グロリアストラベル 公演情報 桃尻犬「グロリアストラベル」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    (笑えた度)4(今感)5(完成度)5

    ビターでスイートな“笑”撃のジェットコースターロードムービー。

    骨格は家族の危機と再生を描くホームドラマ。

    何それ、矛盾してない? 観た人にしかわからない斬新さ。

    軽妙な会話で綴られているので、楽しく見ていたら、、あらら。

    ※後日、ネタバレ追記しました

    ネタバレBOX

    後半。
    突然、地獄が出現。

    すわ、フロムダスクティルドーンか、阿修羅城の瞳か、と思ったが、
    180度世界が変わるわけでもなく、ホームドラマとして、とても綺麗に終わる。

    個人的には、作者の、適度な軽さとわずかな重みの適温ヒューマンドラマが好きなので、
    途中で大ボケがかまされていてもなお、
    会話の細部がとても洒落ていて少しドッキリの仕掛けがあるホームドラマに見える。
    ビターな現代社会の現実を軽妙な笑いに昇華する技の妙。

    地獄をネタとして半ば放置しているが、ご自身の鬼キャラも含め、
    少しシリアスに寄りすぎてしまったメインストーリーの照れ隠しなのか。

    ラストシーン。娘が粉からパン生地を打つ。舞う小麦粉がリアル。
    父が見かねて手を貸す。こういうミニマムな表現はとても上手い。

    結果、笑いと軽妙さとシリアスと、バランスがとてもいい塩梅に収まっている。

    不思議な読後感。ある意味、個性的、現代文学の香り、唯一無二である。



    と、いやあ、以上のコメントを当日書いたのですが、バックパッカー2人の存在が少し弱いよなあ、と、なんか引っかかっていまして、、、
    後日になってそのヒッチハイクを始めた理由が「世界が終わるから、金を使いはたしたい」みたいなことだったことに今更ながら気づきました。
    地獄になった瞬間にタランティーノの顔が思い浮かんで余計なことを考えてしまい、つい、7月地球滅亡説が壮大な前フリだったことを、すっかり見落としていたのですね、、、、

    「愛が終わることに比べたら、たかが世界の終わりなんて」みたいな感じでしょうか。
    セカイが滅亡してもなお、いや滅亡したからこそ再生する家族のおはなし。
    今年の7月に観るのがまさに旬。
    めちゃカッコいいです。


    0

    2025/07/20 09:32

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大