
滅びの国
ロ字ック
本多劇場(東京都)
2018/01/17 (水) ~ 2018/01/21 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/01/21 (日) 13:00
山田佳奈の描く芝居は、少し壊れた人々が展開する話であることが多い。今回は、団地の専業主婦で夫が部下と浮気中という状況に倦んだ女(吉本菜穂子)が若い男を買う所から物語が動く。男は、少し壊れた若者達と一緒にシェアハウスに住み、怠惰で不道徳な生活に浸る……。ありふれた話と言えばそうだし、2時間半かけて展開するストーリーなのかと言えば、冗長感があるのは確かだが、それでも緊張感を維持できているのは、(多分)6年ぶりに舞台に上がる吉本の存在感である。他の役者陣も熱演してはいるが、吉本で保っている芝居と言っても過言ではないように思う。

ぼくらの90分間戦争
企画演劇集団ボクラ団義
in→dependent theatre 2nd(大阪府)
2018/01/19 (金) ~ 2018/01/21 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2018/01/20 (土) 18:00
人気がある劇団らしいですが、未知でした。
「小劇場なのにお値段やや高めなのね。」と思っていました。
ここでの評価もさほど高くなかったのでそれほど期待していませんでしたが、見事に裏切られた形。
初観劇でしたが、とても素晴らしかった。
クオリティー高い!
アフタートークも面白かったです。

アスファルト・キス
ワンツーワークス
あうるすぽっと(東京都)
2018/01/18 (木) ~ 2018/01/21 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/01/19 (金) 19:00
音響、舞台装置、照明とても素晴らしい。時々挿入される、アスファルトキスの現場のフラッシュバック(雨の夕刻、皆傘をさしている)も、物語をよく引き締めている。
ラストへの伏線も、きちんとあるし(主人公の義父のセリフや仕草、妻の心情吐露)、サスペンスとしては面白い出来だと思う。
しかし、皆さんがおっしゃっているように、同性愛や事件のねつ造、権力者のエゴや民衆の悪意、1つ1つを取ると、確かに未消化というか、半端な感じは否めない。
もう70年前にもなろうかという時代を描いた戯曲なのだから、それなりに演出家も工夫を凝らしたのだろうけれど、もっと現代に引きずり込んでもよかったのかな、と思う。
刑事や新聞記者の悪意も、単に傲慢であるだけではなく、もっと陰湿で匿名性の高いものであったらと思う。
でも、こうした半端さを含めて、好きだな私は。

換身
劇団普通
SCOOL(東京都)
2018/01/18 (木) ~ 2018/01/19 (金)公演終了
鑑賞日2018/01/19 (金) 15:00
「劇団普通」を継続して観ようと思った動機が、新宿眼科画廊におけるカフカの「変身」の舞台だった。あまりに見事な場面転換、グレゴール・ザムザの変身が劇中人物の視点を我々に共有させることで実現させるといった斬新さetc。見事の一言。
そして、「帰郷」今回の「換身」オリジナルが続く。
さて「換身」
これが、難解なのか、訳わからないのか。何とも評価できない。
話としては、
御旅屋を飲み、お茶と灯油を車で買いに行く、しかし、それを車に置いたまま家に戻る。
家には、老人が1人ないし2人いるようだが、彼らは部屋の電気を点けることを自らすることを拒んでいるようだ。上着を脱いで、どこかに置いてきて、また着て。そして、また外に出て、、、これを繰り返す。
買い物に行く途中にある女を見かけるが、彼女がどのような服を着ていたのかも思い出せない。だから、、、、登場する2人はいつ「換身」したのだろう、それとも同居する老人たちと?
でも、またこの劇団を観に行くのだろうな、とは思う。

TERROR テロ
パルコ+兵庫県立芸術文化センター
紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)
2018/01/16 (火) ~ 2018/01/28 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2018/01/20 (土) 14:00
座席1階18列16番
観劇後に、同行した方と、今観た舞台について意見を交わすことはよくあることです。1人観劇でない限り、少しお酒を入れての反省会(アフターファンクション)は、観劇の楽しみの一部であり、よほどのことがない限り外せないものです。
その時に時間が取れなくとも、別の観劇の意見なども交えながら、後日、飲み会の席で交わす演劇論議は、「あ、それ観たかったな」とか「○○はちょっと苦手なんだよな」なんて、たわいのない会話は、観劇人にとっての日常でもあります。
しかし、今回は。
私は無罪、同行者は有罪。酒が進むほどに、議論は白熱し、声のトーンも上がっていたのではないでしょうか。議論の中心は、憲法違反を許すべきか(加えて、軍人として命令違反は許されるべきか。生命の軽重を図ってはいけないにしても、7万+164名の命を葬るのと、164名の命を葬るのとどちらを選ぶのか、という問題をどうとらえるのか。
私の回は、208対200で有罪でした。
ちょっと、興奮した2人が、場を和めるために出した結論は、、、、

昏闇の色
BuzzFestTheater
駅前劇場(東京都)
2018/01/17 (水) ~ 2018/01/23 (火)公演終了
満足度★★★★★
不誠実な人たちによる、結局のところ保身に終始した人間の弱さが次々と露呈していくドラマ。
・・やれやれ😥。
今回もお腹いっぱいです。

父の黒歴史
ラッパ屋
紀伊國屋ホール(東京都)
2018/01/20 (土) ~ 2018/01/28 (日)公演終了
満足度★★★★
大雪、と言ったら東北の人には笑われるだろうが、東京では珍しく夕方から雪になって、たちまち交通機関は機能不全。普段なら一時間もかからない劇場まで一時間半。帰りは不通のおそれとの広報が行き過ぎて、終演後のノロノロ電車はガラガラだった。
そんな中でもラッパ屋の客は律儀である。いつも通り、ほぼ9割の客足だが売れた席には遅れても客が来る。結局最後まであいていた席は記者席・関係者席だけだった。
客席を見るとその劇団の健全度が解る。この劇団はサラリーマン演劇とうたっているだけあって、最近はさすがに若者の率は減っているが、それでも、老若男女まんべんなく市民の芝居好きがやってくる。政治のおこぼれにあずかろうとする劇団や、タレント頼みで儲け優先の劇団は少しは学ぶと良い。
旗揚げの頃から老成して見えた座付の主宰・鈴木聡もそろそろ実年齢還暦を越えたのではないだろうか。喜劇の作家と言うのは、そろって気難しいものだが、鈴木は(実際はそうでもないのかもしれないが)いつも春風駘蕩の雰囲気で劇場の入り口にいる。客も律儀だが、劇団の方も律儀で、結構メディアやほかの公演でも売れて、脇役に欠かせない役者も多くなったが、劇団員の顔売れはほとんど変わらない。
「父の黒歴史」は劇団員にゲスト十人近くの大一座。中身は、例によっての鈴木節で、面白く笑っているうちにお開きになる。ここのところ、小劇場も市民生活を舞台にとるようになって、いくつかの劇団が小商売の家を舞台に芝居を作ったが、この芝居の荒唐無稽な百円ライター製造業一家ほどのリアリティがない。及んだのは「60‘エレジー」の蚊帳屋くらいだ。この芝居のほとんどむちゃくちゃの一家が成立しているのは、家の根底のモラルに戦後昭和の時代精神をみて、鈴木が時代批評をしているからだ。喜劇作家の基本がしっかりしている。
過激な若者劇団も、昔の主義主張を繰り返す老残劇団もいいが、どちらも現実性がない。東京市民はこの劇団を市民劇団として誇っていいとさえ思う。

イカロス戦記
ジョーカーハウス
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2018/01/19 (金) ~ 2018/01/22 (月)公演終了

あの子の宿題
犀の穴プロデュース
犀の穴(東京都)
2018/01/18 (木) ~ 2018/01/21 (日)公演終了
満足度★★★★
福地さんはやっぱりとても男前でカッコ良くて好きだなと思いました。近い距離でこれだけの上手い役者さんを拝めるのはありがたいことです。

虚構の劇団 第13回公演「もうひとつの地球の歩き方 〜How to walk on another Earth.〜」
虚構の劇団
座・高円寺1(東京都)
2018/01/19 (金) ~ 2018/01/28 (日)公演終了
満足度★★★★
本当のシンギュラリティはターミネーターとかレプリカントとかAIがカラダを持った時ではないでしょうか。もうひとつの地球はどこにあったんだろう。

1万円の使いみち
monophonic orchestra
Geki地下Liberty(東京都)
2018/01/13 (土) ~ 2018/01/21 (日)公演終了
満足度★★★★★
評判がとても良かったので観に行きました。
小田急線、井の頭線と題材が身近であったことで楽しみやすかったです。役者さんの演技も上手く安心し観ることが出来ました。

アスファルト・キス
ワンツーワークス
あうるすぽっと(東京都)
2018/01/18 (木) ~ 2018/01/21 (日)公演終了
満足度★★★
遠い昔の映画で見たような、警察やマスコミの「賄賂」「でっちあげ」「恫喝」が幅を利かせている、「警察」と聞いた人たちが一様に眉をひそめる、そんな時代。女性を物のように扱ったり、人権という言葉が無いような描写に衝撃を受けた。時代背景や文化が違う所為か感情移入できる登場人物が居らず、違和感や嫌悪感ばかりが先に立ってしまった。登場人物がみんな人の話を聞かず大声で自分の言いたい事だけを言っていて、結局最後まで何が真実で、誰が本当の事を言っているのか分からなかった。その中でただひとつの真実がラストに明かされたことで、自分の中で作品が消化されたように思う。サスペンスドラマの手法であれば、腑に落ちる感じがする。わたしにはなかなかハードルの高い作品でした。

滅びの国
ロ字ック
本多劇場(東京都)
2018/01/17 (水) ~ 2018/01/21 (日)公演終了

そこのこと
空間交合〈アサンブラージュ〉リジッター企画
CBGKシブゲキ!!(東京都)
2018/01/17 (水) ~ 2018/01/21 (日)公演終了

はなしたく、ない
feblaboプロデュース
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2018/01/22 (月) ~ 2018/01/24 (水)公演終了
満足度★★★★★
めちゃくちゃリアルな修羅場が繰り広げられていました!修羅場ゆえに沈黙する場面が多々あるのですが、正しく「静寂が耳に痛い」という感じでした。本当に間近で劇が繰り広げられるので、「ファミレスでたむろしてたら近くの席で修羅場が始まった」という視点でも楽しめると思います!

エンれぱ!Vol.3
しむじゃっく
新中野ワニズホール ( Waniz Hall )(東京都)
2018/01/04 (木) ~ 2018/01/08 (月)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/01/08 (月) 13:00
価格2,000円
鶴さんチーム千穐楽を観劇。1編目「ファンシーゲリラ」は職場で組むこととなった真逆なタイプの二人の対比からの相互理解・融合(?)を経ての前進が心地好く2編目「Lie Phone 4s」は次第に加速し混乱の度合いが増すのがいかにも冨坂作品(初演を思い出しつつ観た)3編目「女生徒」はテキストの区切り方・割り振り方・見せ方とちょっとした現代アレンジが見事。各編それぞれ面白かった♪

フローズン・ビーチ
ミキミキ・コネクション
シアターシャイン(東京都)
2018/01/18 (木) ~ 2018/01/21 (日)公演終了
満足度★★★
この戯曲は全体のストーリーに光るところは無く、ギャグもつまらないし、昔のキーワードも表面的に使っているだけで、伏線回収にも冴えがありません。唯一ビクッとしたのは、市子を地球の裏側にまで連れてきた意図が明らかになるところです。
ナンセンス劇あるいは不条理劇とも言えますがそれも中途半端で、そういうものを真面目に演じる不条理、という不条理の入れ子構造にも見えてきます。
しかしcorichで検索すると、この作品は異なる人々によってコンスタントに上演されています。演じたくなる女優さんと何が面白いのかさっぱり分からない私のような観客の間には高い壁がありそうです。まあしかし、壁を崩すことに無駄な努力をせず壁のこちら側にいるコアなファンを増やすために女優業に精進するのが吉でしょう。
私にはあまり伝わらなかったものの、今回の4人の女優さんはしっかりとした演技を見せてくれました。
西村めぐみさんの狂気は本物に見えてうすら寒くなりました。
矢野歌織さんは冒頭の長電話で女性の会話のうんざり感を十分に出していました。
北本あやさんは甘えキャラというか癒しキャラというか、それにふさわしい舞台で観てみたいと思いました。
宇野仁美さんのチャイナドレスのコスプレは5つ星でした。東京ゲームショウのコンパニオンになら引っ張りだこ、キリリとした大人化粧をすればモデルも行けるんじゃないでしょうか。

イカロス戦記
ジョーカーハウス
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2018/01/19 (金) ~ 2018/01/22 (月)公演終了
満足度★★★★★
はじめての劇団さんでしたが、期待を超えてきました。良かったです!設定も面白かったし、笑えたし。なにより元気!次回作も期待してます。

サクラと私と不透明な昨日までのこと
劇団 Sakura Farm
学習院女子大学 (東京都)
2018/01/19 (金) ~ 2018/01/21 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2018/01/21 (日) 19:00
価格1,500円
19:00の回(晴)
18:20正門着、今夜はpafe用の入館証でした。
会場着、受付をお願いするとリピート扱いで割引していただけました。
18:30開場、昨日の隣の席へ。
右横のテーブルには(講義?)書き込まれたルーズリーフが数枚(ちらっと覗き込むと神言の発展と書いてあるようにみえる)、長方形の白いパネル、昨日と同じ。
周囲を見渡すと他のテーブルも同じ。みんなどこかに行ってしまったのか冷え冷えとした風景。
正面のガラス窓には室内風景が映りこんでいて昼間とは雰囲気が違います。戸外には工事フェンスの赤色灯。なにか危険を暗示しているようにもみえます。
18:57前説、19:06開演~20:36終演。卒業生のみなさんはこの回でおわり。
オープニングとエンディングが違っていました。「夜(闇)」だからできる演出。
前日観ているので2ケ所での会話もなんとか聞き取れました。
また、対立する会話の拠り所についても少し距離を置いて観ることが出来ました。
自分だったらどうするだろうか、という点についてはひとつの答えが出せたかと思います。
「人魚姫」「女生徒(2015/11)」では遠藤由唯さん、關根空さん。中井美帆さんは脚演出でした。
「卒業公演」を題材としたお芝居、昨年の秋季高校演劇大会でも採り上げている学校がありました。上演できたお話し、できなかったお話し、どちらも役者としての演技と自身としての想いとが自然に溶け込んでいました。
役者紹介はよかったと思います。ご本人が役名だったのですね。できれば当パンに役と相関図などあるとありがたいです。
生ギターは好みのよい音色でした。
また、どこかの舞台でお会いすることがあればなと思いつつ。

バイオレットピープルの涙
さひがしジュンペイのゲイジュツ茶飯
新中野ワニズホール ( Waniz Hall )(東京都)
2018/01/12 (金) ~ 2018/01/21 (日)公演終了
満足度★★★★
二人芝居ならではの掛け合いのテンポに引き込まれました。
個々の役者さんの熱量の高さに圧倒されました。
今回は古典ものではなく、ユーモラスな場面も多々あり、更に楽しめました。