
『gokko』
BELGANAL
渋谷 宮益坂十間スタジオ(Aスタジオ)(東京都)
2018/05/18 (金) ~ 2018/05/22 (火)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/05/19 (土) 19:00
価格3,000円
同じ養護施設出身の3人と1人が再会したことから始まる「愛はガラス細工」的な一途な想いが引き起こした哀しい物語。まっすぐ過ぎる正義は必ずしも真の正義ではなかったりするように、一途な想いであろうと少しでも踏み外せばそれは暴走に近いものになってしまうのかもなぁ……おや、これって、江戸時代の心中ものや怪談などに通ずるのではないか?
そうして進む物語、カーテンコールがないことを事前に知らなかったらよりビターに感じたかも?
で、一瞬の場転と言うか時と場所が変わったことを一瞬で観客に悟らせるアイデアと映像の使い方もイイ。

すなっく ラ・ボエーム
オフィス35
俳優座劇場(東京都)
2018/05/15 (火) ~ 2018/05/20 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/05/19 (土) 18:30
原案、脚本、衣装、そして、俳優として出演…作品の中核を家族総出でやってしまうんだから、超ユニークなファミリーです。ちあきなおみの歌が、いいアクセントになっていました。

無伴奏ソナタ
演劇集団キャラメルボックス
サンシャイン劇場(東京都)
2018/05/16 (水) ~ 2018/05/20 (日)公演終了

名古屋初登場 舞台『クレイジーレイン』
リンクスプロデュース
ナンジャーレ(愛知県)
2018/05/17 (木) ~ 2018/05/17 (木)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2018/05/17 (木) 19:30
これまでメビウスばかりに目が行っていたけれど、フッと思い立って直前予約した渋谷ニコルソンズ「クレイジーレイン」。これ、観に来て正解!ただ楽しいとか面白いとかいう言葉では表せない、もう、幸せを感じられるレベル。
今回はちょっとした事情で普段とは段取りが違ったらしいが、そこから生まれたアドリブの破壊力が、これまたすごかった。こうなったら、その通常通りの「レインコートを着ているバージョン」も見てみたい。

リサとガスパール THE MUSICAL ダンス!ダンス!ダンス!
リサとガスパールミュージカル制作委員会
府中の森芸術劇場(東京都)
2018/05/19 (土) ~ 2018/05/19 (土)公演終了
満足度★★★★
子供向けながら未就学児も大人しく観劇してたかな
まぁ楽しくハシャいでる子もいたけど(^-^)
舞台上のキャストさんらも
お子様が多いのですけど・・・・よく動きます!
う~ん凄いなぁって感心
全2幕休憩入れての2時間10分の作品

堀が濡れそぼつ
MCR
ザ・スズナリ(東京都)
2018/05/18 (金) ~ 2018/05/22 (火)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/05/19 (土) 19:00
座席1階2列
MCR『堀が濡れそぼつ』ザ・スズナリ
面白かったー!
もっと単純なバカ話で進むのかなぁと思っていたらメロドラマばりのドロドロ展開もあったりして、
起承転結の構成がとても鮮やかでした。
雨降って地固まるって感じかな。
櫻井さんのキャラクターがいいなぁ。めっちゃスカッとした。
どうなったのかは怖いので考えない(笑)
あと堀さんの台詞回しとかツッコミがすごい好きです。

切られの与三
松竹/Bunkamura
Bunkamuraシアターコクーン(東京都)
2018/05/09 (水) ~ 2018/05/31 (木)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2018/05/19 (土) 12:00
よかった、すばらしいお芝居。生ジャズ歌舞伎であるがジャズ蕎麦屋があるように古典との相性は悪くない。好き好きではあるが。
歌舞伎も娑翁(字が違うか?)も過去の人物と意識がつながるのがうれしい。思いっきり現代人のツボをついた脚本。後半の島流しは意識がそれて集中力切れたが・・・わざととも思うが世話物の流れが断ち切られちょっとどうかな。ラストは美しく泣かんばかりに共感。そうか、切られの傷は顔や体の傷ではなく心の傷だったのか。
すべて生きている人は心の傷を抱えて増えていく心の傷の分だけ強くなり過去を懐かしみそしてやがて死ぬ。与三郎が現代人すべてとつながるすばらしいお芝居。見られて幸福、見なきゃ損。記憶の奥底の何かが起き上がる梅雨前のこの季節にぴたりと嵌る絶品。

フーリッシュゲーム
劇団なのぐらむ
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2018/05/17 (木) ~ 2018/05/20 (日)公演終了
満足度★★★★★
思うに、演劇という創作である事を前提に「お葬式」モノにはハズレ無しだなーと。
それぞれが抱く大小様々な故人を偲ぶ気持ちに、個人的思惑・性格が合わさって出来上がる独特の空気感。
これにはつくづく創り手さんの観察眼の鋭さに感心してしまいます。
暗転なし、リアル進行の1時間30分。
本作の舞台は葬式会場そのものではなく、有志が別宅で行った「偲ぶ会」であり、ご家族がいない場所であるが故に生まれる ちょっと気が緩んだ空気が実に活かされていました。
“あらすじ”ほどのイケイケなドンチャン感はありませんでしたが「ゲーム」的な要素があるとすれば、故人「安藤くん」の死因に憶測が飛び交い「真相を知りたいよね」という目的を含有しているところでしょうか。
そしてこの部分が「安藤くん」の人柄を肉付けしていき、多種多様な人達のリアルに雑多な「偲ぶ会」の進行の軸にもなって、もうひとつの面白味となっていました。
本当に沢山の人が出入りしますが、その一人の故人をめぐっての雑多さがかえってリアルで味わい深く、この人間模様こそが面白味のメインでした。

名古屋 初登場 舞台『メビウス』
リンクスプロデュース
ナンジャーレ(愛知県)
2018/05/15 (火) ~ 2018/05/20 (日)公演終了
満足度★★★★★
今回は「天の声」があったのでw 実は関西含めほとんど東海圏以外って観れて無いんです。だから正直良いのか悪いのかよくわからないのが実際で。
で観て来た訳ですが場面や登場キャラの置かれた状況が目まぐるしく変わる割には観ている側を置き去りや混乱させないってのは凄いと思いますね。演技にせよ演出的な事にせよ。
また機会あれば観たいものですね。良い作品でした。

人間万事金世中
劇団前進座
国立劇場 大劇場(東京都)
2018/05/12 (土) ~ 2018/05/22 (火)公演終了
1879年に初演された河竹黙阿弥の戯曲で、原作は英国作家リットン作『THE MONEY』。和洋折衷空間に三味線と長唄が聴こえるのが趣き深いです。歌舞伎は歌と音楽と舞なのだなぁと改めて感じました。上演時間は約3時間5分、途中休憩30分を含む。
詳しい目の感想:http://shinobutakano.com/2018/05/19/9666/

NoBody,NoParty
東京AZARASHI団
シアターサンモール(東京都)
2018/05/16 (水) ~ 2018/05/20 (日)公演終了
満足度★★★★★
超面白い。筒井康隆調ドタバタ・メタ・フィクションが好みの方、観といたほうが良い。人を笑わせるとはこういうことだ。三谷幸喜『ラヂオの時間』ぽいかも。昔ながらの喜劇の良さで観劇後、温かい。

火遊び公演「焔の命--女優の卵がテロリストになった理由」
オフィス上の空
恵比寿・エコー劇場(東京都)
2018/05/09 (水) ~ 2018/05/13 (日)公演終了
満足度★★★★
ちょっとしたことで.....
ボタンの掛け違えのように、そんなことで流れに巻き込まれてしまい...
というコトでしょうか⁉︎
世界で起きてるテロとは違い、宗教がらみでないところは日本的で理解できました。
前半はその後への興味を持たせるような構成、良かったです。
中盤からはタイトルにあるところを描いているのですが、少し説明調で平板に感じてしました。
少し見えてこない部分もありましたが見応え充分でした!

フーリッシュゲーム
劇団なのぐらむ
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2018/05/17 (木) ~ 2018/05/20 (日)公演終了
満足度★★★
音楽もほぼなしで、暗転もなし。死んでしまった安藤君を偲んで、同僚や高校時代の仲間が、ざわざわした雰囲気の葬儀を早めに抜けて集まり、改めて飲み会をするのだけど、安藤君の死には何か曰くがありそうで、あまり楽しいお話になるはずもなく…。

日の出政府のW杯
ZIPANGU Stage
萬劇場(東京都)
2018/05/16 (水) ~ 2018/05/20 (日)公演終了
満足度★★★
国家の一大事であってもTVのW杯放送を見ずにはいられないサッカー好きの首相官邸新任秘書は、設定にリアリティがあろうがなかろうが、客席から見て、どこか憎めないバカ野郎であってほしかったのだが、何だか腹立たしくなってくるクソ野郎(失礼)だったのが残念。あの娘には、今からでも遅くないから考え直せと言ってあげたい。

真夏の夜の夢
ヨハクノート
インディペンデントシアターOji(東京都)
2018/05/17 (木) ~ 2018/05/20 (日)公演終了
満足度★★★★★
シェイクスピアの作品をアレンジした作品で、とても面白かったです。役者さん達の熱演が面白過ぎて、ずっと口元が緩んでいました。個人的には、今まで観た同作品の中で、一番面白かったです。王道のシェイクスピアを観たい方には向かないと思いますが、この劇団ならではの「真夏の夜の夢」私は大満足でした!

無伴奏ソナタ
演劇集団キャラメルボックス
サンシャイン劇場(東京都)
2018/05/16 (水) ~ 2018/05/20 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2018/05/19 (土) 12:00
一人一人の歌声が素敵だった。
ラストシーンは印象的で感動した。
ぜひ、また再演してほしい。

堀が濡れそぼつ
MCR
ザ・スズナリ(東京都)
2018/05/18 (金) ~ 2018/05/22 (火)公演終了
満足度★★★★★
知人の紹介で久し振りに観劇に行きました。テンポよく、引き込まれるストーリーと演技で、とても楽しかったです。
また見に行きたいです。ありがとうございました!

夜明け前、私たちは立ち上がる。
TOKYOハンバーグ
サンモールスタジオ(東京都)
2018/05/16 (水) ~ 2018/05/20 (日)公演終了

GK最強リーグ戦2018
演劇制作体V-NET
TACCS1179(東京都)
2018/05/16 (水) ~ 2018/05/20 (日)公演終了
満足度★★★★
観客参加型の演劇イベント「GK最強リーグ戦2018」、今年のテーマは「銀行」である。
観劇したのはAチーム「頭取サバイバルバンク」(演劇制作体V-NET)、Cチーム「ひゃく年たったらまたあおう」(演劇企画ハッピー圏外)の2チームで、それぞれの作品は異なるイメージで観応えのあるもの。
Aチームは今の金融政策を意識した手堅い内容、一方、Cチームは時代を100年ほど前に遡行させたファンタジー作品で、何となく硬軟対決といった感じである。
これにBチーム「ギンノコウザ」(ラビット番長)が加わり三つ巴で競うことになるが…。
(上演時間2時間 休憩時間10分含む) 2018.5.21追記

紛れもなく、私が真ん中の日
月刊「根本宗子」
浅草九劇(東京都)
2018/04/30 (月) ~ 2018/05/13 (日)公演終了
満足度★★★★★
これは、根本宗子さんが描く「友情」についての物語。
開演30分前に劇場入りする。もう既に役者達が舞台上に
現れていた。絵がいくつも飾られている静かな雰囲気の洋間に
女の子たちがいる。3つのグループに分かれていた。上手にある
ソファーに座って可愛らしい服を着た5人の女の子たちが
無邪気に「かぶっちゃいけないゲーム」をしている。
部屋の真ん中では、藤子不二夫のアニメに出てきそうな原色が際立った
服を着て、髪の毛にティアラを付けた3人の女の子たちが
絨毯の上で胡坐をかき、UNOをしている。
下手では、白いワンピースを着て髪の毛にリボンを着けた2人の
女の子が何やら楽しそうに会話をしている。話題は、
男について、恋愛について。本編が始まる前という事で油断していたが、
もう既に様々なところで伏線は張られていた。
本編は、小林寛佳が部屋に入ってきたところから始まる。
部屋にいる少女たちは、押し競饅頭をして真ん中のポジションを
取り合う「真ん中ゲーム」をする。その姿が瑞々しい。
この部屋は、ソファーに座っている
女の子の一人・山中志歩(役者名・役名が同じ。中学1年時代の
少女たちは役者名と役名が同じ)の家の部屋。父は
歯科医で大金持ち。彼女は、大好きな父が
フランスで買ってきたという、子供達が手に手をとっているイラストが
描かれた服を着ている。この絵がこの舞台を象徴しているものだとは、
この時は想像すらつかなかった。中学1年の彼女の誕生日という事で、
彼女はクラスメイトを誕生祝いに招いているという設定だ。
ソファーに座っている藤松祥子、城川もね、尾崎桃子、高橋紗良は、
山中の大の仲良し。親がお金持ちという共通点もある。
例年、この5人だけで誕生日会を開いていた。
しかし学校の先生から、他のクラスメイトも呼ぶべきと説教されて、
普段はあまり親しくない人たちも招く結果になった。
UNOをやっていたのは、年1回のミュージカル観劇を
楽しみにしている一般家庭の女の子たち。自分達を「チーム中流」と
呼んでいる。この3人の団結は固い。
よくよく考えてみると、凄い構図だ。着ている衣装もさる事ながら、
ソファーと絨毯の上というポジションで、「格差」を表している。
中学1年でも彼女たちは、もう大人だ。グループを越えて遊びつつ、
「格差」が表立って場が白けそうになった時、誰かが場を取り繕い、
雰囲気を穏やかにしようとする。この必死さが笑いを誘う。
我ながら残酷だ。
そんな彼女たちを、数々の厳しい現実が徐々に蝕んでいく。
夫が若い女と駆け落ちし止むを得ず山中家の女中
として働く事になった尾崎の母(森桃子)の出現。同級生の前で
嘘をついた小林に容赦ない体罰を加える小林の母(比嘉ニッコ)。
小林の嘘が、金持ちグループに対する妬みからだった事も切ない。
暴力を振るう小林の母に、真っ先にハグをして止めに入る山中。
誕生会の主役とはいえ、ここまで結構ワガママな行動をとってきた
山中だから、意外な優しさと勇気に驚かされた。
山中一人の力じゃビクともしないので、グループの垣根を越えて
皆で小林の母を止めようとするシーンは、笑えるところ
満載なのだが、同時に心に迫るものがあった。まさに
山中が着ている服のイラストに少女たちの姿をだぶらせてしまう。
そして最後に待ち受ける極めつけ。本編が始まる前、椅子に
座って男や恋愛を語っていた福井夏が、何と山中の父と
不倫をしていた事が発覚したのだ。山中の父はわいせつ罪で
逮捕され、経営していた病院も倒産。困惑する山中。
それ以上に動揺していたのが、最愛の相手に会えなくなる福井だ。
不倫サイトに登録し出会ったのが山中の父だった。
交際してから同級生の父だと気付く。皆から非難されるが福井は言う。
「ノリオさん(山中の父)だって、不倫サイトに登録してた
じゃないの!」ぐうの音もでない事実。
そんな中、一人だけ福井をかばったのが、彼女とおしゃべりを
していた大竹沙知だ。「なっちゃんは、本当は友達思い。
私たちはお金がないから皆でサプライズをやろう、と言い出したのは
なっちゃんだった。山中さんのために、サプライズを率先してやった」と。
この演劇の秀逸さの1つに登場人物の多面さがあげられる。
自分の気持ちを押し通そうとするが友達思いの面もある福井。
ワガママだが優しさと勇気を併せ持つ山中。
普段は友達思いだが、計算高くイザという時には友を盾してしまう藤松。
娘思いだが、キレると容赦なく体罰を加える小林の母。
子供たちのために明るく振舞うが、自分の事となると熱くなる尾崎の母、
等等。
それを受ける登場人物たちのリアクションや表情も目まぐるしく変わる。
各登場人物の多面性が、物語に笑いと膨らみ、そしてリアリティを
物凄く与えている。
でも、全く効き目がない。さらに福井は畳み掛ける「私は、
ワンルールで母と弟の3人暮し。山中さんの幸せを少しくらい
私に分けてもらっても良いじゃないの」と。お金持ちグループを
羨ましがる感情に同情する声があがり、場はますます混乱する。
絶望に打ちひしがれた山中は藤松たちの制止を振り切り、
母の運転する車に乗り、家を後にする。
それから、山中と藤松たちとの連絡は途絶える。
最悪の誕生日会から6年。高校生になった藤松(安川まり)たち
4人組は相変わらずお金持ち家庭。
毎年、山中の誕生日に彼女の居場所を探すため旅をしていた。
藤松はあの日、山中をハグしてあげられなかった事をずっと
後悔していた。藤松は子供の頃お婆ちゃんが死んで
悲しみに暮れていた時、山中にハグされて
救われた経験がある。あの日、私もハグをしてあげていれば
山中を救ってあげられたのではと悔やんでいたのだ。
あとの3人は、その苦悩し続ける藤松を見るのが心苦しく
何とか助けたいと思い、藤松の山中探しの旅に同行していた。
1年が過ぎ、大学1年になった時、4人は成長した
山中(増澤璃凛子)と再会する。
美人過ぎるホームレスインスタグラマーとして活躍していた
彼女は、昔の彼女とは全くの別人だった。犯罪者の娘である事を
隠し通すために、整形をし、肌の色も変え、母とも縁を切り、
一人だけでも稼いで生きていく術を頑張って身に付けての
現在であった。
昔茶色が好きだと言っていた彼女が暮らすダンボールハウスは
薄い紫色で統一されていた。
再会に感動する藤松。だが、山中の反応は違った。
「ホームレスにもご近所付き合いがある。近所迷惑だ」
「今は祥子ちゃんたちと会っても何とも思わない」だから
帰ってと。あまりの冷たさ、あまりの変わりように驚き、絶望し、
怒りを覚えた尾崎(李そじん)たちは藤松を置いて立ち去ってしまう。
「あの日の山ちゃんの気持ちをずっと想像していた」と、
何とか山中の心を開こうとする藤松。だが「想像するのと
体験するのは違う」と冷たく言い放ち、藤松の顔を睨みつける山中。
睨みつけながらも目は潤んでいて、身体が小刻みに震えていた
増澤さんの演技に心震えた。
そこに中1の山中が現れ、大人になった彼女を怒鳴りつける
「ここまでどれほど寂しくてみんなに会いたかったか!
気付いてほしくて、(独特な)歯だけは変えなかったじゃん!」と。
だが、大人の山中は心を開かない。
自分の会いたいという気持ちを優先して、過去の自分に
蓋をしたい山中の気持ちを犠牲にして良いのか?と
激しく揺れ動く藤松。彼女の潤んでいる目に思わず
引き込まれてしまった。中1の藤松が成長した自分に叫ぶ
「ここまでブレずにやってきたじゃん。一度決めたらブレないのが
私の取り柄じゃん」と。大学生になった藤松は涙を流す。
中1の藤松も目に光るものがあった。
演じている安川さん、藤松さん、渾身の演技。
観てる方も胸が熱くなる。
大人になった藤松は、あの日、サプライズとして歌うはずだった
ロッシーニの「愛」を山中に向かって歌い出す。するとあの日、
あの場所にいた全員が山中に向かってそれを合唱し始めた。
無邪気に喜ぶ子供の山中と、冷たい態度は変えないが
小刻みに身体を震わし明らかに心が揺れ動いている今の山中。
合唱で歌われるロッシーニの「愛」。
この物語をまさに体現している。
この歌有りきで、この曲に合うように脚本を書いたのでは、と
思いたくなるくらい。まさに伝家の宝刀。やられた~、と
叫びたくなるくらい心打たれた。
歌詞の中の「貧しき者に望みを与う」。この場面にぴったりだ。
経済面はもちろん、心も貧しくなっている今の山中に、
寄り添う事で望みを与えたいという藤松の切なくも熱き願いが
込められているように聴こえてならない。
そして「友となりし我らは苦しみを分かち合わん」の歌詞。
まさにこのお芝居の肝だと思う。藤松の何とかして
今の山中に伝えたい心情の核心中の核心。
この歌詞の具体的な表現方法として、このお芝居では「ハグ」が
重要視されている。お婆ちゃんを失った藤松の悲しみを
分かち合うために山中はハグをしたのだと考える。だから
藤松は山中をハグする事に拘る。
劇中、チーム中流にひょんな事から亀裂が入るが、やがて
仲直りをする。その時にも彼女たちは思い切りハグをしていた。
振り返ると、これは凄い皮肉な事で、その皮肉がラストを
暗示させている。チーム中流は、家庭にお金はないが
苦しみを分かち合い友情を固めた。逆に、お金持ちチームは
お金を持っているが、苦しみを分かち合えず友情を失った。
山中は失ったお金を自分一人で稼げる方法を身に付けたが、
苦しみを分かちあって欲しいと内心思いながら拒否し
友情を捨てた。
歌が終わっても、気持ちが変わらない大人の山中を見て、
失意のうちに立ち去る藤松。その彼女にそっとハグする
子供のころの山中、で劇が終る。
「夢も希望もなく。」のラストを思い出した。あの時は
長い間失われていた友情が最後に回復するお話だったと
記憶している。今作は回復しなかった。
「根本作品に同じ結末はない、甘かったな」と自分に
駄目出ししつつ、甘くないからこそ、心にしっかりと
刻み付けられた作品だった。
チラシで根本さんは「書いたことのない女の子達を、
ニューヒロインを私から出したい」と語っていた。
その願いは叶えられたと思う。
「女の子であること」「根本さんの舞台を観劇したことが
あること」、この2つの条件でオーディションを受け
合格した21人の女優さんたち。夢・目標であった
根本作品への出演を叶えた彼女たちには、
次なる夢や目標に突き進んでいって欲しいと強く願う。