最新の観てきた!クチコミ一覧

52321-52340件 / 190088件中
鬼鬼-MONONOKE-2018

鬼鬼-MONONOKE-2018

劇団アルクシアター

愛知県芸術劇場 小ホール(愛知県)

2018/03/02 (金) ~ 2018/03/04 (日)公演終了

満足度★★★

化母神社(あだも神社)において童歌にのって繰り広がれる事件。とても恐ろしく、また悲しい出来事です。
安易に言葉を操ってはいけない(sns♯を付けたつぶやきが例に)言葉には霊が宿っている、だからこそ大事に大切にしなければいけないと主張。本当に。その通りだと思いました。素晴らしい舞台でしたが、冒頭、群舞でのセリフが明確に聞き取れなかったのは残念です。

ちはる塾〜単純明快なラブストーリー

ちはる塾〜単純明快なラブストーリー

制作「山口ちはる」プロデュース

下北沢 スターダスト(東京都)

2018/02/21 (水) ~ 2018/03/04 (日)公演終了

舞台じゃないからこそ、できる演出がすごかった。
照明も、舞台の使い方も、めっちゃ良かった!
役者さんも個性豊かな人が多かった!

ゴミくずちゃん可愛い

ゴミくずちゃん可愛い

ぬいぐるみハンター

飛鳥山野外舞台(東京都)

2018/03/03 (土) ~ 2018/03/04 (日)公演終了

満足度★★★★

北区・飛鳥山公園に特設野外劇場を作り、そこで社会性の強い物語が繰り広げられる。と言っても公演のイメージはポップ調で観(魅)せるもの。公演の特長は開放感ある会場に閉塞する世界観、主人公の姿は生き活きとし、周りの人々との温かく仄々とした交流を描いているが、その未来は必ずしも楽観視できない怖さも潜ませるなど、相反するようなことが…そこに不条理が観てとれる。
(上演時間1時間50分)

ネタバレBOX

舞台は、公園という場所(自然)を後景に従え、中央にレンガ作りの変形アーチ状のオブジェ、その横に台座のような別空間。そこは夢の谷(通称:ゴミ谷)というゴミ溜め場という設定であり、主人公ゴミ(籠谷さくらサン)は生まれてすぐ捨てられた。

梗概…彼女は14歳、周りの人々に支え愛され育ってきた。しかし劣悪な環境下で育っているため、毎年・誕生日に手術(体内浄化が目的か)しなければ生きられない。なぜ自分だけ痛く辛い思いをしなければならないのか。だから手術のたびに周りの人々が輸血をしていることなど思いもよらない。彼女自身の生い立ちと同時に世界の動きを章立にして展開していく。
世界中のゴミが運ばれてくる「夢の谷」。ゴミちゃん達は毎日楽しく平和な暮らしをしていたが、他方、世界の各所で大・小規模の戦争・紛争が激しさを増しゴミ谷に運ばれてくる瓦礫の山も増える。そして世界のことなど何も知らない純真無垢な少女達が世界、現実を突き付けられ…。

冒頭の展開から、始めは「環境」問題も含んだ、広範な社会批判を観せる物語かと思った。しかし戦闘・戦場シーンから瓦礫のゴミに繋げるところから反戦的な色合いが強くなってきた。先にも書いたが、その観せ方はあまり重くならず、日常を明るく元気に過ごす少女達の生活から切り取っている。一方、意識しなければ社会・世界情勢に疎くなり足元に軍靴の響きが大きくなる怖さ。その戦争を戦場カメラマンの目を通して描く不条理劇、観応えがあった。

躍動的な演技、軽快な台詞回し、理屈では追いかけられないようなストーリー展開、野外劇場らしいスペクタクルな観せ方など、じっくり考える批判性の強さとは真逆の世界観で演出する。大勢の役者が「夢の谷」で生きざるを得ないことを表すため、ほとんど役者が舞台上にいる。しかし主要な人物の立場・役割は明確で物語の訴えはしっかり伝わる。
ラスト、「夢の谷」という名前とは裏腹な劣悪環境下、ゴミちゃんは18歳でその人生の幕を閉じる、ハッピーエンドに終わらせない強かな公演である。

次回公演を楽しみにしております。
新宿の紫のバラ

新宿の紫のバラ

めがね堂

新宿眼科画廊(東京都)

2018/03/02 (金) ~ 2018/03/05 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

作家の妄想か作劇中の出来事か、その不確かな物語が魅力的である。公演の雰囲気は心象劇を少しミステリー風に仕立ている感じ。構成は劇中劇のようで、当日パンフに某作品等を本編中に引用、参考にした箇所があると記しているが、本公演にはそれを台詞として取り入れるなどウィットに富んでいる。
(上演時間1時間30分)

ネタバレBOX

挟み客席の舞台、セットらしいものは壁際に置かれた椅子等だけで、ほぼ素舞台。役者は登場する時以外は壁際に座っており、観客同様に第三者的に俯瞰しているようだ。劇中では、この会場「新宿眼科画廊」を繰り返し説明(住所も含め)し、その都度、ここが「劇場」なのか「病院」なのか”場所”を意識させる。作劇中という劇中劇なのか、作家の心内妄想かという不思議な世界に誘われる。

主人公・タケシゲモリヒコ(佐藤匡サン)のオドオドした態度、優柔不断な行動が物語りの雰囲気を作り出している。この主人公が第三者立場から劇作家へ…しかしそれは現実なのか妄想なのか曖昧としている。物語の舞台は東京・新宿歌舞伎町という日本一の繁華街で、男性作家と女優が繰り広げる濃密な会話劇。2人の出会いがこの街にある「劇場」なのか「病院」なのか場所も定かではない。そして「劇場」であれば現実の作劇中、「病院」であれば妄想の精神疾患というイメージを抱かせる。

文学的でありながら生活感をすくい取る台詞、雑踏の中に孤独を思わせる都会の景色と、そこで活動している2人、その周りの人々の姿を体温や匂いも込みで伝えてくる。まるで”心”を失った2人の短い時間の緊密な関係性が浮き立ってくるようだ。
公演では素舞台のせいもあり情景は鮮明にならないため、観客(自分)の思いを自由にすることによって人の心理が見えてくるようだ。作者・武重守彦氏が劇中(同名)に入り込んで身近(得意)な世界を巧みに表現し、それを人物(役者)の濃密な会話によって感情が揺さぶられるためであろうか。衝撃的なラスト、主人公の男の願いも虚しく一目惚れの女は…実に余韻が残る。

次回公演を楽しみにしております。
彼の地Ⅱ

彼の地Ⅱ

北九州芸術劇場

あうるすぽっと(東京都)

2018/03/02 (金) ~ 2018/03/04 (日)公演終了

満足度★★★★★

北九州を舞台にしたパワフルな群像劇。役者さんが舞台作りを楽しんでいるのが劇そのものの力になっていると感じられる、見ていて幸福な作品でした。中心になるのは母と娘の物語。破天荒な母に翻弄された娘の複雑な思い、とひと言で言ってしまうと単純ですが、見ていてヒリヒリするようなリアリティがありました。アフタートークで、実は演じる俳優さんの個人史が反映していると聞き、納得。何も解決するわけではないけれど、クライマックスで一瞬鮮やかに昇華し、そこからまたそれぞれの日常が始まるというラストが、じんわりと感動的でした。

ドレッサー

ドレッサー

加藤健一事務所

本多劇場(東京都)

2018/02/23 (金) ~ 2018/03/11 (日)公演終了

満足度★★★

バックステージものって、その演目を観たような気分にしてくれるのがいいですね。今回は「リア王」を観たような気になったりしてね。楽屋で老人がノーマンにのせられて?リア王になっていく様子もみせてくれる。

ミラクル祭’18

ミラクル祭’18

新宿シアター・ミラクル

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2018/02/23 (金) ~ 2018/03/05 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/03/03 (土)

3日ソワレで、Cチームの回を拝見 (85分)。

ネタバレBOX

前半の 『透明人間、消える』。
キャスト中、唯一、お初の須藤大輔さん
ガールズバー以来の田邊美保さん
東中野ではサナギ→蝶だった小森かなさん
のお三方を、坪和あさ美さんがリードする、チームワークの良い座組だなぁと、観劇中、何度も頷く出来だった。テンポも間合いも良かった。
それにしても坪和さん、シリアスな舞台も拝見していて、その芸域の幅は承知しているが、やはりコメディでこそ真骨頂を発揮されるなぁ、と個人的に勝手に合点。

後半の『銀河旋律』は、2014年の夏、旋風計画(アネモイプログラム)さんの舞台で観ているので、只々、懐かしく…
個人的には、見米克之(みこめ・かつゆき)さん、幾世優里さん、きだたまきさん、そして、キャラメルボックスな世界観にマッチした、愛くるしい津山夏南さんが印象に残った。
なお、きだたまきさんには次の新しい首相のときにも女性キャスター・ヨシノを演じてもらい、あの力技な物真似を披露してもらいたいなぁw
勧進帳

勧進帳

木ノ下歌舞伎

KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)

2018/03/01 (木) ~ 2018/03/04 (日)公演終了

満足度★★★★

前回四谷怪談は長時間だったが、今作は80分とあっという間だった。
だが、古典ってわからないでしょ?とか、思う概念を気持ちよいほど跳ね飛ばす作品の一個だった。
楽しい80分。

ふと、昔の人もこうやって笑ったり、じんとしたりしてたのかとおもうと古典も親しみがわいてくる。




「むかし」であって「いま」であり、「いま」であって「むかし」である。

ネタバレBOX

今作、主軸の「長」に仕える人々が一人二役となって、その、切り替え方や、劇中のラップの場面や、酒盛りの場面。
酒盛りの富樫左衛門。なんか、可哀想だった。
彼は、独りなんだなって、笑ってるけど、泣いてる。
きっと、義経たちの本当の意味での「つながり」みたいなものを
目の当たりにして、氷が溶けるように
彼を覆っていたモノが溶けてしまったのかもしれない。


そして、
弁慶と義経、主従関係以上の想いもあるのかな。
手を伸ばしても、その手を掴む事は出来ないのかな。
違うのかな。
あのラップがとても、切ない想いを唄っているのが、そう、思わせる。




劇中の時折、句読点のように物語のポイントに
羽ばたく鳥たちの羽音。
漆黒の羽が見えるよう。
白い舞台上の演者も、漆黒の衣装。
軽やかに、場面、場面で、翻すように
役を演じ分ける。
素晴らしい。


冒頭の、少し、笑いを引き寄せる演出も
「古典」に馴染みが無い観客の緊張をほぐしてくれる効果もあるような気がした。
楽しい80分だった。




弁慶役のリー5世さん。
失礼を承知で、とても可愛らしい一途な弁慶でした。
飄々と関所での立ち振る舞いと、義経に対する忠義の涙、包み込むようなおおらかさ、
私の弁慶の強面のイメージを覆す、弁慶だった。




岡野康弘さん、ある種、私の中では「仏さま」レベルの方。色んな「岡野さん」を堪能出来た。
劇中の踊り場面。ふと、以前ダンスの無茶ぶりを演出家にされた話を岡野さんがしていたのを想い出した。
パーマ+お髭良き。
ピクチャー・オブ・レジスタンス 

ピクチャー・オブ・レジスタンス 

INUTOKUSHI

恵比寿・エコー劇場(東京都)

2018/02/21 (水) ~ 2018/02/25 (日)公演終了

満足度★★★

10周年という、大きな冠がかかった今公演。
私は、「左の頬」からしか、観ていないのでまだ浅いが、根底にいつもあるモラルさんが描く「表現(者)は貴方が思うよう、感じるように、表現していいんだよ」というホンが好きだ。


人に対しても、仕事や、趣味、様々な事柄の「すき」は残念ながら、全部、成就するわけでない。
でも、モラルさんが描くホンでは、「不器用でも、駄目でも、貴方が好きならいいじゃない」とエールを送ってくれる。


今作は、きっと、「日本」という国をよく表している気がする。
「流行」って括ってはいるが、これが「法律」や、「戦争」などカテゴリーが変わっただけで、笑えない状況になる。
日本はその危険性はとても、高い。


犬と串テイストというか、今回客演のエドガワ役 奥田努さんがかなり、飛び道具的な配役で素敵だった。


板倉さんのメンコ小僧や、満間さんが綾乃さんをお姫さまだっこする姿も素敵だったし、ホリさんのちゃらさが0%だけどちゃらい男も、萩原さんの世の多くが共感する何故、今こんなことしてるんだろうねという自問自答の姿も、藤尾さんのある種、流されない強さと、人と繋がりを諦めないアキラも素敵だった。


終演後、藤尾さんとお話させて頂いたが「天才が出てこない、普通の人だった」のような事を言っていた。
それは、劇団としての遍歴というか
なにか、緩やかに変化をしてきたのかなともおもった。
だから、より、今作をみた観客が自分の身の近くに感じることが出来、
「ミライ」をイメージし、
「ゲンキ」を貰う、
こういった観劇もとても大事な事だと思った。




今作客演のウミヒコ役山中健太さん、ヤマヒコ役山中翔太さん。
双子の俳優さんということで初めて拝見。
陽と陰・
月と太陽
同じ容姿を携えている二人を対極の意味合いを持たせての演出。
感情を隠さず表わすウミヒコと、
静かに、俯瞰で現実を見極めるヤマヒコ。
お互いが交わってないようだが
本当はお互いを思い合ってるという兄弟だった。


星元裕月さんが演じたエルピスは、パンドラの箱をあけて、残った「Hope」(希望)。
コントロールされた未来に託された希望。
誰もが、自分が思う気持ちを信じる事が出来る世界に変わる為の希望になったのかな。
初見だった俳優さんであったが、美しい容姿の方だった。
更に、ご自分がどう見られてるか、どう見せたらよいかを熟知されてるプロの方だなと感じた。
表現の仕方も、巧い方だなと思った。



Pure Nation

Pure Nation

あごうさとし

こまばアゴラ劇場(東京都)

2018/03/03 (土) ~ 2018/03/04 (日)公演終了

満足度★★★

ヘレンケラー以来だったか、そうでなかったか!?

ネタバレBOX

男と女が何か言うと、言っている間中犬がワンワンと通訳してくれるようなパフォーマンス。

犬が拍手に怯えるということで、終演後のあいさつは拍手なしのお約束で行われました。

舞台上で本物の犬を見るのはヘレンケラー以来だったような気がしました。
おいつめられてヨコハマ

おいつめられてヨコハマ

よしもと×アカルスタジオ オフ・オフ・ブロードウェイ

NAMBA 自由劇場アカルスタジオ(大阪府)

2018/01/24 (水) ~ 2018/01/29 (月)公演終了

満足度★★★★

『おいつめられてヨコハマ』
濡れ衣を着せられた男が彼女と共に地元大阪に帰るのだが…
スパワールドの地下には秘密の…
大人になりたくない子供?達は…
ノンストップコメディ、楽しかった。

それにしても0Fの方は皆さんとても上達されましたね。
凄い♪

TEAM-Luna演劇祭 in関西

TEAM-Luna演劇祭 in関西

TEAM-Luna

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2018/01/26 (金) ~ 2018/01/28 (日)公演終了

満足度★★★★

1月28日(日)16:00の回を観劇

③劇団 Pinoccio
結婚式に集う、選ばれざりし者の悲哀。
安定感ある、技あり演技、上手い。
大笑いした。

④2平
平井と一平のContenporary Dance Unit。
30分間踊り続ける?凄い!

⑥リトルルナ
愛する人の幸せを願い泡に…
広い世界、隠されたもう一つの人魚姫。
感動した。

TEAM-Luna演劇祭 in関西

TEAM-Luna演劇祭 in関西

TEAM-Luna

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2018/01/26 (金) ~ 2018/01/28 (日)公演終了

満足度★★★★

1/28(日)13:00の回を観劇

①EBiSU倶楽部mini
コメディ劇団さんとの事、初めて拝見。
貧乏耐性人間と死神のコメディ、面白ろ。

⑤foo
自殺志望者が屋上で天使に会ったら…
天使と探偵の探りあい、楽し。

②演劇空間 無限軌道
宝刀を巡る新撰組と猫目娘達の活躍。
姉妹は兄に会えるか?
見応え有り。

今度は背中が腫れている

今度は背中が腫れている

あひるなんちゃら

駅前劇場(東京都)

2018/03/01 (木) ~ 2018/03/05 (月)公演終了

満足度★★★★

あひるなんちゃら 何だか寒い時期に観た記憶が多いです。以前と比べてしつこい感じは取れてきてる印象ですが、ゆるい感じは健在。独特のナンセンスについてけない方は残念ですが、やっぱり堀さんが利いている気がしました。

埋没

埋没

TRASHMASTERS

座・高円寺1(東京都)

2018/03/01 (木) ~ 2018/03/11 (日)公演終了

満足度★★★★

夏季の渇水に喘ぐ瀬戸内川の県、特に香川県は深刻でして、明治の政治家 大久保諶之丞(おおくぼじんのじょう)が提唱した用水計画が実現されることに。この『香川用水』計画が実現したことにより、香川県側の渇水事情は大幅に緩和されたのですが、早明浦ダムを造らなくてはならなかった高知側はさまざまなストレスにさらされたのでした。地元の葛藤をリアルに描き、二役もバッチリ決まった感じでした。香川側はとても感謝いたしております!

アンチゴーヌ

アンチゴーヌ

パルコ・プロデュース

J:COM北九州芸術劇場 大ホール(福岡県)

2018/02/24 (土) ~ 2018/02/26 (月)公演終了

満足度★★★

アンチゴーヌとクレオン王、それぞれの苦悩、響きました。

ミュージカル『リトルマーメイド』福岡公演

ミュージカル『リトルマーメイド』福岡公演

劇団四季

キャナルシティ劇場(福岡県)

2017/08/11 (金) ~ 2018/11/04 (日)公演終了

満足度★★★

海の生物の動きはすごいとは思います。アリエルが人間になってからの第二幕は、せつないものが伝わってきます。

ネタバレBOX

ワイヤーアクションや吊りバトンやそのほかの装置(船は小ぶり過ぎだが)、海の生物の動きはすごいとは思いますが、ほかのお芝居や衣裳が子供向けにみえて、第一幕はあまり歌に感動しませんでした。アリエルが人間になってからの第二幕は、せつないものが伝わってきます。ラストの結婚までのシーンもよかったですね。
TERROR テロ

TERROR テロ

パルコ+兵庫県立芸術文化センター

福岡国際会議場 メインホール(福岡県)

2018/02/23 (金) ~ 2018/02/23 (金)公演終了

満足度★★★

観客は参審員という設定で舞台上は法廷です。
テロに対する犠牲をどう考えるか、正解はあるのか。身近な問題になってきてますから集中して聞き入ってました。

遭難、

遭難、

成城大学 演劇部

成城大学 2号館地下 002教室(東京都)

2018/03/01 (木) ~ 2018/03/04 (日)公演終了

満足度★★★★★

だが、職員室内でこの証拠隠滅問題が同僚の石原によって問題化されると、

ネタバレBOX

彼女は自身が矢張り飛び降りをした経験とトラウマを負った話をする。而もそれは、当時彼女が信頼していた教師の一言が原因だったと述べるのだ。だが、その一言とは、客観的にみて当然の論理的帰結を述べたものであった。何故なら彼女が飛び降りたのは2階からでそれも植え込みに飛び降りたのだから、死ぬつもりなど本当は無かったと判断されて当然だった。だが、彼女は恰もトラウマが先で、それを自らの歪みの根拠と看做すことで己の身勝手を正当化していた訳だ。この点も石原に指摘され逃げ場を失っている。この辺りから、里見は、徐々にその狂的な性格と破綻の兆候を激化してゆく。
一方、自殺未遂を図った生徒からの相談の手紙を無視したという秘密が外部に漏れるのではないかと恐れた彼女は自己保全の為、この事実を知った教師全員の弱みを握り情報漏れを防ごうとありとあらゆる手を用い口封じを図る。その方法とは、ビデオによる職員室監視、同僚教師の携帯端末の盗み見・許可なし使用、女子トイレ盗撮を不破の企みとして濡れ衣をきせる、スキャンダルなどの要素が無い石原には共犯を強要する等々である。
 だが、里見の正体を見破った同僚たちも黙ってはいない。生徒が自殺未遂に走った責任は、一体誰にあるのか? 他人のことを思いやる人間らしさを、里見は持っているのか? 等々の追及が始まるが、他人の気持ちをホントに理解できるのか? と里見は反論するもまたしても狂言自殺を演じる必要がある所まで追い詰められた里見VS他の総ての登場人物らの論議は決着を見ないまま、人間個々人の持つエゴが、実に活き活きと而も人間の負の側面のリアルをまざまざと示して展開する。脚本も良く練られたものを選んでおり、演技も皆さん力一杯、全力を出し切るものであった。殊に皆を振り回す里見役を演じた女優さんの表現力豊かな演技を自分はとても気に入った。無論、不破と不倫関係に陥ることになった仁科を演じた女優さんも男と女の関係になる前と後とで、所作を変えることによって女性心理の綾を巧みに表現していたし、一見、引っ込み思案で優柔不断に見える石原が、実は最も芯の強い論理的な思考の持ち主であることを表現した女優さん、また心優しく受け身であるが故に里見が相談の手紙を受け取ったことが教師仲間全員にバレた後、彼女を庇って仁科に謝り続けた江國役の女優さんも、里見の実体が暴かれた後とその前の彼女を尊敬していた間の差を江國が仁科から受けた辱めと同じ形で里見に返すアイロニカルなシナリオの目指すものをキチンと具現化していた。女性全員が4年生の中、不破を演じた男性俳優だけが1年生。だが、彼も良い演技であった。演劇関係に今後関わるにせよ社会人として就職するにせよ、或いは別の道に進むにせよ皆さんのこれからが楽しみだ。
また、開演前には、校庭で遊ぶ生徒たちの声が流され、学校の雰囲気が醸し出されている点もグーだし、里見が、意識が回復した生徒に向かって己のトラウマを解消すべく放った一言が、授業の鐘の音に紛れて聞き取れないのも、原作通りか演出か分からないがグーである。

遭難、

遭難、

成城大学 演劇部

成城大学 2号館地下 002教室(東京都)

2018/03/01 (木) ~ 2018/03/04 (日)公演終了

満足度★★★★★

 生徒が飛び降り自殺を図った学校の職員室が舞台である。命は助かったものの生徒に意識は戻っていない。教師は全部で4人、うち男性教師(不破)1名、他は総て女性である。
板上は、奥に出入りの開き戸、上手奥コーナー近くにロッカーが1台。中央に教師たちの机が設えられ、下手側壁に沿って縦長のテーブルが置かれている。その手前にシュレッダーとゴミ箱がある。上手客席側には、応接セットが置かれている。出捌けは基本的に奥の開き戸から。

ネタバレBOX


 出演者は他に自殺未遂を図った子の母(仁科)。教師の責任を追及すべく毎日職員室に押しかけては鬱憤晴らしをしている。生徒は自殺を図る3か月前にマドンナ先生(江國)の仇名を持つ女性教師に愛をほのめかしていた。同時に自殺未遂前には別の女性教師(里見)に手紙を書き相談を持ち掛けていたのだが、里見はこれを無視、証拠の手紙もシュレッダーに掛けて証拠隠滅を図っていた。当初、里見はこの教師集団の中で最も冷静沈着、立派な先生として登場する。

このページのQRコードです。

拡大