学校6年生ぐらいであれば、種子島がどこにあるかぐらいは(ロケット打ち上げを知っているのであれば、ニュースなのか兄からなのか、そのソースはわからないが)わかって当然な気もする。

さらに小学校高学年になるとスポーツタイプの自転車を買ってもらうことが多くなり、友だちと遠出をすることも始まる。そのときには、ます違いなく地図で行き先の道順を確認する。実際、自分たちもそうして、サイクリングをした。そうしなければ、家からどう行くのか方角もわからないからだ。したがって、何も考えずに海に沿って、みたいなことはあり得ないなあ、と思いつつ観ていた。小学校低学年ならばあり得るけど。

せめて演出か演技にキレがあって勢いで見せてくれれば…。
シーンの切り替えとか、もう少しどうにかならなかったのかなあ。

劇場の壁を黒板のように使っていて、チョークで絵を描くのだが、それがそれほど効果的ではない。せっかく黒板あるのにホワイトボード使う必要があった? 
むしろ黒板を使ったほうが、他の絵と混ざって効果的だったと思うのだが。
アテネのタイモン

アテネのタイモン

彩の国さいたま芸術劇場

彩の国さいたま芸術劇場 大ホール(埼玉県)

2017/12/15 (金) ~ 2017/12/29 (金)公演終了

満足度★★★★

気合いの入った渾身の作品。見応えあり。

そこまで人を呪うかというタイモン・吉田鋼太郎さんの熱演。
将軍役・柿澤勇人さんの、客席での一人舞台のようなシーンに迫力あり。

観客はスタンディングオベーションで、蜷川幸雄さんから引き継いだ、吉田鋼太郎さんの新しい「彩の国シェイクスピア・シリーズ」の開幕を祝った。

荒人神 -Arabitokami-【2018年6-7月wordless殺陣芝居シリーズで東名阪ツアー決定!】

荒人神 -Arabitokami-【2018年6-7月wordless殺陣芝居シリーズで東名阪ツアー決定!】

壱劇屋

HEP HALL(大阪府)

2017/12/22 (金) ~ 2017/12/25 (月)公演終了

満足度★★★★★

チラシが気になって休みの日に観に行ったんですが心の底から行ってよかったって思いました!殺陣がかっこよすぎて冒頭で思わず泣いちゃいました(笑)

『部屋に流れる時間の旅』東京公演

『部屋に流れる時間の旅』東京公演

チェルフィッチュ

シアタートラム(東京都)

2017/06/16 (金) ~ 2017/06/25 (日)公演終了

満足度★★★★

これは能だ。
それも夢幻能。
名乗りから始まり、亡霊(幽霊)が登場するところなど。
チカチカする照明や何かわからないが、回る白いものや石。
それは「能」で言うところの「囃子方」にも見えてきた。

(後はネタバレboxへ)

ネタバレBOX

冒頭で「目を閉じてくれ」ということを役者が言う。
舞台の上を暗転させたり、幕を下ろしたりする(トラムに幕が下りるかどうかは別として)のではなく、「目を閉じさせる」(従わせる)ということに意味があるのだ。
そう言われたから観客のほとんど(たぶん全員)は「開けていい」と言われるまで目を閉じていた。

観客は特に何も考えずに指示に従う。
(舞台上の)部屋に流れる時間は、過去と現在と、過去から見た未来とが交わる。
演劇では別に特殊なことではないが、過去の現在が「幽霊」として存在する。

観客は「目を閉じて」「目を開けて」、部屋に流れる時間の中に連れてこられた。

私たちは過去になってしまったもの(コト)をいつまで覚えていることができるのだろうか。

幽霊になった妻は、いったい誰が見ている(見せている)のだろうか。
思い出す夫が「見せている」のか。
あるいは「思い出さない」夫の「過去」から幽霊は現れることで呼びかけているのか。

椅子に座り、ゆらゆら揺れる男の足が、どの時間軸に「足」を置くこともできずにいるのだろうか。

あの「ゆらゆらする足」にとても不安を感じてしまう。
「過去からの呼びかけ」に気づくことなく、ゆらゆらしているのだから。
マンスリープロジェクト・リーディング公演「やとわれ仕事」

マンスリープロジェクト・リーディング公演「やとわれ仕事」

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2017/11/19 (日) ~ 2017/11/21 (火)公演終了

満足度★★★★

現代カナダ戯曲のリーディング公演。
演出は、新国立劇場芸術監督でもある宮田慶子さん。

それぞれが自分の気持ちに忠実であろうとすることで、すれ違い、ぶつかり合ってしまう。

いい戯曲で、役者もいいので、情景が目に浮かぶようなリーディング公演だった。

この公演、無料なのに空席があったのがもったいない。

ネタバレBOX

ラストは悲劇的かと思っていたら、予想外(笑)のハッピーエンド。「老い」がテーマであり、それを見守る温かく救いのある話だった。
夢一夜

夢一夜

加藤健一事務所

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2017/12/06 (水) ~ 2017/12/17 (日)公演終了

満足度★★★★

カトケンらしいウェルメイドな作品。

ニューヨーク州バッファローのモーテルが舞台。
女装の男たちとアーミッシュの人々が吹雪の中、一緒のモーテルに泊まることになる。

ネタバレBOX

フライヤーの写真から、ひょっとしたらシビアな内容なのかとも思ったが、カトケン楽しいほうの舞台で、笑いとペーソスがある作品だった。ドタバタにもならずに。
こういう作品ではカトケン事務所は確実に楽しませてくれる。

女装の男たちとアーミッシュという、異端とも思われる人たちを通して(こがポイントではなく)、働くこと、生活すること、そして生き方について描いていたと思う。
家族、友人、親子なんていう関係を踏まえつつ。

バービーを演じる横堀悦夫さんがやはり上手い。この方の公演は青年座でも拝見するが、どんな役を演じても上手いな、と思う。
私の観た日、カトケンさんはお疲れなのか、なんとなく迫力に欠けた。

ラストは誰もが思うとおりに収まって、その収まり方もカトケンの舞台らしい。

加藤健一事務所の公演は、観客の年齢が高い。そのためか夜の公演は空席が目立つときがある。余計なお世話かもしれないが、次の観客を育てるためにも、夜公演は若い観客(30代ぐらいまで)の料金を思い切って下げることをしてみてどうだろうかと思う。
〜その企画、共謀につき〜『そして怒濤の伏線回収』

〜その企画、共謀につき〜『そして怒濤の伏線回収』

アガリスクエンターテイメント

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2017/09/15 (金) ~ 2017/09/24 (日)公演終了

満足度★★★★★

狂気の大回収!

お得意の「屁理屈会議・シットコム」の展開で、「ん? 回収?」「回収って何?」と思っていたら、ラストへなだれ込む回収の大嵐!
面白すぎ。

もう「屁理屈」を超え、「狂気」と言っていいレベル。
会議&狂気・シットコムの誕生か!?

ハッピーエンド・チェイサー

ハッピーエンド・チェイサー

7thシアトリカル

テアトルBONBON(東京都)

2017/12/20 (水) ~ 2017/12/25 (月)公演終了

満足度★★★

最近の流行りかな。こういう作品が多い。
登場人物達に感情移入出来なかった。

通し狂言 霊験亀山鉾(れいげんかめやまほこ)

通し狂言 霊験亀山鉾(れいげんかめやまほこ)

国立劇場

国立劇場 大劇場(東京都)

2017/10/03 (火) ~ 2017/10/27 (金)公演終了

満足度★★★★

『霊験亀山鉾』は、鶴屋南北が実際に起こった仇討ちをベースにして書き上げた作品。

(後はネタバレboxへ)

ネタバレBOX

「仇討ち」の話であると書いたが、このストーリーがかなり変わっている。
なにより、仇討ちが「返り討ち」にあう話だからだ。しかも2度も(!)。
2度とも返り討ちとなり、仇討ちする側が命を落としてしまう。

片岡仁左衛門さんは、この仇(藤田水右衛門)と、さらに瓜二つな(二役ですから・笑)小悪党・八郎兵衛の2役を演じる。
仁左衛門さんが演じるので、ニヒルで冷酷、しかも二枚目、という悪党に見事になる。

しかし、藤田水右衛門が主人公のピカレスク的な物語にならないのは、水右衛門が卑怯すぎるからではないか。
2度の返り討ちは、1度めは毒を盛る、2度めは偽情報でおびき出し、落とし穴に落として(手下にやらして自分は止めだけ刺す)相手を仕留める。

ただし、仇を討つ側にも観客は入れ込みづらい感じはある。それは、メインの話に登場する男が、子をなした女性(妻ではない)があるにもかかわらず、さらにいい仲になった女性がいたりするからだ。

とはいえ、歌舞伎らしい趣向もある。
水右衛門は敵討ちから逃げるために棺桶に入って運ばれるのだが(黒澤の『用心棒』にもあった、そんなシーン)、本当の棺桶と入れ替わってしまい、水右衛門は火葬されそうになってしまう。
その燃えさかる棺桶から水右衛門が飛び出すのが、見せ場のひとつでもある。炎などの派手さはないのだが。

また、最後に水右衛門を討つ子どもは、足腰が立たない病気だが、それを直すには「人の肝臓の生き血を飲む」という方法しかないという設定となっている。
こんな奇想天外な設定は歌舞伎ならでは。

歌舞伎の面白さは、こんな奇想天外な発想と、意外な展開が、考え抜かれた見せ場で繰り広げられるというところにある。
役者も皆上手いし、「何をどう見せると面白いか」に心血を注いでいるので、歌舞伎は面白いのだ。
ジ・アース

ジ・アース

十七戦地(2026年1月31日に解散)

ギャラリーLE DECO(東京都)

2017/12/13 (水) ~ 2017/12/17 (日)公演終了

満足度★★

期待していた分だけ今回は?と思える作品でした。

白蟻の巣

白蟻の巣

新国立劇場

兵庫県立芸術文化センター 中ホール(兵庫県)

2017/04/04 (火) ~ 2017/04/05 (水)公演終了

満足度★★★

三島由紀夫の初の長編戯曲。
この作品、初めて観た。

ネタバレBOX

夫の視線で妻が語られていくが、実はその裏もあるのではないか。
どうして妻がそうなったのか、が。

後半の予定調和を大きく壊す展開には驚かされる。
笑っていいのか、迷う。
主人が運転手の妻の胸をいきなり揉みながらの展開だ。

旅行先での商売女との関係も、実は意外でもなんでもなかった。
これが、「妻を破滅」させる真因なのでは。

面白いとは思うが、なぜこの戯曲が「絶版」のままなのか、またあまり上演されていないのか、なんとなくわかる気がする。
ボス村松の竜退治

ボス村松の竜退治

劇団鋼鉄村松

レンタルスペース+カフェ 兎亭(東京都)

2017/06/03 (土) ~ 2017/06/30 (金)公演終了

満足度★★★★★

今回は(笑)脚本も演出も、きちんとボスのアンダーコントロールにあり、すげー面白い!

ネタバレBOX

四つ首の竜の設定が、ナポリ王国の物語に見事に絡む。
いつながらの台詞の濃さもとてもいい。
ボスさんは実に楽しそうに浪々と台詞を発していた。
やっぱり鋼鉄村松はこうでなくっちゃ! 

ボス村松のぐたぐた感がお好きな人にはお勧めできないかも(笑)。
ぐたぐたも、それはそれで面白いのだけど……。
(「いやいやいや、十分にぐだぐだしているじゃないか」という方はボスの本当のグダグダを知らないのだ・笑)

このページのQRコードです。

拡大