最新の観てきた!クチコミ一覧

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時を接ぐ

時を接ぐ

劇団民藝

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2018/09/26 (水) ~ 2018/10/07 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/09/28 (金) 18:30

座席1階

今更ながら感銘するのだが、日色ともゑさんという人は女優として時空を超えている。10代の女の子から実年齢近くまで、全く違和感を抱かせない。しかも今回の舞台では衣装もメイクも変えないままそれぞれの年代を演じ切っているのだ。
先の戦争のさなか、旧満洲に作られた国策映画会社満映の編集者だった岸富美子の半生を描いた。敗戦の混乱で中国に残らざるを得ず、その編集技術を中国共産党に捧げる。日色はモノローグもこなし、舞台を走る。若い役者を従えて、と書くのがぴったりの驚異的な力強さだ。
今回の脚本はかなり若手の黒川陽子。テンポがいい舞台運びは飽きさせない。開演前の時間の使い方の工夫は、ベテラン演出家の丹野郁弓のなせる技か。まさにタイトル通り「時を接ぐ」ように進み、岸の人生と、生きるとは何かということを思わせる上質な舞台に仕上げた。

ネタバレBOX

日色はしっかりしているが、脇をしっかり固めないと。単なるつぶやきですが。
映画製作の小道具はちょっとデフォルメし過ぎな感じも。難しい表現だが、何となく軽っぽく見えてしまった。
バイバイ・マイホーム

バイバイ・マイホーム

踊る演劇集団 ムツキカっ!!

シアター風姿花伝(東京都)

2018/09/26 (水) ~ 2018/09/30 (日)公演終了

満足度★★★★

お墓の説明会に参加しているまったく違ったタイプの3組。しかし皆色々と問題を抱えていて・・・という話だが
全体的にアットホームで面白かった。こんな風にお墓を選べたらいいだろうなぁと思ってしまうくらい。
3人のダンスシーンはまさに「舞」のようできれいでした。

ギンノキヲク(福祉フェスVer.)

ギンノキヲク(福祉フェスVer.)

ラビット番長

あうるすぽっと(東京都)

2018/09/28 (金) ~ 2018/09/30 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/09/28 (金)

観てきました!  まず、役者さんの多さに驚きました。 そして 改めて介護の現場は大変なのだと思いました。 合唱とても良かったです☆

バイバイ・マイホーム

バイバイ・マイホーム

踊る演劇集団 ムツキカっ!!

シアター風姿花伝(東京都)

2018/09/26 (水) ~ 2018/09/30 (日)公演終了

満足度★★★★

目を引く骸骨のフライヤーと踊る演劇集団という劇団名に自分に理解できるストーリかと少し不安な気持ちで出かけました。前半は役者さんの声が聞き取りにくく話になかなか入れませんでした。でも観劇が終わってみれば心にしみじみ語りかけてくるようなそして涙さえこぼれます。良い芝居を観たと思います。ダンスも圧巻でした。

傭兵ども!砂漠を走れ!

傭兵ども!砂漠を走れ!

劇団6番シード

新宿村LIVE(東京都)

2018/09/20 (木) ~ 2018/09/30 (日)公演終了

満足度★★

鑑賞日2018/09/28 (金)

オアシス編観てきました!
なんかいつもの6Cとは違う感じがしました!
大音量の銃声がすごかった。

ネタバレBOX

考えてみると、舞台で戦闘シーンって珍しいですよね! やっぱりいろいろ難しいんでしょうね。 銃を構えて 銃声が鳴り響くシーンがとても多かったです。でも撃たれた人が死ぬシーンが無かったのが不自然でした。
ウソのホント

ウソのホント

ふくふくや

駅前劇場(東京都)

2018/09/20 (木) ~ 2018/09/30 (日)公演終了

満足度★★★★

内容確認などしなくても観に行けば必ず面白い抜群の安定感はさすが。
裏街道を生きる人々の狡猾さと違法行為が笑ってしまうほど日常にある風景。
ふくふくやさんへの欲求ハードルが高くなってきているのもありますが、ストーリーの諸々に関してはリアリティーから離れている感も。
真実なんてクソくらえ!の一刀両断、豪快な顛末。面白ければいいっちゃあいいのですが。

Solo x Solo 2

Solo x Solo 2

teamSoloxSolo

ステージカフェ下北沢亭(東京都)

2018/09/21 (金) ~ 2018/09/24 (月)公演終了

満足度★★★★

こういう繋がり方、面白かったです!企画とは違ってしまいますが、最後の一編は二人芝居でまとめてくれるパターンも観たかったです

ドキュメンタリー

ドキュメンタリー

劇団チョコレートケーキ

小劇場 楽園(東京都)

2018/09/26 (水) ~ 2018/09/30 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/09/27 (木) 17:00

濃ーい、純チョコレートケーキの舞台でした。
当時の情報を詳しく覚えていなかったので、エイズの非加熱製剤問題が、731号舞台に飛び火したことにちょっと意外な感じがしたのですが、ある程度、事実に基づいた話だったのですね。寡聞にして失礼。

ただ、製薬会社社員と老医師の告白に、あまり葛藤がなかったのが気になりました。
もう少し論争劇になるかと思っていたので。フリーライターは、ただのまじめな人、まとめ役でしたね。

ネタバレBOX

ラスト、製薬会社社員が告発を取り下げます。老医師は、厚労省(元厚生省)や巨大資本(この場合、グリーン製薬)の権力は戦中と何ら変わっていないことを指摘します。
しかし、せっかく暗転して3日目の話になったのに、ちょっと味付けが薄い気がしました。1日目、2日目の衝撃が強かったので、短くとも(いや、短い場がゆえに)もっと強いメッセージ性が欲しかった気がします。あまりにも、すっきりと終わりすぎて、ちょっと拍子抜けでした。
を待ちながら。

を待ちながら。

TAAC

シアター711(東京都)

2018/09/27 (木) ~ 2018/09/30 (日)公演終了

満足度★★★★★

どこかに居そうな夫婦の日常を切り取って、観客の関心を惹くだけが芝居ではない。演技力によって観客を圧倒し魅了する。特にこの公演は2人芝居であるから1人ひとりの演技力はもちろん、その呼吸のバランスが重要だ。その意味で本公演は、現実とは異なる、演劇的現実をしっかり立ち上げており観応え十分であった。
「ゴドーを待ちながら」(サミュエル・ベケット)をもじったタイトルであるが、ここでは不条理ではなく、普通の夫婦が或る出来事によって平穏な日々を過ごせなくなる。その不安定・不均衡といった気持を丁寧に描いた物語である。
(上演時間1時間40分)

ネタバレBOX

セットは夫婦が暮らすアパートのダイニングキッチン兼居間。上手側にソファー、中央にダイニングテーブルで夫婦の椅子と子供用の椅子が見える。下手側に流しや冷蔵庫といったキッチンがある。正面奥はガラス戸で外に自転車が置かれている。細部にわたった作り込みは見事だ。この空間は生活の基本になる場所で、ここでの会話は自然な流れ、その演技力は素晴らしい。

梗概…義母から贈られたぬいぐるみ、正面に見える子供用の椅子が先々虚しくなってくる。もちろん子供は登場しないが、夫婦の会話から子供への愛情が伝わる。子供は心臓病で亡くなり、悲しみに耐えながら生活をしている。その坦々とした暮らしの中に、子供がいた時の想いが募る。夫婦の間でも子供との(時間的な)関わりの違いから想いに温度差がある。何となく生じてきた蟠りを解消しようと街頭募金を始め、そこで生き甲斐のようなものを見出したが…。

この公演の魅力は子供を亡くした夫婦の空虚な心、一方諦念したような坦々とした暮らし、この「気持」と「現実」を丁寧に表現する。ぬいぐるみをくれた義母へ悪口、なだめる夫。そして警察官である夫の帰宅にあわせた料理と食事。空虚と絶望に覆いつくされながらも生きる、そんな様子が宛転たる語り口によってもたらされる上手さ。

空虚の原因、その子供はいつまでも登場しない。その生きていた時(過去)への憧憬のような感情が少しづつ癒され、自己の存在意識を取り戻しつつある夫婦の姿を斬新なスタイルで描いている。登場人物が2人のため、外出から帰って来るまでの一瞬、舞台上には誰もいない。そのいない空間こそ空虚という心象表現のようだ。
セットが示す生活空間、そこでの夫婦ならではの本音、感情の衝突などの濃密な会話、それがピーンと張り詰めた緊張感を漂わす。その緊張感がゆったりとして時間の流れの中で弛緩していく、そんな滋味溢れる好公演であった。
次回公演を楽しみにしております。
ドキュメンタリー

ドキュメンタリー

劇団チョコレートケーキ

小劇場 楽園(東京都)

2018/09/26 (水) ~ 2018/09/30 (日)公演終了

満足度★★★★★

面白い。どこまで事実なのか?!そればかりか気になる。
複雑な思いで終始見続けるばかり。

グーとパーでチョキを出す

グーとパーでチョキを出す

ACT

劇場MOMO(東京都)

2018/09/27 (木) ~ 2018/10/01 (月)公演終了

満足度★★★★

予想した通りかわいらしいお話でした。悪意のある人は一人も出て来ません。でもそれぞれの考えがあるから、思ったことは言ってしまいますよね。3人にはそんなことに左右されず、3人がいいと思った方向へ進んでほしいと思いました。そしてそれは観客にまかされたようです。

ネタバレBOX

登場人物の背景(学生なの?働いてるの?)はほとんど分かりません。舞台のセットもかわいかったですが、よく分かりませんでした。一部、東京巡りのおみやげ屋さんになっていたようですが。
二拝二拍一礼のお参りは神社の時ですね。
明日ー1945年8月8日・長崎ー(2018年@シアターKASSAI )

明日ー1945年8月8日・長崎ー(2018年@シアターKASSAI )

演劇企画イロトリドリノハナ

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2018/09/19 (水) ~ 2018/09/24 (月)公演終了

満足度★★★

家族の思いやりが優しく表現されていて、
戦争の辛さより家族愛が感じられました。

ネタバレBOX

屋外のシーンなのに、掛軸とカレンダーがバックに見える事の違和感が、
強く印象に残ったのが残念でした。
父が燃えない

父が燃えない

箱庭円舞曲

浅草九劇(東京都)

2018/09/26 (水) ~ 2018/09/30 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/09/27 (木) 19:30

 私の好きな箱庭だった(^_^)v。火葬場の待合室を舞台に、父が亡くなり、兄妹弟と兄嫁、叔父など親族が集まり、火葬が終わるまでの会話を丁寧に紡ぐ。父を巡る思い出やら、家族の有り様やらの会話だが、ありそうもない話題や設定でもありそうに思わせる所が古川らしいところで、その古川マジックが炸裂し、葬儀の話なのに笑いが起きる。役者陣も見事に古川ワールドを再現しているが、微妙なポジションの役所を演じる井上が面白い。エンディングは、私の箱庭史上、1・2を争う美しさで見事だった。
 なお、亡くなった「父」の年齢が私に近く、若干身につまされるような感触も残った(^_^;)。

あじのりの神様

あじのりの神様

あひるなんちゃら

ザ・スズナリ(東京都)

2018/09/26 (水) ~ 2018/09/30 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/09/26 (水) 19:30

 いつもながらの「駄弁芝居」だが、珍しく時間軸が前後する。現代のケンイチ(根津),ミツオ(小野)を軸にした場面と、彼らの子ども時代、つまり、その親の世代の場面が交互に登場する。微妙にズレてる人達のゆるい会話と、実際にはいないだろうな、と思えるような人達の言動が、いつも通り面白く、80分ノンビリと過ごした。ただ、以前は70分を目指していたように思うが、近年80分と伸びているのは、何か理由があるのだろうか。

ドキュメンタリー

ドキュメンタリー

劇団チョコレートケーキ

小劇場 楽園(東京都)

2018/09/26 (水) ~ 2018/09/30 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/09/26 (水) 17:00

 フリージャーナリストが雑誌の依頼で、非加熱製剤に関する内部告発を緑十字(劇中では「グリーン製薬」)社員の話を聞く内、731部隊に関する話題を聞かされ、かつて731部隊にいた老医師の話を聞き、記事にしようとするが…、という物語。いかにも、の題材を、劇団員だけで緊張感ある85分にまとめてあるが、やや中途半端な印象は免れない。11月に上演するという『遺産』とのセットで評価されるべき作品だと思う。

野がも

野がも

アマヤドリ

インディペンデントシアターOji(東京都)

2018/09/20 (木) ~ 2018/10/01 (月)公演終了

満足度★★★★★

とても分かり易く、本格的古典を存分に楽しませて頂きました。

ネタバレBOX

何でも正直に話すことが良いと信じ込んだ男のせいで、友人の娘が自殺し、友人の家庭が崩壊するはめになる話。

理想の要請という言葉で新興宗教的な発想や行動を、まっすぐで正直という感じの言葉で中二病的性格を表現してくれて、彼のことが良く分かりました。そして、事件が起きてもなお自分は正しいことをしたと信じる姿に心底馬鹿だなあと思いました。

彼と対立する医者はというと、今度は嘘も方便という人で、彼の友人に発明の才能があると希望を持たせるだけ持たせる罪作りな男でした。

目が悪くなる病気とか、拳銃に弾が一発残っているとか、イプセン先生の伏線はあまりにもミエミエでした。
―初恋2018

―初恋2018

有限会社オレガ

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2018/09/27 (木) ~ 2018/10/04 (木)公演終了

満足度★★★★

初日から安心して見ていられる舞台でした。当事者にはきつく、辛いことだと思いますが笑えるシーンもあり、思っていたようなハードな感じではありませんでした。
それにしてもみなさん、ポスターやチラシの写真とは全然違う容貌で・・・キャスト表が欲しかったです。
パンフレットの文字が小さすぎるのと、役者さんのプロフィールが載っていないのが残念です。

ネタバレBOX

せっかくなので真田君のお店での姿が見たかったです。最後にはけてから結構時間があったので、みんなとお仕事している様子が、送られて来たはがきの写真という設定で見られるのかなと期待していたのでした。
ORANGE

ORANGE

劇団PEOPLE PURPLE

シアターサンモール(東京都)

2018/09/27 (木) ~ 2018/09/30 (日)公演終了

満足度★★★★★

PEOPLE PURPLEは10数年前に別の作品を1度観たきりで、その後10年ほど観劇から離れていたから、この『ORANGE』も評判は聞いていたけど観たのは今日が初めて。休憩込みで2時間半。力のある舞台で、何度もうるうるして鼻をすすりながら観ることに。

ビューティーコロシアムの憂鬱

ビューティーコロシアムの憂鬱

劇団森キリン

ライブハウス 新宿SAMURAI(東京都)

2018/09/27 (木) ~ 2018/10/01 (月)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/09/27 (木)

27日ソワレを拝見(100分)。

ネタバレBOX

およそ、地下アイドル物で想像し得るネタ総動員の舞台。だが、中盤までは、個々のエピソードが表面的に羅列されるだけで、正直、イミテーション感が拭えなかった。
しかし、(当方は全く予想外だった)涼香の父親から娘に宛てた決別の動画メッセージのあたりから一気にリアリティが迫って来た。
個人的な意見だが、初めから、ある程度、テーマを絞ったうえで、終盤の高テンションに持ち込んだ方が、話の展開としては良かったかなと思った。

あと、睦美の「卒業」の真の理由、(/プラスチック/ガールズ/の舞台に乱入した?)アスミの兄のその後、など、あえて描かずに、投げっぱなしジャーマンで終わらせたのは、余韻と取るか・描き切れていないと取るか、観客の見方は分かれるかもしれない。

ところで、地下アイドルのバックステージ物だけに、唄とダンスのシーンが何度か出て来るが、演じる女優さんの表情、演技か素か、夢が叶った女の子のそれに映って、こちらまで幸せな気分にさせてもらった。
これだけでもチケット代分の価値はあったかなぁ。

それにしてもライブに不慣れな演劇畑の観客のためにも、前説で、客席を温める工夫が望まれるところか。

最後に配役を記しておく。
【/プラスチック/ガールズ/】
白田麻子(1期生。人気ナンバー1。美容整形済)…森村実晴さん
橋本睦美(1期生。ライブで卒業→予定外の結婚まで宣言)…佐治静さん
桜井涼香(1期生。キャプテン。レズ。家族と断絶)…野村美優(のむら・みゅう)さん
南野きらり(1期生。/ガールズ/の良心。睦美の弟が彼氏)…松田亜依さん
堀内ミオナ(2期生。人気ナンバー3。努力家)…江花明里さん
むねたふうこ(2期生。風俗嬢疑惑有。キヨシに迫るも…)…後藤ももさん
横田由衣(2期生。努力家ミオナを尊敬しつつも嫉妬心もあり)…木村衣織さん
あおぞら真央(2期生。金髪。先輩・後輩分け隔てなし。実質的なリーダー)…蓮子奈津美さん
アスミ・ザ・エンド(3期生。万事にクール。引きこもりの兄がいる)…井本みくにさん
ATARU(3期生。真面目だが、考え過ぎるきらいがある)…三浦葵さん
過多山数未(3期生。空気が読めぬ故のムードメーカー)…大橋純七(おおはし・すみな)さん

【その他】
原田(/ガールズ/のマネージャー。威張るだけで統率力なし)…鈴木勇士さん
キヨシ(/ガールズ/のライブMC。実はアイドルを生理的に嫌悪)…市原一平さん
浩介(睦美の弟。姉公認の彼女は南野きらり)…船坂裕輝さん
ユウキ(アスミの兄。引きこもり)…森山貴邦さん(モリキリンの代表さん)
ドキュメンタリー

ドキュメンタリー

劇団チョコレートケーキ

小劇場 楽園(東京都)

2018/09/26 (水) ~ 2018/09/30 (日)公演終了

満足度★★★★

いくら90分足らずの作品と言っても、ほとんど出ずっぱりの中身が詰まった三人芝居を連日3回やるのは、大変だろう。それを破綻もなくやってのけるだけの実力がこの劇団にあると言う事だ。半端な5時の回を見たが満席だった。
芝居は「歴史暗部もの」の、サスペンスもあって一気呵成に進む。素材を追い込んでいく作劇法もよく出来ている。しかし、もう何度も語られたこの素材を通して、新たになにが語られたかと言うと、そこは薄い。構成もうまいし、俳優たちも柄にはまっていて、だれることはなく、この戦時中の植民地で行われた日本軍の残虐行為が、現在の製薬会社にも受け継がれていることが語られる。科学の名で行われた残虐行為に慣れてしまう人間の弱さ、生活のためには医学の倫理などはたやすく捨てられること、官民とわず日本人に共通する自己を律することの弱さ、それの反面として、権威や組織への盲目的な従属、が語られるが、いずれもどこかで聞いたような結論に落ちていく。パンフによれば、事件をすっきり解いてみせるエンタテイメントだと言うが、この程度でホントにそのつもりなのだろうか? この作者なら、こんなことで終わったりはしないと思う。これではパラドックス定数(今年同じ素材(731)を再演した。もちろん劇の設定も中身も違うが、日本ではいつまでも731の思想は変わらない、と言っているところは同じだ)と、どっちもどっちと言うレベルではないか。
素材の追求ではなく、タイトルの「ドキュメンタリー」論だとすると、見方は変わるが、この程度でこの事件を書くのをあきらめるようなドキュメンタリストではドラマにならない。
ドキュメンタリーがどう取材され切り張りされ、「これが真実だ!」と公表されるようになっていくか、というのはかなり面白い素材で、もっと手垢のついていない素材で、見せて貰いたいと思う。

ネタバレBOX

細かいことだが、最初の内部告発する製薬会社社員から、フリーランスのジャーナリストが、話を聞くところ、終始、聞き手が立ち、話し手が座って、見下ろす形で取材をするが、こういうふうに見下ろして人から大事な話聞くことは絶対にしない。対で聞かなければ、必要な話など引き出せないのだ。取材経験もある、という設定になっているのだから、こういう取材のコツは、周囲に聞けば教えてくれる人はいるだろうに。

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