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その空港の最後のクリスマス

その空港の最後のクリスマス

演劇集団☆邂逅

天満天六・音太小屋(大阪府)

2023/12/23 (土) ~ 2023/12/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

初回観劇。
毎年恒例、邂逅さんのクリスマス公演、今年も楽しみに!

今回は飛行場が舞台なのに…
雪女に化猫、アイアンイーターにAGと、飛行場に似つかわしくない面々による、チョコッと涙誘うハートウォーミングストーリー、楽しかった。

これがテシスさんで拝見する最後のお芝居かと思うと更にグッときた。
良かった。

某人間

某人間

劇団ちゃうかちゃわん35期

大阪大学(豊中キャンパス)(大阪府)

2023/12/22 (金) ~ 2023/12/23 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

千秋楽観劇。
自己中·無関心は罪?
そんな人間は棒になって…

突拍子もない話なのだが、各キャラが個性的で、展開の押し引きも良い塩梅、35期さんの演技もレベルが高く、話にグイグイ引き付けられた。
ちゃうかさんらしい、見事な新人公演だった👏
これからが楽しみ💕
★4つと5つで悩ましい所だが、新人公演としては十分★5つの内容。良かった。

人の気も知らないで

人の気も知らないで

劇団六風館

大阪大学(豊中キャンパス)(大阪府)

2023/12/23 (土) ~ 2023/12/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

初回観劇。
同僚の交通事故の見舞い帰り、別の同僚の結婚式の余興の打合せの筈が、3人3様、人に言えない悩みを胸に抱え…

その見せ方がiakuさんらしくて実に秀逸で、女優3人が立て板に水の如く(若干走り気味だったが最近の若い方はこれぐらいの早口が普通かも…)見事に演じ、見応えある会話劇に!
とても良い新人公演でした。良かった!
★4つと5つで悩ましい所だが、新人公演としては十分★5つの内容。良かった。

Born To Shine~Re:Boot~

Born To Shine~Re:Boot~

STAR☆JACKS

ABCホール (大阪府)

2023/12/14 (木) ~ 2023/12/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

体調不良者がおられ、昼公演が中止!
どうなるかと不安でしたが、急遽、内容を修正しての夜公演、凄い👏

体調不良者の方が3名もおられたとのことですが…
どこが修正せれたのか分からない程、素晴らしいクオリティ!
更に女優陣による歌声が胸に刺さり、男達の義の思い、引き込まれた。
良かった。

鴉翼

鴉翼

関西大学劇団万絵巻

大阪市立芸術創造館(大阪府)

2023/12/16 (土) ~ 2023/12/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

初回観劇。
人ならざる害獣の駆除…
その裏に隠された維新の秘密、暗躍する部隊とは…

流石、万絵巻。
生誕の秘密、親の責任、そして謎の人物…
しっかりとした構成のオリジナルストーリー!
展開も巧妙(多少唐突感あるが)で、160分NonStop最後までワクワクドキドキ💓卒公良かった。

Much UP

Much UP

劇団1mg

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2023/12/15 (金) ~ 2023/12/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

teamゴール初日観劇。
高校バスケ部での愛と厚い友情の物語!
ワンエムジーさんに今回も泣かさた。
姉弟の絆、彼女との約束を中心に、恋にレギュラー争い、怪我、取材にパワースポットを絡め、激アツな友情群像劇に!
バスケ🏀に青春してた我が娘達と姿を重ね、更に感動した。

皇帝X

皇帝X

ももちの世界

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2023/12/07 (木) ~ 2023/12/12 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

架空の戦後日本、神の祝福を受けた皇帝が…

神や皇帝の気紛れで右往左往する様が、滑稽と言うより悲哀を感じる、愉し哀しい感覚で、いつもと一味違う「ももちの世界」観応え十分、とても面白かった。

更に手話劇ももう普通に板についた感じで、バリアフリーなお芝居に!

モモンバのくくり罠

モモンバのくくり罠

iaku

ABCホール (大阪府)

2023/12/08 (金) ~ 2023/12/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ジビエ自給自足の母、別居の父、悩む娘、おじさん、お姉さん、話をかき回すボン!

育った境遇、環境って何?
どう生きるかは其々が考えないと…
等と考えさせられ、
嫌な雰囲気と思ってたら、ラストに救われ、観劇後はスッキリ!
iakuさんらしい会話劇、面白かった。

『つやつやのやつ』と『ファンファンファンファーレ!』(再演)

『つやつやのやつ』と『ファンファンファンファーレ!』(再演)

ムシラセ

駅前劇場(東京都)

2023/07/13 (木) ~ 2023/07/18 (火)公演終了

実演鑑賞

推しがいる人はもちろん、今何かをがんばっている人、がんばったことがある人にも刺さる。これまで走ってきたことを肯定してくれて、走り抜けるエネルギーを補給できる作品です。ムシラセでしか出会えない言葉と愛がある…!

モモンバのくくり罠

モモンバのくくり罠

iaku

シアタートラム(東京都)

2023/11/24 (金) ~ 2023/12/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

2回観劇。今回も十分に堪能した。現代の食の問題についても考えさせられる。三人の娘を持つ親としては、親を選べずに生まれてくる子に、自分は何を伝え、何を守り、その対局として何を押しつけてしまっていただろうかという不安に囚われた。
そして何より、家族の或る中年男が浮ついて見える姿。他者によってバッサリと斬られてしまう言い訳を聞きながら、自分を省みれば心から血が噴き出しているように思えて恥ずかしかった。如何にして生きるべきか、また考えなくては。

マイン

マイン

チタキヨ

イズモギャラリー(東京都)

2023/10/16 (月) ~ 2023/10/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

久しぶりのチタキヨ。飾らず、それでいて美しく、現代社会において女性が抱える問題、いや女性に背負わせてきた問題を、力まずにテーブルに乗せて考えてみる作品にして届けてくれた。人と話題にし辛いようなお金の問題も見事に提供してくれた。何ともいとおしい女性たちがそこに生きていた。感情を隠しながらつながっていた人間関係も、少しずつ本音が漏れて、それが嫌味でないから関係が強固になっていくのが何とも羨ましく美しかった。
心が温まった帰路は、少しニャついていたに違いない。恥ずかしいけれど気持ちよかった。

さいあい〜シェイクスピア・レシピ〜

さいあい〜シェイクスピア・レシピ〜

CHAiroiPLIN

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2023/08/11 (金) ~ 2023/08/20 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

2回観劇。それでもお代わりしたくなった。彼等と出会えた大切な作品の久しぶりの再演。さらにダイナミックに進化を遂げていた。それでいて、丁寧に細部にまでこだわって緻密に演出されている。その中でキャストが生き生きと舞う。高校生キャストも若さを発散し溌剌として輝いていた。大好きな小林ららさんは今回も素敵だった。そして、主宰のスズキ拓朗さんとともに二本柱といっても過言ではない清水チャイロイプリオンをチャイロイプリンを初めて観た。もちろん毎回いて欲しい。それでも今回、それを埋めるべくよし乃さんが大活躍していた。彼女の目を見張る活躍に感嘆した。
この作品は定期的に再演して欲しい。

この夜は終わらぬ。

この夜は終わらぬ。

劇団俳優座

俳優座スタジオ(東京都)

2023/06/02 (金) ~ 2023/06/16 (金)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

初日。俳優座稽古場がアゴラ劇場になった。そう思えるほどに伊藤毅さん(やしゃご)が、見事な本を用意し、青年団の空気を存分に取り入れる演出を施した。老舗劇団に思い切ったアプローチで切り込み新風を吹き込んだと言えるだろう。劇団の古参ファンの方は面食らったかもしれない。しかし、それこそが新しい血を取り込んだ価値であるはず。その上で、社会問題を突きつけ、観客に正義を問う秀作。
福原まゆみさんが、役柄も雰囲気も作品に心地よい風を吹き込んでいた。魅力的な俳優さんに出会えた。

濫吹

濫吹

やみ・あがりシアター

新宿シアタートップス(東京都)

2023/09/07 (木) ~ 2023/09/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

アワード投票のため、時差投稿失礼します

以前、何度か公演を拝見したことがあり、楽しみにして鑑賞しました。
期待裏切られず、いや、良い方に裏切られたとも言えるでしょうか。
過去一好きでした。

ネタバレBOX

大人同士でのコミュニティ、距離感の難しさは年々感じています。
特にそれが子どもという大切な存在にも影響を与えるとなると、よくも悪くも自分らしく居られないのではないかなと思うのです。
身近ながら人間関係の嫌な部分がよく見える題材で、これを扱うところがとても興味深かったです。
また、ある意味"異分子"が混ざったと言える状況だった訳ですが、鑑賞した人の中でもあの状況にどう対応するかの意見は割れると思います。
私は判官贔屓してしまいがちですが…
どちらも間違っているということは無く、だからこそ自分たちで答えを出すことが苦しい。
これは、PTAの問題も同じことだと思います。
大人はそうやって自分の答えに責任を負わされながら生きていくのだと、考えさせられました。
また、笑いどころ、キャラづくり、音楽や故事の演出も最高でした。
特に最後の逃げるところ、かっこよかったです。
次回公演も絶対行きます。
ありがとうございました。
眩く眩む

眩く眩む

ムシラセ

劇場MOMO(東京都)

2023/09/06 (水) ~ 2023/09/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

アワードに投票するため、時差投稿失礼します

私はいわゆる"お仕事もの"が好きですが、こんなに苦しい気持ちになったのは初めてでした。
やりがい搾取の世界に自分も飛び込もうとしているので尚のこと、鑑賞後も頭がぐるぐるしていました。
才能や経験値は簡単に埋められる差ではない。
分かりやすく評価されるところ以外で生き方を見つけることが必要だろうか、とか思ったりしました。
提示された課題は課題として、普通に演出がかっこいい!笑いどころバッチリ!
他の公演も見たいと強く思いました。
応援します。ありがとうございました。

日本演劇総理大臣賞

日本演劇総理大臣賞

ロデオ★座★ヘヴン

駅前劇場(東京都)

2023/12/27 (水) ~ 2023/12/30 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

上演時間、2時間。

開場して10〜15分くらいに入場して、
席がとびとびで空いているくらいだったのですが、
場内スタッフさんが
「一番うしろは通路になっているので、ぐるっと回り込めます」
「奥側は最前列が空いています」
「手前側3列目ならおふたり並びで観劇できます」
などと
具体的な口頭案内をしていて、
着席しやすかったです。

役者さんも演技力がすばらしい人揃いで、
骨太の脚本とたしかな演技で大満足です。

なぜ「演劇」を選んで彼らがここにいるのか。
なぜ私は現地に行って「観劇」をするのか。
そのひとつの答えがここにありました。

ネタバレBOX


『残り火』という演劇作品が出来上がるまでの過程の「稽古場」と、
『残り火』が総理大臣賞に相応しいかを論じる「選考会」の
2つの空間が交差するのですが、
その構造・構成が巧みでした。

『残り火』というひとつの作品を劇団(内側)と選考委員(外側)から観測させて、
さらに『残り火』の「観客」となる警察・記者も舞台上にいることで
作中で語られていた「循環」「対話」を目視させつつ、
客席に座っている「こちら」と『日本演劇総理大臣賞』という作品で「循環」と「対話」を起こしていました。

観劇が、演劇が客席の「私」に与えてくれるものを画化・言葉化、そして体験させてくれたうえに、
自由な表現を奪われていく演劇人のあがきと、
それでもまだ失われてないものを描くストーリー。
すごい体験をしました。

客席が2面で舞台を挟む配置も良い効果でした。
特にそれを強く実感したのが
クライマックスの久子が「俳句にする」シーンの劇場全体の一体感。

横からの視点になることで、
舞台上のふたりの登場人物がつかもうとしている「ことば」への遠近感の表現が強まり、
否応にも視界に入る客席に循環を味わい、
さらに自分の心の揺れを自覚する。

すごく充実して、贅沢な時間でした。
gagap

gagap

ENG

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2023/11/22 (水) ~ 2023/11/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/11/22 (水) 19:00

ENGプロデュース公演、作演出竹村晋太郎。ENGのことも、出演者の大多数も、小劇場界隈に疎い私には知らないものだらけだったけど、竹村さんが創るから、そこに劇団員やアクモブでお馴染みの方が出るからチケットをとった。
初日を前に全日程完売、急遽補助席が出たがそれも完売。ゲネには多数の関係者や役者が見に来て、本番さながらの熱気だったそう。竹村さんファンとして、こんなの嬉しすぎる。

明治、のような時代の、帝都、のような街。怪人と呼ばれる強力な能力を持った存在が確認され、それを専門に取り締まる部署が設立される。 それだけでもう!大好きな世界観!大正明治の古いものと新しいものが混じりあって独特の文化を作っていたあの時代!街に街頭がともってもまだなお闇が深かった時代!現代の私たちからしてみれば浪漫でいっぱいのあの時代!そこに不可思議な事件が絡めば完璧!さっすが竹村さん、わかってる。

ネタバレBOX

・壱劇屋東京支部ではお馴染みの演出が盛り沢山で一瞬いっしゅんが“濃い”!!安定の「目が、目が足りないぃ!」が後方席なのに発生しました。これはね、もれなく箱推し確定。
・開演前にパンフと台本は買ったけど、終演後にサントラとBlu-rayの予約もしました。観劇中に「これ、円盤になるんだよね。マジかよ。最高じゃん!」て5回くらい思った。
・竹村作品のプロ達がアクションモブ...じゃなかった、ギャップルとして参加しているのが心強い。竹村作品初参加の皆さんも、それぞれの個性があって、アクションもだけど、芝居パートもめっちゃ良い、最高。ありがとうギャップル。
・高田さんの怪人0号がずーるい。え、あんなんみんな好きじゃん。竹村さんの書く台詞は全部竹村さんを感じるけど、私的に今回のキャラクターの中で1番竹村さんを感じたのは怪人0号。高田さんの台詞術がすーごい好き。最初から最後まで全部ずるい。
・椎名亜音さんの怪医。まずビジュアルが超好きなんだけど、亜音さんのカッコイイお声と動きでさらにキャラクターが魅力的になって、最高すぎて頭爆発するかと思った。西分さんとの絡み、ありがたい。大好きな2人。
・春夏秋冬で“ひととせ”と読む。栗生さんのひととせ、お声がとても綺麗で可愛くて、ふわっとほわっとした雰囲気も純粋で透明な感じがして、そんな彼女が歌うと空気が澄んでいくような、光が差し込むみたいな、聞き入ってしまう歌声でした。だからこそ…ね、しんどい。いっぱい食べる君が好き🍡
・梅田さんの怪色、ただのお色気お姉さんじゃないんです。色気で惑わすとか、そんな生易しいもんじゃない。めちゃくちゃ戦う。すごい強い。そしてとても良い女。何度この方の表情に胸を締め付けられたことか…強くて弱くて愛の深い女が好きだ。
・んで怪色に絡む怪食がぶっ飛んでて最高だった。松藤さん、漫画っていうかアニメみたいな動きする。え!今どうなった?!て動きするんだけど、それが役としてピタッと欲しいところにハマってる感じがして観ててめちゃくちゃ気持ちがいい。
・シミズさんの怪談。ビジュアル発表で1番気になったのがこのキャラだった。怪人っていうか妖怪っぽくて、すごくクセありそうだな…って、登場キャラ全員クセまみれなんですけど(笑)満を持して台詞を喋った瞬間に「はい好きー!」って心の中で大絶叫した。高音と低音の使い分け、素敵。
・喋り倒す西分さん最高かよ、最高だよ、最高でしかないよ。竹村さんが西分さんに当て書きしたという怪人P、西分さんへの信頼とか愛とか詰まりまくっとるやん!衣装の裃っぽいマントが良い。ヒールで駆け回る西分さん、足ぐねらないように気をつけてー!
・マサさんは姿勢がとにかく美しい。日舞で鍛えた体幹と指先まで意識の届いている動きが素晴らしい。そして、マサさんがいるならやっぱアレはないとですよね🤭嬉しかったなぁー。美しい動きをする方なのに、ブリキ人形みたいなデフォルメされたモブを演じるのもギャップにやられる。
・ひととせの歌唱シーンで、まわりに集まる群衆のギャップルさんたち、表情がとても良くて、今日は日置くんの表情がグッときた。お隣の黒ちゃんもいい顔してた。
・最終戦に入る直前の集合シーン!3つの勢力がそれぞれ睨み合うんだけど、ポスターとほぼ同じ構図!
・最初から最後まで高田さんがずるいよなぁ!もう!宿木ちゃんに向けるなんかこう、恋ともなんともハッキリした形はないけど大切にしたい、守りたい、笑っていて欲しい、みたいな気持ちと、どこまでも真っ直ぐな花房に宿木が好きな花房でいてほしいっていう願い、終盤の今まで余裕そうだった0号がとにかく走り回って取り繕ってない本気の叫びを花房にぶつけるところ、ほんと好き。宿木ちゃんの言葉をかわりに伝えて、その思いだけは裏切るな!って、かっこよすぎかい。この0号に喝をいれる怪人Kもカッコイイ。お笑い担当みたいなPのグループに所属してて奇抜なファッションだし喋り方はおねぇだし、そういうキャラなんだと思っていたら、実は元ヤンでめちゃくちゃ漢ってのがさぁ、オタク大好きなヤツじゃん。
・0号と宿木ちゃんにじゃれつく怪人J、めっちゃ猫で可愛い。どんどん0号にたいするじゃれつきがほぼ引っ掻きレベルになっていくのも面白かった。最後0号に逆シャーされてた(笑)
・こういう物語にはありがちな「自分以外どうでもいい捨て駒と思っているわかりやすく酷い奴」が出てこない。奴は無口で感情が無いようなやつだけど、中身がうまく成長できなかっただけで後半の子供のように泣く姿が印象的だし、すがるように「色…」て名前を呼んだの辛すぎた。色はその手でさっき殺してあげたんだもん、1番いてほしい時に1番彼を抱きしめてあげて欲しい時に、もう彼女はいない。白のほうは仲間と認識している者は大切にしている感じ。春夏秋冬の歌声で量産したギャップルやすぐ死んでしまうような欲望の足りない怪人達のことは駒扱いかも。僧や老のことは大切にしてた。
・キャラクターそれぞれに背負ったもの抱えたものがあって、それがしっかり見えるから辛くて苦しい。村田さんは怪人になったのにギャップルたちに殺されてしまったんだな…辛い…後半の「頭部に傷を負った状態で歌を聞くと変異する」がわかってからの頭への攻撃が絶望でしかなくてなぁ…
・怪人へと変異する瞬間を表現した怪談と怪軍の2人、すっげかった。体柔らかい。背筋と腹筋強そう。
・食に食い殺されそうになった色に奴がとどめを刺してあげるの、さっそくそれは愛だよな。優しい奴、色めっちゃ嬉しそうだった。
・ギャップルたちの活躍がまぁー凄かったんだけど、個人的に好きだったのは電車の戦闘シーン。電車を外から見てるアングルで窓から戦ってるのが見えてる、て感じなんだけど、これがねぇ、我々観客の想像力を信じてくれてるんだなって演出で嬉しかった。その場にあるのは4枚のパネルだけで、電車の音は出してるけど電車っぽいものは何一つ無い。でも、頭の中では足場の不安定なゆらゆら揺れる電車、大きな窓から見える戦闘、そういうものがしっかり補完された。見えたんだよ、ちゃんと、電車が。
・Pの「ムーブメントを起こすのが好きでして」てゲヘゲヘ笑ってるところ大好き。
・血吹雪、あると思ってなかったから嬉しかったよー!!!!スペシャリストのマサさんもいるしね!みんな吹雪使うけど、一体どこに仕込んでたの?!てくらい隠し方と見せ方が上手い。
・大災害からおばあちゃんを助けて通路をのぼっていく花房、頭に傷を負い鼓膜が敗れた状態だったから、おぶわれてる藤島さんが花房の右こめかみあたりに手を置いて、頭と手のひらの隙間からはらりはらりと血吹雪をこぼすのが「こ、細かい!」て感動した。細部に神は宿る。
・すごい吹き上がり方してるー!ってなったのは怪電が怪僧にぶっ刺されたところ、とんでもない量の血吹雪がぶわわって飛び散ってて、ただの紙だってわかってるのに痛々しくて「うわあ😭」てなった。
・怪軍が暴走する花房を一喝するシーンも好き。「お前は違うだろう!」って。自分はこういう守り方しかできない、でもお前にはお前の守り方があるだろう、みたいな。怪人にさせられてしまった悲しい運命。彼の目的は怪人騒動の発端である春夏秋冬を消してこれ以上怪人を生み出さないことだった、なら彼の目的は達成され、じきに消えてしまうのかな…
・守れたものもあれば守れなかったものもあって、めでたしめでたし大団円とはいかないんだけど、それでも人間は前を向いて自分に出来ることをやるしかないから、だからとにかく、生きようっていうラストなんだと私は思った。
・春夏秋冬の透明な唄声が、覚醒した時は音をいじったみたいにぐわんっと揺れて聞こえた錯覚がして、あれすごかったな。アニメだったら視界が歪む演出入るやつ。あそこの歌声が際立つように、普段の歌声や喋り方を高めで透明感ある感じにしてるのかな。
・ボディーガード村田、パンツスタイルの女性がサンジばりの足技で戦うの、嫌いな奴いないぜ。彼女が怪人、というかギャギャップになってしまうの、悲しかった。
『ガラスの動物園』『消えなさいローラ』

『ガラスの動物園』『消えなさいローラ』

Bunkamura

紀伊國屋ホール(東京都)

2023/11/04 (土) ~ 2023/11/21 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/11/07 (火) 18:00

上手側にあるガラスの動物園が人の頭でずっと見えなかったのが残念だけど、ギリギリ全体が視界におさまる席で生声も表情も涙の雫さえも見える距離。最高。

ネタバレBOX

ガラスの動物園
あらすじをざっと読んだだけで、完全初見。客入れは日本の80年代?70年代?の歌謡曲かなぁ、が流れてて、外国の話なのに客入れが日本のオールディーズなの面白いなって思った。
えりさんのお芝居を舞台で観るのは初めて、だと思う。頭の回転が速い人なんだろうなぁ…台詞に口がついていってない。台詞間違い、台詞忘れ、噛む、言い直すのオンパレード。動きもちょっとバタバタしててうるさく感じた。他の登場人物たちがあまり大きく動かないからかもしれない。噛んだり言い直したりは全員あった。幕が空いて数日ですが、毎回こうなのか、今回だけか。あんまり台詞で躓かれると集中切れちゃうから嫌だった。稽古足りてないの?って思っちゃったけど、台詞以外は大丈夫そうなので、膨大な台詞量に口が回らなくなってるだけだと思われる。しっかり!
年配の役者さんがズルいのは、たとえ台詞がおぼつかなくても、きめた動きがうまく出来なくても、長年の経験によって出る説得力や迫力が段違いだってこと。えりさんズルいのよ。口うるさくて感覚がズレてる母親の、子供に対する愛情だけは嘘偽りない真実なんだもの。特に娘に対する思い。女性の立場が低かった時代、結婚しなければ生きていかれなかった時代、女ひとりで生きていくことが困難だった時代、そりゃあ旦那が蒸発したあと女手一つで子供二人を育てあげたんだもの、娘には苦労させたくないって思うよね。普通、母親を重ねて見るものなんだろうけど、私は80過ぎの祖母を重ねて観ていた。「~しなくちゃいけない」と価値観を押し付けて、面白くもない話を聞かせて、子供のことを理解してると思ってるけど実際は何もわかってない、完全にうちのばあちゃんだった。子供の中に障害持ちがいる点も同じだ。我が子に障害があることを認めなかった母親。人と少し違う、けどそこがこの子の良いところって。
狐晴明ぶりの吉岡里帆さん!めちゃくちゃ良かった。おどおどした喋り方も、ふわりと微笑む顔も、ぎこちない動き方も、びっこをひく足も、ジムに対して「推しを前にしたオタク」みたいな反応するところも、全部良かった。母親と弟のことを心から愛しているし、言葉でも行動でも表現する。泣きながら謝る弟をいいこいいこして抱きしめてあげる姿なんて、聖母様だった。酔って帰ってきた弟に膝枕してあげたりさぁ、仲良しで大切に思い合ってる姉弟だった。兄属性の松也さんが弟役ってのが新鮮で(もちろん、弟役も弟分役もたくさんやってきただろうけども)とても可愛かった。お姉ちゃんの肩に頭を乗せて甘えてるのとか、可愛すぎた。
トムがジムを案内する時、客席で「ジム。あっちあっち」ってオフマイクで言って楽しそうに笑いあってて、本当に仲がいい様子が出てた。和田さんのチャラい役って見たことなかったから新鮮だった。もうちょっと好青年な役なのかと思っていたので、予想外。口が上手くて軽くて遊んでそうで、ローラと話していくうちに惹かれてキスまでして、ローラにも観客にも希望を見せた次の瞬間に突き落とす。婚約者がいるって打ち明けてからのローラの表情、痛々しくて見てられなかったよ。ろうそくに照らされた頬を伝う一筋の涙、悲しくて綺麗な涙だった。ローラがジムに渡した角をなくしたユニコーン、あのあとジムはどうするだろうか。大切にするって言うけど、きっとすぐに壊れてしまうし、婚約者になんて言うつもりなのか。
松也さんがね、ずっと舞台上にいるんよ。いない時間もあるんだけど、トムとして存在してる時間と語り部の男として存在してる時間があるから、ほぼほぼ舞台にいる。台詞はなくてもじっと登場人物たちを見ていて時々動いて物を片付けたり隣に座ったりする。それが何を意図しているのか、わからないことのほうが多かったけど、さすが歌舞伎役者、芝居の邪魔になるようなことを絶対にしないからどこにどう存在しててもまるで舞台セットみたいに違和感がなかった。生演奏の入るきっかけ、語り部の松也さんがキュー出しすることもあって、責任重大だった。指パッチンの音が鳴らないまってぃ、SEつけてあげて…(笑)
停電してパニックをおこしそうな姉を落ち着かせるために、ぴったりと寄り添ってガラス細工を蝋燭にかざしたりしてた姉弟の姿、良かったなぁ。オフマイクで吉岡さんが話しかけて松也さんが「え?」って感じで耳を向けて、そのあと吹き出してたの微笑ましかった。
非常階段で抱きしめ合う母娘を包み込むように抱いた語り部の男…あれはトムだ。
背中に布を足したアマンダのドレス、子供たちがそれを必死に隠そうとするのと、見てしまった時のジムのリアクションが良かった。
絶望は絶望のまま終わっていく物語。貧しい現実、閉塞感、戦争には冒険があると目をキラキラさせる青年、家を出ていく男たち、残される女たち、幸せな未来など夢、誰も助けてはくれない。物語が始まった時より状況が悪くなって終わる。

消えなさいローラ(和田琢磨ver.)
ローラとアマンダの人格を行ったり来たりしながら演じ分ける和田さんの仕草、特にローラがすごかった。ガラスの動物園では内向的なだけで心優しくまともな受け答えをしていたのに、不条理劇・ナンセンス劇らしいめちゃくちゃな言葉のキャッチボール。言葉の通じないおかしな女。母親は死んだのだと、なんとなくわかってはいたけれど、彼女がドレスの胸元からガラスの馬を取り出した時、ひっかかった。胸のポケットにガラス細工をしまったのはジムだ。演じているのもジム役の和田さん。違和感。ワインを飲んだ母親が死んだ、それを隠すために、ここで弟を待つために、ローラは母親の死を隠し続けた、母親になりきってまで。けれど葬儀屋/探偵は言う。もうそんなことはしなくてもいい、トムさんも望んでいないと思いますよ…と。まるでトムが姉に寄り添うようにぴったりとくっついて肩に顎を乗せ、するりとドレスが脱げロングのウィッグが外れると、中からしどけなく胸元をはだけた(これはドレスから出ないためだと思われるが)ジムが出てくる。アンニュイな溜息をひとつ。頭を軽く振り、襟をぐいっと直す。そこまではジムの動きなのに、その後もローラであり続ける。カーテンの裏にあの日のドレスのまま寄り添って眠る白骨化した母娘が浮かび上がる。もし、この部屋にいた女がはじめからジムだとしたら、それこそ狂気。少なくともあの日から3年がたってる。あの停電の日、母娘が絶望した日、トムが出ていった日、あの日からすぐに2人が死んだとしたら、トムが出ていくことを知っていたジムが心配になって再び訪ねた時には変わり果てた姿だったとしたら、ジムは心を病んでしまったのか…いいや、それはありえない。あの日はじめてアマンダとローラに会ったジムが近所の人が見間違えるほど2人に化けるなんて不可能。だから、ジムの姿をした何かなのだと思う。パンフレットのインタビューでは「待つという概念」みたいなことが書かれてた。概念、概念か。ジムは何を待っていた?己の成功?天井からどさーっと砂が落ちてきて、その砂の後ろで崩れるジムと、テーブルの上に残されたドレスとウィッグ。ローラの抜け殻?話の間、アマンダとローラが亡霊のように現れては生気のない顔で虚空を見つめたり女や探偵を見ていた。この部屋で起きたことは現実だったのか。はじめからこの部屋には誰も生きてる人間はいなくて、探偵だというこの男も存在していなくて、死んだというトムの魂だったら少しは報われるんだろうか。
最後、松也さんが綺麗な声で歌いだして、そこに和田さんもタイプの違う歌声で加わって、吉岡さんもえりさんも入って、ひときわ強く響く松也さんの歌声に「どうです?すごいでしょ?これが尾上松也ですよ」という謎のドヤ感をおぼえました。
レイディマクベス

レイディマクベス

TSP

よみうり大手町ホール(東京都)

2023/10/01 (日) ~ 2023/11/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/11/01 (水) 18:30

「マクベス」が原案の完全新作。世界最速公演。隣国と何十年にもわたって戦争をし続ける国で最強の兵士“だった”レイディのお話。マクベス夫妻の娘が語る、という形で始まる物語。
過去のようにも、未来のようにも、今現在の話のようにも感じられる世界観。膨大な台詞を浴び続ける2時間。強く美しい夫婦が壊れるまでの物語。

中央に二重の盆があって、それがほぼずっと回ってる。
レイディ白い細い薄い顔小さい!そんな華奢な体躯で最強の兵士だったの?!かなり強い。マクベスに語りかけるためにぺたりと座り込んだ時や、銃をかまえた後ろ姿にドキッとした、身体が薄くて。身のこなしがさすがの美しさ。

1回観ただけでは全てを呑み込むのは難しかったけど、多様性の現代が抱えてるいろいろな問題が詰め込まれた物語だったと思う。
難しいけど、演劇を観た!って感じ。

舞台『刀剣乱舞』山姥切国広単独行 -日本刀史-

舞台『刀剣乱舞』山姥切国広単独行 -日本刀史-

舞台『刀剣乱舞』製作委員会

天王洲 銀河劇場(東京都)

2023/10/07 (土) ~ 2023/10/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/10/19 (木) 18:00

配信で観ていたけど、実際に劇場で観ると圧がすごい。舞台上の熱量がとてつもなく高い。壱劇屋メンバーをついつい探してしまう。こばーん、猫背やなぁ。
著しいキャラブレの三郎2人、後ろで待機してる時にふくのすけを撫でたり可愛がってたの良い。

ネタバレBOX

スサノオ、荒々しい声や喋り方だけど、ちょっとなんだろ、印象として傴僂っぽい。とんでもない猫背だからかな。スサノオにそんな属性はたぶん無いんだけど、演じ分けのなかで猫背になっていったんだろうな。「目だぁ!」の言い方可愛い。荒々しいなかに無邪気さとか幼さも感じる。
厩戸皇子のビジュがめちゃくちゃいい。あの髪型似合うってどういうことなの。「あなたの刀になる!」かっこよ過ぎて泣きそう。泣いた。
パペット可愛いなぁ...みんな声の芝居が上手いよね。いくらパペットで動きつけてるとはいえ、声の芝居が変だと違和感あるもんだけど、とても自然。配信は健鶴だったので、今日染鶴の声が聞けて嬉しかった。

2幕まで見終わっちゃうともう何も思い出せない...なんだろうなぁ、希望はあるけどまだどう物語が繋がるかわからない状態なのに、エンディングでものすごい多幸感に包まれながら涙ボロボロ流して完全にデトックス状態。心地よい疲労感が残る(笑)
あ、燃ゆる本能寺の再現シーン、上下にちゃんと虚伝組が後ろ向きで出てきてそこも再現してたの、初日配信では気付いてなかったから(映ってなかった?)驚いた。薬研不動長谷部宗三、ちゃんといた。不動くんがふるふると小さく震えながらズボンをぎゅっと握ってて、本人じゃないけどちゃんと再現してて、すばらしかった。
お守り発動の映像、可愛いし「お、御守りだァァ!」って感動するんだけどちょっと面白い。ニヤニヤしそうになる。お守りだけで良かったのでは???ふくのすけをシルエットだけにするとか!
生で見る三日月国広、やべぇ。なんだあれ。本物じゃん。声も、動きも、ひろちかなのよ。鈴木拡樹が舞台上にいるのかと錯覚する。
下手でぶわっと太刀を抜くのが目の前で、美しさに目が潰れるかと思った。
三日月の格好すると背が小さく見えるけど、極めると背が大きく見える荒牧慶彦。不思議。骨格?衣装?
朧達の中身が誰なのか、山姥切の影や仮面の山姥切の中身は誰なのか、とても気になる。1人だけご本人(笑)安心するわー。
山姥切国広があんなふうに笑う顔が見られる日がくるなんてさ、嬉しい。笑顔だけで泣ける。
こんなおかむーが見たかった!が見られる山姥切国広単独行。西郷隆盛、似合いすぎ。
「守る価値のある歴史がありゃあいいが」の人、エンディングで「山姥切国広ー!」って声掛けてる人だった。なんか、含みのあるセリフを他にも言っていたような気がするし、含みのある芝居をしているようにも見えた。なにか、あるのか...?守る価値のない歴史とは...。

カテコ、3回目でスタオベ。一振出てきたまんばちゃん小さく「おっ」みたいなリアクションして2階席3階席にも目を向けて、しっかりと、全てを噛み締めるようにお辞儀をすると嬉しそうにニコッと笑って去っていった。配信の時の刀をぐっと天に掲げるパフォーマンスはカメラ入ってる時限定なのかな?終演アナに負けず3回目のご登場は叶ったが、録音ではないアナウンスが入ってしまうと観客もさすがに「今日はおしまいなんだな」と察して拍手をやめたので、4回目までいくと刀を掲げてくれるのかもしれない。おしまいだよ、の合図(笑)

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