トリトメガァル 公演情報 第6回名古屋学生演劇祭「トリトメガァル」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    計算高く生きてきた女・安堂が…その考え抜いた数々の「人生設計」を、天才(天然)・如月に ことごとく踏みつぶされ、狙ったターゲットをかっさらわれていった大学生活。…悲観の末に選んだ「自殺」の先には、輪廻転生の終わりなき地獄が待っていた。

    …というのが…基本プロットに見えるのだが、その実は決してそんな単純じゃなかった。

    以降はネタバレboxへ

    ネタバレBOX

    (続き)
    単に「転生の果て」というのでなく、…話の構成自体が、「過去」に「未来」に…そして「創作世界」に飛んでいき、同じ役者でシームレスに繋がっていくので、因果関係がだんだん混沌としてくる。

    「現実」と思って観てると実は「創作世界」だったりして、あるいはその複合かもしれず…なんか入れ替わってる気もしてきて…現実とその2次創作が混然一体となっている不思議な感覚。

    特に近藤綾香さんの数多の役どころは、実際に観ている最中は把握しきれない膨大さです。
    そして、話の中で数多でてくる逸話・ネタの数々の…理系的理屈っぽさが私は本当に好きで、その上でゲーム世界的・漫画的な手法やモチーフが散りばめられるのが本当に性に合う。

    更に哲学的な要素が入ってきて、…観る側としては完全にオーバーフローになるけど、「分からないことを言われる心地よさ」が滲んでくる、楽しい。

    結末。敵対している様でいて、結局2人はつるみ続ける… 何となく如月も安堂を求めている気もしてね、…最後のシーン…作家と編集長…で暗転は、そういう腐れ縁がオチであるかの様。混沌の全ては数々の創作だったって見方もアリか。

    好きなとこメドレー。

    ①何か派手な甲羅を背負った亀仙人が出てくるなぁと思ったら、…家庭用プラネタリウム然の発光装置はLED照明なのか…。スクリーンを背にしたシーンでの映像はとても印象に残った。

    ②「大器晩成推し」等から滲み出る…数多くの脳内合理化。ああ言えばこう言う的な発想の乱舞。…「読者に媚びること」と「自分のしたいこと」の対比から、「読者の喜ぶこと」⇒「私の脳内で考えた読者の喜ぶこと」⇒「だからこ媚びることも自分のしたいこと・自分に寄り添ったことだ」となる論法は最高にイカス。

    ③人間とは…棲み分けをせず集団で溜まって、協力しているようにみせかけて仕事を奪い合い、勝負から脱落したものは怠け者になる生物。

    ④「ゴキブリに転生、即バルサンで昇天」最高。

    ⑤人類の黒歴史…天動説(笑

    ⑥「想像(想像)力」と「やり甲斐」と「幸せ」と「苦しみ」の相関。そしてその皮肉。

    ⑦生き物は「アウトプット」あってこそ。勉強、勉強ではインプットばかりで、アウトプットのない人生になってしまう。

    おしまい

    0

    2018/01/06 13:56

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大