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ロンギヌスの槍

ロンギヌスの槍

風雷紡

d-倉庫(東京都)

2018/08/15 (水) ~ 2018/08/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

“少女はなぜ犯行に及んだのか?純粋過ぎるゆえの正義だったのか?鬱屈した想いの引き起こした衝動だったのか?それとも?少女の心の動きが知りたいところです。”観たいにこう書いた。
想像通り、それ以上に彼女の心の叫びが響いてくる。真っ直ぐで素直な心は大人の言葉を正面から受け止め、それを信じ、その本音と建前の前に振りまわされる。視界の狭い彼女にはその理由がわからない。そういう部分が丁寧に表現されていたと思います。
演出の横森さんの作品はトツゲキさんで何作か観せて頂いていますが、いつもとはガラッと変わった雰囲気に引き込まれました。出演者の演技にも感じさせるものがあり、見応えのある作品に仕上がったと思います。

ロンギヌスの槍

ロンギヌスの槍

風雷紡

d-倉庫(東京都)

2018/08/15 (水) ~ 2018/08/19 (日)公演終了

満足度★★★★

とても難しいテーマを持った芝居でした。前に狭山事件を扱ったこの劇団の芝居をみせていただいたときもそうでしたが、後々まで心に引っ掛かりを残しました。浅沼さんの事件の時自分は中学生でしたがみようにこのことを覚えています。

ルーシーの大冒険

ルーシーの大冒険

劇団PingPongDASH

ピッコロシアター 中ホール(兵庫県)

2018/08/16 (木) ~ 2018/08/16 (木)公演終了

満足度★★★

良かったと思います。バタバタしているけども、内容は共感できました❗

パイレーツ・オブ・トレビアン2

パイレーツ・オブ・トレビアン2

ノーコンタクツ

萬劇場(東京都)

2018/08/16 (木) ~ 2018/08/19 (日)公演終了

満足度★★★

以前、『Y.M.C.A~八巻モーターチアリーディングアクターズ』という作品で好演だった、茗原直人(みょうはら・なおと) さんが主演とのことで、16日ソワレ(1時間45分)、初日の舞台を拝見。

パロディなタイトルで内容は推して知るべしですが、出演者一同、舞台狭しと駆け回り、ベタなギャグ連発の、グイグイ押し出してくる1時間45分。肩の凝らない海洋冒険ロマン…ならぬ、コメディに、客席、大いに沸いてました。

でっ、私自身はといえば、自分の嗜好から、一部のギャグには正直クドいと感じたものの、トータルでは愉快な時間を過ごせました。
老若男女、全ての客層にお勧めできる舞台かなぁと思います。

ネタバレBOX

記録用に配役を記しておきます。

ギップス…茗原直人さん(あれだけ動いても、セリフが途切れないのが凄い!)
付き人ジェイ(でも、実は…)…麻見拓斗さん
ロージー(海運会社の令嬢)…尾鷲知恵さん
占い師ティナ…水出浩子さん
ギップスの部下・ピンケル(16日)…小堀裕之さん
ギップスの部下・ラッティ…サリトさん
ギップスの部下?アンナ…あべあゆみさん
ギップスの部下・カットン…柳瀬翼さん(劇団宇宙キャンパスさんの方)
海軍・ナリントン提督…中澤隆範さん(黙っていれば渋い二枚目)
海軍・ボーニー船長…まさみさん
海軍・ビューティー大将…松原由賀さん(高らかに「オーホッホッホw」と笑う方)
海軍・エマ大将…古山彩美さん(タッパがあるので殺陣が映える!)
かってのギップスの部下・マークス…鈴木俊哉さん
ベイビージョーンズ…牧野和馬さん
俺の骨をあげる(8/17(金)19:00開演 当日券ございます!)

俺の骨をあげる(8/17(金)19:00開演 当日券ございます!)

劇団鹿殺し

サンシャイン劇場(東京都)

2018/08/15 (水) ~ 2018/08/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

2.5次元のパロディみたいな感じもあって、鹿殺し流ミュージカルもみれて、とっても楽しい舞台でした。観客のみなさんもノリがよくそのやりとりも楽しい回でした。
サンシャイン劇場の大きさでもマイク唄以外はなかったような。なのに後ろの席まではっきり聞こえるってやはり凄いです。

ロンギヌスの槍

ロンギヌスの槍

風雷紡

d-倉庫(東京都)

2018/08/15 (水) ~ 2018/08/19 (日)公演終了

満足度★★★★

期待のロンギヌスの槍を観てきました。
こういった現代に起こった実際の事件に基づいた舞台は初めてだったし、とはいっても生まれる前の事件で詳細は不明であったし、更にクリスチャンではないのでロンギヌスの槍の逸話もほぼ無知に等しい状態であったが、ここは敢えて予備知識抜きで観てみようと思いました。
そして私より若い17歳の吉水雪乃さんがどう解釈して、それをどう伝えてくれるのか、それを楽しみにしていました。
まずは真の真っ直ぐさ、純心さ、熱さ、危うさ等は、終演後に話しをしてみて、雪乃さんそのものであると感じ、適役だったと思いました。
そしてこの作品のテーマである、なぜこの事件が起こったかについては、観劇した私達それぞれにロンギヌスの槍が渡され、自分で刺してみるしかないのかもしれません。

バンブーオブビッグ

バンブーオブビッグ

劇団マリーシア兄弟

Geki地下Liberty(東京都)

2018/08/16 (木) ~ 2018/08/19 (日)公演終了

満足度★★★★

劇団10回目の記念すべき作品は、お笑いライブが開催される劇場の楽屋が舞台。
芸人たちのキャラがバリエーション豊かで作品に奥行きが生まれている。
この作品の笑いと涙を一手に引き受けている感じの、お笑いの場面が秀逸。
男だらけの“暑苦しい”作品の中、ミドリの淡々とした言動が涼やかで魅力的だ。

ネタバレBOX

本番前の楽屋では、先輩後輩コンビ、来ない相方を待つ者、ピン芸人、
落語家、事務所の社長二人、そして不穏な空気漂う二人が出番を待っている。
カエデ(佐々木祐磨)とヨウヘイ(中島健人)のコンビのうち、ヨウヘイだけが
映画に出演することになり、しかもそれが“別のお笑い芸人と組んで漫才をやる”役
ということで、カエデは甚だ面白くない。
腹立ちまぎれに「もうお前とは組まない」と口走るカエデ、
ヨウヘイも「映画も辞める、芸人も辞める」と言ってしまう。
本番は刻々と迫ってくる・・・。

自分も何らかの問題を抱えながら、衝突する二人をなだめたり説教したりして
二人を見守る周囲のキャラが良い雰囲気。
“徹底的にヤな奴”が登場しないのはマリーシアの特徴だろうか、
そういう”育ちの良さ”も、私がこの劇団が好きな理由のひとつだ。

誰も悪くないのに上手くいかないのが世の中ってやつで、そのほろ苦さを
社長のミドリ(大浦力)が体現している。
前作「Green Peace」で“辞めたいと言う相方を引き留めなかった”ミドリが
今、同じ状況の若い芸人にどんなアドバイスをするのか、というのも
今作の見どころとなっている。

そこにもう一人、ミドリの過去を知るカラキ社長(歳岡孝志)が絡むのが面白い。
演じる歳岡さんが自然体ながら、この人の台詞になると舞台が落ちつく。
一度この方の劇団Please Mr. Maverickを観てみたいと思った。

久々にマリーシアに合流した佐々木祐磨さん、勢いのある台詞がメリハリを生む。
今日一番ウケたのはキヒラユウキさんの“コーライッキ飲み”じゃないか?

作品中のお笑いの台本がとても良く出来ていて楽しい。
ナンセンスな一発フレーズに頼ったりするのではなく、
きちんとストーリーがあって、客の気持ちが一緒に動くようなお笑い。
終盤ネタを離れて二人の関係が変化する辺り、構成の上手さも光る。
通常マリーシアの台詞はリアルで細かいやり取りが持ち味だが、
その分ストーリー展開がもたつきがちな時がある。
それがお笑いの台本になると必要最低限の会話で、一気に話が早くなる。
作品全体の緩急を生み、ラストが締まる。

「バンブーオブビッグ」というよくわからないタイトルの意味が明かされた時
考えてるなあ、と軽い衝撃を受けた。
ミドリ社長、あなたは自分を大切にしていますか?
息子を心配するような気持で、オバサンは劇場を後にしたのだった。


したため#6『文字移植』

したため#6『文字移植』

したため

こまばアゴラ劇場(東京都)

2018/08/11 (土) ~ 2018/08/14 (火)公演終了

満足度★★★★

ポストトークは和田ながら+渋皮まろん、後者が前者の考えを聞き出す質問者役という図になっていて、和田女史の「演出家」職への若い野心を垣間見るトークだった。
窺えたのは和田ながらメソッドの片鱗ではなく、ただ取り組む対象である戯曲を前にしてその料理法を模索する、その自分なりの思考の進め方を持っている、という事のようだ。競技に挑むように戯曲に挑む、この遊びが楽しく、これを仕事にして行けたらどんなに良いか・・成長と拡がりの途上にある躍動がとりわけ伝わって来る。
今春の演出家コンクールでは二日とも和田演出の発表を見逃したから今回はリベンジでもあったのだが、渋皮氏によれば「コンクールとは印象が随分違う」という。だが和田氏は「実は同じなのだ」という。
同じ、とは演出家の姿勢が同じなのであって作品から受ける印象が違う、という事をどう作り手は思うのか、についての返答は聞かれなかった。そこを問題にしない強い作り手なのかも知れないし、自身の中の「これしかない」と思える答えが実は様々な選択肢の一つである事を相対化できていないだけなのかも知れない(相対化できる事が創造者にとって良い事なのかどうかは判らないが)。
さて舞台の方は、小説の地文を4人の役者(男女二人ずつ)が分担しつつ発し続け、しかも様々な「動き」を課せられる。このアプローチは地点を思い出させる。「テキストをどう役者の身体に負荷をかけつつ語らせるか」。演出家の発想が問われる。
私の感想だが、まずこの小説というのが、一人の女性翻訳家が一冊の本を訳す仕事のためにカナリア諸島の中のある島に逗留する、そのかんの主人公の苦闘と現地人との接触がもたらす思考の、一人称による語りなのだが、「翻訳」という作業に伴う苦悩(産みの苦しみ)がよく表現されている、と感じた。文体がそうであるし俳優の動きと語りも小説の世界を舞台上に立ち上げる事に貢献していた。
だがこの「翻訳家の苦悩と彷徨」の物語が万人の興味を持つものかと言えば疑問が生じる。私はひどく親しみを覚えて聞き入っていたが、一歩間違えば「どうでも良い」と思ってしまいかねない心許なさも時折よぎった。
それだけに終盤のアクティブな作りは、渋皮氏によれば前半との間に断絶があり、感想の中には「後半の巻き返しがすごい」というのもあって、この芝居をある意味言い当てていたが、終盤の<それ>はそれまでなぞっていた小説の世界からの離陸ではなかったか。原作を斜め読みすると、終盤主人公が何者かに追われて逃走するくだり、推測だが「翻訳」に伴うありとあらゆる煩わしさを戯画的に表現したものか、「苦悩」のパンチドランカー状態が見た狂気の夢か・・いずれにせよ翻訳の苦しみと、そのために地球の果てを訪れた自分に対する問いの延長に、逃走劇は置かれている・・と想像される。だが舞台のほうは「言葉」を言わせていた前半と、役者の身体ごと主人公の「逃げる」行為を体現する後半では、舞台の成り立ち方が異なり、後半は小説が持つニュアンスから空へ舞い飛んで行った印象だ。だがまあそれも有りなのかも知れぬ。
冒頭、姿の見えない俳優の声(小説の文をリレーで、妙な区切り方をして読んでいる)が響き、やがて照明がゆっくりと入ってくると、横一列につるされた4枚の(顔を隠す程度の)透明アクリル板の向こうに役者が立っている。目の前に飛び込んだのは知った女優の顔(アルカンパニー『荒れ野』で鮮烈だった)、暗闇では「演技しい」な声やなァ位に響いていた四人の声色が、視覚による情報が付加されると別の響きを持って来る。そう言えばチラシには役者名が書かれていなかった。演出家・和田の自負だろうか。・・そんなこんなで声と顔と、動きとを駆使し俳優はしっかりそれらをこなしていたものの、小説の地文を読む、即ちリーディングという今回の出し物にやはりほしかったのは、和田氏が「なぜこれを選んだか」、いや、そんな疑問さえ封じるほど必然に思える何か、である。

PLANET DREAM

PLANET DREAM

夢団

青葉公会堂(神奈川県)

2018/08/16 (木) ~ 2018/08/17 (金)公演終了

鑑賞日2018/08/16 (木)

価格3,000円

18:30の回(曇)

17:50会場着、受付、18:00開場。

青葉公会堂(最寄駅は東急田園都市線「市が尾駅」)は初めて。
会場から自宅まで約2時間の遠距離。

「夢団」も初めて、ホームページには、夢の世界を体感する“アトラクション・シアター”という説明があります。

たしかに時間を忘れて観入ってしまう作品でした。

なにかなければもうミュージカル作品は観ないのですが。そのなにかがあったので観に来ました。

背景画、衣装、歌、ダンス。物語を鮮やかに彩り、役者さんは「らしさ」を十分に発揮
出演者は50名ほどでしたでしょうか。

小さな子役さんもしっかりと歌とセリフを。

星、聖書、神話から採られた役名。

18:30開演~19:44、休憩、20:00~21:27終演。

お話は、(ジュブナイル)SFの定番ネタをいくつかわかりやすく接合。普段観る演劇は激的に難解なものもありますが、物語に悩む必要があるわけではないので、本作のように小さなお客さんやその親御さんたちも一緒に楽しむことができる公演はいいものだと再認識。

とりいそぎ

ネタバレBOX

アバター、猿の惑星(1作目)、世代宇宙船、レプリカントなどなど

「ウェポン」の衣裳はバンドの「KISS」からきているような気がしました。
レプリカに捧ぐ

レプリカに捧ぐ

牡丹茶房

王子スタジオ1(東京都)

2018/08/16 (木) ~ 2018/08/19 (日)公演終了

満足度★★★★

少人数で贅肉の落ちた、骨の太い70分だ。

ナイゲン(2018年版)

ナイゲン(2018年版)

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2018/08/10 (金) ~ 2018/08/20 (月)公演終了

満足度★★★★★

昨年このfeblabo×シアターミラクルプロデュース版で、初めて「ナイゲン」を観て以来、これが2度目。今回上演時間が2時間強と聞いて、そんなに長い尺の芝居だったっけ?と思うくらい、(ちゃんと時計が設置されてるのに)時間の経過を忘れて見入ってしまった。昨年とは役者さんも変わり、ちょっと違った感じの部分もあるけど、やはり面白い。

ネタバレBOX

三方を囲んだ客席。昨年は黒板の右側の席で観たので、今日は黒板左側の席にしたんだけど、黒板消すときに結構チョークの粉が舞うのね。気になる人は黒板から離れた席の方が無難かも。
マナナン・マクリルの羅針盤 2018

マナナン・マクリルの羅針盤 2018

劇団ショウダウン

シアター風姿花伝(東京都)

2018/08/11 (土) ~ 2018/08/16 (木)公演終了

満足度★★★★★

14日「蒼のトーテム」「マナナン・マクリルの羅針盤」
15日「マナナン・マクリルの羅針盤」
初めて観た劇団だったのですが、とても満足です。特に林遊眠さんには感動しました。スタッフワーク含めて壮大な航海に出たかのようでした。 

俺の骨をあげる(8/17(金)19:00開演 当日券ございます!)

俺の骨をあげる(8/17(金)19:00開演 当日券ございます!)

劇団鹿殺し

サンシャイン劇場(東京都)

2018/08/15 (水) ~ 2018/08/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

歌もダンスもストーリーも魅力的でした!
関わってきたすべての人に感謝しなきゃと思いつつ、主人公の人生の壮絶さに心がいたくなりました。そんな境遇でも前を向いて、一番を目指す前向きさは羨ましくもありました。
オレノグラフィティさんのつくった曲が、どれも素敵でした!
また別の作品も見てみたい団体です。これからも東京での公演もして欲しいです。

悪い芝居vol.20.5『アイスとけるとヤバイ』

悪い芝居vol.20.5『アイスとけるとヤバイ』

オフィス上の空

ブディストホール(東京都)

2018/08/08 (水) ~ 2018/08/12 (日)公演終了

満足度★★★

確かにのっけから面白かった。個々のキャラも立っているし、テンポもイイ!タイトルの意味を“あぁそうか!”と納得させるものもあった。しかし、残念乍ら、良いに付け、悪いに付け、残るものがない。カラフルポップにまとまって・・・それだけで心に入り込んでくるものを感じられなかった。

ナイゲン(2018年版)

ナイゲン(2018年版)

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2018/08/10 (金) ~ 2018/08/20 (月)公演終了

満足度★★★★★

座組は変わってますが、今年のナイゲンも大変楽しめました。序盤から中盤、終盤にかけての畳み掛けるような会話、理論武装しての駆け引き等、ストーリーを知っていても実に面白かったです。
初見の若い役者さんが多かったのですが、皆さん熱演で、次回公演も観てみたい役者さんも多々おられました。
毎夏のご公演が風物詩となればと思います。

ロンギヌスの槍

ロンギヌスの槍

風雷紡

d-倉庫(東京都)

2018/08/15 (水) ~ 2018/08/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

 舞台中央にほぼ正方形の平台を置き、平台中央に縦長のテーブル、長辺中程に向い合せに椅子各1脚。上手、下手壁にそって各々数脚の椅子が置かれている。平台から奥へ向かって登り階段が3段、4段目が踊り場になって更に奥へ向かって3段。正面奥は、樣々な形の多くの窓枠をあしらったような造作が嵌められた壁面、見ようによってはたくさんの窓を象徴しているようにも取れる。

ネタバレBOX

 極めて判断が難しい問題を提起する作品である。今作はある事件をベースにしているが、その事件とは実際に17歳の少年が起こした浅沼稲次郎刺殺事件である。犯人の山口二矢は、今作に描かれたように歯磨き粉を用いて遺書を残し縊死した。(有名な自死であり遺書なので内容は個々で調べて頂きたい)大物右翼の演説に感銘を受けて当初拒まれたものの後入党を果たし、暗殺事件前に脱党したのも調書通り事実である。一貫した彼の行動原理から言っても、実践的論理から見ても、またこの事件以前の彼の行動を見ても、公安からの自白強制や調書改竄などの可能性は極めて低いと見るのが妥当だろう。
 以上が、今作で描かれた真(まこと)のモデル、二矢の事件前後の情報であるが更に詳しいことは自分で調べて頂きたい。彼の親族などについてもかなりのことがネットで調べられる。因みに事件が起こったのは、1960年10月12日15時5分頃。
 本論に入ろう。今作の主眼は、純粋な精神を持った真に思考が形を与えた時に形作ったことと、通常の過程、即ち世間体だの他人への配慮だのというマヤカシの論理を遵守しつつ社会参加の経験知を通して大人になった人々との齟齬と対立を示した作品ということができよう。要は相対的価値観を容認する不完全を前提とした人間と、絶対的価値観を有する人間との対立である。
 相対的価値。真はこれに対して異を唱える。何故なら彼女は純粋精神の系譜に属し、絶対を追及する主体だからである。演劇を演劇足らしめる根本的な対立が、ここに現れている。
 繰り返しになるが、世間知や常識を纏うことによって生き続ける不完全を認識し、経験知に基づく世間一般の子供、大人達の価値観と、真の精神が希求する絶対は決して相容れない。調書内容から、真は人生を相対化するような前提を持たずに思考のオーダーを持っていたことが考えられることから、その思考の唯一無二の発展形式は、尖鋭化することのみであったという事実が導かれる。この思考が齎した悲惨の結果をどう我々が判断するのか? を今作は問うていよう。この際、注意すべき点は、先にも述べた取り調べの中で明らかになる真の生い立ちに学校の友人が殆ど居なかったことだ。この事実は極めて示唆的であり、唯一心を通わせた双子の兄の死が彼女に齎したアイデンティティーの地すべり的崩壊が、彼女の行動を反社会的で過激なものとした引き金・内的原因であろうことが類推される。だが、彼女が孤立していればこそ、この内実を類推することが常識人にはできない。この点にこそ、この事件の悲劇があるように思う。
 蛇足ではあるが、委員長刺殺に向かう階段の数は、踊り場を含めると7段。階段自体は6段というのは、キリスト教神秘主義の6に関する解釈と照らし合わせると興味深いものがある。6は、神秘主義では完全な数とされている。その約数を総て足しても、掛けても6になるからであり、神が6日で世界を創り7日目に休んだと旧約聖書に記されてもいるからである。では、完璧な数を越え、神の休息の合間を縫って齎された殺人の罪は、誰によって何の為に齎されたのか? という問いが当然発生するのであるが、真が人生を相対化するような前提を持たずに思考のオーダーを持っていたことから、その思考の唯一無二の発展形式は、尖鋭化することのみであったという事実が再び想起される。
 これは神の不在乃至あずかり知らぬ所での我ら人間の行為が殺人であるという極めて示唆的な解が、キリスト教が一般に示す原罪という発想の現代的原点にあるのではないか? という問い掛けである。通常の原罪解釈であるエデンの園でのアダムとイブの知恵の木の実摂取問題も宗教的には神への不服従ということになるのだろうが“神が死んだ”後に生きる我々の原罪とは、当に我々の判断で他者を殺害するという、悍ましい殺人にあるのではないだろうか? 神の関与が無いことがこの階の段数によって示されていることが、その例証となるかも知れない。
マナナン・マクリルの羅針盤 2018

マナナン・マクリルの羅針盤 2018

劇団ショウダウン

シアター風姿花伝(東京都)

2018/08/11 (土) ~ 2018/08/16 (木)公演終了

満足度★★★★★

これで何回目だろう 10回は見たかな
東京 大阪 内容はわかっていても
毎回 涙 涙です
そして 15時からの 最後の観劇に行って来ます

マナナン・マクリルの羅針盤 2018

マナナン・マクリルの羅針盤 2018

劇団ショウダウン

シアター風姿花伝(東京都)

2018/08/11 (土) ~ 2018/08/16 (木)公演終了

満足度★★★

13日に蒼のトーテム・15日にマナナン~を観劇。蒼~はファンタジーぽく始まって観念の世界に話が広がって伝えたいことが良くわからなかった。観終わってから蒼は盲目だったのかなと思った。マナナンのストーリーは面白く一人芝居でなく観たいと思いました。何役も1人で務めるにあたって台詞が詰まってしまったり飛んでしまったのは残念だった。
ただこの劇団のお決まりなのか 芝居の最中のドリンクタイムやもぐもぐタイムはいかがなものか。マナナンは休憩時間があるにも関わらず劇中にすることなのかと思いました。

ロンギヌスの槍

ロンギヌスの槍

風雷紡

d-倉庫(東京都)

2018/08/15 (水) ~ 2018/08/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/08/15 (水) 19:00

「ロンギヌスの槍」は、一義的には赤巌委員長を刺殺した17歳少女まことのナイフのこと。一方で、象徴的に見れば、あらゆる行為に理由を求めようとする、人間の理性的な思考に対する揶揄とも思える。

神はただ許しを与えるのではない、それは「裁き」の結果なのだ。「裁き」というと、そこには当然、当事者の自由意思に対する、罪状の重さが勘案されるはずのものなのだが、神の「裁き」とは、神の「意思」の総体であり、いわゆる「神の思し召し」とはまさに「裁き」ななのだ、とこの物語は言っている。きよしの死も、赤巌委員長の死も、ラストにおとずれる生あるものの死と、生を与えられることのない死も、全ては「裁き」である。一方、父親が戦争に行き死なずに帰還できたのも、母親が子供を失い苦しむのも、赤巌夫人が少女に激烈な憎悪を抱くのも、これもやはり「裁き」なのだ。

そこに「理由」を見出すことに意味はない、ただそれは「意思」なのだから。人間はそれぞれの事象に、正解のない「意味」を見出すことに人生を」さ挙げるしかないのだ。

17歳のまことが刺殺にいたった「意味」は何なのか。まことが刺殺に向かい階段を上る姿は象徴的だ。一段上るごとに、逡巡と決意とが目まぐるしく交錯する。彼女は自らの意思で、刺殺を止めることができたはずだ、と観客は思う。しかし、それは、この物語では何の意味のない。この感情の交錯さえ、「意思」によるものであり、こうした感情の発生の「意味」を考えることしか、人間の存在の埒内にはないのだから。

こうした人間の行動における合理性の排除は、不条理な状況に見える。しかし、この物語が語っているのは、「不条理」の否定であり、また神の名を借りた「運命」の肯定でもなく、自由をもって現実に抗おうとする無力な「実存」なのではないかと思う。

舞台は取調室での会話をもって進行するが、頻繁に出てくる回想シーンや取調室外のシーンも、観客の視線や、刑事たちの視線を取り入れて、場面転換を無理なく行っていて素晴らしい。

特に刑事を演じた霧島ロック氏と杉浦直氏が、とてもよい。狂言回し宜しく、時に軽快に、時に重厚に話を進行させるし、掛け合い1つ1つが、この淀み見えなくなりそうな物語を、ひたすら日の光の下に救い上げて見せる。

テンポもよく、場面の繰り返しも、散漫になりそうな観客の注意をテーマに引き戻してくれる。

浅沼稲次郎暗殺事件に材をとっているけれど、それはこの事件からテーマを取り出したのか、あるいはテーマを表現するのに、この事件が適していたのか。ちょっと興味があるところ。初見の劇団なので、次回作以降でそれが見極められたよいな。

ネタバレBOX

「彼らは自分が刺し通した者を見るであろう」
この表現では、彼らが目の前にしていた者とは別の者が、現れてくるということになる。
刺し通す前には見れなかった者とは何か。それは善悪の彼岸にいる者、何らかの力(神に限定しない)に抗おうとしても抗いきれない者、ただそこにいて生きていく人間という存在が見えてくるのではないか。パスカルに言わせれば「葦」のような人間のこと。

舞台後方のオブジェは、窓なんですかね。中央の部分が入り組んでいるなあ、と思ったら十字架だったんですね。すると、階段上はゴルゴダの丘ですね。きよしとまことの兄弟は、そこで死んだんですね。
ロンギヌスの槍

ロンギヌスの槍

風雷紡

d-倉庫(東京都)

2018/08/15 (水) ~ 2018/08/19 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/08/15 (水) 19:00

価格3,800円

昭和史に残る事件に想を得た、演説会で政治家を刺殺した女子高生の取調べを中心に据えた会話劇……いや「取調劇」と言ってもいいか?
そして、政治家刺殺に至る過程を解き明かすサスペンスの中に昭和中期の世相を色濃く漂わせると同時にイマの社会への警鐘も鳴らし、さらに親子の情や兄妹愛(?)も練りこむのはいかにも吉水脚本?
ただ、タイトルにも出てくる聖書関連の部分は「何となくワカったような気がしながら実は全然ワカっていない」かも?(爆)(吉水さんは執筆にあたり聖書を勉強されたとの由)

また、本作にしてもオフィス再生「二十歳の原点」にしても当時の若者の何とオトナなことよ! 同世代どころか今の自分と較べてもオトナな感じ。しっかりしていたんだなぁ。

あと、舞台上の装置を目にしていかにも袴田さんらしい部分にニヤリ。本当に窓のモチーフがお好きなこと。(笑)

ネタバレBOX

なお、観劇後にウィキペディアで「浅沼稲次郎暗殺事件」「山口二矢」の項に目を通すことを推奨。

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