最新の観てきた!クチコミ一覧

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團菊祭五月大歌舞伎

團菊祭五月大歌舞伎

松竹

歌舞伎座(東京都)

2025/05/02 (金) ~ 2025/05/27 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

「花盛りの娘三様」

 菊之助改め八代目菊五郎、丑之助改め六代目菊之助の襲名披露の團菊祭である。昼の部の最後に玉三郎と三人の「娘道成寺」が出た。

ネタバレBOX

 道行きではすっぽんから新菊五郎と新菊之助がドロドロでせり上がる。大曲に果敢と立ち向かう親子といった絵で緊張感がありながらも微笑ましい。新菊之助がすっぽんで下がってからの新菊五郎と聞いたか坊主たちによる問答はひととおり。このあと紅白の幕があがって初めて玉三郎と三人で揃った姿に観客から大きな喝采があがった。

 「言わず語らず」の手踊りまで三人で揃い、このあとの鞠唄は新菊之助が新菊五郎とまず踊り、そこに割り込むかたちで玉三郎と二人で踊り分ける。父親と先輩に挟まれた新菊之助はここから花笠まで踊り抜くから大したものである。

 お待ちかねのクドキはまず新菊五郎がひとりでしっぽりと、「ふっつり悋気」から玉三郎が入って男女の機微を娘姿の二人が表現する。性が倒錯し怪しくも美しいこの二人のクドキは、2004年初演の「二人道成寺」の感動を呼び起こした。客席に向け手ぬぐいを撒いてからの山づくしは新菊五郎・新菊之助親子、「ただ頼め」は玉三郎ひとり、そこから引き抜きとなり鈴太鼓を持ってからまた三人で鐘入りまで踊り抜いて幕となった。

 襲名ならではの豪華な一幕を大いに堪能した。
illuminaTe The Room

illuminaTe The Room

遠山ドラマティア

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2025/04/25 (金) ~ 2025/05/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ザ・エンターテイメント。
SFもののコメディベースではありつつシリアスな展開、ミュージカル・2.5次元・ストレートプレイの其々の面白さを集めたような作品でした。
キャラクターや背景の設定が細かく深みを感じますが、パンフや上演台本を読まないと拾い切れない部分があるのは少し残念かもしれません。ミュージカルというには…とも感じますが、そのあたりは他の面白さでカバーしているということで。
主演の藤原祐規さんの芝居がまずとても巧い。巧い人が真ん中に立つと作品が安定するなぁとつくづく思いました。
語られていない部分も表情や仕草でこれだけ伝わるものかと。膨大な台詞が聞き取りやすく聞き心地が良い。
音くり寿さんの歌唱力は当然ながらレベル違いといいますか、このキャパでこんなすごい歌を聴けるなんて!と感動します。
この二人がキャラクターとしても役者としてもバランスの良さと技術面がうまく噛み合っていて光っていました。

楽屋より愛をこめて2025

楽屋より愛をこめて2025

劇団S.W.A.T!

「劇」小劇場(東京都)

2025/04/17 (木) ~ 2025/04/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/04/26 (土)

26日の昼・夜で両楽屋を観劇。
とある演劇公演の初日・中日・千穐楽のハプニング(トラブル?)をその劇場の楽屋を舞台に描いたコメディ。
もちろん誇張/戯画化されているが、そこまで極端でなくとも似たようなことは実際にありそうで虚実の狭間を描いているのが愉しい。
さらに舞台役者であれば避けられないであろうことも描いて鮮やか。
あと、ルーキー楽屋Ver.とベテラン楽屋Ver.、2つ3つの固有名詞の違いといくつかの立ち位置の違いだけで同じ筈なのに役者の違いでかなり異なった印象なのもダブルキャストの醍醐味。

逆光が聞こえる

逆光が聞こえる

かるがも団地

新宿シアタートップス(東京都)

2025/04/24 (木) ~ 2025/04/27 (日)公演終了

実演鑑賞

劇団としては10回目となる本公演だそう。20代のおわり、いままでのところで作家が「目をそらしてきたこと」を描くのだという115分。4月27日までTHEATER/TOPS。

https://kawahira.cocolog-nifty.com/fringe/2025/05/post-05fafa.html

『パンとバラで退屈を飾って、わたしが明日も生きることを耐える。』再々演ツアー2025

『パンとバラで退屈を飾って、わたしが明日も生きることを耐える。』再々演ツアー2025

趣向

スタジオ「HIKARI」(神奈川県)

2025/05/09 (金) ~ 2025/05/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度

鑑賞日2025/05/11 (日) 16:00

座席1階1列3番

価格4,000円

あまい洋々の結城真央氏がいう「「とある現実」を材料にして、ルポやドキュメンタリーなどノンフィクションとして世間に出されること、ドラマや小説などフィクションとして世間に出されること、どちらにも搾取性や暴力性」をこれほど感じる作品もない、と個人的には感じた。
過去に親や大人に虐待を受けたりいじめにあって心を病んでしまっている人、あるいはそれに近い経験があった人にはオススメできない。逆に、そういう人たち(虐待サバイバー)に「かわいそうな人」と同情の目を向ける人、もしくは「確かに不幸なことはあったがいつまでも過去に囚われて乗り越えることができない努力が足りない人」と批判的な目を向ける人ならば、この話はとても理解できるし、納得のいく素晴らしい劇に見えることだろう。
とはいえ、中庸な発想が自然にできる人ならば、「言いたいことはわかるけど、そういうもんだろうか」という違和感は感じてくれると信じたい。

ネタバレBOX

「こうあるべき」というのに散々タコ殴りにされて病気になった人のことを劇中で、優しくしているつもりで実はさらに「こうあるべき」でタコ殴りにしている劇です。
赤目兎の罪悪感

赤目兎の罪悪感

らくだ企画

studio ZAP!(東京都)

2025/05/09 (金) ~ 2025/05/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

誰もが葬りたい過去を抱えて生きており、その痛みを癒す そんな心を探す旅のよう。
古事記「因幡の白兎」をモチーフに、人生の罪悪感を問う物語。説明にあるように、修学旅行先の下見のため 車を走らせていたが…。気が付いたら赤い目をした兎が現れて、「人生コンティニューしますか?」と問う。続けて「ここは黄泉の国の入り口ー黄泉比良坂だ」という。

一般的に「因幡の白兎」では、嘘や欺瞞を戒め 親切で優しい心が大切だと伝えている。そして困難を乗り越えるためには、周囲の助けを借りることが大切で、自己中心的な行いは良くないといった教訓的な教え。この教訓的なことを教師1人ひとりが或る生徒との関りを通して罪悪感を告白していく。どうして この生徒と関わっていくのか、その謎めいた設定が肝。しかし、何故 教師がそれほど罪悪感を抱かなければならないのか釈然としない。だから「人生で最も愚かな罪悪感を正しく告白してください」、その追及に迫力を欠く。自分の感想は、劇作意図(対象者のこと)と反対かもしれないが…。
(上演時間1時間20分 休憩なし)

ネタバレBOX

舞台美術は、白い車のフロント部分のみ。ナンバープレートは 「出雲303.わ.5 09」で、修学旅行先は出雲地方だと知れる。車の後ろに黒い箱馬が並び、高い段差を設える。その左右に黒い幕。全体的に昏い中で白い車体が浮かび鯨幕のようにも思える。それが黄泉の国といった雰囲気を漂わす。物語の展開に応じてフロント部分を回転させ、職員室や保健室の場景を表す。

或る生徒の自死がキッカケで 修学旅行先を変更、その下見をする5人の教師たち。何故 修学旅行先を変更する必要があるのか不明。当日パンフがないため、教師(教科)と生徒の名前は定かでないが、台詞からサワワタリ(社会)、カラスマル(英語)、フクロタニ(国語)、イヌイ(体育)そしてコサカ(養護)、生徒はウサミ。黄泉比良坂にいて赤目兎の被り物をしていたのは ウサミ。つまり自死したのはウサミで、存命中に この教師たちと関りがあった。ここで言う<罪悪感>とは、主にウサミとの関りという限定された狭い中でのこと。

ウサミは孤児院育ちで、里親に引き取られた。里親との関係は特に描いていないが、周りからは恵まれた環境と言われていることから良好のようだ。しかし、ウサミの気持は孤児院(仲間)での暮らしのほうが幸せ、その鬱積が自閉傾向になり 保健室登校へ。カラスマルは成績優秀なウサミを更に伸ばすため、イヌイは悩みごとは何でも打ち明けろ というが、それらはウサミの癇に障る。生徒1人ひとりの個性や考え方に合わせた教育は難しい、そんな冷静な教師がサワワタリ。実は 彼も孤児院育ちでウサミの兄貴的存在。

公演では「因幡の白兎」の教訓は、前段ではなく 後段の”自己中心的”なウサミに焦点を当てているように思えた。そしてサワワタリの「教師を信じるな」は、過度に期待するなといった甘えに対する苦言のよう。罪悪感を知らず、黄泉の入り口で彷徨っていたのは、赤目兎ことウサミの方ではなかろうか。ラスト、黄泉比良坂の管理人ー赤目兎をウサミに代わってサワワタリが担うが、その役割は必要なのか?いくつかの不明や疑問が解けていないようで 気になる。
登場人物は僅か6人、その役者陣の演技は確かで、1人ひとりの立場、考え方、キャラクターを巧く立ち上げていた。
次回公演も楽しみにしております。
いつかの日の

いつかの日の

こわっぱちゃん家

アトリエファンファーレ東新宿(東京都)

2025/05/01 (木) ~ 2025/05/05 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

めっちゃ良かった。中盤からの急展開にびっくり。思わず泣いた。

ワトソンとスィートホームズ/皆目見当がつかない

ワトソンとスィートホームズ/皆目見当がつかない

かーんず企画

シアター711(東京都)

2025/05/02 (金) ~ 2025/05/06 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

【ワトソンとスィートホームズ】観劇。面白かった!演者もストーリーも良かった。

赤目兎の罪悪感

赤目兎の罪悪感

らくだ企画

studio ZAP!(東京都)

2025/05/09 (金) ~ 2025/05/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

最高でした。あっぱれです。ドンピシャのキャスティングでしかもチームワークのいいこと。内容もかなり深いです。ステージ最後のキャストインタビューで女優さんが涙ぐんだところで私も思わずもらい泣きしてしまいました。ほんと、舞台って下準備など大変の一言ではすまないことありますよね。いろんな苦労の末に舞台があることを考えると千秋楽を迎えた今日、いろいろ感慨深いものがあったかと思います。ほんとすばらしい舞台でした。脚本と演出を手掛けられた中井さん、なかなか有望ですね。すごくポテンシャル感じました^^

夏の夜の夢〜嗚呼!大正浪漫編〜

夏の夜の夢〜嗚呼!大正浪漫編〜

シアターRAKU

Space早稲田(東京都)

2025/05/05 (月) ~ 2025/05/17 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

いや~これは楽しいサバトの世界。『夏の夜の夢』ベースだから、話は分かり易いし、のほほんと観ていられました。元気な高齢出演者に元気づけられます。ラストの劇中劇もなかなかのモノ。

「この話、したっけ?」令和!太鼓判の巻

「この話、したっけ?」令和!太鼓判の巻

劇団伽羅倶梨

KARAKURIスタジオ(大阪府)

2025/05/09 (金) ~ 2025/05/12 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

毎回、心を洗われるのですけど、皆さん、あっぱれ❗️です。
前向きになりますね。
お芝居観られてありがとう

「赤ペン先輩」/「月と首長竜」

「赤ペン先輩」/「月と首長竜」

劇団六風館

大阪大学(豊中キャンパス)(大阪府)

2025/05/10 (土) ~ 2025/05/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

やはり六風館
時短でリーディングも良かったです!
次回も期待してます😊

『ドン・キホーテ・・・狂気を演じ続けて・・・』

『ドン・キホーテ・・・狂気を演じ続けて・・・』

劇団クセックACT

愛知県芸術劇場 小ホール(愛知県)

2025/05/02 (金) ~ 2025/05/05 (月)公演終了

実演鑑賞

1人で語ってる部分がほとんどで................難しい。

『ドン・キホーテ・・・狂気を演じ続けて・・・』

『ドン・キホーテ・・・狂気を演じ続けて・・・』

劇団クセックACT

愛知県芸術劇場 小ホール(愛知県)

2025/05/02 (金) ~ 2025/05/05 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★

いろんな場面で気になる事(例えばシ-ソ-に乗って会話している時、バランスを崩しそうだなとか、数人で同じ台詞を言っている時、揃って無くて聞き取り難い、女性達が一斉に足を上げてその姿勢を永く保っている時は、腹筋が凄いなとか)で内容が理解不能でした。

「赤ペン先輩」/「月と首長竜」

「赤ペン先輩」/「月と首長竜」

劇団六風館

大阪大学(豊中キャンパス)(大阪府)

2025/05/10 (土) ~ 2025/05/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

六風館さん久しぶりに観劇しました☆オムニバス形式ですがトータル的に面白かったです!無料で拝見出来るのが申し訳ないくらいの素晴らしい公演でした\(^o^)/

ボニー&クライド

ボニー&クライド

東宝

博多座(福岡県)

2025/05/04 (日) ~ 2025/05/05 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★

鑑賞日2025/05/04 (日) 18:00

■【舞台写真】ミュージカル『ボニー&クライド』本日初日開幕!
https://horipro-stage.jp/special/bonnieandclyde20250310/

キャスト:
クライド・バロウ:矢崎 広
ボニー・パーカー:海乃美月
テッド:太田将熙

 言わずと知れたアメリカン・ニューシネマの名作『俺たちに明日はない』(原題:BONNIE&CLYDE)のミュージカル舞台化。
 ではあるが、往年の名画も未見という若い観客も多い現代日本においては、ボニーとクライドのカップル・ギャングが、当時のアメリカでなぜヒーロー扱いされ、銀行強盗を繰り返すたびに喝采を浴びていたか、その理由が今ひとつピンと来ないのではないかと思う。
 劇中でもクライド・バロウが自分たちの行動を「アメリカン・ドリームだ!」と叫ぶシーンがあったが、実際には彼らが活躍した1930年代、開拓時代はとっくの昔に終わっていて、勝ち組と負け組の格差は歴然としており、「成り上がり」としてのアメリカン・ドリームは望むべくもなかった。
 その「勝ち組」と「負け組」の差にしたところで、元々は同じ「開拓者」だったわけで、一方が「うまくやってのけた」のに対して「やり損ねた」側の人間は、言いがかりに近いやっかみを持つようになるわけである。「銀行」という「搾取する側」ばかりを狙うバロウギャング団が、時代のヒーローとなっていったのには、「虐げられた人々」の暗い願望を満たしてくれるカタルシスがあったからだと言える。
 『俺たちに明日はない』が評価を受けたのは、ボニーとクライドを過剰にヒーロー扱いせず、ごく小さな幸せを願っていた個々の人間として捉え直した点にある。
 クライドはビリー・ザ・キッドに憧れてはいたが、最初から犯罪に走るつもりだったわけではない。小さな罪に対する過剰な罰、その理不尽さに対する憤りが彼の暴走を誘った。ボニーに至っては女優クララ・ボウに憧れる平凡な主婦にすぎない。それがバロウギャング団の中核となるとは運命のいたずらとしか言いようがない。
 はっきりと断言できることは、ほんの些細な躓きさえなければ、彼らはごく平凡な一生を終えていたであろうということだ。クライドは酒場の下働きで、ボニーは別れた夫とよりを戻して、普通に老境を迎えていただろう。
 しかし、侵略と支配、不正と欺瞞の上に成立したアメリカという国は、ボニーとクライドのような「負け組」の人々の犠牲を強いることを厭わなかった。がんじがらめの不自由を意識した時、そこからの脱却を図らない者がいるだろうか? たとえそれが「犯罪」という手段であったとしてもだ。
 強盗、殺人を繰り返すそのさなかにあっても、彼らが望んでいたのはささやかな幸せでしかなかった。それが切ない。そしてその幸せすら奪われてしまう悲劇。何か一つ、道を間違えれば、我々だって同じ道を辿りかねない。実際、闇バイトで強盗を繰り返すような人間が、ごく普通の青少年だったってこと、現代ではよくあることじゃないかな?
 誰もが「負け組」に成り果てた現代において、ボニーとクライドはもはやヒーローではない。明日の我々自身の姿なのだ。

ネタバレBOX

 気のいい隣人が実はとんでもない犯罪者だった、なんてことが現実にあり得る現代、ボニーとクライドの物語を再構成することの意義は高いように思われる。
 その割にボニーにもクライドにもあまり共感を覚えないのはなぜだろうか。基本、ミュージカルはファンタジーであって、感情を歌い上げるキャラクターに対して、一歩引いて見てしまう観客も多いと思われる。
 しかしそれでも『俺たちに明日はない』では名曲『雨に濡れても』が流れるシーンで、つかの間の幸せに戯れる二人の姿に涙を誘われたものだったが、今回のミュージカル版は、はっきり言って「歌い過ぎ」であった。舞台上の二人だけが盛り上がっていて、観客は置いてきぼりって感じが強くてねえ。
 これは俳優たちの問題だけとは言えないだろう。曲想が本作のキャラクターたちと合っていないのである。『雨に濡れても』が使えなかったのは版権の関係で仕方なかったのだろうが、テーマ曲を『雨に濡れても』っぽくして二人のダンスで見せるシーンなどは、かえって他のシーンとの違和感が生じていて、「浮いて」しまっている。いや、もうミュージカルにこだわらなくて、ストレートプレイで演じてくれたほうが良かったのではなかろうか。
 史実のクライドはゲイだったという説があるが、映画では、ボニーを愛そうとしても愛せない、切なさを感じさせるシーンもある。舞台ではボニーとクライドは終始いちゃつき過ぎである。愛し合えない二人が、それでも行動を共にする、共にせざるを得ない葛藤が、映画の肝でもあったのに、舞台はなぜこの重大なシークエンスをカットしたのだろうか。
 やっぱり無理にミュージカルにしなくても……と、結論はそこに落ち着いちゃうのだね。

●ミュージカル『ボニー&クライド』PV(舞台映像:Ver.)
https://youtu.be/oEVgyY6KuDQ?si=FGP9EqVsRy74kfRw
六道追分(ろくどうおいわけ)~第二期~

六道追分(ろくどうおいわけ)~第二期~

片肌☆倶利伽羅紋紋一座「ざ☆くりもん」

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2025/04/30 (水) ~ 2025/05/11 (日)公演終了

実演鑑賞

キャストを替えながら8月までやり抜く気合の企画。その企画の軸に申し分ない演目でもあろうと期待を抱きつつ、最近興味を寄せ始めていた一座を鑑賞した。
少し前置きすれば・・時代物、と言えば濃淡は異なれど(恐らく歌舞伎を源流とする)あるイデア的な型が比較的濃く流れており、啖呵と見栄と笑いを紡いで固有のリズムを醸すあのノリが、自己目的化せず手段に徹して用いられているかは、リアリズム寄りの自分が気にする所である。さて本作。見込み通り?的確な演技と動線、役者を魅せるべく仕上げられたタイトな舞台であった。
歌舞伎が扱う物語、そして歌舞伎という芸能自体が、身分制度の中でままならぬ人間の自由を謳う反骨にあると(類型的ではあるが)認識しているが、本作はモチーフ(義賊)からして反骨であり、今の世の為政者を刺す台詞も何気に散りばめられている。肯うを快しとしない滅びの美学が物語の定型として本作にもあるが、滅びを踏み越えて行く先へ視線が強く注がれ、十分納得の内に幕を閉じた。
負けを認めるようだが(なんて言い方しなくても良いのだが)、別の回も観たくなった。
(第二期「龍」組鑑賞)

『パンとバラで退屈を飾って、わたしが明日も生きることを耐える。』再々演ツアー2025

『パンとバラで退屈を飾って、わたしが明日も生きることを耐える。』再々演ツアー2025

趣向

スタジオ「HIKARI」(神奈川県)

2025/05/09 (金) ~ 2025/05/11 (日)公演終了

実演鑑賞

生の伴奏、数々の歌、繊細な描写。
観終わった後に、椅子から立ち上がるのが一苦労(余韻にやられて)ってのは、今年二回目。
ただ、絶賛もおすすめも、あえてしたくない……とゆうか。そういう評価するみたいなのが似合わない芝居だと思った。
強制力じゃなくて、自然な形で、出会って欲しい芝居とゆうか。

ネタバレBOX

物語の構造が意外とミステリー的でして。
まず、目の前の集まりがなんなのか。
そして、最後に一つの事実が……っていう。
そこが見どころじゃないけど、効果的でした。
ソファー

ソファー

小松台東

ザ・スズナリ(東京都)

2025/05/10 (土) ~ 2025/05/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

松本哲也氏の作劇スタイルが何となく掴めた。多重奏。通奏低音から始まり、弦楽器を重ね、更に管楽器を合わせていく。ゆっくりとした立ち上がりに観客はじれるが曲のフォーマットが定まった時、それを破壊する不意の来客の訪問。この展開がどっと受けるとここからは思うがまま、自由自在に観客を操れる。作者であり登場人物でもある松本哲也氏は自身で作品にメタ的なツッコミを入れまくる。この物語が何を象ろうとしているのかを自分自身で確かめるように。

舞台は宮崎県の実家、6人掛けの立派なソファー。父(佐藤達)が母(江間直子さん)にねだられて無理して買ったもの。母は夜の店に勤めて段々帰って来なくなった。映画監督を夢見て上京した長男(松本哲也氏)、次男(今村裕次郎氏)は若い奥さん(道本成美さん)と再婚、長女(山下真琴さん)は今里真氏と結婚。父が亡くなり実家の処分が決まる。長女は家族全員を呼び集める。どうしても会って話したいと。

是非観に行って頂きたい。

ネタバレBOX

MVPは道本成美さん。彼女の登場から明らかに空気は変わった。成程、こういう方法論があるのか。骨肉相食むどろどろのどうしようもない話にホームズやトム・ソーヤーが登場してきた時のような爽快感。まあ何とかなるかも知れん!女流棋士高橋和の若い頃みたいでえらく可愛い。松本哲也氏がおもむろに「彼氏とかいるの?」とメタ的に聞くシーンが全てを物語る。(役柄的には弟の新妻なのだから全くの的外れなのだが)。

江間直子さんは原田美枝子と大竹しのぶをフュージョンさせたようなキャラ。これぞ日本の女優感。
瓜生和成氏は珍しい役柄。贅沢な使い方。
今村裕次郎氏が車を動かそうとソファーを立ち、財布の入ったセカンドバッグに手を伸ばす。妻を見て「置いとくか」と行きかけるが松本哲也氏を見てやっぱり持って出て行く。このちょっとした一連の動きだけで人間関係が伝わる巧さ。

作品の骨格は阿佐ヶ谷スパイダース『老いと建築』ではないか。オマージュとしての本歌取、詠み替えだと睨んだ。

観劇通の玄人が味わう渋い作品。こういうのを普通に楽しめるようになった自分に驚いた。ラストはソファーの見ている夢か。
花いちもんめ

花いちもんめ

劇団川口圭子

OFF・OFFシアター(東京都)

2025/05/08 (木) ~ 2025/05/12 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

一人芝居にとてもひきつけられました。重い内容、胸に迫る勢いが有りました。これからも忘れずに考えていかなければいけないと感じました。良いお芝居でした。

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