
幸福な島の誕生
カゲヤマ気象台
こまばアゴラ劇場(東京都)
2019/01/14 (月) ~ 2019/01/20 (日)公演終了
満足度★★★★
これは演劇ではないシリーズ後半1作目を観劇。既に3演目とも見終えた。
個別に評するのが難しい作品群で、何か言葉を添えようとすると身もフタも無い言葉が口をついて出そうになり、前衛の世界ではそれは逆に敗北、作品に勝ちを譲るだけの当て馬・・? それでも何か一言。
カゲヤマ気象台(作演出の名)のsons wo:は以前一度だけ目にしていて、1ステージ2演目あった一つのみを観たので完全とは言えないが、後半の演目は人物らの突飛な所作や扮装の比喩の対象を定めきれず、リフレインの多い舞台だった、とだけ。今回も「繰り返し」の時間が長く、この作り手の特徴とは早合点か。
「文章を読む」行為を微積分する新聞家と比べれば、順に登退場する三人(男二人女一人)はモノローグを発しているのかモノローグっぽい口調で誰かに喋っているのか(ダイアログ)、という風に見え、<演劇>を観るいつもの感覚で「関係性」を読み取ろうと、つい前傾姿勢になるのだったが。
各自、喋る「身体」は内向きで鬱屈し、「明朗な声で明確に感情や意志を伝える」のが演劇のベース、といった健康優良児な演劇イメージを拒絶する感じがなくもなく、また俳優三人が序盤に吐く言葉がちょっと思わせ振りでもあり、様式の解体と、再構築を期待させる出だしだった。
・・・が、断片でしかない個々の俳優が、舞台上に会して漸く始まるのは、鬱屈度が高くやや知的キャラを担う男による、他の二人への怪しげな誘導(イメージとしては洗脳)である。具体性のないぼんやりした言葉が、鬱屈からの悲壮味を伴う「もっともらしい」響きで二人に投げられ、精神修養らしきものを二人に施すという場面が後半延々と続く。
「・・して下さい」というオーダーに、二人はただ従順に上体を揺らし、腕をブラブラと上げる。「正解権」を完全に相手に手渡してしまった人間との非対称な光景はオウムの麻原を連想させ、その問題提起にも思われるが、不要にしつこく、だれる。同じような体験に観客を巻き込む意図があったか知れないが、そこだけ追求する意義には賛同しがたい。
示唆されていたのは、この鬱屈したタイプの青年がある一貫性を持つ事で主体性薄の他者を操る先導者にもなり得ること、誰しも悲喜劇の種をその内に持っていること、でもあるか。
いや、主題やメッセージを伝えるのが目的なら、むしろ既存の、正統な舞台様式を借りてでもやろうとするのが正しい。
消去法で残るのは、追求されているのは演劇の新たな「あり方」の提唱者となる事(の名誉)、であるか、表現したいものを表現するための最良の手法の模索、であるか。後者から前衛は生まれるとすれば、この表現主体の求めるところはまだ判らない。

トロンプ・ルイユ
パラドックス定数
シアター風姿花伝(東京都)
2019/01/09 (水) ~ 2019/01/14 (月)公演終了
満足度★★★★
2011年の初演から待ちに待った再演。
人間も馬もとてもとても愛おしくて、何でもないやりとりに涙が出てしまう。
やっぱり、この演目大好きだー!!
わたしの初パラドックス定数がこの演目で、
ホチキスの加藤さん目当てにふらりと観に行ったら見事にガツンとやられてしまいました。
その後ずっと追いかけているのですが、観れば観るほど「パラドックス定数」らしくない作品だったなと思い知るわけです。
だって、ハートウォーミング・・・。
キャストを観たときに、2役が初演と変わっていてちょっと残念に思っていたのですが、
いやいや、これはこれで!
大王烏賊兄はちゃんと気位の高い芦毛の馬だったし、何より今回は馬主さんの佇まいが染み渡りました。
ドンカバージョとアイゼンレイゲンの海を眺めながらのおやつシーンがほのぼのして好き。
馬好きの友人曰く、「芦毛の馬は性格が悪いのが多い」だそうです。
西原さんのツンデレもちょっと観たかったかなぁ。そして、馬のドヤ顔可愛いよね。
タイトル通り、人から馬へ、馬から人へと変幻自在に入れ替わる演劇的手法を堪能しました。
初演を観た瞬間から観て欲しかった馬好き乗馬好きの友人も、とても気に入ってくれて嬉しかった。
2019年、良い作品からのスタートで幸先の良い観劇初めとなりました。
『東京裁判』とは言わないまでも、「パラドックス定数オーソドックス」の名に違わぬくらいには再演をお願いします。

遠慮ガチナ殺人鬼
企画演劇集団ボクラ団義
ザ・ポケット(東京都)
2019/01/09 (水) ~ 2019/01/20 (日)公演終了
満足度★★★★★
前回よりも多くの方のテンション高かったです。笑いもたくさんとっていたような。この内容で笑い無しのもっとサスペンス色が濃い演出で見てみたいですが、見る方も体力・気力使いそうですね。

俺ずっと光ってるボーイ、健之助
桃尻犬
OFF・OFFシアター(東京都)
2019/01/16 (水) ~ 2019/01/20 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/01/16 (水) 19:30
健之助の話というより、健之助を取り巻く人のお話。エピソードは変哲がないが、役者たちの発露の熱量が高い。まるで感情の肉弾戦。熱の解放が清々しく、こちらまでストレス発散して劇場を後にした。また、傍から見る感情の肉弾戦はコメディでもあり、全編笑いが止まらなかった。
男の自信のなさみたいなものを描いているのか。男性としては共感できるものの、女性の感想も聞きたいと思った。

ごんべい/ごんべい2
ゲキバカ
吉祥寺シアター(東京都)
2019/01/12 (土) ~ 2019/01/27 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
2.5次元系のアニソン流れる開幕前は、
ただのコスプレ系舞台かと思ってましたが、
昔のスーパーエキセントリックシアターを思わせる(今でもですが。笑)
素晴らしい王道のエンタテインメント作品でした。
続編の「ごんべい2」がすぐ公開。
本作観てなくても充分楽しめる舞台になってると思います。
この劇団観たことない方はぜひ観劇を。
-------------------------------------------------------------------------------------
で、
お勧めした「ごんべい2」も観劇。
漫画ワンピースのような
テンポの悪いだらだらしたストーリー、ただ沢山出てくるキャラクター。
客いじりタイム以外、シンとした場内、
大人数のキメシーン以外、コクリコクリしてる周りの人たち。
2時間20分、ひたすら長く感じました。
「ごんべい」が奇跡的に良かったのか、続編の今作が、ネタが無いけど、
とりあえずただやっただけだったのか。
この劇団の良し悪しは次回でってことで。

お正月
玉造小劇店
ABCホール (大阪府)
2019/01/10 (木) ~ 2019/01/14 (月)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/01/12 (土) 18:00
演劇というよりかは、歴史を観ることがこれほど豊かなことなのかと感心しました。
「定期的に訪れる同じイベントを立て続けに表現する」のは大変なはずですが、そのネガティブさを全く感じさせない上品で温かい作品でした。

顕れ ~女神イニイエの涙~
SPAC-静岡県舞台芸術センター / コリーヌ国立劇場
静岡芸術劇場(静岡県)
2019/01/14 (月) ~ 2019/02/03 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/01/16 (水) 13:30
座席1階
静岡に出張し、日本初演、フランスからの凱旋公演を見た。中高生の演劇鑑賞会と同席したため、宮城聡芸術総監督自らの丁寧な前説があった。
アフリカ奴隷貿易に加担した原罪と向き合う舞台。先祖がその原罪に口を閉ざし、新たに生まれる人に入る魂たちが、輪廻を拒否する。その死生観というか、魂への考え方が日本人とそっくりなところに驚く。
宮城氏がク・ナウカで取り組み始めた二人一役の演出が堪能できる。言葉と身体の動きが引き裂かれているところに、なぜこんな面倒なことをと思うが、舞台が進行していくうちに違和感がなくなっていくのが不思議。そのゆったりとした動きが話者にくっついていく。神との対話を描く舞台で、その演出はとてもしっくりくる感じだ。
東京では味わえない舞台を堪能。来た甲斐があった。

TABOO【遠征割・高校生以下無料フォーム】
壱劇屋
森ノ宮ピロティホール(大阪府)
2019/01/12 (土) ~ 2019/01/12 (土)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/01/12 (土) 11:00
特別に何か配置されている訳じゃない舞台上で、視覚・聴覚やフル活用した演出がよく映えていたように感じました。
衣装や物語の進む颯爽感が特に好きでした。

ゼロヨンヨンの終電車
アリスインプロジェクト
新宿村LIVE(東京都)
2018/01/10 (水) ~ 2018/01/14 (日)公演終了
満足度★★★★
これだけ演じられる役者陣が揃うと豪華だし、基本が出来ているから遊びの部分も凝れるし、
とてもアリス・イン・プロジェクトの、ガールズ作品という枠では説明が付かないレベル。
場面が次から次へと変わり、テンポも良くて、でも置いていかれる事も無い、
悪役の宇田川美樹さんが「どうしてそこまで?」ってくらい徹底的に悪を貫く辺りとか、
やっぱりふり幅として、こういう方がいて下さると作品が締まるなぁ~と感心してしまいました。
元々は劇団6番シードさんの作品…調べたら2007年作品みたいですが、を女性出演者に合わせて変えた様ですが、
違和感無く、とても楽しめる作品であると思いました。

アリスインデッドリースクール・ノクターン
アリスインプロジェクト
新宿村LIVE(東京都)
2017/10/04 (水) ~ 2017/10/09 (月)公演終了
満足度★★★★★
アリス・イン・デッドリースクールの完成形を観た感じ。
主演のお2人だけでなく、脇を固めるメンバーにも栗生みなさんや八坂沙織さんなど、
惜しみなく登場していて贅沢な布陣。
またそのメンバーがとてつもなく良い仕事をしておりました。
八坂沙織さん演じる氷鏡は、氷鏡の歴代の中で間違いなく最高だったと思いますし、
栗生さん演じる高森が仲間達にエールを送るシーンがあるが、
歴代の高森だと「ここが私の見せ場だ!」と全力で絶叫するばかりだったが、
栗生さんの高森のエールはまさにこの役に求められる十分なエールであり
『そう、それだよ』と思わずにはいられませんでした。
またオープニングで、主演の一人である若林倫香さんがソロで歌うシーンに入るという演出も、
素晴らしく良く、印象的なオープニングになっていました。
最近のアリス・イン・プロジェクトさんはドンドン若手が中心になってきていて、
ベテランや舞台経験の多い方が1~2名で脇を固める、みたいな作品も多いですが、
この作品の様にズラッと舞台巧者を並べてくれると流石の見応えに直結するなと感じました。
恐らく映画化との連動で良いメンバーが揃った為、なかなかまたこれだけのメンバーで、とはならないと思うが、
是非ともまた、これくらいのメンバーが揃った作品を観たいものです。

大きな虹のあとで ~不動四兄弟~
Smile Earth Project
俳優座劇場(東京都)
2016/08/20 (土) ~ 2016/08/24 (水)公演終了
満足度★★★★★
凄まじい大熱演。
第二次世界大戦下の日本の4兄弟が直向に生きた物語。
特攻隊という幾度となく描かれたものを改めて描いて描き切ったという印象の本作には、
大きな拍手を送りたいと思う。
兄弟の1人が「50年とかそこらで、自分達が舞台とかの物語の中のものとして、過去のものとして忘れられてしまう」
みたいな事を言っていたシーンで、まさにその通りと思ってハッとさせられました。
たかだか数十年前の、まだ当時から生きている人もいる現代で、
彼らが命を捨ててまで守ろうとした未来に生きている我々が、
彼らの事を時にでも思い出さなかったら彼らが報われる事がない、それじゃあんまりじゃないか。。。
とても印象的な、素晴らしい作品でした。
他の団体でも再演されているし、今後も残っていってくれればと願います。

Kaleido of Days
ray=out
浦安市文化会館(千葉県)
2019/01/13 (日) ~ 2019/01/14 (月)公演終了
満足度★★★★★
あくまでも個人的な感想ですが、綺麗で純粋でどこか懐かしさを
感じさせるとても見ごたえのある舞台でした。
「真っ白なキャンパスに出演者それぞれが色となり一つの絵になる」という
表現がぴったりな作品でした。出演者が手がけるナンバーの
ひとつひとつの世界観がとても素敵でした。すべて見入ってしまいました。
ストーリーも心打たれる内容でした。切なさがちょうどいいです。←
途中で少し涙してしまう場面もありますが、最後は笑顔で帰れました。
公演時間もちょうど良く、とにかく内容がいいのであっという間でした。
休憩時間の出演者による盛り上げもとてもラフな感じで、良かったです。
ぜひ映像化・再演を希望します。
見に行って本当に良かったです。感動を有難う御座いました!

地獄少女
VACAR ENTERTAINMENT
CBGKシブゲキ!!(東京都)
2016/11/09 (水) ~ 2016/11/13 (日)公演終了
満足度★★
原作があったからなのか、オリジナルストーリーを銘打っていたが、
かなり窮屈な、原作に忠実なのかオリジナルなのかどっち付かずの作品になってしまった印象。
脚本も原作に気を遣ったのか、目新しい感じではなくて、ドンヨリとしていました。
客層として誰を、どこのファン層を狙った作品だったのだろうか?
原作を知らないので何とも言えないが、原作ファンはアレで満足していたのだろうか?
舞台としても何とも言えない味わいの作品で、正直残念としか言えない自分がいます。

気持ちいい穴の話
劇団きらら
塩原音楽・演劇練習場(福岡県)
2019/01/12 (土) ~ 2019/01/13 (日)公演終了

夏に舞う雪のように
Southern’X
新宿シアターモリエール(東京都)
2017/11/07 (火) ~ 2017/11/12 (日)公演終了
満足度★★
前作の「星空ハーモニー」が好きだったので観劇。
も、『ア・・・レ・・・?』という印象でした。
ずっと違和感で、その違和感が脚本が仕掛けたもの(実は登場人物達が虫…)だと分かっても、
それ以上に作品として違和感が拭えませんでした。
主演のさいとう雅子さんはそこそこ良い印象でしたが、
何となく全体的には作品として、ではなく個々の力で乗り切ろうとしていた印象でした。
上手く言えませんが、脚本か演出か、その両方かは分かりませんが、
作品作りで苦労されたのではないかな?という印象。
面白くなりそうな雰囲気はあったのですが、個人的にはあまり好みではありませんでした。

星空ハーモニー
Southern’X
CBGKシブゲキ!!(東京都)
2017/04/18 (火) ~ 2017/04/23 (日)公演終了
満足度★★★★★
「合唱」って「青春」だな~って思います。
学生時代から合唱する事が好きだった自分にとって、
この作品は学生時代の感覚を呼び覚ます感じでとても好きな作品でした。
プラネタリウム前でのストリートミュージシャン役の相澤香純さんの歌声も印象的でした。
主演の栗生みなさんの全力な役は観ていて清清しいものでした。
「幸せだから歌うのではない、歌うから幸せなのだ」
とても良い後味の作品でした。

君よ叫べ、其ノサガノ在ルガ儘ニ
ACTOR’S TRASH ASSH
サンモールスタジオ(東京都)
2018/03/24 (土) ~ 2018/04/01 (日)公演終了
満足度★★★
作品としては十分に楽しめましたが、
あの狭さで戦いをするにはだいぶ盤面が窮屈で残念でした。
各役の登場にも制限があるからか、出てきて、なんかして、ハケて・・・
というのが流れ作業みたいに感じてしまって、今一つ作品に入り込めませんでした。
迫力あって魅入る場面も少なくはなかったのですが、マイナス面が少し目立ってしまった気がしました。

YOSHITSUNE
タグステ
新宿シアターモリエール(東京都)
2018/12/05 (水) ~ 2018/12/09 (日)公演終了
満足度★★★
面白かった…んですが、続編ありきですね、コレは。
印象としてはほとんど時間が進んでいない感じで、
「敢えてこの部分を切り取った」というよりも、
「この続きがこれからあるから、今回はここまでだよ」という雰囲気。
この部分を切り取った事の意味を見出せるかと思っていたので、
それに対して観客として制作側と差を感じてしまって少し残念でした。
この作品をやるには、モリエールは少し狭いかな?と感じながら観ておりました。
![Like A room [002]](https://stage-image.corich.jp/img_stage/m/783/stage_78366.jpg)
Like A room [002]
CLIE
こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)
2019/01/12 (土) ~ 2019/01/20 (日)公演終了
満足度★★★★
ミュージカルではありませんが、歌とダンスが多くのパートを占める舞台。
FC役の平牧さんは、多くの曲でピアノの生演奏を担当しています。
決して経験値の高くない若手がメインながらも、
芝居も歌も魅力的に光る原石のようなキャストが集められている印象。
個人的には、BB・バトラー・キーパーの歌、ポーターのダンスが好きです。
登場人物は、超高級ホテルで働く従業員たち。役名=職種名になっています。
変わらない毎日のループのように見えて、些細なきっかけから確実に生じている
各キャラクターの内面の変化、関係性の変化に独特な切り口でフォーカスしています。
なんとなく見ていると素通りしがちですが、
知り得た情報のピースをきちんと繋ぎ合わせようと考えれば考えるほど、
境界線や定義が曖昧なことに気付き、ピースのはめ方が分からなくなる。
恐らくシリーズ通して(今回は2作目です)謎が徐々に紐解かれるスタイルのため、
きっちりとした1話完結型を望む人には向いていないかもしれませんが
色々な可能性を想像してワクワク出来る人にはお薦めです。

トロンプ・ルイユ
パラドックス定数
シアター風姿花伝(東京都)
2019/01/09 (水) ~ 2019/01/14 (月)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2019/01/13 (日)
ひゃぁ~面白い!!馬と人間すごく切り替え方も分かり易く面白かった。「東京裁判」がどうも苦手で好きではないのだけど、この作品は大好きっ!って言えるくらい分かり易かった。チケットもこだわっていて好き。しかも入り口で主宰の野木さんが馬に関連するビールを売っているという気の入れよう。劇場で飲みながらの観劇、これもすごく嬉しかった。馬にも馬の「生」があるんだよね。