最新の観てきた!クチコミ一覧

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グランパと赤い塔

グランパと赤い塔

青☆組

吉祥寺シアター(東京都)

2017/11/18 (土) ~ 2017/11/27 (月)公演終了

満足度★★★★★

優しい気持ちになれました。

ネタバレBOX

昭和44年7月、目標が定まらない受験生の女子高生が、新盆のためかつて一緒に住んでいてもうすぐ取り壊される祖父母の家を訪れた際に、東京タワーが立った頃の大所帯の様子を回想し、英語が好きで国際ジャーナリストになりたかった夢を思い出し、前向きになる話。

明治の人だからというわけでもないでしょうが、経営者とその妻には覚悟がありました。昭和33年頃は陰に陽に原爆の影響が色濃く残っていました。戦時中急いで見合い結婚した夫婦に愛情があったのか無かったのか、あって良かったです。歳を取ると親に似るって本当ですね。上手い演出でした。そして何より、女子高生と小学生を演じた今泉さん、可愛くて素敵でした。

特段事件が起こるわけでもなく、日常を描いて優しい気持ちにさせてくれる素晴らしい作品でした。

天体望遠鏡を見るととある作品を思い出しますが、それはさておき、時空が広がる素敵な小道具です。
天職

天職

演劇企画アクタージュ

荻窪小劇場(東京都)

2017/11/23 (木) ~ 2017/11/26 (日)公演終了

満足度★★★★★

素晴らしいかったです。舞台の冒頭から感じる違和感が、最後にまとまっていく感じは見事です。
前回とは違ったテイストの作品ですが、1時間45分終始楽しめました。
役者の皆さまの熱演もすごくよかったです。

Utopia

Utopia

Fallen Angels

APOCシアター(東京都)

2017/11/24 (金) ~ 2017/11/26 (日)公演終了

満足度★★★★

「Better half」「Open the door」「System KANACO」「Utopia」という二人芝居4作品。観たあとで気持ちが落ち込んでしまうような舞台なのかしらと半分覚悟(?)していましたが、説明文にある「小さな闇」はそれぞれ見え隠れするものの、暗い気持ちで帰途につくようなことはなくて助かりました。会場は四方を客席で囲まれた小さなスペース。お気に入りは「System KANACO」で、女優さんの声もよかった。好みとしては「KANACO」→「Utopia」→「Open the door」→「Better half」の順。

ネコガミロックンロール

ネコガミロックンロール

劇団SUBUTA!

キーノートシアター(東京都)

2017/10/28 (土) ~ 2017/10/29 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/10/29 (日) 13:00

価格2,000円

ロマンティックコメディ探偵モノ風味。終盤で明かされる事態の真相やそこからの主人公の成長などはとても良いが、そこに至るまでを引っ張り過ぎた感無きにしも非ず。
とはいえ殺陣や歌も盛り込み作品を多彩にしたのは◎。依頼された件の調査パートをもう少しコンパクトにすれば……おや、某団体(同じ大学出身らしい)を初めて観た時に似た感覚?(笑)

RISE ~unit of brand new choose~

RISE ~unit of brand new choose~

super Actors team The funny face of a pirate ship 快賊船

萬劇場(東京都)

2017/11/22 (水) ~ 2017/11/28 (火)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2017/11/24 (金) 18:30

情熱ほとばしる舞台でした!維新前夜の若者のそして役者さんの思いが伝わってきました。殺陣も木刀ガチで迫力が違いますね!大河お好きな方には絶対お勧め!

誰か席に着いて

誰か席に着いて

東宝

久留米シティプラザ (ザ・グランドホール)(福岡県)

2017/11/23 (木) ~ 2017/11/23 (木)公演終了

満足度★★

キャストさん方に期待して行きました。

ネタバレBOX

個人的には不完全燃焼のもやもやです。
ハダシの足音

ハダシの足音

万能グローブ ガラパゴスダイナモス

イムズホール(福岡県)

2017/11/15 (水) ~ 2017/11/19 (日)公演終了

満足度★★★

コメディですが、終盤の泣けるシーンは、素直に受け止めて。

Green Peace -グリーンピース-

Green Peace -グリーンピース-

劇団マリーシア兄弟

Geki地下Liberty(東京都)

2017/11/24 (金) ~ 2017/11/26 (日)公演終了

満足度★★★★

今回笑いの割合は高めだが、何気に“めっちゃ深い事”を言うのがマリーシア流。
コンビニの休憩室を舞台に繰り広げられる夢と挫折とFA宣言(!)
グリーンピースの名前の由来が、絆を感じさせて心温まる。
全体の構成と、ミドリのキャラがとても良い。
お笑いの脚本が良く出来ていてびっくりした。

ネタバレBOX

倉庫を改造したコンビニの休憩室に、廃棄になる弁当をもらいに従業員がやって来る。
お笑いコンビのミドリ(大浦力)とカズヤ(森優太)、
ミュージシャンを目指してバンドを組んでいるヒロ(狩野健太郎)とシゲオ(紀平悠樹)。
その中でカズヤは、お笑いを辞めたいとミドリに言い出せずに悩んでいた。
役者志望のミドリをお笑いに誘ったのはカズヤだったのに・・・。

冒頭、ネタ合わせをするコンビの漫才で始まるのがとても良い。
リアルを追及すると時として緩くなりがちなオープニングが、最初からぐっと集中させる。
いつもながらキャラのバランスが面白い。
ねずみ講まがいの商売を「マルチビジネス」と言い張って勧誘する“空気読まない”シゲオ。
あまりミュージシャンらしくないが、意外とまっとうな意見を持つヒロ。
夢を追うには自信がなく、辞めたいと言い出せずに今日まで来た気弱なカズヤ。
そして突然コンビ解散を突き付けられても淡々と受け容れようとするミドリ。

キモは相方の選択を応援しようとするミドリの心情と、その背景にある過去だが、
次第に明らかになるその事情がしんみりさせて説得力がある。
冒頭のネタをラストでもう一度繰り返す構成が成功している。
最初に軽い笑いで観たシーンを、全く違った思い入れで観ることになる。

ラスト二度目のネタ披露で、観客がカズヤと一緒に泣きたくなるには、
どこかでひとつ、ドラマチックな展開が必要かなと思う。
例えばカギを握るミドリのエピソードを、友だちの口から言わせるのではなく
どれかをミドリ本人から効果的に語らせる、直接カズヤに伝える、
淡々と、少ない台詞で父親への思いを語ったら、切なさは倍増する気がする。

真面目な部分で少し台詞を絞ると、エピソードも心情も印象が強く残ると思う。
校長先生のお話にはそれが上手く凝縮されていて効果的だ。
ミドリの達観したようなキャラがとても魅力的なので、
素の部分と、芸人としてのテンションの高さのギャップがもっと出せれば
二度目のネタ披露は切なくて観ている方も泣きたくなるだろう。
二人の最後の舞台、まさに“始まりと終わりと卒業”がそこにあるから。

STARTER

STARTER

劇団Turbo

駅前劇場(東京都)

2017/11/22 (水) ~ 2017/11/26 (日)公演終了

満足度★★★★

レトロで軽快な音楽、そして「カノン」がよく似合う作品でした。
総勢22人もの役者さん(+お利口な猫)が出演されていたにも関わらず「役柄を覚えるのが大変!」といった苦労が全くなく、ただ舞台に身をゆだねていれば楽しめる軽快な流れを心地よく感じながら観る事が出来ました。
何より「お好きな処で笑って頂ければ、それで結構ですから」とでもいう様な「笑い」に対して余裕ある感じが、よりリラックス感を与えてくれます。

事前情報がかなり少ない為、観に行って初めてその内容を知る形となりますが、自分なりの予想通りどのお客さんもニコニコと劇場を後にする、そんな公演だったので方向性は大当たり。
それにしてもラストシーンはさすがに予想もできない絵面でした。

「For for you!!」vol.2

「For for you!!」vol.2

株式会社チクタク

koenji HACO(東京都)

2017/11/24 (金) ~ 2017/11/26 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2017/11/24 (金) 20:00

座席1階1列

株式会社チクタク『「For for you!!」vol.2』koenji HACO

全4編の短編オムニバス。
前回のvol1からコント色が強くなった印象を受けました。面白かったです。
20時開演ということで、仕事帰りにフラッと立ち寄れますし、
ボリュームも程よくカジュアルに楽しめる作品だと思います。

シチュエーション的に一番好みだったのは「それでも僕はやった」
設定が面白い。テンポの良いコミカルな掛け合いが良かったです。

一番笑ったのは「We need the Legend」
超フリーダム!
天然なのかネタなのか。いきなりぶっこまれるネタの数々が面白かったです。
谷口さんの的確なツッコミもナイス!

1000年の恋

1000年の恋

劇団「劇団」

大阪市立芸術創造館(大阪府)

2017/11/23 (木) ~ 2017/11/27 (月)公演終了

満足度★★★★

ハートフルファンタジーに涙が溢れました☆【想い】が深く突き刺さるストーリーは暖かく前向きな気持ちになるお芝居でした★【LARPs】もそうやったけどゲキゲキの作品は優しさが溢れてるんで心が癒されるのが良いんですよネ♪♪

みたび、オールディーズ

みたび、オールディーズ

colorchild

中目黒キンケロ・シアター(東京都)

2017/11/22 (水) ~ 2017/11/28 (火)公演終了

満足度★★★★★

全体的に飽きが無いシナリオ展開でとても面白かったです。
観客は演者によって空間を共有し、それらを想像することによって
あたかもその場にいるかのような錯覚を覚えます。
言葉にするのは難しいですが一度見る価値はあるかと思います。

デラックスマン

デラックスマン

劇団偉人舞台

劇場MOMO(東京都)

2017/11/22 (水) ~ 2017/11/26 (日)公演終了

満足度★★★★★

予想以上の楽しい舞台でした。
面白かった!!
ずっと笑いっぱなしでした。
随所にちりばめられたギャグの嵐。
ただおもしろおかしいだけじゃない、ストーリーもしっかりしてて、真面目なシーンに引き込まれていると、ポロッとギャグが入ってきて。
真面目なこと言ってるその姿が不真面目で、真剣なんだけど笑える、そんな連続でした。
アクションも凄かった!!
一歩間違えれば怪我をしかねない迫力ある戦闘シーンは瞬きする間も与えてもらえないほどの見応えがありました。
ストーリーの終盤は最後の最後まで予測不可能な展開に目が離せませんでした。
1公演分のチケットしか取らなかったことを後悔しています。
もっともっと観ていたかった。
ぜひ再演を希望します。

ネタバレBOX

大笑いした好きなシーン
・ディーと返事をする社員たち
・2号の開発した薬を飲んで髪の毛がはえた1号の登場
・ヒッキーのブチギレ
・アドリブじゃんけん
・オヤジさんのピンクのコスチューム
戰御史 -Ikusaonsi-

戰御史 -Ikusaonsi-

壱劇屋

HEP HALL(大阪府)

2017/11/24 (金) ~ 2017/11/27 (月)公演終了

満足度★★★★

劇団壱劇屋そのもののいつものスタイリッシュな造形感はあまり感じられないが(大熊と竹村との違いか)、それでも殺陣が実の迫力にみなぎり美しい。これもスタイリッシュといってもよいのかもしれない。
とにかく、あっという間の60分。途中サリngROCKが出演し、劇のイメージを怪しげに彩っている。これもまた、現代の演劇なのである。

青森県のせむし男

青森県のせむし男

B機関

ザムザ阿佐谷(東京都)

2017/11/22 (水) ~ 2017/11/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

天井桟敷の上演第1作。上演前から怪奇的な雰囲気が漂い、錫丈が鳴るような音、不気味な風音が阿佐ヶ谷ザムザという劇場内にピッタリとしていた。
(上演時間2時間)【◆チーム】

ネタバレBOX

舞台セットは、段差を設け後景に大きな扉、そのイメージは古びた額縁。両側には高い位置から段通風の幕が吊るされている。下手側には蔦が絡まった鳥籠、その中に女学生(女浪曲師、ストーリーテラーの役割)が鎮座している。

物語は、青森県の名家、大正家の跡取り息子に手篭めにされ子を孕んだ女中マツ。世間の目を恐れた大正家ではマツを嫁として籍を入れるが、生まれてきた赤子が肉のかたまりのようなせむしであったため大正家は下男を使って赤子を闇に葬った。生まれた子、その存在が無かったことにするため、戸籍(大正2年7月10日生)を抹消する。しかし、生まれた事実は抹消できず30年後、マツが女主人となった大正家に謎のせむし男・松吉が現れるが…。説明を鵜呑みにすることなく、観客自ら感じ考えさせるような公演。

親子の確執、女の情念、子の思慕という人の本質とも言える感情を抉るようだ。母・息子という親子関係がなければ、単に女と男という”禁忌の性”関係が浮き上がる。そこから見えてくる欲動という行為が物悲しく映る。
生まれてくる赤ん坊の背中に母の肉で出来たお墓を背負わせ、醜いせむしの男(息子)を通じて大正家に復讐しているのだろうか。しかし、憎むべき大正家を継いだ自身が、家制度を固守する矛盾に陥る。
公演は「古事記」を引用しつつ、歴史の陰・陽や人間の内・外を表現する。史実に記された事実、一方闇に葬られた真実。人の外見・行動と心に秘めた深淵を大正家の家史とそこで蠢く人間、存在(陽)のマツと闇に葬られた(陰)の松吉に準える。その展開は、回想シーンに拠るものではなく松吉30歳になった現在だけで描き切る。その30年に別の挿話…戦争、差別などの不条理を独特な表現(デフォルメ)として観せる。例えば義眼、義手という不具者のような者を登場させる。それを嘲るシーンをギミック・フェイクとして滑稽に茶化すところなどはシュールだ。また松吉と鳥篭から出てきた女学生が踊るシーンでは緩い笑いを交え、怪奇な雰囲気の中に和みを入れ込む。

物語に観える不条理は、その表現…演出の素晴らしさで際立ってくる。演出・点滅氏の身体表現、冒頭の同氏(役名:ヒルコ(棄神))の背中(肩甲骨)に描かれた羽絵を蠢かせる強靭・異様さに息を呑む。一方、女性2人(役名:巫女(狂女))の軽妙・嬌態という対比は印象付けという効果があるのだろう。
”舞踏的技法を用いた演出で新たな演劇の在り方を目指す”、その謳い文句はしっかり体現しており、実に観応えあるものにしている。 ラスト…蠢かせた背中、肉の塊が白鳥の羽のように生え変わり、羽毛が天から舞い散るシーンは、醜から美へ昇華されたかのようだ。

次回公演を楽しみにしております。
グランパと赤い塔

グランパと赤い塔

青☆組

吉祥寺シアター(東京都)

2017/11/18 (土) ~ 2017/11/27 (月)公演終了

満足度★★★★★

「雨と猫といくつかの嘘」の時同様、本公演でも観劇後は雨が降り出した。太宰治の小説「富嶽百景」に 「富士には、月見草がよく似合う」の一句があるが、吉田小夏女史の世界は雨が似合うのかも知れない。その”しっとり”感は情緒豊かで観終わった後の余韻が実に心地良い。
ちなみに、物語には「月」も出て来るし、「月見草」は竹取物語を表現していると云われ、その意味では宇宙も登場する。しかし、言葉のイメージが持つ浮遊感はなく、どちらかと言えば地に足が着いた物語である。
(上演時間2時間15分 途中休憩なし)

ネタバレBOX

舞台美術は上手側に洋室、中央に廊下とその先には二階への階段がある。下手側は和室。中央の廊下から和室前にかけて廊下もしくは縁側へ続くような回廊。二階部は場面ごとに自宅ベランダや外の道路をイメージさせる。冒頭のみ傾斜した三階部も出現させる。洋室には応接セット、和室(畳敷き)には木机・卓袱台・座布団・古い型のラジオが置かれている。もっとも、上演前には白い布が被せられており、その存在は物語が始まってから観ることになる。この布は、演出上重要な役割を果たしており、観終わってから合点する。

時は昭和44年。物語は高杉ともえ(高校3年生)が、母:貴子・妹:幸子と祖母の一周忌法要のため生まれ育った家に来たところから始まる。彼女の視点を中心として見る家族とその時代。今はお手伝いしか住んでいない家を処分する。この家に居た頃、昭和33年(小学1年生)へ遡る。その頃は祖父母、父母、お手伝い2人、さらには祖父が経営する会社の従業員3人、運転手も同じ敷地内に同居。そしてタイトルにある赤い塔(建築中の東京タワー)の工事のため一時寄宅していた男性と私、計12名と賑やかである。物語の別の主人公は、この”家”と言えるかもしれない。

昭和33年…戦後から13年を経ているが、戦災の爪痕をしっかり織り込んでいる。一方、電波塔の建築、それに携わる人々の暮らしや何気ない会話(戦時中の苦難からアポロ11号の打ち上げ等)を通して、時代の流れが見えてくる。過去と現在は地続きであり、家はその時々の時代背景を見ている。Grandfather(グランパ)が、ともえに買い与えた天体望遠鏡。そのレンズを通して見る宇宙は暗闇、しかしその先に僅かな光明が…それは”希望”という光だと言う。繁栄(タワー)であり平和(反戦争・原爆)を意味する。また当時の夫婦関係(亭主関白)について、直接的な”声が聞こえる”と”気持が伝わる”を日常会話に溶け込ませるという伏線で描き、夫の戦地からの手紙に結びつけ余韻を残す。

昭和33年と44年では家にある調度品が異なる。それを白い布(一周忌法要の白引き布?の意味もある)で目隠し、観客に時代背景の混乱をさせない細やかさ。また舞台美術は、骨格(柱)にすることによって、家の概観を見せつつ、客席のどの位置からも演技が観える巧みさ。その演出が独特の空気感を漂わせる。また演技は、役者一人ひとりのキャラクターが立ち上がり、繊細で瑞々しい会話、生き活きした動きの中に逞しい市井の人々の暮らしが感じられる。ラスト、鬼籍の人々が現れ優しく18歳のともえを見守る。
「富嶽百景」は、疲れた魂が富士と向き合う事によって再生する物語だったが、こちらは、ともえが進路で悩んでいたが、東京タワーと向き合い小学生の時の夢、国際ジャーナリストを目指すのだろうか。

次回公演を楽しみにしております。
サランドラ

サランドラ

ミュージカルグループMono-Musica

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2017/11/23 (木) ~ 2017/11/26 (日)公演終了

満足度★★★★★

Mono-Musicaの舞台を観るのは2度目ですが,今作はしっかりとしたミュージカル,とても良かったです。素晴らしい出来映え。芝居もしっかりしていたし,何より歌唱が良い。美しい歌声です。見応え,聴き応えは十分あります。ストーリーも後半の展開はお見事,どうなるか目が離せませんでした。一度ミュージカルを観たいと思われている方には,文句なしでお勧めします。

青森県のせむし男

青森県のせむし男

B機関

ザムザ阿佐谷(東京都)

2017/11/22 (水) ~ 2017/11/26 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2017/11/24 (金)

ラストに向けて、確固とした何かを与えてくれる芝居だな、と途中で思ったのだが、その予想はある意味あたり、ある意味はずれた。泣いてしまったのだ。涙腺が感情と関係なく緩んでしまった。どこで泣いたのかと言えば、ラストで、と言えるのだけれど、なぜ泣いたのかと言えば、これは言葉では難しい。

語ることが難しい芝居、舞踏を基礎とした身体性が、頑なに言葉を拒絶しているような芝居である。点滅氏はヒルコであり、せむし男の精神性だったのですね。

ネタバレBOX

果たして、あのせむし男松吉は、マツの本当の子だったのか?マツの子殺し発言は本当だったのか?ただ、はっきりしているのは、松吉が母を求めていたという、その一点だけである。

ヒルコ伝説はそれとして、母子相姦の意味するものは何だろう。
島田歌穂&前田優奈with千葉交響楽団

島田歌穂&前田優奈with千葉交響楽団

千葉交響楽団

佐倉市民音楽ホール(千葉県)

2017/11/23 (木) ~ 2017/11/23 (木)公演終了

満足度★★★★★

交響曲でオペラ座の怪人は圧巻でした。ロミオとジュリエットもよかった。楽しく鑑賞できました。

ネタバレBOX

大いなる演劇・ミュージカルの鑑賞旅行は,今回は,ゆうなっちの千葉交響楽団出演だった。当日まで参戦を迷っていた。そもそも朝起きて天気も気になった。甲府から,佐倉までは結構遠い。実際に行って間に合わないこともあるだろう。

結局のところ時間にも余裕を持って音楽ホールにたどり着いた。同じホールも良いが,ときどき地方にある素晴らしいホールも良いものだ。

そもそもクラシックなのか,それ以外なのか,事前知識がなかった。そこで始まったのは,劇団四季の初体験『オペラ座の怪人』。天井のシャンデリアが落ちて来る場面を思いだす。
映画音楽『ロミオとジュリエット』が懐かしい。涙が出て来た。ほかにも,『サウンド・オブ・ミュージック』が結構楽しめた。

島田歌穂さんは,初期の『レ・ミゼラブル』を観たような気がする。さらに,『音楽劇:二十四の瞳』でたくさんの歌を聴いたことがあった。

ゆうなっち『アニー』は健在だった。ほかにも初めて聴いたものがあった。
海猫は泣いている

海猫は泣いている

演劇集団アクト青山

演劇集団アクト青山・烏山スタジオ(東京都)

2017/11/21 (火) ~ 2017/11/26 (日)公演終了

満足度★★★★

内容が少し重く、わかりにくいものでした。なれると、こういう心理劇みたいなのが魅力かもしれません。楽しく拝見しました。

ネタバレBOX

アクト青山で,『海猫は泣ている』を観た。

下北沢とか,劇団四季とか,上野ハウスとか,池袋グリーンシアターなどで開始した演劇・ミュージカルの散策は,ここに来てアクト青山になった。

演劇はどうやら,知人とか,子どもとかの応援などから参戦するようだ。私は,同時に,演劇史なども読み漁った。しかし,その本質たるもの,核心などは,わからない。観劇はなんとなく漂流していく。それは,どういう場所のものが魅力なのか,次はどこにいくのか?そいうことが全く良くわからないことになっていく。

アクト青山はやや正統的な演劇団体のようだ。過去の名作も多い。そのような安心してみられる演劇の場があったのは幸いだった。

『海猫は泣ている』は,よくわからない演劇だった。しかし,あとでしんみりと心に残る場面も多かった。良い演劇だった。100%納得いくものより,少し謎めいていたり,解釈を自分でする部分があるのもたまには良い。そういえば,イプセンの作品などでも,別の演出で観ると,新しい発見やら,背景になる真実が見えて来たりする。実は,演劇,ストレートプレイの持つ魅力は,そのようなものだ。たぶん,想像力が鍛えられる。ゆえに,その人は翌日から,職場などでも表面的には見えない「いじめ」などがわかる。

『海猫は泣ている』の時間は,プルーストのようになにかに触発されて,その場面が浮かんでは消える。ために,前後がごちゃごちゃになるものの,実際に人間の記憶では良くある。

ことばがしゃべれない設定である物理学者が,記憶の中で雄弁にことばを発することがある。あれは,夢の中で起こったことなのかどうか・・・

全体としては,小劇場の良さというのは,その場面に自分も参加しているような錯覚が起きる仕組みだと思う。そこで,実際にことばを発するのは,めったに許されないが,小劇場ではそのくらい現実のできごとになっていく。自分なら,こんな人にどのような批判やら,態度をするか。そういった真剣さが生まれる。

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