
ブルース・ウイルス~ダイ・ハードな1週間~
乱痴気STARTER
Geki地下Liberty(東京都)
2018/04/17 (火) ~ 2018/04/22 (日)公演終了
満足度★★
鑑賞日2018/04/22 (日)
22日のマチネ(105分)を拝見したのだが、過去作の『キャプテン・オブ・ザ・コック~お前が匙を取れ~』での「栄養素」達の掛け合いを、ウイルスと体内細菌等のそれにスケールアップした作品かと思っていたが、私が未見の初演版(2012年)があったらしい。
なので、乱痴気STARTERさんの、シリアスな作品(『ゆた』)を除いた、私が観た複数の過去作との比較で述べさせてもらうが…(あくまで22日マチネ回に限っての話かもしれないが)客席の笑いの量は大幅にスケールダウンしたようだ。
私見だが、体内での抗争ネタだけで1時間半を越える上演時間を消化するのは無理があったように感じられた(舞台後半での、客席の何と静まりかえっていたことか!)。
たとえば、ウイルスに侵された人間と医者のやり取りなどを交えるなどして、視点に広がりを持たせた方が、上演後半の単調な進行を回避できたのでは、と思えてならない。
基本、ドタバタコメディーの団体さんなので、脚本に必要以上の「深み」を持たせる必要は無いのだろうが、必要最低限の「(笑いの)密度」は備えさせるべきであろうと強く感じた作品だった。

「ハムレットマシーン」フェスティバル
die pratze
d-倉庫(東京都)
2018/04/04 (水) ~ 2018/04/22 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/04/22 (日) 14:00
五組目:劇団シアターゼロ/IDIOT SAVANT theater compan
最終組は「まだこのテがあったか!」な2団体?
【劇団シアターゼロ】
狂言まわし的な人物と白塗りのハムレット、オフィーリアという3人によるほぼ無言劇。装置・小道具もなくひたすら演技のみによる表現なので最もヒントが少なく「難解」?
そういう意味ではもしかしてこれが本来のカタチか?(笑) ← 当戯曲は不定形なものにつき「本来のカタチ」などという概念は存在し得ません(私見)
【IDIOT SAVANT theater compan】
序盤はテキスト要員1名に応援団または一世風靡セピアのような6人(男5女1)のコロスによる絶叫型アングラ風味。その刷り込みか演者3名が加わってのパフォーマンス(立てた黒い板に各国語で言葉を書き込みアジテート立て看板のようにすつとか、椅子に座った人物に白く細い布を巻きつけてゆくとか)もアングラチックに見えてしまう。
また、ラストのルンバに「上海バンスキング」のラストシーンの家鴨を想起。
ところでダンスの犬ALL IS FULLに続いてヴィヴァルディ「四季」の冬・第3楽章(?)を使っていたが、終末だの廃虚だののイメージがあるのか?

げんせんじゃ~2018
劇団たいしゅう小説家
萬劇場(東京都)
2018/04/18 (水) ~ 2018/04/22 (日)公演終了
満足度★★★★
愛と情熱の旅館「宝や」
新番組『崖っぷちホテル』ならぬ『崖っぷち老舗旅館』は若社長と個性ある従業員による経営立て直し奮闘記。
何年かぶりのたいしゅう小説家さんでしたが、すっとぼけた笑いは健在。というか益々磨きがかかっていた様な気が。
王道のハートフルコメディーに加え、再演を重ねてじっくり煮込まれた安定の味わい。
笑いは緩めですがキャラクターへの入り込みはガッチリで、役者さん達にも味がよ~く浸み込んでいました。
演出に応えた全くブレの無い演技は観ていて、とても清々しいものです。

二ツ巴-Futatsudomoe-<舞台写真公開中!>
壱劇屋
ABCホール (大阪府)
2018/04/06 (金) ~ 2018/04/08 (日)公演終了
満足度★★★★★
壱劇屋さんの作品の観劇は「五彩の神楽」シリーズ5作品に続いて6作品目になります。
<ストーリー面>
壱劇屋さんのwordless×殺陣芝居シリーズでは、「殺陣」を主軸としつつ、様々な世界観や背景において、
強烈なエモーションに突き動かされた魅力的な登場人物たちによって紡がれる人間ドラマを一貫して描いてこられましたが、
本作もまさにその路線の王道をゆく、期待を裏切らないものとなっています。
<演出面>
「水」「河」「水流」の演出や、弓から放たれた矢の演出などは「あえてこう来たか!!」と唸らされました。
まるで、ステージとセットという既存の舞台芸術の表現空間の解体再構成に挑むかのような挑戦的な姿勢にとても興奮させられました。
そして、それらの目まぐるしい演出を、実質的に数名だけの鍛え抜かれた連携でこなしておられたことにも驚かされます。
<キャスト面>
はじめに、ふたりの父、竹村さん演じる「父」と、岡村さん演じる「主」のお二方の演技の説得力。まさこの物語における二本の軸でありました。
また、「水の神」の赤星マサノリさんや、大熊さん、小林さん、西分さんも、それぞれに個性的な登場人物を実に雄弁に描いておられました。
そして、ふたりの父がこの物語の「二軸」であるなら、NMB48のお二人が演じるふたりの娘はこの物語の「両輪」であったといえましょう。
久代梨奈さん演じる「ともえ」と谷川愛梨さん演じる「トモヱ」も素晴らしい出来だったと思います。
あまり詳しくは書けませんが、まず、谷川愛梨さんの可憐な演技は、NMB48での彼女とは異なる新しい魅力を放っていました。
初めての殺陣も忙しい中たくさん練習を重ねたのでしょう、とても初めてとは思えない堂々としたものでした。
そして久代梨奈さん、前回出演した「憫笑姫」から質量とも各段に増えた殺陣を華麗にこなす姿にも度肝を抜かれましたが、
それ以上に印象的だったのが殺陣シーン以外での彼女の表現でした。
なかでも本作のエンディングシーンにおける、彼女の万感胸に迫る表情には心を鷲掴みにされました。
あのシーンの表現を以って、彼女はこの作品の「主演」としての役割を見事に果たしきったと確信いたします。
<その他追記>
壱劇屋さんのwordless×殺陣芝居シリーズでは、劇中、言語表現としての「台詞」が一切ない(叫び声、うめき声、泣き声などは除く)ため、
受け手はストーリーの詳細までは把握することができず、それらの不足や欠落を想像や脳内妄想で補完することとなります。
当然ながらその過程において、受け手側それぞれに、ある種の「誤解」が生じるわけですが、
壱劇屋さんの、そういった受け手の「誤解」をあえて受け入れ、逆に物語の様々な可能性としてポジティブな意味付けをする姿勢は非常に野心と冒険心に溢れるものであり、
上記の演出面などとも合わせ、舞台芸術の可能性においてさまざまな示唆に富む作品であると感じました。

青春超特急
20歳の国
サンモールスタジオ(東京都)
2018/04/19 (木) ~ 2018/04/29 (日)公演終了

青春超特急
20歳の国
サンモールスタジオ(東京都)
2018/04/19 (木) ~ 2018/04/29 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2018/04/20 (金) 19:00
これまでは青春現在進行形的なステージが多かったですが、今回は青春走馬灯。今後も40の国、60の国、80の国…と一生面白いステージを作っていってもらいたいです。

歌姫、ネバーダイ!
ライオン・パーマ
上野ストアハウス(東京都)
2018/04/19 (木) ~ 2018/04/22 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2018/04/22 (日) 14:00
いつもの人が何人かいないということで番外公演扱いだったのでしょうか。それでも、時間的、空間的にものすごい大冒険。しかも、全部繋がってるのだから面白い。力作。

一人芝居ミュージカル短編集vol.5
一人芝居ミュージカル短編集
高円寺K’s スタジオ本館B1(東京都)
2018/04/22 (日) ~ 2018/05/06 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/04/22 (日) 17:00
沢山verがあるようですが、男性3人とピアノ演奏版を拝見しました。ミュージカルの苦手な私ですが、各俳優の個性にあった一人がたりと歌唱。飽きることなくダレることなく、面白く拝見しました。観て良かった。細かくはネタバレで。

R老人の終末の御予定
ポップンマッシュルームチキン野郎
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2018/04/18 (水) ~ 2018/04/23 (月)公演終了
満足度★★★★
脚本が素敵。ロミジュリっぽさがあって優しくなれる。
ジジイとババアと電化製品の話なのに。ジジイとババアと電化製品の話なのに!(大事なことなので2回)
劇団員を筆頭に芸達者な人ばかりで、毎度のことながら才能の無駄遣い感が最高に楽しい!
素敵なジジイがたくさん出てきて、こんなふうに歳を取りたいものだと思う。私がなるのはババアだけども。手足の衰えの表現が細くていいねぇ。
電化製品というか電子機器が好きなので、人間の原型を留めない着ぐるみ達も好き。どうしてわざわざアクティング範囲を狭める形で作るかな(笑)!
PMC野郎の良いところは、全力でバカらしいこと(白塗りとか肌色とか)を出来ることで、悪いところは役者の素顔が分からなくて、客出しで判別付かないこと(笑)。客演先での芝居を見ないと、脳内で一致しないっていう……

忘却論
華凛
ワーサルシアター(東京都)
2018/04/18 (水) ~ 2018/04/22 (日)公演終了
満足度★★★★
①初日観劇。ネタバレなしの感想が難しい。
まるでアトラクションのようだった。色んな要素が散りばめてあって、スプラッシュマウンテンみたいな効果と勢いもある。
刺さる人にはザクザクくるヤァツ。
好きな登場人物は、北斗。全部まるっと好きにはなれないけども。金里もけっこう好み。
表現は、みんな大変(笑)。
照明と美術と、劇伴セレクトセンスが、私の好みに突き刺さる。
すっごいどうでもいいけど、時代設定は今から10〜15年前なのかな、と勝手に思った。根拠は、Satelite Jシリーズだったこと。アホみたいな理由だから、本当のところは知らないよ。
音では、カンカンカンとバシィィィィッ、が良かった。
細か過ぎて伝わらない。
②千秋楽観劇。
終盤の一瞬だけのシーンで、水槽の水が天井と繋がったように見えたシーンがあって、
一瞬すぎて、初日は見落としてたというか意識出来なかったんだけど、めっちゃかっこいい。
一瞬だから表現できてるんだけど。
水は水であり、血あり、血肉であり、生命でもあったのかな。
登場人物全員の、悲しみと諦めと執着と憎悪が、とても難しい表現。だけど、みんなその技術があるのがすごい。
ラスボス感満載の東香/椎名亜音の憎悪が1から100に跳ね上がって表に出てくるシーンがたまらない。
他の人物の憎悪の増加を段階的に見た/知った上で訪れる100だから、受け入れられる展開だという点を差し引いても、100を100で伝えきるのは技術がないと出来ない。

「曽根崎心中 ーイウストレー」
舞嶽44景project
OVAL THEATER & GALLERY (旧・ロクソドンタブラック)(大阪府)
2018/04/21 (土) ~ 2018/04/22 (日)公演終了
満足度★★★★
熱量のいっぱい感じたお芝居でした。
最後は、やはりホロリときました。
舞嶽44景、これからいろいろと変化して行くと思うので楽しみです。
ありがとう♪♪♪♪

フェイクワンダーランド
ぱすてるからっと
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2018/04/17 (火) ~ 2018/04/22 (日)公演終了
満足度★★★★★
これだけ何度も騙されて、最後に分からなくなってしまう、更にはもう一度観たいと言わせる舞台はなかなかありません。
考えれば考えるほど頭の中でぐるぐる廻ってしまう作品です。観た人の数だけ、解釈は様々です。
もしかして、役者さんの解釈もそれぞれで、チームによって色の違いが出るのかもしれません。
今回処女作の井上千鶴さん @czr_424 の次回作も楽しみになりました。
そして、この作品もいつの日か全く違う役者さんで再演されたらと願います。

さようなら
オパンポン創造社
インディペンデントシアターOji(東京都)
2018/04/19 (木) ~ 2018/04/22 (日)公演終了
満足度★★★★
前楽観劇。
アフタートークのゲスト・アガリスクの冨坂さんが話題に出したように、泥臭さと人間の荒々しさが芯にあって、東京ではあんまり見れないタイプ。
笑いどころもたくさんあるし、80分でさくっと見られる(これ結構大事)。
平凡な日常を繰り返し描く展開が、吉本新喜劇みたいだなって思ったり、客入れ時から鳴ってる雨音の表現力がすごかったり、明かりの作り方が綺麗だったり。
6人しか出てこないけれど、凄く濃厚で、キャラが立つ。
ラストのアハ体験は楽しかったなぁ。
クジカンの時には正装じゃなかったので、野村さんのオパンポンパンツ姿、やっと見れたぞー!(笑)
でも、色物ではなく技量のある役者さんでした。
PARAMUSHIRに出ていたKING&HEAVYの伊藤さんが演じるチェンが面白かった!
また東京に来る時は、見に行こうかな。

青春超特急
20歳の国
サンモールスタジオ(東京都)
2018/04/19 (木) ~ 2018/04/29 (日)公演終了
満足度★★★★★
相変わらずの熱量溢れる舞台で、青春というテーマの同劇団の総決算の様でした。甘くもほろ苦いエピソードを交えての2時間、大変楽しめました。卒業公演との事ですが、また違う形でも良いので公演されることを願っております。

レインメーカー(大阪公演)
劇団ショウダウン
TORII HALL(大阪府)
2018/04/20 (金) ~ 2018/04/22 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/04/22 (日)
ショウダウンらしい素敵なファンタジーを堪能させて頂きました☆ナツメクニオさんの創造するお芝居は【前向きな気持ちになる優しいお話】が魅力やと思います♪なので絵本を読んでるような気分にさせてくれるんです★【くいしんぼうスヴィ】を演じた竹内敦子さんが良い味出してて、一人芝居も楽しみになりました\(^o^)/

青春超特急
20歳の国
サンモールスタジオ(東京都)
2018/04/19 (木) ~ 2018/04/29 (日)公演終了
満足度★★★★
若さとエネルギーに溢れる2時間でした。声が大きすぎるのか割れてしまい良く聞き取れないセリフがありました。それが残念でしたがテンポもよく良い芝居を観せてもらいました。脚本が上手いのです。コリッチの舞台芸術祭り10作品に選ばれているこの作品がグランプリが取れたらうれしいですね。期待しています。

レインメーカー(大阪公演)
劇団ショウダウン
TORII HALL(大阪府)
2018/04/20 (金) ~ 2018/04/22 (日)公演終了
満足度★★★★★
子供は大人が思うよりずっと早く成長をする。大人の考えなんて関係ないけど子供も必ず大人になるんだと、考えさせられました。
トリイホールは客席と舞台が超至近距離で、役者の迫力がそのまま伝わってきました。

デンジャラスGeorgeと炎のアスリートたち
かのうとおっさん
大阪市立芸術創造館(大阪府)
2018/04/20 (金) ~ 2018/04/22 (日)公演終了
満足度★★★★★
何とも言えないくだらなさを、目一杯体力を消費して観せてくれました。
綺麗なフィギュアを披露した佐々木ヤスコさん濱辺緩奈さん鳩川七海さんにメダルを。最後まで相方を探した奥田さぶりな美樹てぃー さんに拍手。
かのうさん美人で面白かったです!

歌姫、ネバーダイ!
ライオン・パーマ
上野ストアハウス(東京都)
2018/04/19 (木) ~ 2018/04/22 (日)公演終了

忘却論
華凛
ワーサルシアター(東京都)
2018/04/18 (水) ~ 2018/04/22 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2018/04/22 (日) 17:30
熱海殺人事件あたりが好きな人にはご理解いただけると思う。四面舞台であることをきっちり生かした演出で、どの面から見てもおそらく没入感は高かったように見えた(少なくとも自分のところからはそう見えた)台詞が聞こえるとか、そろうべき動きがそろっているとか、止まるところが止まっているとか、しっかりできていたので、変なところに気が向かわずに見れたところも良かった。
欠点としては、見てる側もすごーく消耗することかな