INDEPENDENT:17
INDEPENDENT
in→dependent theatre 2nd(大阪府)
2017/11/16 (木) ~ 2017/11/19 (日)公演終了
満足度★★★★
好きな作品はあれど、脚本での驚きは…いや、福谷さんのはある意味衝撃か、アレどこまで意図的?笑。
「プシュケ」の技量には驚きが、「さようならば、ばら」「スイッチヒッター」「何億年先でも」は率直に好き系、「イーハトーブの雪」には抗えずちょっと悔しい。
熔けない
幻想劇団まほろ
G/Pit(愛知県)
2017/11/17 (金) ~ 2017/11/19 (日)公演終了
満足度★★★★★
強いミステリー感と…時間を行き来するかのような仄かなSF風味の展開には興味が尽きなかった。
終始、何かまだ裏がありそうな空気に集中力を使い続け、心地よい疲労感。
一見、舞台は何の変哲もない学校の保健室だが、何か違和感を纏っている空間。
目の前で行われている5年前の出来事を…過去を演じていると…只の回想とみて良いのか…、ここは本当に保健室なのか、今そこで演じている役は本当に見た目通りのその人なのか…。話を展開通りに素直に呑み込んで良いのか戸惑う…面白い観後感だった。
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ネタバレBOX
(続き)
不思議な印象を形作る筆頭は「クラウド」たち…とても好きな演出でした。
アンサンブルキャストやコロスをイメージする"crowd(群衆)"的な響きと、クラウドコンピューティングを想起させる"cloud"の響きの両方を合わせ持つこのキャストは、見た目の所作の美しさや、主人公の代弁者として表向きはコロス的に機能するが、「記録…」と呟いては、写真やファイル等の情報処理を匂わせて、この空間が「見た目そのままでは無い」ことを主張する。何者かが…「記録」を閲覧・再生している姿を我々は覗いている…とも解釈できそうな気もする。
そもそも現代深紅(養護教諭となった深紅の台本表記) が遭遇する箕島は、一体どういう存在だったのだろうか。公式のストーリー紹介では、箕島が亡霊の様に現在に現れたという扱いだが、箕島の振る舞いの自然さに、むしろ現代深紅の方が5年前に紛れ込んだ感覚だった。
そして、並行して進む「現代深紅」と「過去深紅(5年前の深紅の台本表記)」が各々で関わる5年前の事件の中で、
…現代美紅が箕島にしか会っていないこと、…
…そして5年前の城野教諭のシーンに箕島が一切出てこないこと…
…から、現代深紅は同じ養護教諭として城野の経験を追体験(再生)しているのか?という印象も受けた。そもそも現代深紅が防衛本能的に、不都合な記憶を無意識に封印している感じだったので、…クラウドとの接触等のふとした拍子に、閉ざされた過去の記憶が漏れ出した…、あるいは誰かの記録が流れ込んできてしまったかの様なイメージも想像した。(封印されていた記録文書を見てしまったかのよう。)
ただ、いずれにしても惜しむらくは、…箕島が現代深紅の前に姿を現した…あるいは現代深紅に箕島が見えた「キッカケ」が最後までよく見えなかった。そこが伝わると納まりが良かったかな。
さて、精神的面のドラマの主軸は「深紅の前向きな姿勢の功罪」と「箕島の精神崩壊の過程」かな。
…前者における「深紅と永遠田のシンパシー」…共感できる者が出会った高揚感、意志の強い共鳴。
これ単体でもドラマとして成立しそうな本作指折りの盛り上がり。
ここで培った「負けない」気持ちを…後者において…良かれと「善意」で振りかざし、翻って「凶器」と化す。
なんとも鋭いインパクト。
応援することの反作用。応援する側の身勝手な高揚感。
綺麗に盛り上がった前者の気持ちを…バン!と叩き落す筋書きは、深紅のみならず、善意に共感した観客の心をえぐってくる…そして、何とも切ない。
後者における…箕島の「背景」は常に展開の主軸。前者で構築している「前向きな精神活動」を最後に全否定してくる強烈な要素。
この「背景」が、色んなところでミスリードを誘いながら、順を追って丁寧に明らかにされていく手法は見応えがあった。気にしていた右手首の傷は当初はリスカの方を想像させる仕掛けだし、「家に早く帰ってこない」との親の相談や、「私に似ている人…」とか、ふんだんに伏線が散りばめられていた。
なにぶんオチが「意識の外にある徹底的なタブー」だったので、…丁寧に形作られた善意を…議論の余地なく全否定しうる強度があった。
一方で、箕島の「理性」と「無意識下の行動」が混在している様は、人が壊れていく過程の描写として秀逸で、「もっと上手に人を好きになりたい」に至る心情の吐露や、…「油断したら頭で考えられなくなる」等、印象的な台詞が多い。
ここで小森ひなたさんの演技力も光った。彼女は「無知な六人と六人」の後半でも尋常じゃない精神状態を見事に演じてた。あがく演技に秀でた役者だね。
さて、過酷な現実をようやく認識し…城野とのひとしきりの相談の後、現代深紅が「全て」を呑み込みエンディングを迎える…と思われた刹那のファイルエラー…ビープ音…アカウント削除…?
「うわっ、マジか…」と息を呑む。
本人が壊れたのか、再び記憶が封印されたのか…いずれにせよ、…最後にまた激しく叩き落とされて、…やられた…って気持ちになりました。
このラストが有るのと無いのとでは、著しく芝居の印象が違う。更に苦しい印象を残して終わらせる…思い切りましたね。
役者の感想。先に小森さんには触れましたが、…
…他に印象深かったのは城野養護教諭を演じた森夏音さん。現役高校生にして微塵の違和感もない落ち着いた先生ぶりと包容力…それでいて極めて気さくな理想の先生像。
これまでコメディの印象が強かったですが、う~ん、この子は何でもできるな。
あと、箕島父役の鈴音こうしさんの「俺が愛してやるから…」のくだりは、もう怖くて怖くて… あのシーン…どこまで行っちゃうんだろうとドキドキしました。
これが印象付くと、誰も鈴音さんには逆らえなくなるね…この台詞が飛んで来そうでさ(笑)
W深紅の二人。人格の連続性が感じられて良かった。
福田真也さんのスタイリッシュさに白衣が似合った。ラストシーンにはまんまと騙された。
佐藤美輝さんの真っ直ぐだけど自分本位になりがちな若さの表現も良かった。確か新生のカンニングマスター?
藤井紫音さんの最初の会話での抑揚の効いた口調も印象的。もっと聞きたかった。
藤岡侑真さんの気怠そうな佇まいとか、高見大輔さんの徹底した嫌われ役ぶりなんかも目をひく。
最後に…
「熔けない」というタイトルの意図が未だに掴み切れないのです。
…敢えて「金属の溶融」の熔けるで、何に準えているのか。「負けない」と同意では違和感ある。人が学校・社会に適合することを金属の成型に準えて、熔けない=型にハマらない… う〜ん、これもしっくりこない。
これはどっかで語られてないのかな…
追記
オカルト的可能性を排除すれば、現代深紅が養護教諭の立場としてアクセスできた生徒情報アーカイブの記録(城野の記録含む)をキッカケに、封印した記憶が脳内で有機的に反応して、夢?の中で城野の経験も含めて…一連の過去を追体験・再構成した?
そして、自己防衛的な脳内合理化を経ても、受け止めきれずに… とも整理できるか。
ただし、果たして全てが脳内の産物か?…実は…という第三者の関与の可能性に、更なるドラマの推測が湧き立つ…勿論、一つの可能性でしかない。要所が暗示で提示され、妄想が膨らまされるの楽しい。
こういう作りは、作演の意図から逸れて「新たな物語の誕生を許容する器の広さ」があって良いね。
いわゆる二次創作向き。
勝手にPV
制作「山口ちはる」プロデュース
OFF・OFFシアター(東京都)
2017/12/27 (水) ~ 2018/01/07 (日)公演終了
満足度★★★★
4日ソワレ(90分)を拝見。
ネタバレBOX
ストレートプレイというよりも、レビューというか、往年の歌番組を視た気分。
選曲と、着替えシーン(笑)と、ラスト前の『COLOR』に、作・演の倉本朋幸さんの色を強く感じた。
あと、個人的には、池上明杜さん振付の愉快な『♀』、教育テレビみたいな『ごはんが炊けたよ』(振付・椎田香王子さん)が視覚的に愉しめた。
役者陣。
久しぶりにジェットラグさん以外の舞台で観る、安定感抜群の安楽信顕さん
過日のヒロイン役よりも活き活きと舞台映えしていた田中愛実さん
このお二人と…初見の石垣エリィさん(堀内敬子さんとイメージが重なりました)が印象に残った。
おとこしばいおんなしばい2本立て上演 チェーホフ「熊」・ブラッドベリ「霧笛」
A.C.O.A.
四天王寺スクエア(三重県)
2017/11/10 (金) ~ 2017/11/12 (日)公演終了
満足度★★★★★
何と贅沢な時間だぁ。
「霧笛」役者2人の好演に生演奏のSEが第3の役者となって切なげな空気を作る…そして観客を取り込む新感覚。
「熊」えっ?と驚く配役構成が、ラストシーンで意味を成す巧妙さ。そして女優の闘い。
短編集「ふたり、目玉焼き、その他のささいな日常」
空宙空地
七ツ寺共同スタジオ(愛知県)
2017/11/10 (金) ~ 2017/11/12 (日)公演終了
満足度★★★★★
津からのおかわりだけど、またパワーアップしとる。
ただでさえ研ぎ澄ませ続けた芝居なのに、印象的な美術がプラスされ、七ツ寺の空間に映える照明が効果的。
明かりで山形さんに更にエロさがハードコートされてびっくり、凄かった。
短編集なんで、色んな所から心えぐってきて、辛いわ…沁みるわ…切ないわ、所々の笑いで救ってくれるから心ももつけど、堪らんなぁ(良い意味で)。
その真骨頂である如水(2017年物)。遂に名古屋に帰ってきた如水。うん、今年の如水も良いよぉ。全国で揉まれてきたこの一品。できる限り多くの人へ。
そして今回。観れないと思っていた大阪クリエーターズ版サプライズ。良かったぁ。よくぞ名古屋まで来てくださった。
一つすごく印象的だったのは、一瀬尚代さんが…青島青子で初めて見た時とまったく別人に見えたこと。やっぱ凄い生き物だな女優というモノは。あのツンデレ感の訴求力たるや…ラストの表情は反則もの。
おナツ-山形組のサプライズとも、すごい対照的なモノになっていました。
初演の伊吹×熊川組、大阪から招聘の立花×一瀬組と観てきて…演出・個性に応じた味と見所を各々楽しめる幸せを感じる。
もしかしたら、いつかは如水も…
通りを抜けて、街を背に
DanieLonely
公園前スペース いろは (地下鉄御堂筋線「昭和町駅」4番出口より西へ徒歩3分)(大阪府)
2017/12/29 (金) ~ 2017/12/30 (土)公演終了
満足度★★★★★
迷惑な人達 年末の最後の仕事は謝罪 普段なら押し返すが 心が 情けのつもりが 明日は早いのに ゲストハウス詐欺にあった人達を泊める それぞれの人生 嫌なこと 向かい合わないといけない事 ごたごた 疑心暗鬼、いつしかほどける心 お互いを励ます様に解り合う。 そして 歩き出す勇気をお互いが貰う。 勇気は落ちていた。 拾う勇気はそれぞれに合ったから。 寝ないでそれぞれの朝にUSJにそれぞれの都合で想いを果たしに行く。 通りを抜けて町を背に。 あっ でも 3万5千箱の不良品は共有してない 。謝罪の時に、 その後でも 男4人は 通りを抜けて町を背に 友情 ダニエル4人の優しさ 年末に優しい物語 良いお芝居で暖かい気持ちになった。
初めての会場 町の小さな仏壇屋さんの2階の30席位の小さな会場 舞台は単身出張の部屋 舞台中央に布団 左右に棚 小さな部屋 夜 暗い部屋 熊沢さん トイレ 感謝 ゲストハウス 詐欺ですよね、寝ましょう 騙されている 終電無い 電話した 繋がらない 警察 明日何時 6時 早い 何で 謝罪 せっかくの大晦日 迷惑 すいません 寝れない 何時だと 6時 早いな おやすみなさい。・・・・
ネタバレBOX
迷惑な人達 年末の最後の仕事は謝罪 普段なら押し返すが 心が 情けのつもりが 明日は早いのに ゲストハウス詐欺にあった人達を泊める それぞれの人生 嫌なこと 向かい合わないといけない事 ごたごた 疑心暗鬼、いつしかほどける心 お互いを励ます様に解り合う。 そして 歩き出す勇気をお互いが貰う。 勇気は落ちていた。 拾う勇気はそれぞれに合ったから。 寝ないでそれぞれの朝にUSJにそれぞれの都合で想いを果たしに行く。 通りを抜けて町を背に。 あっ でも 3万5千箱の不良品は共有してない 謝罪の時に、 その後でも 男4人は 通りを抜けて町を背に 友情 ダニエル4人の優しさ 年末に優しい物語 良いお芝居で暖かい気持ちになった。
初めての会場 町の小さな仏壇屋さんの2階の30席位の小さな会場 舞台は単身出張の部屋 舞台中央に布団 左右に棚 小さな部屋 夜 暗い部屋 熊沢さん トイレ 感謝 ゲストハウス 詐欺ですよね、寝ましょう 騙されている 終電無い 電話した 繋がらない 警察 明日何時 6時 早い 何で 謝罪 せっかくの大晦日 迷惑 すいません 寝れない 何時だと 6時 早いな おやすみなさい。・・・・トイレ 眠れませんか。 わっ。 ゲストハウス 初めてですか ご自宅は。 静岡 大阪は3ヶ月。何でやねん そうでんな。大阪は、塊なんです 電気消しますね。寒い布団ない ちくしよう 外人女性 エッチな女性 AV ギンギン 目が。電気消しますね。何で点ける。トイレ。私も。私も。トイレ善い匂い 彼女 単身赴任 熊沢さんその布団 暖かいですか 入れて貰って良いですか ・・・ 冗談。トイレ 善い匂い 消臭力。もう寝ますよ ジャンジャン シャンジャン ジャ ジャ 鮫くるやつ。今すぐマナーモードに。ガサ ガサ パリ。何食っているんですか。電気待って ゲストハウス殺人事件。 知らない所に誘導 泊めませんよね普通 殺しませんよね 誓って下さい。熊沢 名前も歳も 熊沢淳二 32歳は猟奇的殺人を犯しません。潔白は私と熊沢さん。いや 私と熊沢さん。自己紹介しましょう。小市民宣言 ・・・ コミヤマ・・・ 飲みましょう。 明日 私 何だっけ。私 目醒めました 羊が・・ 音読かい。そんじゃ寝ますからね。音読すんのかい せんのかい。 私 物語作るのが好き 男の子 おじさん おばさん 帰って来ると怪我 蜘蛛の能力 友達の親父が怪物に 漫画かに成るのが夢 スパイダーマンや コミヤマさんの夢は。DJ 運がなかった 才能しかなかった 今日のラジオは、おやすみです グッナイ 分かりました 落語か ゴン この間に寝ましょう。えっ ここ何処 暗い 誰か助けて下さい 大阪に呪い事。もう 寝ましょう。 電話で話す 決めてやる スーサイド トモロー 出ていった。スーサイド 自殺 キーワードで物語 状況 テロ ゆめ 状況テロ USJ USJでテロ 止めろ追いかけろ。 誰も居ない 怖い怖い あれ どちら。捕まえに。物騒。探して来ます。まず 沢田さんが、殺すぞ。落ち着け。マスクを被る。コミヤマさん まず沢田さんを殺すと。猟奇殺人 罪・・・何をしてしまったんですか。仕事でクッキーの中身を入れ換えた3万5千箱 殺さないで コミヤマさん 殺人犯。あーグルだったんですね。// USJに謝りに行く マイホーム 妻が出ていった スパイダーマンがミッキーに3万5千箱。 お前達が仕組んだんだろ 営業マンの・・・警察 ゲストハウス殺人犯 殺すなんて言ってない シーサイド // 寝れてますか トイレ 篠原さんは何で大阪に 仕事 くび 奥さんに言えてない 勇気は落ちてなかった。コミヤマさん 明日 会う人は?。 USJ 娘が働いている ダンサー 8年会っていない 私が悪い 何でやねん それ良い結果に成らない。マスク 路上に、勇気が落ちてた 3人で被れば変じゃない 熊沢さんも 何 ビールです(ビールの被り物 泡が髪の様に) 私の娘の話なんですけど 皆さん勇気を貰って良いですか 一緒に良いですよ 私も一緒にUSJ 妖怪蜘蛛男はね 一緒に謝罪。今5時 行きましょうか 通りを抜けて町を背に。
ライラックライク
演劇ニッケル
御浪町ホール(岐阜県)
2017/11/04 (土) ~ 2017/11/05 (日)公演終了
満足度★★★★★
ニッケル観た直後って、心地良き混乱の海へ漕ぎ出すのが常だったけど、今回は強い芯があって異なる観後感。伝えることにも比重を置く進化?
文学的ですらある得意の言葉遊びを若者言語で表現した感じや、じわじわ空気を作っていく役者のステップが良い感じ
さんじょのおつや
劇団 いがいと女子
ユースクエア(名古屋市青少年交流プラザ) (愛知県)
2017/11/03 (金) ~ 2017/11/05 (日)公演終了
満足度★★★★★
さすが天野脚本、唸るわ、この仕掛け。
ホンワカいが女面子の絡みが…徐々に放電家族ばりのミステリー感を纏い、更にそれで終わらない人間ドラマを構築。
クセ者作演ペアお見事。いが女メンツに客演男子が凄く効いてて、かなり幅の拡がったお芝居でした。
人工恋愛双曲線
少年王者舘
七ツ寺共同スタジオ(愛知県)
2017/11/02 (木) ~ 2017/11/08 (水)公演終了
満足度★★★★
思考を奪われる魔法の時間… 少年王者舘はいつ来てもそうなる。
不条理感と滑稽さ…空間と動きの美しさ… あらゆる感覚を刺激されてきました。
ドラザムライ
演劇組織KIMYO
愛知県芸術劇場 小ホール(愛知県)
2017/11/02 (木) ~ 2017/11/05 (日)公演終了
満足度★★★★
派手な演出にエネルギッシュな役者、工夫の凝らされた舞台美術…ここら辺は良い意味でいつも通りなんだが、今回は結構味が違うね。野田さんが主役を演じる効果がお話にグッと活かされてて、周りを彩る武将勢が良いバランス作ってた。転換にも面白味あり。
心踏音 -Shintouon-
壱劇屋
HEP HALL(大阪府)
2017/10/27 (金) ~ 2017/10/30 (月)公演終了
満足度★★★★★
ノンバーバルってんで、アクションを楽しむつもりで行ったんです。それが…何て切ない筋書きを仕込みやがるんだ。
終盤…意図に戸惑いながら観てたが、それが氷解した後に現れる芝居が…受け継がれる想いが…何て切ない…何て皮肉。
悪い癖
匿名劇壇
AI・HALL(兵庫県)
2017/10/26 (木) ~ 2017/10/29 (日)公演終了
満足度★★★★★
伊丹まで観に来た甲斐があった。決っして解決しない悩みを…現代でより強まるこの無力感・虚無感を…より鮮明に見せてくれた感じ。今回のメタ感の強さがザ匿名劇壇なのかな。にわかファンなので今回の再演は凄く嬉しかった。石畑さんの役が面白くて好み。
ホシニ*ネガイヲ
fuzzy m. Arts
G/Pit(愛知県)
2017/10/28 (土) ~ 2017/10/29 (日)公演終了
満足度★★★★
「あなたの善意に感謝します」…その怪しげな招待状をきっかけに集う…およそ繋がりの計り難いアスタリスク(*)のメンバーたち。
「自分が行った善意の報告をするために」…言葉でそれだけ言うと、怪しげな新興宗教集団のノリですが、コメディタッチで穏やかに場を温めながら…各々が心に抱える後悔と負い目を吐露していく。
その重さを和らげるかの様な笑いの部分は安定して面白く、キャラ毎のオムニバス感があります。
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ネタバレBOX
(続き)
私の好きなところを挙げるとすれば、…
一つは宮川。穏やかで妙に卑屈で根に持つ語り口は面白い。お気に入りの「トイレの水」発言は台本に無いので、稽古で膨らんだかな。そして、良かれと他人に譲ってしまう為人が産み出す二重の不幸…やりきれなさ…モヤっと伝わってきて辛い。
もう一つは、プラスチック・ゴム製の人形と会話できる異能少女リリィと、キモイ系タコ人形のイカスケのペア。ファジー定番の被り物ですが、ダミさんが演じる辺りからの特異性がなんとも言えない。「あが、あが、あがががが」という笑いとやたら匂いに厳しい毒舌にインパクトあり。二人の掛け合い面白いね。
他のキャラも面白い笑いを振りまきながら、各々が背負う闇を感じさせていきつつの「終盤」の見せ場へ
周到に舞台に置いていかれた「布石」が瞬く間に繋がり、導火線に火が付いたように連鎖して…メンバーが「過去のある事件」で繋がっている事実を呼び起こす。
今の繋がりだけコミカルに見せていたメンバーの背景に、一瞬のうちに複雑な関係性を構築した流れにはドキドキしました。
…割とぬる~いコメディ感が支配した空気からのギャップでインパクトあったし、各人が吐露していた…ぼやけた表現しかされていなかった「後悔と負い目」が…一瞬で鮮明にみえた感覚に、ショックを感じずにはいられませんでした。…フラッシュバックの様に表現されるあのシーン…正直言って、初見で観客が全ての事情をすくい切れるのかな…って気もしますが、どうしようもない不幸の連鎖が起きていたことは、しっかり感じ取れる空気は作られていたと思います。
…この事故を踏まえると、前半にコミカルに描かれるボンの「自己否定感」は、実はもっと根深いものであり、この登場人物の中で最も辛いと思われます。
また、そんな不幸の中で…失うことばかりの背景の中で…唯一得るものがあった…「サクラが今ここで生きている」ことの価値は…本作の大きな救いだと思えます。
関係性が明確化した後に、この両者の事はもう少し手厚く描いた方が観客の心に訴えかける作りになる気もしますが、そうはせず、あくまで均等に描く…あくまで煽らない作りが、石田さんの味なのかな。
あと、主謀者であるリリィの「動機」がもう少しハッキリしてくると…すっと話を呑み込める気もします。何かしら闇の感情を抱えていないと始まらない行為だと…私は思うのですが、…その方面での闇はは窺い知れませんでした。
…いや、兄に対して「父の様にはなるな…」と心で呟くセリフなど、暗示してそうなところはあったんだけど、自分が想像するところと合致しなかったので、私がもっと咀嚼したいところですね…。
モヤモヤと分からないところがあっても、それが明らかに描写されるのが全てでは無いことは確か。要は空気が伝われば良くて、細部は観客が勝手に妄想で補うので充分…というか、その方が楽しいことも少なからず。
伝わる空気は確実にありました。
そこに不幸の連鎖があって、一体どうすれば良かったんだ…という嘆きの数々。善意は必ずしも思うように作用せず、想いに真逆に作用して…不幸を呼び込むことすらあるけど、それでも足掻き続ける善意の人々。
アスタリスクは無くなっても善意の輪は残る。
何かを生み出した…何かが解決した訳でも無いが、皆と会えて良かった…リリィの台詞が象徴するお話でした。
『それからの街』
愛知県芸術劇場
愛知県芸術劇場 小ホール(愛知県)
2017/10/21 (土) ~ 2017/10/23 (月)公演終了
満足度★★★★
何というか…演劇言語が異なると言うべきか…異文化に出会った気分。AAFはいつもそういう出会いを与えてくれる。作曲技法による戯曲かぁ。リフレインを多用する芝居は見慣れて来たけど、それとも異質…その意図を手探りしながらの観劇は充実でした。
そして、鳴海さんと佐々木さんのアフタートークは大当たりでした、充実。
心中天の網島-2017リクリエーション版-
ロームシアター京都
三重県文化会館(三重県)
2017/10/20 (金) ~ 2017/10/22 (日)公演終了
満足度★★★★
歌舞伎の現代リクリエーションに定評のある木ノ下歌舞伎。
そうか…浄瑠璃の現代版はこうなるんやな。情と理性、想いの残るところと離れるところが複雑で巧妙。現代人としての心中へのネガティブな意識も相まって複雑な感情が湧くが、美化しない死に様には好感。
冬雷
下鴨車窓
四天王寺スクエア(三重県)
2017/10/14 (土) ~ 2017/10/15 (日)公演終了
満足度★★★★
特に大きな出来事があるわけではないが、登場人物の心情と背景を深く深く…しかも間接的に描写して… 説明はせずに漂わせる感じ。それ故もやもやと観る者の心に沈殿してくる。奇抜さがないので、芝居を観ているのでなく、その場に居合わせた感覚。いや増す重苦しさに唸る。
アナウメ
廃墟文藝部
千種文化小劇場(愛知県)
2017/10/13 (金) ~ 2017/10/15 (日)公演終了
満足度★★★★★
哀しい結末しか想像できない…非常に統一感のある空気作り。特に舞台美術、音楽、そしてアンサンブルキャストたちの声と動きによる「空気」の支配力の高さが非常に際立った。脇役と見られがちなモノたちによる…観客の心理を誘導する力強い影響力は見事でした。
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ネタバレBOX
(続き)
舞台美術は抽象・具象の両面に利くシンプルな構成。円・四角・螺旋が空間の「枠」として配され、家・戸・窓枠・井戸を具現化しながら、各々が「穴」を想起させる。そして時としてその空間は演じる姿を変える。家が井戸の底に姿を変える瞬間は非常に印象的だった。
アンサンブルキャストもまた具象抽象の両利きで、その都度姿を変える。野良猫・赤ん坊・内心・観察者…八方から代わる代わる響く声は、語りにリズムと重層感を与え、見事な擬態は観客の想像力を呼び起こす。ここまで効果的印象的なアンサンブルを観たのは初めて。
そして音楽。観客心理を支配する最たるもので、元々いちろーさんの音楽は廃墟文藝部とは切っても切れない存在だが、今回は特にある種の感情を刷り込んでくる感覚。サントラを聴き返すとしっかり観劇時の気持ちが蘇るのがすごい。声の多用も人の惑いを象徴してた。
私の感想が物語の解釈以外から入るのも珍しいけど、たとえこの物語の深淵を汲み取れなかったとしても、この空気に触れ…味わって生まれる印象と感情は、物語のどんな解釈よりも得難く、深い印象を残すものと思う。
さて…でもやはり物語の感想に入っていこか。
主題に謳われる「アナウメ」… 心の中にぽっかり空いた穴(喪失感、無力感、罪悪感、嫌悪感…)を…ある時は自分で…ある時は他者が埋める行為。
それ自体にはあまり解釈が変わる余地は無い。
問題は、そんなアナウメ行為の…動機、代償・見返りの有無、…相手の意図・内心との整合度合いだろう。
アナウメが報われなかったり、アナを埋めているつもりが相手にとってはそこはアナでなかったり、逆効果だったり…相手のアナウメのつもりが実は自分のアナウメであったり(それが当たり前であるかもしれないが)、そんな行為と善意・愛情の「噛み合わなさの悲劇」を表す作品だった。
味気ない言い方になるが、突き詰めれば…他者を…ひいては自己を理解することの難しさと、それを誤ること・疑心することによる悲劇に他ならない。
その象徴と思しき「翻訳」という行為。
「本の方がよく人の心が見える。」という言葉も出たが、妻の作品を夫が解釈して翻訳(二次作品化)する構図は極めて象徴的で…
『翻訳とは理解を試みる作業。隠されたヒントから隠された言葉を選び取り、更に隠された心情を読み取る』
というセリフが端的。
その行為は創作のみならず、実生活の投影でもあったわけだ。創作生活を現実にも重ね合わせる発想は「小説家の檻」からの流れを感じる。
そして…妻の作品の「難解さ」と「自分は何か勘違いしてやしないか」という不安が、本作の悲劇の基本構造にも映る。
ミステリアスな作品だが、謎解きは暗示のみに留まる。好きな人は好きに楽しんで…と言わんばかりのたっぷりな余白だ。
そして、アナを埋め続け…最後に自己をも見つめ直して、精一杯の気持ちを囁く夫に…ざーっと冷や水を浴びせかける妻の最後のセリフ。この悲劇の結末に相応しい…なんともコンタさんらしいエンディングだ。
…ここで終われば良いものを、好きなもんでミステリー部分に空想を拡げる。ここから果てなき妄想。本質でないことは分かってる。矛盾をつくとかダメ出しではない。純粋に思索の楽しみ。
最も謎なのは、やはり妻の精神構造。単なる「性行為の記憶の欠落」ではない…性行為直後には満足感・幸福感の描写があり、忘れるのは寝て起きた後…というタイムラグの謎。とてもPTSDの疑いの延長戦上とは思えない。。一種のフラッシュバックにしても妙だ。本当に忘れてたとしても、体に残る違和感は必ずあるはずで、続けば自分に疑心が湧くはずだ。
そして「産んだ子を認知できない」という症状。そもそも人を猫と認知する状況は、「忘れる」とは一線を隔す。演出上の比喩等の類とも思えず…更に起こる殺害疑惑…「何かしら妻の意思が介在した行動…あるいは狂気」を疑いました。
妹の言う『都合の悪いことは全部捨てて、自分は綺麗なままでいる』、『1人だけ汚れないままでいるのは許せない。』からも、過去に何か元カレ事件以上の確執の存在を確信していましたが…結局、最後の井戸の底の事実を目撃しての「妻(姉)の失踪」で、一貫した意図的な行動…という仮説は崩れました。
そもそも当人からは「何かを企んでるオーラ」が一切無いので、この状況を両立させうるのは「多重人格+狂気」の構図かな…と思います。…ただ、人格遷移の「豹変」を感じさせる演出は無かったよなぁ…。まあ、意図的に隠して観る人の想像を膨らませているかもしれないし、当然、単なる私の見立て違いでも良いんだけど、何にせよ色んな想像が成り立つ演出は観ていて…そして観た後も面白いですね。
他にも仮説はあって…、「夫婦の夜の行動」が同じだけでなく、ニュースすら同じ「北朝鮮ミサイル」が繰り返されるので、これは「実は夫の頭の中で反芻される記憶であって、妻は最初から死んでいた説」も浮かんでました(笑)
編集者・妹・少女も絡んでいくことで、あっさり瓦解した仮設でしたが、観ながらそういう疑惑を膨らませるのって楽しいのよ。
夫の心情が本作の核ではあると思うのだけど、夫のみならず周囲の全てをあらゆる方向で惑わせる妻の芝居は、観客をも激しく惑わせて、楽しませてくれました。(終
コンブリ団Re:sources「夏休みのばあちゃん家」
コンブリ団
ナビロフト(愛知県)
2017/10/09 (月) ~ 2017/10/09 (月)公演終了
満足度★★★★
1人の僕(優)を3人の役者が入れ替わりつつ進む展開が興味深い。登場人物9人を役者3人で回す台所事情的な演出テクニックかもしれないが、僕の語りが非常に長い戯曲ゆえ、…台詞を切り分けることで不思議にリズムも良くなり、見た目も軽快。分担により、何となく「僕」の立場を普遍化している様にも感じられ、後々明かされる背景とも絡めると意味深かも。
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ネタバレBOX
(続き)
少年の単独小旅行という設定には、当初は子供向けテイストを想像しており、実際に動物や妖怪も活躍する味付けがあるのだが、その裏でテーマ的に潜む色んな意味でのマイノリティや多様性、空気を読ませる日本的社会観等の一般論的な問題を被せてきたリ、災害や戦争等の特定の社会背景や歴史を重ね合わせつつも…オブラートに包んで明示しない辺りが粋でもあり、がっつり大人向けの作品だ。
異能を持ち…孤独を匂わせる僕に絡む妖怪たち…特にヒトカゲの示唆に富んだ語りやコミカルなサトリも面白いが、それ以上に彼らの年齢設定もいい味を出していて、歴史的な背景との繋がりの意味以上に、現代の大人を揶揄している…人間社会の負の状況の体現の様でもあり、これまた意味深だ。
そして、そんな大人の社会事情はあくまで背景に留めて、子供である僕が…親との思い出や妖怪達を支えにしながらも…あくまで自分の判断で「人の心の本質」を滲ませ、結果を掴みとる結末は何とも心地よい空気でした。
終盤につれ…不思議に大人びていく少年の佇まいに…少年が乗り越えてきたモノを感じさせ、切なくも頼もしい後味でした。余談ですが、本作の「戯曲版」と「公演脚本版」を購入できたので、さらっと読んで比較してみたところ、公演版では僕の配役分割以外にも色々効果的な手が入っていて、「へ~」ってなった。
発言の出所を変えて登場人物の役割のメリハリを良くしたり、観客が察すれば分かることの説明台詞を省いたり、結末の気付きのキッカケを増やしたりしている様でした。
推敲の過程を垣間見れたようで、こういう機会も面白いですね。
パパ・ユートピア
パズル星団
G/Pit(愛知県)
2017/10/06 (金) ~ 2017/10/08 (日)公演終了
満足度★★★
登場人物の性質と噛み合った「役者の奔放さ」がコメディとして活きた作品でした。
若手女優陣の楽しんでる感や、ここらでは見掛けない豊田の劇団からのヒロイン抜擢、自称幻想舞踏家の様々な銅像ポージングの造形美…等々、面白みはふんだんにありました。
…ただ一方で…せっかくある「特異さ」を活かしきれず、全体としてちぐはぐ感のある印象も残った作品でした。コメディとして前者だけでも楽しめますが、後者がもったいないなぁ…と。
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ネタバレBOX
(続き)
そう思ったきっかけが「この作品の最初の着想が"TPP"だった」…というアフタートークでの話です。
予想外が色々と渦巻く点が特筆できる本作でしたが、その話が作中以上に…意外の最たるものでした。
突然、父が語り始めたTPPは作中で異様に浮いており、それが飛び道具としてあるなら…さもありなんです。
…しかしそれが着想の根幹であるなら、そこからの話の拡がりがもう少しあって然るべきかと。
TPPから始まってこうなるって、どんだけ迷走たんや…とも思ったのですが、コメディとして味付けしていく過程で、極めて特異な最初の着想を膨らますことが…なおざりになったのでしょうか…。
もう一つの特異さ。
本作の登場人物達の特徴は、主人公カップルを除いて…誰も彼もが「頭がおかしい」って言ってよい程に自己中心的…いや、それに留まらず「他人のモノはどうでもいい」ってサイコパス気質なとこ。…
…それが悪いのではなくて、それならばブラックユーモア路線を貫いても良いはずなのに(むしろその方が私は好みですが笑)、結局、中途半端に母の愛情をアピールする展開になったりして、やはりちぐはぐ感が否めない。
話の展開でも…
…「秘密が秘密であるべき理由」が納得できずにモヤモヤするところがいくつかあったのですが、善意を前提で考えると成り立たないロジックも、そういう特異さを絡めるとスッっと呑み込める筋にできる気もします。
2つの特異さは共に強みだと思うのに、…一般的な面白さやヒューマニズムも追ったが故に、せっかくある特異さを生殺しにしてしまった気がします。
作演の高倉さんはかなり真面目な気質のご様子で、失礼ながら、もしかしたら自分の特異なセンスを掴み切れていないのかもという気もしました。…特異なところを特異と思っていないから、こういうことが起きるのかも。
いつにも増して勝手な言い草で恐縮ですが、ちょっと前向きに気になったので書きました。
的外れならゴメンなさい。こんな特異な曲解されたっ!と笑ってスルーしていただけると幸い。
Voice Training
虚空旅団
ナビロフト(愛知県)
2017/10/06 (金) ~ 2017/10/08 (日)公演終了
満足度★★★★
一緒に講座を受けている様な感覚。教訓がふんだんに散りばめられているが、それが参加者から万遍なく生み出されているのが心地良い。講師というよりファシリテーターってヤツ? 複数の悩みの中での共通点、受け取り方の相違、変化も興味深い。