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革命日記【青年団・こまばアゴラ演劇学校“無隣館”】

革命日記【青年団・こまばアゴラ演劇学校“無隣館”】

こまばアゴラ演劇学校“無隣館”

こまばアゴラ劇場(東京都)

2018/04/14 (土) ~ 2018/04/30 (月)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/04/17 (火) 19:30

 時代に合わない芝居だった。2012年に初演だったというが、そのときには時代に合っていたのだろうか。世界同時革命を目指す過激派が、平凡な市民と偽って暮らす家に、テロの相談に集まるが、さまざまな人間関係や、隣人が邪魔になって話が全く進まない様子を描く。パンフレットでの平田オリザの発言を読むと、革命の話というより組織(の腐敗)の話を描いたという。そこは確かに描けているが、あまりにリアリティがないのは惜しい。唯一、坊薗初菜が各名論の演説をする部分は、古いタイプの活動家らしい印象が出ていた。

R老人の終末の御予定

R老人の終末の御予定

ポップンマッシュルームチキン野郎

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2018/04/18 (水) ~ 2018/04/23 (月)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/04/18 (水) 19:00

初日観劇。
もう期待なんか遥かに超えてくれた!
可愛いおもしろキャラクターが沢山出てきて、めちゃめちゃ笑わせてくれる。
そして心と身体がぎゅーとなり
涙が止まらなくなる。
究極の愛の物語でした。
自分ならどうする?
愛おしい人のために何ができる?
て考えたくなる素敵な物語。

ヴィテブスクの空飛ぶ恋人たち

ヴィテブスクの空飛ぶ恋人たち

劇団印象-indian elephant-

シアター711(東京都)

2018/04/18 (水) ~ 2018/04/22 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/03/18 (日) 19:30

マルク・シャガールとその妻ベラの愛の物語。
説明文には「シャガール絵画に秘められた愛と狂気」とありますが、「絵画」どうこうについては特に語られているわけではありませんし、(彼の作品を象徴させるような演出は一部ありますが、それに解釈を加えているわけではありません)「狂気」と感じさせる描写もなかったように思われます(多少、芸儒家ですから常人とズレているということはありますが、けして狂気というほどのものではない)。

ある意味、他愛なく相手に恋をして、双方のめり込んでいくのだけれど、2人は
2つの世界大戦、ロシア革命、ナチスの台頭というヨーロッパを覆う大きな影に翻弄されていきます。そして、ユダヤ人迫害。
まあ、現代日常でも、ただでさえ芸術家の家庭で生活の安定が難しい中、出産に子育て、流浪の生活となれば、お互いの間でいろいろな軋轢が生じるのは当然なわけです。
だからむしろ、歴史に大きく翻弄されながらも、意思の疎通に障害を被っても、この2人がひたすらに相手を求めてやまないということは、ただただ美しい。

とにかく、役者さんがよい。
マルクを演じる村島智之さんは快活に飛び回り、天才然とも大人然ともしない純粋無垢なベラへの愛と絵画への執着を演じきります。
(ちなみに、村島さんはシャガール本人似らしく、家で調べたら本当、似てる。なお
フライヤーの写真より、本物はかなり男前です)
ベラを演じる山村茉梨乃さんは、自身の感情に正直に強く強くマルクを求める演技は、明朗さと情熱、時として辛苦の表現をもって、観客を痺れさせます。
小日向星一さんは、2人を取り巻く幾つもの役で、そつなく2人の苦悩も喜びも引き立たせています。
田代晶子さんのバイオリンは、簡潔な舞台装置に、幾つもの美しい花を飾り付けてくれます。

うん、マルクとベラは確かに空を飛んでいましたよ。

鈴木アツトさん司会のアフタートークは、シャガール自身にスポットをあてた内容で、シャガールに造詣の深いゲストを呼んで、毎回テーマ別に取り扱うという点で有意義だと思います。
アフタートークというと、演出やプロデュースの意図や目的、あるいは役者の解釈や演じ方などが語られるのはもちろん、楽屋裏話が出てくるのはまだよい方で、中には質問コーナーや取り留めのない雑談に終始して、何のためのアフタートークかと思わせるものも少なくない。そんな中、きちんと語るべきことが整理されて催されていることに好感を持ちました。

ネタバレBOX

ラストの、マルクから死んだベラへの「ごめんね」のセリフには、ちょっと総毛だちましたね。字義通りだけでなく、あらゆる解釈が可能な素朴で力強い言葉でした。

冒頭とラストは同時間軸なのですが、美術評論家の娘婿がマルクに電話をかけます。マルクの取る電話の受話器はアンティークなのに、娘婿の持っているのがスマートフォンなのは、観客席にいる私たちと舞台とを同時元に繋がらせる演出とのこと。なるほど。

平穏に不協和音が

平穏に不協和音が

演劇企画集団LondonPANDA

小劇場 楽園(東京都)

2018/03/29 (木) ~ 2018/04/01 (日)公演終了

満足度★★★★★

いつまでも見ていたい、と思える会話劇でした。
はじめは夫に対してイライラして、次は妻に対してムカムカして、最終的にはなぜかふたりとも好きになっていました。
ふたりだけで間を持たせるって難しいと思うのですが、今作はふたりの秘密が気になって、ずーっと前のめりで聞いてしまう。
舞台装置のシンプルさや、音楽の穏やかの中にある不快感のようなもの、すごく心地いい空間で過ごせました。
他の役者さんがやったらどうなるんだろう。なんならわたしもやってみたい。
見る人の立場によって感じ方が変わるのはもちろん、演じる人が違っても全然違ったものになりそうで、いろんな可能性のある作品だと思います。

テンペスト

テンペスト

劇団山の手事情社

大田区民プラザ(東京都)

2018/04/12 (木) ~ 2018/04/13 (金)公演終了

満足度★★★★

よく記憶を辿れば、(WS発表公演でない)山の手事情社の本公演を目にしたのは初めてだった。ただし今回の舞台の印象は「初めて」のものでなく、古典演目への切り込み方が予想よりやや晦渋であった。『テンペスト』について記憶にあるストーリーを引っ張り出し、なぞる事なしに、この舞台に随いて行く事はできなかった。原作を知っていることが観劇の条件であるのは、古典という下敷きに依拠しながら、その古典作品についての再読み込みを怠っているようで、あまり好きでないが、対するWS発表は新作である。この劇団が持っている演劇観、尺度、何を重視しているかを未だ知らず。
これから欧州へ渡りルーマニア・シビウ演劇祭とルクセンブルクで上演する。かの地では知られた演目だけに観られ方も随分違うのだろう。
彼我の演劇文化の違いを聴けば彼我の人間観・権利意識の違いなど諸々考えさせられる。(ミュージカルでない)海外からの風を日本にどう吹かせられるか・・一つのテーマになって良いと時折思うものの、日常の中にその場所が見えない。

マッチ売りの少女

マッチ売りの少女

劇団PPP45°

桐生市有鄰館(群馬県)

2018/04/07 (土) ~ 2018/04/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

桐生市は十年程前に一度通過したのみ(桐生駅始発のわたらせ渓谷鐵道を往復した朧気な記憶)。旅気分で親八会の『マッチ売りの少女』を観に当地へ赴いた。新宿の細いビルの5階だか、階段で上った狭いスペースでかぶりつきで観たのが同会『父と暮らせば』朗読。これは各地をまだ巡演中とか。辻親八の相手役は渋谷はるか。汗水迸る熱演の彼女が今回も中心的役(娘)に座り、さらには桟敷童子・大手忍!(弟)、俳優座・清水直子(妻)、辻(夫)。演出藤井ごうによる本格的な舞台であった。
旧商家の蔵が集合した有鄰館の一角で、客席は40~50程度。観客数は30余名といった所だろうか。
別役実作品のシュールさが、笑い、そして居心地の悪さを通過して、ある哲学的な問いの前に強引に立たせられるミラクルは、辻演じる夫と渋谷演じる娘との「対決」を軸に、この対決が紆余曲折するための妻や弟の介入が絶妙に絡んで仕上がる。弟演じる大手のキャラの豹変、辻との夫唱婦随のコンビを奏でる清水演じる妻、かくも美味なる舞台にこの客数は寂しい限りだが、みれば皆良い顔をしている。この場に立ち会えた幸福を自分も噛み締めた。

ネタバレBOX

保存対象となる蔵での上演には、都会的な演目は若干そぐわなさはあったが、当初都内での上演が決まっていたと言い、急遽不都合が生じ、劇場探しに奔走したという。確かに、雑遊での上演が簡易チラシで案内されていた。梟門と共に改修に入った事により、今回の運びとなった訳だ。(改修がギリギリになって決まったのだとすれば、やはり消防法改正絡みでダメが出たためだろうか・・)

辻親八は椿組の舞台で見た程度であまり知らなかったが、どうして達者であった。『マッチ売り』は念願の演目だったと言う。今後は何よりも貴重な財産である『父と暮らせば』をアピールし、上演し続けたいと挨拶。
親八会は個人企画であるが演出の藤井氏も企画部員的存在とか。ユニークな仕事を断続的にでも、世に出して欲しい。
ナカヨクヤリナ

ナカヨクヤリナ

7millions-ナナミリオンズ-

「劇」小劇場(東京都)

2018/04/18 (水) ~ 2018/04/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

あるお寺の父と娘と「母」の物語

集団as ifのハッチャケ美人こんのさおりの出演
ここの劇団にはもう3度ばかり客演しているが、ほんとに心にしっとりくる作品を演る

もうね、泣きました
滂沱の涙

周りの方々も鼻をすすりあげていた

舞台上には時々アクセントが入りながらもゆったりとした時間が流れる
それでも120分があっという間

こんのはかなり出ずっぱりの役
前半ののほほん感と後半の緊張感の対比が非常によかった

ネタバレBOX

俺の涙腺を直撃するのは親子の別れ
特に「母と娘」に弱いのにそりゃもう卑怯だよw
自己紹介読本

自己紹介読本

城山羊の会

シアタートラム(東京都)

2018/04/17 (火) ~ 2018/04/22 (日)公演終了

満足度★★★★

初演を逃し、稀少な城山羊atトラムを鑑賞。再演をやるのも珍しいようだ。初演は下北沢の小劇場B1で席数も少なかった。見逃した人達からの熱い要望に応えた格好だろうか・・? シアターイースト(=300席前後)で十数ステージやる団体だから、B1(=100未満?)の十数ステージでこぼした客、トラム(=200前後)10ステージでも埋まる算段だ。
さて舞台。「なぜか居続ける」モンダイは、城山羊ではスタンダードと弁えるべきか。「用も無いのになぜ立ち去らない」「市職が昼間からなぜ暇?同僚と約束なんかして」「人の会話もぼんやり座って聞いてるし」(時間指定は無いが、日中であるのは明白)・・そんな突っ込み所はあるものの、面白さに走って芝居内部で決定的矛盾を来たすには至らず、不自然さをキャラに回収させ、一応は有り得る話に収まっていた。
エロ要素も皆無ではないが(いやしっかりあるが)奇抜な展開は抑え目でリアル路線に寄っていた。この劇団のを見慣れたせいか、面白い部分は面白く観、馬鹿馬鹿しいと心で呟きながらも身につまされる部分を寄り添いながら観ていた。

ネタバレBOX

人の行動の根底には性欲や異性への意識があり、性は個人の活力の源と社会の推進力である・・生物学的な真実は、性の扱いづらさゆえ伏せられ、代替物を持ち出してお茶を濁されるのが常。その滑稽が、エロ「抑えめ」のこの芝居では主軸に座っている事が最後に明白になる。
城山羊の他作では性的衝動がアトラクション的に盛り込まれるが、今作は動物の生態観察の視線で人間を眺め、その根底に性欲を見ようとする。果たして・・?そうだと信じるも信じないもあなた次第。
アシバー ~沖縄遊侠伝~

アシバー ~沖縄遊侠伝~

劇団昴

Pit昴/サイスタジオ大山第1(東京都)

2018/03/28 (水) ~ 2018/04/01 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/03/30 (金) 19:00

舞台がかなり隅々まで凝って作られていて、公演中も壁に貼られたポスターや床に落ちた書類に目が奪われた。
役者の沖縄方言もかなり馴染んでいたし、スポットが当たっていない役者の動きもコミカルで面白かった。

Along

Along

演劇商店 若櫻

北池袋 新生館シアター(東京都)

2018/04/12 (木) ~ 2018/04/15 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/04/12 (木) 19:00

テンポが良く終始笑いが絶えないコメディの中に、ホロリとくる場面があり、最後まで飽きずに観ることができた。
第三回公演で今までとは少し違う演出だったけど、今までで一番刺さるものがあった。
公演前の小話も面白かった(笑)

最後の炎

最後の炎

文学座

文学座アトリエ(東京都)

2018/04/14 (土) ~ 2018/04/28 (土)公演終了

満足度★★★★

ドイツの作家の新作である。イスラムのテロで揺れるヨーロッパの市民生活の現在を表すようなコラージュである。こういうスタイルの現代演劇の始祖はブレヒトだからドイツの作家が受け継いで展開させていくのはごもっともであるが、この作品に限っては、日本の観客に届くには距離がある。戯曲の内容はそれほど特異なものではなく、イスラムのテロや難民問題だけでなく現在のヨーロッパが直面する高齢者問題、家庭の崩壊、市民社会のモラルの問題なども素材にしていて、一般性もあり、現代社会をトータルで舞台に乗せてみようという作者の意図なのだが、演出のスタイルが大上段に構えた前衛風なので、観客も受けて立つのが大変である。



ネタバレBOX

劇場中央に大きなボンがあり、そこへ四方からエピソードに応じて抽象衣裳の俳優が登場して進行する。観客は周囲から見るスタイルである。ボンはゆっくり回っているから舞台正面がない。完全な回り舞台は実は多くはない。劇場は、かなり落ち着かない。
戯曲はエピソードがいくつかの筋が重なっていくのだが、ト書きの部分や、詩的と言ってもいいか、台詞とは異質の言葉を聞かせる部分が混在して、その交錯の面白さになかなか慣れない。輻輳するストーリーも気になる。。
俳優はさすが文学座、台詞はよく聞こえるし、動きもいい。それだけに、演出者がヤッタレッ!と張り切ったのはよくわかる。控えめな音や音楽の処理もいい..
こういう舞台をやれるのはやはりこのアトリエだけだろう。ブレヒトもついにここまで来たかとある種の感懐はあるが、さて、このスタイルが広く受け入れられるかどうかは疑問である。今日の観客もご老人から中学生までいたが(ここもさすが文学座だと思う)現役バリバリの二十歳三十歳代の顔が少ない. 日本で言えば「三月の五日間」「散歩する侵略者」と言うような作品だ。だが、アフタトークでは岡田利規も登場するが、考え方はかなり違うと思う。
平穏に不協和音が

平穏に不協和音が

演劇企画集団LondonPANDA

小劇場 楽園(東京都)

2018/03/29 (木) ~ 2018/04/01 (日)公演終了

満足度★★★★★

「お芝居は四季とか宝塚とかしかみたことないっす」
なお友だちを誘って観ました。
帰りの車中で
「ずっと観てられる。もう一回頭から観たい」
って話と
「実は…」
っていうお互いのご家庭のディープな話をしました。
そういう、自分の持ってるもので応えたくなる舞台はいいなあ。いい体験を共有できたなあ。
あと、私がロンパンで好きなとこは語られなかったもの、舞台の上に乗っけなかったものだったりするんですよ。わざわざ説明しないから観ている私は安心して無関係なお客さんやってられるし、この話のなかで、これは見せませんってところが雄弁だったりする。
そこを語り合いたいから、私は今回ひとを誘ったのだなと。ふふふ、今回の感想はディープなので観た身近なひととだけで楽しみますー。
公開の観てきた!コメントなのに公共性がまるでないけど、観たひとちょっと仲の深まる舞台だったってこと。ふふふ。

ネタバレBOX

今回の
「会場で私だけがツボだったのではポイント」
は、
「あのこにあなたを父親と呼ばせたくない…!」
でした。

心は孤独なアトム

心は孤独なアトム

“STRAYDOG”

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2018/01/24 (水) ~ 2018/01/28 (日)公演終了

満足度★★★★★

「グリーンフェスタ2018」参加作品。
心の彷徨…過去と現在を往還し自己再生を果たそうとする男、それを見つめる少女の心情が静かにそして激しく揺れ、ダイナミックに錯綜していく物語。
(上演時間2時間弱) 【星チーム】

ネタバレBOX

舞台セットは、2階迄ある学校校舎のような外観(窓)、中央には歪な形をした時計。1階校舎前には木椅子が積み上げられている。上手側には男の事務所がある。

梗概…女子高生が天涯孤独になった寂しさもあり、自殺しようとしていたがアトムに止められる。その後、女子高生は売れなくなった中年シナリオライター・ナオト(金子昇サン)の元にライターとして弟子入りするところから物語は始まる。この時点では女子高生(森岡朋奈サン)の名前は明かされないが、ラストに正体が分かった時には大きな感動に包まれる。
場面が転換し、ナオトが小学校の時の苦い思い出を回想する。小学生の時、ナオトは東京からこの関西の学校に転校してきた女の子と仲良くなったが、クラスメイトの関係(強迫観念)によって自分も苛めに加担してしまった。その後、この子は他の学校に転校してしまい、最後まで謝ることも出来ず別れてしまった。
青年期にナオトは演劇俳優をしていた。そして同じ劇団員の女性と付き合っていたが、女性は他の道も模索していた。そろそろ結婚も考え始め、女性はナオトの子を宿しているようなことを仄めかすが、その真偽は明かさなかった。そしてナオトの優柔不断な態度から黙して彼女と別れることにした。先輩劇団員の闘病と死、自分自身も俳優から脚本家になっていたが、以前のように情熱的に書けなくなっていた。そんな時、1人の訳ありな女性がお手伝い(宮地真緒サン)として住み込むことになったが…。

一方、ナオトは小学生の時の苛めを後悔しており、冒頭の女子高生に励まされ自分の人生を取り戻そう、苛めた子を探し許しを得ようと心の旅にでるのだが…。
現在・現実と過去の回想を交差させ魅力的な時間軸を描き出す。魅力的というのは観せ方であり、時々の心情をダンスパフォーマンスで表現する。ダンスも群舞やタップダンス等バリエーションがあり飽きさせない。

人は後悔、その苦い思い出に決着をつけ前向きに生きるか、忘却として心の奥深く閉じ込めるか。ナオトも女子高生が現れるまでは自暴自棄になり自堕落な生活をしていたが、何かを契機に前を向く。人の心は孤独な時もあるが、熱(厚)い志が復活すれば立ち直れる、そこには子供の時のヒーロー・アトムが見守っているという自己暗示。脚本の面白さ、演出の立体的・躍動的な観せ方、舞台技術の効果的な表現そして役者の人物像の立ち上げとバランスの良さ、その全てが公演に集約されていたと思う。
本公演は、明日への元気がもらえるような素晴らしい作品であった。

次回公演も楽しみにしております。
山の上のHOTEL・別館~2018~

山の上のHOTEL・別館~2018~

劇団カンタービレ

ウッディシアター中目黒(東京都)

2018/04/13 (金) ~ 2018/04/16 (月)公演終了

風味付けの社会派っぽいスパイスに辟易とした。

その話題を取り扱うのならもっとちゃんとやりなさいよ!と感じた。

笑いの部分については、ほぼ全く面白いとは思わなかった。

でも、結末は好き。

百年の秘密

百年の秘密

キューブ

本多劇場(東京都)

2018/04/07 (土) ~ 2018/04/30 (月)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/04/17 (火)

6年前も観ているけど、これはこれとしてすごく良かった。自然と目から涙があふれてくる舞台になかなか出会えないと思うし。あのメロディーを口ずさんでしまう。

卒業式、実行

卒業式、実行

アガリスクエンターテイメント

サンモールスタジオ(東京都)

2018/02/17 (土) ~ 2018/02/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/02/17 (土) 19:30

生徒対教師の同じ問題の論争劇だった「紅白旗合戦」が事前の会議で「ナイゲン」気味であったのに対して卒業式直前から最中に設定を変えたことにより時間的な制約が加わってまさしくバックステージものに変貌。(東京サンシャインボーイズの「ラヂオの時間」がスタジオ収録であったのに対して映画版は生放送としたことを連想)
10日ほど前の試演会の段階ではクライマックス前までしかできていなかったのでこの短期間であのクライマックスを創り上げたか!な感もひとしおで、伏線回収も屁理屈もアガリスクど真ん中だし中田顕史郎さんの説得力にも納得(今まで観てきた他団体での演技ほぼそのままで、ちょっと考えると違和感がありそうなのにむしろ適合してしまうという……)。

生徒会長・クマガイの行動原理が「国歌・国旗反対」(←シリアス度が増してしまう)ではなく「生徒が自主的に決めたことを死守する」ことであるとハッキリさせるためにPTAのマエダを思想的な国家・国旗反対派として描いて熊谷と対比させるのも巧い。
これによってクマガイの「そこじゃないんだ」感が前面に出て、この芝居も思想的なことに基づいたものではないというのが強調される効果もあって鮮やか。(試演会の時にちょっと出たことを昇華させた感じ?)

また、下手の客席側にある出ハケ口や客席通路など会場の使い方やアガリスク初ではないかと思われる装置のギミックも効果的で良かった。

あと、冒頭部の見所は星秀美さんの顔芸 (爆)

誰も寝てはならぬ

誰も寝てはならぬ

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2018/04/12 (木) ~ 2018/04/18 (水)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/04/13 (金) 20:00

価格3,000円

役者面会のときにも伝えましたが「演劇の話は演劇が好きな皆さんがやるので更に面白い」。ミステリー・サスペンスという分野になるのかな。

入場したときにいつものミラクルとは違った雰囲気から芝居は始まっていた・・・。
観終わったときに「なるほど」と言わせる作品。この脚本が学生時代に書かれていたとは秀逸すぎます。
役者さんは皆さんどこかで観たことのある人ばかり。若いけど実力があるので安心してみることが出来ました。

4/18本日が最終公演(19:00から)。70分という比較的短い時間ですが非常に楽しめる作品です。すでに演出の池田さんからもTwitterで発信されていますが、本公演は架空予約の被害に。その影響もあるのか千秋楽もまだお席に余裕があるそうです。
迷っている方は是非足を運んでいただきたいです。(まだ事前扱いで予約できるみたいです)

二ツ巴-Futatsudomoe-<舞台写真公開中!>

二ツ巴-Futatsudomoe-<舞台写真公開中!>

壱劇屋

ABCホール (大阪府)

2018/04/06 (金) ~ 2018/04/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

セリフが無い分、キャスト皆さんの体・表情で表現する力が臨場感抜群で凄かったです。ストーリーやBGMも最高で、とても感動しました。もう一度、機会がありましたら観劇したいです。

High Life

High Life

ソニー・ミュージックアーティスツ

あうるすぽっと(東京都)

2018/04/14 (土) ~ 2018/04/28 (土)公演終了

満足度★★★★

カラーがポップでした。

ネタバレBOX

ATMが故障したと思わせて、修理中に現金を盗もうと考えたドラッグ中毒の男たちの話。

まさか、修理屋を待つ車の中で一人がプッツンして別の一人を殺してしまうなんて思ってもみない展開で、背景の映像ともどもファンキーでした。

日本語のストレートな隠語はジャンキーらしさを表現しようとし、更には演劇の自由さを強調する意図もあったと思いますが、いくら脳みそがイカレているとはいえ、30代、40代の都市生活者が発する言葉としては似つかわしくなく、頭でっかち、逆に引いてしまいました。

前科者となって一人前、刑務所に入ったこともない若造などを仲間に入れたことが敗因だったとは、勉強になりました。
上手に伝えられなくて

上手に伝えられなくて

〇〇Pソファ

インディペンデントシアターOji(東京都)

2018/04/12 (木) ~ 2018/04/15 (日)公演終了

満足度★★★★

別の人を主人公にしてほしかったです。

ネタバレBOX

喫茶店で働くことになった知的障害者の話。

一人では生活のできない人を放り出す社会制度があるのでしょうか。障害年金を実の親が使い込んでいるなら、やめさせる方法はいくらでもあるのではないかと思います。

そもそも、社会に放り出されたとあったので、ちょっと不思議に見える発達障害の人の話かと思っていました。予想していたものとは異なっていました。

迷惑を掛ける桜の枝を切らせない地主のおじいさんこそが発達障害で、この人を取り上げてほしかったと思います。

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