満足度★★★
この戯曲は全体のストーリーに光るところは無く、ギャグもつまらないし、昔のキーワードも表面的に使っているだけで、伏線回収にも冴えがありません。唯一ビクッとしたのは、市子を地球の裏側にまで連れてきた意図が明らかになるところです。
ナンセンス劇あるいは不条理劇とも言えますがそれも中途半端で、そういうものを真面目に演じる不条理、という不条理の入れ子構造にも見えてきます。
しかしcorichで検索すると、この作品は異なる人々によってコンスタントに上演されています。演じたくなる女優さんと何が面白いのかさっぱり分からない私のような観客の間には高い壁がありそうです。まあしかし、壁を崩すことに無駄な努力をせず壁のこちら側にいるコアなファンを増やすために女優業に精進するのが吉でしょう。
私にはあまり伝わらなかったものの、今回の4人の女優さんはしっかりとした演技を見せてくれました。
西村めぐみさんの狂気は本物に見えてうすら寒くなりました。
矢野歌織さんは冒頭の長電話で女性の会話のうんざり感を十分に出していました。
北本あやさんは甘えキャラというか癒しキャラというか、それにふさわしい舞台で観てみたいと思いました。
宇野仁美さんのチャイナドレスのコスプレは5つ星でした。東京ゲームショウのコンパニオンになら引っ張りだこ、キリリとした大人化粧をすればモデルも行けるんじゃないでしょうか。