最新の観てきた!クチコミ一覧

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美愁

美愁

The Vanity's

APOCシアター(東京都)

2018/04/24 (火) ~ 2018/04/28 (土)公演終了

満足度★★★★★

”生”そのものが過酷な運命に翻弄された母と娘の残酷な物語。一見、中国風な舞台空間であるが、実は仮想世界であり、耽美な雰囲気を漂わせている。
物語も面白いが、アフタートークならぬアフターライブも楽しめる、という1公演で2度美味しい。
(上演時間1時間40分+20分)

ネタバレBOX

セットは、天井にあるサークルから何本かの綱を垂らし、部屋空間を作り出す。その円真ん中に腰高程のテーブルが置かれている。後景は葉が生い茂り森をイメージさせ、またこの家の別部屋のようなスペースも設ける。

物語は、家族という集団の愛憎渦巻く人間模様と(個)人の心に蠢く邪悪な思い。富豪・柳家に女の子・呉葉(作・瑞生桜子サン)が生まれたが、生れつき顔に痣があり父にして当主の龍仁は妻・美羽に始末するよう命じる。美羽は苦悩するが、美羽の姉・鈴の機転により別の生き方をさせる。後に呉葉の妹にあたる柚杞が生まれ、妹の付き人として呉葉を用いる。母・美羽は薬物中毒でそれが原因で呉葉の顔に痣が…美羽が苦悩する理由である。そんな時、新しく柳家にきた奉公人から立入禁止の森に住む魔女なら痣が消せるかも、そんなことを聞いた呉葉は…。

実母に愛されたい娘、痣がなければ愛するという言葉を信じ魔女と取引する呉葉、代償は生まれたばかりの自分(命)を助け、教育係として育ててくれた伯母・鈴の命。実は柚杞はこの鈴と龍仁の娘という錯綜した関係にある。家族という関係、身近であるが故に愛憎の増幅が見えてくるよう。ラストは呉葉が椅子に腰掛けたまま小瓶を落とすが….
惑乱-娘・呉葉の諦念、行き場のない衝動がある不確実な情報によって希望を芽生えさせる。母の”愛”という呪縛に捕われた_愛情を得るためモラルという心の壁を壊した行動が切ない。母・娘の愛情という普遍性を鮮明に切り取った骨太でありながら繊細な作品。
ラストは痣も含め自分自身を抹殺するような、生きていればこんな人生だったかもという、全ては夢の中-劇中劇のようにも思える不思議な展開でもあった。

「音楽劇」と謳っている通り、劇中歌も物語の雰囲気(耽美と寂寥)にマッチした選曲である。また呉葉が劇中から抜け出し、キーボード奏者と連弾するなど、謳い文句である音楽のバリエーションで楽しませてくれる。先に中国風のセットと記したが、楽器には二胡を用いるなど細かい配慮が観られるのも好い。

次回公演を楽しみにしております。
青春超特急

青春超特急

20歳の国

サンモールスタジオ(東京都)

2018/04/19 (木) ~ 2018/04/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

祝卒業。タイトルどおりの直球公演。歌やダンスの熱さに紛れない、丁寧な人物描写と心に自然に残る言葉。舞台にいる全員が好きになります。
そして今回は、駅のアナウンス?がとてもとても、切なかったです、

アラクネの恋

アラクネの恋

劇団もっきりや

ART THEATER かもめ座(東京都)

2018/04/19 (木) ~ 2018/04/22 (日)公演終了

蜘蛛の巣→ウェブ→ネット上で、安全圏内で無自覚、無節操、無責任に差別や嘘を撒き散らす人→傍観者、という繋がり?

実際はネットでこれらの発言をする人は加担者で、傍観者よりも遥かに性質が悪いんですけどね。

美愁

美愁

The Vanity's

APOCシアター(東京都)

2018/04/24 (火) ~ 2018/04/28 (土)公演終了

満足度★★★★★

劇中に登場する「紅楼夢」まさにその世界のよう!現実とファンタジックな世界が入り乱れ、惹きつけられ、その世界に身体ごと包まれていたような感覚。しっかりした演技と抜群の歌唱力、そして登場人物の想いがその空間を満たしていく。なんとも贅沢なひとときでありました。

1984

1984

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2018/04/12 (木) ~ 2018/05/13 (日)公演終了

満足度★★

鑑賞日2018/04/22 (日) 13:00

かなり、観るのをためらわれた作品。
だいたい、SF作品というのは舞台にするとやけに陳腐になる。
まず、舞台転換をする必要が多いのに、舞台装置も大掛かりになりやすく、ますます展開が鈍重にな悪循環が生じるし。一方で、展開しやすく舞台上を簡素にしようとすると、今度はイメージがしずらく、何が何だか訳が分からなる。

「1984」も、この傾向に陥ったかな。
本国やアメリカでは、なにやら称賛を受けた舞台だということで、結局は観ることとしたのだけれど、不安はあった。
1.ビッグブラザーという抽象的かつ絶対的な存在をどう表現するのか?
2.故大杉漣氏は、どの役をするの?(割とまじめに、当てはまるような題材絵は二と  思ったから)
3.1984年という四半世紀昔前の話をどこでどのように未来として描くのか?

2は残念ながらというか、代役になってしまったけれど、だからといって、大杉さんがこの役をやっても、それほど魅力的になっただろうかというと疑問。

3は、1984年というと陳腐にしか感じられない年代を、さらなる未来からテキストとして読み起こすという構造をとることで、それとなくクリア。

やはり問題なのは1か、だーって全然怖くないんだもの。全体主義、管理主義が。
確かに拷問のシーンはあったけれど、そこだけで見せてしまっているから、追い詰められ感がない。だから、不気味さがないままに、淡々と話が進んでいき、ひどい抑圧社会なのに、割と主人公たち、すらすらと好きなことやってんじゃない、と思えてしまう。それというのも、ビッグブラザーがいるいると言うだけで、えっどこに?となってしまうから。

SFの舞台というのは、ある意味、SFスリラーとしてしか作れないのかな。それとも、
国立劇場や歌舞伎座のような、回り舞台やせり上がりでどどーんと未来や異世界を見せるしかないか。

レバア

レバア

西瓜糖

テアトルBONBON(東京都)

2018/04/18 (水) ~ 2018/04/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/04/25 (水) 19:00

座席1階J列5番

価格4,500円

「レバア」この題名については、パンフレットでの寄稿文でも、肝臓の「レバー」だと思っている記載があったが、私も同様に思っていた。肝臓というのは何とも血生臭さを感じさせる、戦後すぐの人心は戦中をの回想をそうしたものと思い起こさせるものと捉えさせることに無理はないと思った。だから、まんざら変な題名ではないではないし、舞台を観ながら、そのタイトルにどうやって帰着させるのだろうと関心を持っていたのだけれど、、、

そうか、あの「レバア」のことだったのか、彼が目にした「レバア」とは。

舞台の感想を幾つか読ませていただくと、現代の政治状況や戦争観に引きつけて述べているものがあったけれど、私はあくまでもあの時代に寄り添って、各登場人物の心情を読み解いていくことをお勧めしたい。むしろ、現代の問題に置き換えることを拒否して言うようにさえ思えるからだ。
だからこそ、この脚本は凄いのだ、と思う。

娘と2人暮らしの1件家に、何人もの戦争被災者が寄り添っって住んでいる。
彼らは、相互に名前を知らないし、経歴・出自も知らない。主の「せんせい」(小説家)に言わせると、その方が後腐れがなく面倒がないと言う。
だから、彼らは名前がない。「じいさん」「ぼくちゃん」「黒紋付(芸者)」「奥さん」「焼き鳥屋」。
そこに、1人の復員兵が裸足で、盗まれた自分の靴がここにあるとして尋ねてくる。
彼はそのまま、その家に居ついてしまうのだが、その目的は?というお話。
復員兵は、諸々、周囲に影響を与え、次第に「天使」と呼ばれるようになる。

ネタバレBOX

登場人物たちは意識、無意識に関わらず秘密や影を持っている。
「せんせい」は、病弱の妻を放り出しての置屋通いで妻を亡くしている。
「奥さん」は山の手育ちらしいが、夫と子供を亡くして(「ぼくちゃん」を子供だと思い込んでいる)、アルコールに依存し、精神的に不安定だ。
「焼き鳥屋」は戦争で妻を亡くして、毎晩遺体を探している。彼には明かせない素性がある。
「じいさん」は耳がほとんど聞こえない、ということなのだが、実はその振りをすることから、自分の過去から身を守っている。
「ぼくちゃん」は吃音で知能薄弱だが、それも振りで自分の暗い欲望を隠すため。
「黒紋付」は、戦時中座敷に来る兵役徴収者に対して、積年の後悔があり、人知れず苦しんでいる。
では、「娘」と「復員兵」には、、、

暗澹とする現実を透かしながら、時に笑いを、時に戦争の傷跡を挟みつつ、舞台は淡々と進んでいく。そして、ラストでの「レバア」への帰結を持って、急転直下、ドラマは終わる。
復員兵が戦後に感じた違和感、「こんな銃後のために、自分は命を賭して戦地へ赴いたのではない」という思い。これは、彼の犯した犯罪や、最後に娘に話す娘の秘密への気持ちに通底する強い行動原理となっている。
では、娘の秘密とは?この道徳心の強い、父を軽蔑するほどの潔癖でまっすぐな性格。
復員兵が見たある彼女の仕草が、彼の戦時への悔恨を深め、彼の脚をこの家に向かわせ、娘にある行動を採らせるだけれど、それが余りにも悲しい。
そして家から、こっそりと去ろうとした復員兵に、「黒紋付」がかける「あなたは、私の生きる灯だから」(ちょっと違うかも)という言葉は、彼にどう響いたのだろう。

何が凄いのたって、秋之桜子の脚本は戦争体験もないのに、何でここまで戦後間もない人々の心情に深く思いを馳せることができたのだろうかということ。
パンフレットの冒頭で、祖母から半分以上は嘘の戦争話を吹き込まれた、と笑って書いているけれど、それだけでここまで書き込めないだろうに。恐るべし。

帰りに受付でパンフレットを発見。1500円とやや高めだったけれど、本作の余韻を味わいたくて購入しました。ただ、内容的には出演者のポートレートと紹介、稽古風景と、ほとんど内容がなかったなあ。
これでしたら、フライヤーで十分な気もしますし。やはり、作品の解題や、脚本作成のきっかけや作成過程、あるいは出演者の作品解釈など、より作品を深く理解できるための資料性を期待したいです。HPでは、各役者の動画コメントも観れるのだし。
同額だったから、台本を買った方が正解だったみたい。
Bye-Byeレストラン!

Bye-Byeレストラン!

バズサテライト!!

新宿スターフィールド(東京都)

2018/04/18 (水) ~ 2018/04/22 (日)公演終了

満足度★★★★

ちょっとドタバタ感が強いところもありましたが、笑いの中にも涙が....な展開、良かったです!

ネタバレBOX

ただ、同情の余地のある刑務所帰りの設定がダブっていたのが少し安易に感じてしまいました。
ヘッダ・ガブラー

ヘッダ・ガブラー

シス・カンパニー

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2018/04/07 (土) ~ 2018/04/30 (月)公演終了

満足度★★★★

こんなに客席が笑う「ヘッダガブラー」は初めてだ。今現代劇をやらせればトップクラスの俳優を並べた久しぶりのヘッダガブラー、大劇場の大公演である。こういう座組みは、よかれあしかれ、今や、シスカンパニーにしかできなくなった。
客が笑うのは、もっぱら、人物と場面のずれと言ったところだが、今まではそういうところは人物が孤立していく悲劇的シーンだった。つまりは、資本主義時代を迎えて崩壊しかけている前時代のモラルの中で、行き場を見つけられない人々を描く悲劇、ことに女性の悲劇、が今までのヘッダガブラーである。
いつものように栗山演出は行儀よく、場面を重ねていく。演出の意図に、お互いに理解しあえない人々、はあるだろうが、笑わせようという意識はなかったのではないかと思う。しかし、寺島の行き場のない勝手次第のヘッダにも、夫の小日向の場の読めないオロオロぶりにも、段田の判事のセクハラにも客はよく笑う。それは時代の反映だから仕方がない。
劇中、、現実妥協派の水野美紀が役がもっとも時代に近いせいか、この曲者ぞろいの配役に埋もれず、生き生きと演じて、大健闘だった。

ネタバレBOX

悲劇の結末となる寺島の自殺も、池田成志の死去も、この観客にとってはタダの話の終わり、のようだ。舞台としてはよく出来ていて、隙のない芝居つくりではあるが、私は、そろそろ、イプセンに始まる近代劇が大劇場で多くの観客を撃つのは難しくなったな、と感じた。今まで見たヘッダガブラーでは、ベニサンピットのデヴィッドルボー演出の佐藤オリエのヘッダが印象に残っている。近代社会で孤立して死に向かうヘッダがよく描かれていた。あれからもう三十年は経っている。これからも小劇場で見るイプセンは、芝居の組み方のうまさは格別だから、一種の古典としては残っていくだろうが、この公演は大劇場版の挽歌のようにも見えた。
青春超特急

青春超特急

20歳の国

サンモールスタジオ(東京都)

2018/04/19 (木) ~ 2018/04/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

2度目。公演中、カラオケナイトと称する回が3度あり、この日はその3回目。湯口光穂さんのカラオケから始まるという、先日とは違う演出。この前観たときには、とにかく序盤の勢いに圧倒されて、その分後半ではちょっと疲れも感じたのだけど、今日改めて観て、それは高校生活の後半のシーンの数々、もう新入生の頃のように無邪気なだけではいられなくなってきた苦さが、自分の胸を刺してたのだなと。それでも☆5つ付けたくなるのは、批評めいた御託云々じゃなく、単純にこの芝居が大好きだから。登場人物みんなが愛おしい。

嗚呼いま、だから愛。

嗚呼いま、だから愛。

モダンスイマーズ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2018/04/19 (木) ~ 2018/04/29 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/04/25 (火) 19:00

3000円という安さに見合わないくらいのクオリティで散りばめられた笑いと深度を伴ったやり取りにあっという間の時間でした。若干聞こえづらい台詞もありましたが、その分、表情など細かなやりとりも生きていたので難しいバランスだとも思います。
観ていて何度か込み上げる痛みや悲しみ、苦しさのようなものを感じ、稀有な観劇体験になりました。
ただ、作品のタッチと言えばそうなのですが、関係が少し単純化、戯画化されているせいかやりとりが、土台(関係、年月など)から派生している感が薄れている気もしました。
好みもあるとは思うのですが、個々が抱えた問題以上に、他者への勇気というか、思いやりみたいな部分をもう少し深く強く信じられたら、キャラクターをもっと深く受け入れられたような気もします。

いつも心に太陽を ストリッパー物語

いつも心に太陽を ストリッパー物語

たやのりょう一座

浅草木馬亭(東京都)

2018/04/18 (水) ~ 2018/04/25 (水)公演終了

満足度★★★★★

「愛」をテーマにストレートではない男女の関係を表現してると思いました。熱い芝居が心地よかったです。

『シーチキン®サンライズ』Musical『殺し屋は歌わない』

『シーチキン®サンライズ』Musical『殺し屋は歌わない』

T1project

小劇場B1(東京都)

2018/04/25 (水) ~ 2018/05/06 (日)公演終了

満足度★★★★★

 出演者22名、これだけの役者が出ていながら、誰一人キャラの立っていない役者が居ない。年間少ない時でも250本程度は芝居を観る自分も、これだけのキャストが皆キャラの立った演技をしている舞台を観たのは今回を含めて2度しかない。
 兎に角、重層化した深みのある脚本なので、可也演ずるのが難しいとは思うのだが、それを見事に演じている。キャスティングの良さ、演出の良さも、脚本の良さも無論のことだが、所謂下世話な世界を描き乍ら、決して下卑たり、媚びたりしない、而も極めて本質的な作品である。
 舞台美術も作品内容にピッタリしたものだし、導入部から、観客を引き込む演出手腕も見事である。脚本・演出は、何れも友澤氏が務めているが、脚本に対する演出の仕方に適正な距離が取られている点も見逃せない。照明、音響のオペも見事である。総てが総合的に収斂して総合芸術としての舞台芸術を形作っているのだ。(華5つ☆ 追記2018.4.26)

ネタバレBOX

 芸能界の裏を描きつつ、人はどう生きるか? 如何に生きるべきなのか? を問う。長い下積みから「陽はまた昇る」で一躍ブレイクした後、コンビを解散した漫才コンビ・シーチキン。一人立ちした後突っ込みだったリョウは今や芸能プロダクションの看板。一方ボケの榊は、鳴かず飛ばずで今では大人の玩具の販売で食いつなぐ。4年後、超売れっ子のリョウから下積みの頃に常打ち小屋として出演させて貰った小屋で復活公演を演るとのオファーが入った。当時の仲間も呼ばれている。ひとまず了解した榊であったが。
天井からアスベストが出たとかで楽屋を急遽倉庫のような掘立小屋に移した空間で話は進行する。ファーストシーンで雷光の中に浮き上がる女の立ち姿が強調される導入部の上手さは流石である。三々五々、出演する芸人たちが集まってくるが、当初、榊は、掘立小屋の梁に黒いネクタイを掛けて首吊り自殺を図っていた。偶々支配人がやってきた為、タイミングを逃してしまった。ところで、この小屋も借金の形に入れられ支配人は返済の催促に追われていた。
 今作が、このような状況を描くのは、1920年代の世相を描きロストジェネレーションと呼ばれた作家たちの代表的な存在であるヘミングウェイの”The Sun Also Lises”(1926)を、その背景に置いてからだと観ると更に面白く観ることができよう。The Sun Also Lisesは、ヘミングウェイ初の長編小説であり一躍彼の名を有名にした作品でもあるので読んだ方も多かろう。因みにロスジェネの表す概念は、第1次世界大戦の時代に思春期を過ごした世代が、それまでの価値観や社会体制に疑義を持ち、自堕落で享楽的な生活態度を選んで反社会的に過ごした様を呼んだものと言われている。
当に今作の芸人たちが置かれている時代。価値観が無限に希薄化し、生きる意味を考えたり、天下国家を論じたりする当たり前のことも忌避するようなこの「国」の社会状況の閉塞感と、無意味が存在自体を蝕んでゆく鵺のような状況の中で。逆説的に刹那的で二極的なイデオロギーを強調することによって、職業、恋、生活の総てを律し、人としての思いやりも人情も捨て恬として恥じない生き方を選ぶリョウを通して、優しい人々の優柔不断や、その不甲斐なさを浮かび上がらせるが、その冷淡な態度は、実はリョウの責任感の強さと優しさであったことが描かれる。(その理由は察しの良い方にはお分かりだろうが観てのお楽しみだ)ラスト、リョウの恋人・愛のストーカーの放火によって小屋が焼け落ち中止になった演目がコンビによって演じられるシーンは圧巻!!

渇生

渇生

HIGHcolors

「劇」小劇場(東京都)

2018/04/25 (水) ~ 2018/04/30 (月)公演終了

満足度★★★★

いろいろと
生きあぐねている様が
もどかしく進行してゆく約2時間の作品

かっちりとした感がある物語ではないので
万人受けはしないやも・・と思えたかなぁ

ネタバレBOX

娘の為にと急いだ車で人を殺した男は24年間
自らを罰し続けて
物事を選ぶことをせず
生まれてきた娘に生涯会わぬ事を決めて生きている・・・

取り柄が無くなって家族から捨てられた少女とか
亡くなった子の身代わりに貰われて
神経を病んだ感じの母親を見続けなければならない少年の心情とかは
結構軽めに描かれていた感じだったかな・・
チョイ詰め込みすぎだったのでは?とも思えたっす

「宇宙よりも遠い場所」のSTAGE11 「ドラム缶でぶっ飛ばせ!」
みたいな爽快感とかあったら・・とかは思ったが
まぁ今作の言いたい事とはチョイ違うんだろうな~と

しかし天文的にいうなら
人の一生なんてホンの一瞬なんだから
生きるだけ生きてゆくしかないんだよなぁ・・とか感じたさ
どーせ200年生きようと生体構造的に150年超えりゃ確実にボケるしねぇ・・・・・

タイトルの「生きてるのに渇いてる」ってのは
ほんっと~に理解できる作品でした
渇生

渇生

HIGHcolors

「劇」小劇場(東京都)

2018/04/25 (水) ~ 2018/04/30 (月)公演終了

満足度★★★

初めての劇団さんでしたが、平瀬さんが出演とあって初日を観劇。うーん、かなり重いです。いいお芝居ですが残念ながら好みではなかったです。見えない物と闘っている全ての人へというだけあって、答えのないテーマでこのストーリーを敢えてお芝居で我々に伝えたかったことはなんだろうと考えてしまい、結局最後までわかりませんでした。序盤からかなりイライラしながらラストシーンを迎えてしまい、自分の中で消化できませんでした。今回はたまたま、次回作に期待します。

歌姫、ネバーダイ!

歌姫、ネバーダイ!

ライオン・パーマ

上野ストアハウス(東京都)

2018/04/19 (木) ~ 2018/04/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

何十年かぶりに女の子をつれてお芝居を見にいきました。
どきどきです。
その女の子がはじめて見たお芝居がライパ・歌姫でよかった。
変化球、だけど誰が見ても楽しめる。
もっとたくさんの人に知ってほしい劇団です。

渦中の花

渦中の花

room42

インディペンデントシアターOji(東京都)

2018/04/24 (火) ~ 2018/04/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

重たさがずどんと来る。

溶けない世界と

溶けない世界と

mizhen

d-倉庫(東京都)

2018/04/25 (水) ~ 2018/04/29 (日)公演終了

満足度★★★★

過去作品を観ておらず、初観劇なので一概には言えないのだけれど…音楽や照明等、演出全体から受ける雰囲気は、クロムモリブデンを少しばかりwetにしたような印象。

新宿コントレックスVol.19

新宿コントレックスVol.19

アガリスクエンターテイメント

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2018/04/20 (金) ~ 2018/04/21 (土)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/04/20 (金)

20日ソワレ(95分)を拝見。
出場5団体を登場順に感想を述べると…

『角度の授業』のエンニュイさんは初めて観る団体さんだが、高木健さん扮する「先生」の“自分可愛い“一本鎗なセリフのラッシュ&パワーに大笑いさせられた。
あと、「母親」役の児玉磨利さん。全体終演後の挨拶で、役のイメージよりずっと若い方だったとわかり、大いに驚かされた。

『ななめ島』のくによし組さんは、本公演を数回拝見している団体さんだが、いつものシュールな設定の下で、こんなにも笑いが取れるとは、正直言って予想だにもしなかった。
恐るべし!くによし組!!

なかないで、毒きのこちゃんさんの『キミはボクの光くん。』は、一種のバックステージもの。コミカルも交えた、(実質)独り語り『コーラスライン』の趣き。
上演毎に演じる役者が替わるトリプルキャストとのことで、私は観たのは石澤希代子さんの出演回だったが、観終わっての印象は…石澤さんの豊かな表現力に尽きるかと。

『おもろいフェスティバル』の劇想からまわりえっちゃんさんも初見の団体さん。
関西の団体らしく、押しの強さと、定番ギャグの連続投入の笑い…実は本来、私の苦手な芸風なのだが、そんな個人的嗜好を押し流してしまうほど、素直に笑わせてもらった。

アガリスクエンターテイメントの『エイジ』。
1990年代後半の日テレ土曜9時台のドラマ、『サイコメトラーEIJI』のサイコメトラー能力(物や人に触れるとそれに残った過去の記憶の断片を読み取る能力)を用いたコメディは、同じく、伝説のw日テレ土9ドラマ『聖龍伝説』まで引っ張り出す程の芸の細かさ。
大変ニッチな題材を使いながらも、息をつかせぬ爆笑の連続!…期待通りの緻密な台本にはひたすら感服する限りだった。

人間の感情のうち、恐らく最も個人差の激しい「笑い」。他の方の感想を拝見していても、(あくまでもワタシ個人の価値判断だが)首を傾げたり・大いに頷いたりと様々だが、会場の反応からみて、少なくとも20日ソワレ回は盛況だったと考える。

地底妖精

地底妖精

Q

早稲田小劇場どらま館(東京都)

2018/04/20 (金) ~ 2018/04/23 (月)公演終了

満足度★★★★

STスポットでの永山由里恵と武谷公雄の怪演が記憶に新しいQの新作(上演は二度目という)は早稲田どらま館で、同じく永山のほぼ一人芝居。無対称の存在(地底の生き物)とのパーティ(おならの出ない芋を勧めるのにほぼ終始)に始まり、延々と喋くり回るのは妖精とはこれ如何にである。客席にやたら視線で絡むかと思っているとついに舞台上に客を引っ張り上げ、一くさり遊んでみたり、突如夢の再現らしいゲロい映像が流れたり、終盤に漸く登場するもう一つの生物・・と、飽きが来る暇もない。妖精(自分をそう思っている人?)の暮らす世界は一体どこなのか、ピンクの芋と蔓は(サツマイモ色の塗り損ないでなければ)何を象徴するのか、モグラは彼女にとって何か・・といった疑問は湧くが、答えを探す必要性を感じさせない。彼女が抜き差しならぬ所へ進んでいく「感触」があり、人格の一貫性の表れと思われるこの感触はテキストが構築したものか、俳優の仕事か。型破りが標準である所のQの今回も美味しい舞台をみた。

ゲームブレイカー

ゲームブレイカー

ピウス

ザ・ポケット(東京都)

2018/04/25 (水) ~ 2018/04/29 (日)公演終了

満足度

鑑賞日2018/04/25 (水) 19:30

座席1階C列

ピウス企画『ゲームブレイカー』ザ・ポケット

手に汗握るデスゲーム。
思わず引き込まれる設定と参加者・運営側の駆け引きが面白くてあっという間の1時間50分でした。
かなり設定が練られていて、ファンタジー要素が入っていた『トレーディングライフ』と比べると現実味を持たせた作品作りがされているような感じがしました。
続編を期待したくなるようなラストのオチが良かった。

ネタバレBOX

デスペナルティで二重人格の一つの人格だけが死んでしまう?というのが理解できなかった。
手術で埋め込まれた機械が人格単位で影響を及ぼすなんてことあるのかな?

ゲームへの参加者が30人と多いこともあって
ほとんどの参加者は名前だけの登場で実際にペナルティを受ける場面が描かれていないので(結果だけが分かる)
緊迫感は思ったより少なかったように感じました。
人によっては逆に想像が捗ってハラハラドキドキするかも。

中盤までは比較的簡単についていけるのだけど、
運営側がセカンドステージに突入してからはルールが追加されるたびにどんどん複雑になっていって
状況を理解するのが結構大変でした。頭フル回転です(^^;)

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