
美愁
The Vanity's
APOCシアター(東京都)
2018/04/24 (火) ~ 2018/04/28 (土)公演終了
満足度★★★★★
”生”そのものが過酷な運命に翻弄された母と娘の残酷な物語。一見、中国風な舞台空間であるが、実は仮想世界であり、耽美な雰囲気を漂わせている。
物語も面白いが、アフタートークならぬアフターライブも楽しめる、という1公演で2度美味しい。
(上演時間1時間40分+20分)

青春超特急
20歳の国
サンモールスタジオ(東京都)
2018/04/19 (木) ~ 2018/04/29 (日)公演終了
満足度★★★★★
祝卒業。タイトルどおりの直球公演。歌やダンスの熱さに紛れない、丁寧な人物描写と心に自然に残る言葉。舞台にいる全員が好きになります。
そして今回は、駅のアナウンス?がとてもとても、切なかったです、

アラクネの恋
劇団もっきりや
ART THEATER かもめ座(東京都)
2018/04/19 (木) ~ 2018/04/22 (日)公演終了
蜘蛛の巣→ウェブ→ネット上で、安全圏内で無自覚、無節操、無責任に差別や嘘を撒き散らす人→傍観者、という繋がり?
実際はネットでこれらの発言をする人は加担者で、傍観者よりも遥かに性質が悪いんですけどね。

美愁
The Vanity's
APOCシアター(東京都)
2018/04/24 (火) ~ 2018/04/28 (土)公演終了
満足度★★★★★
劇中に登場する「紅楼夢」まさにその世界のよう!現実とファンタジックな世界が入り乱れ、惹きつけられ、その世界に身体ごと包まれていたような感覚。しっかりした演技と抜群の歌唱力、そして登場人物の想いがその空間を満たしていく。なんとも贅沢なひとときでありました。

1984
新国立劇場
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2018/04/12 (木) ~ 2018/05/13 (日)公演終了
満足度★★
鑑賞日2018/04/22 (日) 13:00
かなり、観るのをためらわれた作品。
だいたい、SF作品というのは舞台にするとやけに陳腐になる。
まず、舞台転換をする必要が多いのに、舞台装置も大掛かりになりやすく、ますます展開が鈍重にな悪循環が生じるし。一方で、展開しやすく舞台上を簡素にしようとすると、今度はイメージがしずらく、何が何だか訳が分からなる。
「1984」も、この傾向に陥ったかな。
本国やアメリカでは、なにやら称賛を受けた舞台だということで、結局は観ることとしたのだけれど、不安はあった。
1.ビッグブラザーという抽象的かつ絶対的な存在をどう表現するのか?
2.故大杉漣氏は、どの役をするの?(割とまじめに、当てはまるような題材絵は二と 思ったから)
3.1984年という四半世紀昔前の話をどこでどのように未来として描くのか?
2は残念ながらというか、代役になってしまったけれど、だからといって、大杉さんがこの役をやっても、それほど魅力的になっただろうかというと疑問。
3は、1984年というと陳腐にしか感じられない年代を、さらなる未来からテキストとして読み起こすという構造をとることで、それとなくクリア。
やはり問題なのは1か、だーって全然怖くないんだもの。全体主義、管理主義が。
確かに拷問のシーンはあったけれど、そこだけで見せてしまっているから、追い詰められ感がない。だから、不気味さがないままに、淡々と話が進んでいき、ひどい抑圧社会なのに、割と主人公たち、すらすらと好きなことやってんじゃない、と思えてしまう。それというのも、ビッグブラザーがいるいると言うだけで、えっどこに?となってしまうから。
SFの舞台というのは、ある意味、SFスリラーとしてしか作れないのかな。それとも、
国立劇場や歌舞伎座のような、回り舞台やせり上がりでどどーんと未来や異世界を見せるしかないか。

レバア
西瓜糖
テアトルBONBON(東京都)
2018/04/18 (水) ~ 2018/04/29 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2018/04/25 (水) 19:00
座席1階J列5番
価格4,500円
「レバア」この題名については、パンフレットでの寄稿文でも、肝臓の「レバー」だと思っている記載があったが、私も同様に思っていた。肝臓というのは何とも血生臭さを感じさせる、戦後すぐの人心は戦中をの回想をそうしたものと思い起こさせるものと捉えさせることに無理はないと思った。だから、まんざら変な題名ではないではないし、舞台を観ながら、そのタイトルにどうやって帰着させるのだろうと関心を持っていたのだけれど、、、
そうか、あの「レバア」のことだったのか、彼が目にした「レバア」とは。
舞台の感想を幾つか読ませていただくと、現代の政治状況や戦争観に引きつけて述べているものがあったけれど、私はあくまでもあの時代に寄り添って、各登場人物の心情を読み解いていくことをお勧めしたい。むしろ、現代の問題に置き換えることを拒否して言うようにさえ思えるからだ。
だからこそ、この脚本は凄いのだ、と思う。
娘と2人暮らしの1件家に、何人もの戦争被災者が寄り添っって住んでいる。
彼らは、相互に名前を知らないし、経歴・出自も知らない。主の「せんせい」(小説家)に言わせると、その方が後腐れがなく面倒がないと言う。
だから、彼らは名前がない。「じいさん」「ぼくちゃん」「黒紋付(芸者)」「奥さん」「焼き鳥屋」。
そこに、1人の復員兵が裸足で、盗まれた自分の靴がここにあるとして尋ねてくる。
彼はそのまま、その家に居ついてしまうのだが、その目的は?というお話。
復員兵は、諸々、周囲に影響を与え、次第に「天使」と呼ばれるようになる。

Bye-Byeレストラン!
バズサテライト!!
新宿スターフィールド(東京都)
2018/04/18 (水) ~ 2018/04/22 (日)公演終了

ヘッダ・ガブラー
シス・カンパニー
Bunkamuraシアターコクーン(東京都)
2018/04/07 (土) ~ 2018/04/30 (月)公演終了
満足度★★★★
こんなに客席が笑う「ヘッダガブラー」は初めてだ。今現代劇をやらせればトップクラスの俳優を並べた久しぶりのヘッダガブラー、大劇場の大公演である。こういう座組みは、よかれあしかれ、今や、シスカンパニーにしかできなくなった。
客が笑うのは、もっぱら、人物と場面のずれと言ったところだが、今まではそういうところは人物が孤立していく悲劇的シーンだった。つまりは、資本主義時代を迎えて崩壊しかけている前時代のモラルの中で、行き場を見つけられない人々を描く悲劇、ことに女性の悲劇、が今までのヘッダガブラーである。
いつものように栗山演出は行儀よく、場面を重ねていく。演出の意図に、お互いに理解しあえない人々、はあるだろうが、笑わせようという意識はなかったのではないかと思う。しかし、寺島の行き場のない勝手次第のヘッダにも、夫の小日向の場の読めないオロオロぶりにも、段田の判事のセクハラにも客はよく笑う。それは時代の反映だから仕方がない。
劇中、、現実妥協派の水野美紀が役がもっとも時代に近いせいか、この曲者ぞろいの配役に埋もれず、生き生きと演じて、大健闘だった。

青春超特急
20歳の国
サンモールスタジオ(東京都)
2018/04/19 (木) ~ 2018/04/29 (日)公演終了
満足度★★★★★
2度目。公演中、カラオケナイトと称する回が3度あり、この日はその3回目。湯口光穂さんのカラオケから始まるという、先日とは違う演出。この前観たときには、とにかく序盤の勢いに圧倒されて、その分後半ではちょっと疲れも感じたのだけど、今日改めて観て、それは高校生活の後半のシーンの数々、もう新入生の頃のように無邪気なだけではいられなくなってきた苦さが、自分の胸を刺してたのだなと。それでも☆5つ付けたくなるのは、批評めいた御託云々じゃなく、単純にこの芝居が大好きだから。登場人物みんなが愛おしい。

嗚呼いま、だから愛。
モダンスイマーズ
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2018/04/19 (木) ~ 2018/04/29 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2017/04/25 (火) 19:00
3000円という安さに見合わないくらいのクオリティで散りばめられた笑いと深度を伴ったやり取りにあっという間の時間でした。若干聞こえづらい台詞もありましたが、その分、表情など細かなやりとりも生きていたので難しいバランスだとも思います。
観ていて何度か込み上げる痛みや悲しみ、苦しさのようなものを感じ、稀有な観劇体験になりました。
ただ、作品のタッチと言えばそうなのですが、関係が少し単純化、戯画化されているせいかやりとりが、土台(関係、年月など)から派生している感が薄れている気もしました。
好みもあるとは思うのですが、個々が抱えた問題以上に、他者への勇気というか、思いやりみたいな部分をもう少し深く強く信じられたら、キャラクターをもっと深く受け入れられたような気もします。

いつも心に太陽を ストリッパー物語
たやのりょう一座
浅草木馬亭(東京都)
2018/04/18 (水) ~ 2018/04/25 (水)公演終了

『シーチキン®サンライズ』Musical『殺し屋は歌わない』
T1project
小劇場B1(東京都)
2018/04/25 (水) ~ 2018/05/06 (日)公演終了
満足度★★★★★
出演者22名、これだけの役者が出ていながら、誰一人キャラの立っていない役者が居ない。年間少ない時でも250本程度は芝居を観る自分も、これだけのキャストが皆キャラの立った演技をしている舞台を観たのは今回を含めて2度しかない。
兎に角、重層化した深みのある脚本なので、可也演ずるのが難しいとは思うのだが、それを見事に演じている。キャスティングの良さ、演出の良さも、脚本の良さも無論のことだが、所謂下世話な世界を描き乍ら、決して下卑たり、媚びたりしない、而も極めて本質的な作品である。
舞台美術も作品内容にピッタリしたものだし、導入部から、観客を引き込む演出手腕も見事である。脚本・演出は、何れも友澤氏が務めているが、脚本に対する演出の仕方に適正な距離が取られている点も見逃せない。照明、音響のオペも見事である。総てが総合的に収斂して総合芸術としての舞台芸術を形作っているのだ。(華5つ☆ 追記2018.4.26)

渇生
HIGHcolors
「劇」小劇場(東京都)
2018/04/25 (水) ~ 2018/04/30 (月)公演終了
満足度★★★★
いろいろと
生きあぐねている様が
もどかしく進行してゆく約2時間の作品
かっちりとした感がある物語ではないので
万人受けはしないやも・・と思えたかなぁ

渇生
HIGHcolors
「劇」小劇場(東京都)
2018/04/25 (水) ~ 2018/04/30 (月)公演終了
満足度★★★
初めての劇団さんでしたが、平瀬さんが出演とあって初日を観劇。うーん、かなり重いです。いいお芝居ですが残念ながら好みではなかったです。見えない物と闘っている全ての人へというだけあって、答えのないテーマでこのストーリーを敢えてお芝居で我々に伝えたかったことはなんだろうと考えてしまい、結局最後までわかりませんでした。序盤からかなりイライラしながらラストシーンを迎えてしまい、自分の中で消化できませんでした。今回はたまたま、次回作に期待します。

歌姫、ネバーダイ!
ライオン・パーマ
上野ストアハウス(東京都)
2018/04/19 (木) ~ 2018/04/22 (日)公演終了
満足度★★★★★
何十年かぶりに女の子をつれてお芝居を見にいきました。
どきどきです。
その女の子がはじめて見たお芝居がライパ・歌姫でよかった。
変化球、だけど誰が見ても楽しめる。
もっとたくさんの人に知ってほしい劇団です。

渦中の花
room42
インディペンデントシアターOji(東京都)
2018/04/24 (火) ~ 2018/04/29 (日)公演終了

溶けない世界と
mizhen
d-倉庫(東京都)
2018/04/25 (水) ~ 2018/04/29 (日)公演終了
満足度★★★★
過去作品を観ておらず、初観劇なので一概には言えないのだけれど…音楽や照明等、演出全体から受ける雰囲気は、クロムモリブデンを少しばかりwetにしたような印象。

新宿コントレックスVol.19
アガリスクエンターテイメント
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2018/04/20 (金) ~ 2018/04/21 (土)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/04/20 (金)
20日ソワレ(95分)を拝見。
出場5団体を登場順に感想を述べると…
『角度の授業』のエンニュイさんは初めて観る団体さんだが、高木健さん扮する「先生」の“自分可愛い“一本鎗なセリフのラッシュ&パワーに大笑いさせられた。
あと、「母親」役の児玉磨利さん。全体終演後の挨拶で、役のイメージよりずっと若い方だったとわかり、大いに驚かされた。
『ななめ島』のくによし組さんは、本公演を数回拝見している団体さんだが、いつものシュールな設定の下で、こんなにも笑いが取れるとは、正直言って予想だにもしなかった。
恐るべし!くによし組!!
なかないで、毒きのこちゃんさんの『キミはボクの光くん。』は、一種のバックステージもの。コミカルも交えた、(実質)独り語り『コーラスライン』の趣き。
上演毎に演じる役者が替わるトリプルキャストとのことで、私は観たのは石澤希代子さんの出演回だったが、観終わっての印象は…石澤さんの豊かな表現力に尽きるかと。
『おもろいフェスティバル』の劇想からまわりえっちゃんさんも初見の団体さん。
関西の団体らしく、押しの強さと、定番ギャグの連続投入の笑い…実は本来、私の苦手な芸風なのだが、そんな個人的嗜好を押し流してしまうほど、素直に笑わせてもらった。
アガリスクエンターテイメントの『エイジ』。
1990年代後半の日テレ土曜9時台のドラマ、『サイコメトラーEIJI』のサイコメトラー能力(物や人に触れるとそれに残った過去の記憶の断片を読み取る能力)を用いたコメディは、同じく、伝説のw日テレ土9ドラマ『聖龍伝説』まで引っ張り出す程の芸の細かさ。
大変ニッチな題材を使いながらも、息をつかせぬ爆笑の連続!…期待通りの緻密な台本にはひたすら感服する限りだった。
人間の感情のうち、恐らく最も個人差の激しい「笑い」。他の方の感想を拝見していても、(あくまでもワタシ個人の価値判断だが)首を傾げたり・大いに頷いたりと様々だが、会場の反応からみて、少なくとも20日ソワレ回は盛況だったと考える。

地底妖精
Q
早稲田小劇場どらま館(東京都)
2018/04/20 (金) ~ 2018/04/23 (月)公演終了
満足度★★★★
STスポットでの永山由里恵と武谷公雄の怪演が記憶に新しいQの新作(上演は二度目という)は早稲田どらま館で、同じく永山のほぼ一人芝居。無対称の存在(地底の生き物)とのパーティ(おならの出ない芋を勧めるのにほぼ終始)に始まり、延々と喋くり回るのは妖精とはこれ如何にである。客席にやたら視線で絡むかと思っているとついに舞台上に客を引っ張り上げ、一くさり遊んでみたり、突如夢の再現らしいゲロい映像が流れたり、終盤に漸く登場するもう一つの生物・・と、飽きが来る暇もない。妖精(自分をそう思っている人?)の暮らす世界は一体どこなのか、ピンクの芋と蔓は(サツマイモ色の塗り損ないでなければ)何を象徴するのか、モグラは彼女にとって何か・・といった疑問は湧くが、答えを探す必要性を感じさせない。彼女が抜き差しならぬ所へ進んでいく「感触」があり、人格の一貫性の表れと思われるこの感触はテキストが構築したものか、俳優の仕事か。型破りが標準である所のQの今回も美味しい舞台をみた。

ゲームブレイカー
ピウス
ザ・ポケット(東京都)
2018/04/25 (水) ~ 2018/04/29 (日)公演終了
満足度★
鑑賞日2018/04/25 (水) 19:30
座席1階C列
ピウス企画『ゲームブレイカー』ザ・ポケット
手に汗握るデスゲーム。
思わず引き込まれる設定と参加者・運営側の駆け引きが面白くてあっという間の1時間50分でした。
かなり設定が練られていて、ファンタジー要素が入っていた『トレーディングライフ』と比べると現実味を持たせた作品作りがされているような感じがしました。
続編を期待したくなるようなラストのオチが良かった。