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化粧二題

化粧二題

こまつ座

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2019/06/03 (月) ~ 2019/06/16 (日)公演終了

これが現代の「化粧」だと言われると、三越劇場、ベニサンピットからこの芝居を見ているものは、おやおやと思う。もちろん芝居はいましかないものだから、昔をなぞっても仕方がないとは承知しているものの、これではなぁ、と首を傾げる。
今回の上演は[化粧二題」でよく知られた「化粧二幕」とは、演劇(芝居)の土台としての戯曲の構造も違う。「化粧」ものの初演は、大衆演劇(日本の芝居の原型)を演じる劇団の座長と言うひとり芝居の設定の中に、演劇論、社会論(親子の社会原型から、メディア文化論まで)、を巧みの織り交ぜた舞台で、のちに二幕物で、意外などんでん返しを付け加え完成した。井上戯曲の中でも通俗性と批評性が表裏になっていて、笑えて泣けて、お勉強にもなる稀有な戯曲なのだ。普通「化粧」と言えばだれでも、この本を思い浮かべる。
「化粧二幕」は演じた渡辺美佐子もよかった。新劇的にもうまい女優なのだが、それが角ばらない。終わりの頃は演舞場でもやったが、わたしはベニサンで最後にやった公演が一番よかったと思う。この初演版は、何重にも入れ子細工になっていて、そこに井上らしさがよくあらわれてもいた。昭和生まれの名舞台であった。
今回の「化粧ニ題」はそこを殆ど外している。ことに二幕は内野聖陽の男座長で内容的には一幕の繰り返しである。傑作の「化粧二幕」があるのに、このほとんど上演されることのなかった「化粧二題」をやった意味が解らない。これでは、役者の顔見世だが、初演のような演劇的仕込がないので、大衆演劇(まったく消滅している女剣劇)の役者をいまの人気俳優がやってみた、という以上の舞台になっていない。確かに有森也美では、渡辺美佐子やそれを継いだ平淑恵とは、本が半分でも、失礼ながら勝負にならない(振った方の問題で本人の責任ではない)。内野を入れて、やりやすい「二題」をハードルの高い「二幕」をの代わりに、という興行意図は伝わってくるが、その趣向は生きていない。こういう興業も否定はしないが、こういう舞台になるのならせめてタイトルを、普通に考えられている「化粧」とは別物だと、はっきりわかるようにすべきではないかと思う。何だか「二幕」をこっそり(ではないと言うだろうが、状態は明らかにそうである)「二題」にするなんて、いのうえ好みではあるのだが、タイトルのような大ネタにすべきではないだろう。

ひまわりの見た夢

ひまわりの見た夢

雀組ホエールズ

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2019/05/29 (水) ~ 2019/06/09 (日)公演終了

満足度★★★★★

「ワスレナグサ」より
濃密な、濃度の濃い時間でした。
欠けていた、家族みんなが、向き合わなかった、気づこうともしなかった問題に、やっとたどり着いた時、大事な物はかけがいの無い存在になっていた事に、気づかされました。
壊れる事さえ許されない、息苦しさは、どんな夢を見させてくれるのでしょうか、と問い掛けられました。

自由を我らに

自由を我らに

カプセル兵団

ワーサルシアター(東京都)

2019/05/28 (火) ~ 2019/06/02 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2019/06/01 (土) 13:00

 現代まで続く、日本国憲法を口語訳していく作業において、疑問が飛び交うなか、最終的に元々書いてあった文章のままでいいことになり、近年日本のA,S首相が改憲を訴えているご時世と考えると感慨深く感じた。

ネタバレBOX

 戦後の新たな日本国憲法の発布にあたり、言葉のプロを集めて文語で書かれた憲法を口語訳させる作業を依頼し、それを2時間で終わらせる事を何とか承諾させ、開始させる。
10分間2019~タイムリープが止まらない~【ご来場ありがとうございました】

10分間2019~タイムリープが止まらない~【ご来場ありがとうございました】

中野劇団

こまばアゴラ劇場(東京都)

2019/05/24 (金) ~ 2019/05/26 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2019/05/24 (金) 19:00

価格2,500円

同じ時間をループしてそこから抜け出すべくあれこれ試すパターンの芝居では繰り返しの中に出オチの如く再スタートしてすぐにその「回」が終わるなどで変化をつけないと全く同じ長さを繰り返すうちにダレる危険があるので多少の不安と共に観始めたが、すぐにそれが本作では杞憂に過ぎないと気付き以降安心して観劇。

まずは基本となる、と言うかループが始まるまでのターンでもコント気味な小ネタが多数仕込んであり、それだけでもクスクス笑えるのに、ループが始まるとそれが伏線となっていることがワカったり、多段式ロケットのように回を重ねるとともに可笑しくなっているネタがあったり(例:「バニーガールの店」)あれこれ巧妙。
(店員の名札がある回だけローマ字になっているという小ワザも好き)

さらに、何度かループを重ねた後に主人公が妙に疲れているターンになったかと思っていたら三十何回目かになっているという大胆な(?)省略もあれば途中で事態が好転する見込みがなさそうで「この回は捨てた」と主人公が放り出すこともあって、バリエーションも幅広い。

そうする中で抜け出す方法を見出し、最終的にかつての仲間が再集結して映画を撮る方向に進むという結末もさわやかで、大変満足。

10分間2019~タイムリープが止まらない~【ご来場ありがとうございました】

10分間2019~タイムリープが止まらない~【ご来場ありがとうございました】

中野劇団

こまばアゴラ劇場(東京都)

2019/05/24 (金) ~ 2019/05/26 (日)公演終了

満足度★★★★★

よく出来ている脚本、これで充分楽しかったのですが、
タイムリープ=繰り返し、ってことなので、
少し回数が多かったように個人的には感じました。
12〜15分の繰り返しで回数が2割減くらいが
いい感じで観れたかな⁉︎っと
でも、面白かったです!

ハッカ

ハッカ

ハダカハレンチ

インディペンデントシアターOji(東京都)

2019/05/31 (金) ~ 2019/06/04 (火)公演終了

満足度★★★

尺稼ぎ

ネタバレBOX

書けない作家が悩む話。

書けないことで悩むことには全くオリジナリティを感じません。ちょっとシナリオが書ける人なら、書けない書けないで誰でも尺を稼げます。

勢いがあったところは評価します。
ひまわりの見た夢

ひまわりの見た夢

雀組ホエールズ

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2019/05/29 (水) ~ 2019/06/09 (日)公演終了

満足度★★★★★

【re-act版】観劇

ネタバレBOX

2006年12月に起こった、歯科大学を目指す三浪中の兄が妹を殺害した事件をモチーフにした話。

歯科医になることが自分の夢だと思い込んでいましたが、実は親の夢を実現させることが自分の夢だと思うように両親から仕向けられていたことが分かりました。歯科医になることが簡単ではない以上、方向展開させるべく親が動かなければなりませんでした。

ただ、妹の恋人が真相が分かったなどと言って解決編が始まったのは唐突過ぎました。

どの世界でも言えることですが、親を越えることはたやすいことではなく、みんなが親を越えていたらこの世は科学的にも芸術的にも超未来の世界になっているはずです。そんなことはないのですから、安心して凡夫で生きて良いと強く言いたいです。

妹の気持ちを理解して、家族に色が戻ったのは良いことでした。終演後の舞台挨拶では、再び家族の色が白くなり、また闇の中に陥ってしまったようで、ワスレナグサ版が楽しみになりました。
Other People’s Money

Other People’s Money

劇団昴

Pit昴/サイスタジオ大山第1(東京都)

2019/05/30 (木) ~ 2019/06/16 (日)公演終了

満足度★★★★

これは良い!面白い!見ごたえ十分です。

良い本、奇をてらわない演出、熟練の俳優で、こんなに面白い作品ができるんですね。

ネタバレBOX

ダニー・デビートとグレゴリー・ペックが出ている映画版はみていないけれど、観劇しながらオリバー・ストーンの「ウォール街」を連想しました。時代設定も同じ頃ですしね。
かんむり

かんむり

円盤ライダー

山野美容学院マイタワー27(東京都)

2019/05/23 (木) ~ 2019/06/05 (水)公演終了

満足度★★★★★

初見の劇団さんでしたが、ホント笑いっぱなし。面白かったです。笑いの中にも、ぐっと考えさせられるものもあり、本当によかったです。

らぶゆ

らぶゆ

KAKUTA

本多劇場(東京都)

2019/06/02 (日) ~ 2019/06/09 (日)公演終了

満足度★★★★★

初見の劇団さんでしたが、さすがです。ぐっと引き込まれてあっという間。評価の高さも納得です。次回作も楽しみです。

ざくろのような

ざくろのような

JACROW

座・高円寺1(東京都)

2019/05/29 (水) ~ 2019/06/02 (日)公演終了

満足度★★★★★

経済とか経営とか、こういう事にはあまり興味がない。
が、どうしたことか、思いっきりのものを観に行ってしまった。
“やっぱ小難しいのね”と思いきや“うん?”“それはないんじゃない!”“どうすんのよぉ!”
とつられつられて最後まで。
「観たい」に書いた通り、“肩の力を抜かずに最後まで”
がっつり入って観てしまいました。

平坦にならない場の造りに、生身の感情を感じられる演技、
そういう事があるという事は知らないわけではないけれど、
やっぱり目の辺りにすると、改めてその残酷さというか、会社の存在・その組織の在り方みたいなものに
疑問や憤りを感じる。

自分がそういう場の中にいないことに安堵し
その真っただ中にいるうちの旦那様を労わってあげようかと思ってしまうほど!
(これはその日の旦那様の態度が悪かった為、露と消えましたが・・・。)
珍しく普段考えないことをいろいろ考えさせられる舞台でありました。

後家安とその妹

後家安とその妹

明後日

紀伊國屋ホール(東京都)

2019/05/25 (土) ~ 2019/06/04 (火)公演終了

満足度★★★★

このストーリー、兄妹がメインではあるけれども突き詰めると“二人の女の生き様”が軸となっている。
妲己のごとく存在するお藤の冴え冴えとした美しさ!他者に染まらない少女の冷たい残酷さ。演じた芋生さんが実に美しい。対してお染。持って生まれたろくでもない男を引き寄せてしまうような艶っぽさ!広山さんの色気と哀れ、なかなかのものでした。という事で、女性陣の映える舞台であったと私は思います。次回は豊原さんメインで観たいと思いますけど・・・。

骨ノ憂鬱

骨ノ憂鬱

劇団桟敷童子

すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)

2019/05/21 (火) ~ 2019/06/02 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/05/31 (金) 14:00

座席1階2列

一平が妻を殺した現代とはいつなのだろう。令和の現代とすれば、東京オリンピックの年に
7歳だった一平は、すでに60歳になろうとしている。ちょっと妻の殺害に至る動機を考えると無理があるような気がするのだ。

僕は7歳で人生を終えたと語る一平。
一平の父が起こしたある事件が、一平の祖父の死を介するように、一族の離散を招く。

原田大二郎氏が、とにかく大きく見える。しかし、ロビーで見かけた原田氏は170cmそこそこの体格で、なぜにあれほど大きく見えたのかが不思議なくらい。一代で財を成した明治の男を、その息子たちと対比させる意味で、演技が大きく見させたのだろうなあ、と推察するばかり。

ネタバレBOX

父の事件と一平の妻殺しに、何の関連もない。けれどもし関連付けるとすれば、期待、希望、愛情を一身に受けた者も、その未来に何らの保証もないという極めて単純な、そして残酷な事実。それとも、骨ノ憂鬱またはトマトかな。
意外に地味に思える舞台。舞台中央の池(時として滝壺)を使った、ちょっとした大立ち回り、あるいは悲劇。(ちょっとした、最前列の観客向けのお遊びもあり)
しかし、ラストに登場する、光輝くような森と眩い光、息づくような色彩、そこに登場する7歳の一平を取り巻く人々。ああ、そうか、やはり7歳の時に、、、、、
ある種の取り留めのなさが、桟敷童子の魅力である。

らぶゆ

らぶゆ

KAKUTA

本多劇場(東京都)

2019/06/02 (日) ~ 2019/06/09 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/06/03 (月) 19:00

170分。(85分/休10分/75分)

ネタバレBOX

いろいろな捉え方が出来る作品だと思うけれど、私にとっては、2019年現在の今、東日本大震災をどう捉えたらよいのか分からない、という困惑の途中経過を、表現したもののように感じた。
劇の殆どの時間は、「皆何かを抱えながら、それでも生きている群像劇」という印象が強かった。上手い役者さんが多いし緻密なので飽きる事はないのだけれど、劇として、どこか物足りない印象が続く。
最後に直撃する震災。それまでの人間関係や生活が、翻弄されて、どこか崩れて、それまでの方向とは少しズレていく。ラストのシーンは、幸せになったり、不幸を背負ったままだったりと、どちらともとれる結末。それぞれが感じる震災8年目の苦悩みたいなものを、訳の分からない「幸福と」「不幸と」を、元・服役囚という設定を借りて、語りたかったのかな、と感じた。
らぶゆ

らぶゆ

KAKUTA

本多劇場(東京都)

2019/06/02 (日) ~ 2019/06/09 (日)公演終了

満足度★★★★

満を持しての活動再開!
3時間に近い大作ですが、魅せてくれます。
とても楽しめました。
”らぶゆう”  このキーワードには納得できました。
しかし、完結に至る展開が少々粗いかな?とも思います。
とにかく、この劇団の再始動は喜ばしい限り!これからも楽しみです。

ネタバレBOX

服役者という足枷を嵌められた人々は再生していけるのか?
周辺の人々との関わりも含め、とても考えさせられます。
が、犯罪に一度は染まってしまった人間の内面をもっと描いて欲しかったかなとも思います。
出来事に終始している感が拭えませんでした。
再起するのか、回帰するのかの葛藤とでも云いましょうか?そこを深く抉って欲しい気もしました。
でも、本多くらいのキャパで考えると、あまりマニアックさを求めるのもどうかな?という加減を考慮したという事も理解できます。
3.15の使い方がどうなのかな?
一気の展開には有益だとも云えるでしょうが、でも何故?という疑問も湧きました。
自然の脅威は人間の営みなんて斟酌しないということでしょうか?
なにやら、エンディングに向けての便利な使い方のように思えてしまいました。(すみません)
決して流山児落ちじゃないですよね??
好きな劇団なので、色々書いてしまいました。ごめんなさい。
猩獣-shoju-

猩獣-shoju-

壱劇屋

HEP HALL(大阪府)

2019/03/21 (木) ~ 2019/03/24 (日)公演終了

満足度★★★★

獣バージョンの千秋楽を観劇しました。これまでにも増して、集中力を感じる、充実した上演だったと思います。猩バージョンの稽古/本番を同時に抱えながらも、これだけの手(殺陣)を身体化し表現に昇華していくのは並大抵のことではないでしょう。部分的にではありますが、劇画調のキャラクター設定、殺陣の応酬の中にも、人と人との感情のやりとりと見ることができ、掲げた目標(若手育成)に対して、きっちりと応答してきたなと感じました。また、客演の赤星マサノリさんの、華やかな存在感も強く印象に残っています。

この作品に限らず、ワードレスシリーズでは、筋立てや展開を複雑に見せようとすればするほど、受け取られる内容が不安定になってしまう難しさがあり、それが今後のシリーズ展開の中でどう解消されるのか、気になっています。また、悲鳴、嗚咽といった発声は許されているのに、台詞は言わないという一種の寸止め感、違和感も、何かのかたちで解消される方法が発明されるといいのではないかと思います。

「祝儀の礼には及ばない」

「祝儀の礼には及ばない」

劇想からまわりえっちゃん

小劇場 楽園(東京都)

2019/05/31 (金) ~ 2019/06/02 (日)公演終了

満足度★★★★★

熱くてスカッ!痛くてズキ!そしてドカンとメッセージのあとに照れ隠しがくる。そのバランスが最高の劇団でした。

らぶゆ

らぶゆ

KAKUTA

本多劇場(東京都)

2019/06/02 (日) ~ 2019/06/09 (日)公演終了

満足度★★★

久しぶりのKAKUTA。
桑原さん、脚本書いて、演出もしながら、役も魅力的にやってしまい、なんて凄い人!
休憩挟んで2時間40分の長丁場。
休憩明けの後半はあっという間。

夕夕方暮れる

夕夕方暮れる

立ツ鳥会議

萬劇場(東京都)

2019/05/31 (金) ~ 2019/06/02 (日)公演終了

2回目です。
東京の最後の公演に学生さんと行ったら、彼女が、
「珍しくバッドエンドで少し哀しかった」と言っていてハッとしました。彼女は立ツ鳥ファンですが、夕夕方は初めてです。そうか、そう見るか、そういえばこれまで何だかんだで、めでたしめでたし、のお話だったかな、
劇団が少し年をとったのかもしれない、と。
別の年代の人と行くのもいい作品だなと思いました。

THE Negotiation

THE Negotiation

T-works

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2019/03/13 (水) ~ 2019/03/17 (日)公演終了

満足度★★★

企業合併の交渉、その大詰めの攻防を描くコメディーです。やりたい世界を完成させるためのテクニックを、楽しみつつ駆使している舞台だと感じました。終演後のロビーに飾られた「合併合意」の新聞も素敵でした。

海外ドラマの吹き替え風演技には、初めこそかなりの居心地の悪さを覚えたのですが、アレック役の三上市朗さんの登場によってその違和感は払拭されました。「偽物の西洋人」として、お尻の浮かない存在感とパロディーとしての軽みを共存させるのは、決して容易いことではないでしょう。

数日にわたる(ホテルマンも巻き込んだ)2対2対のネゴシエーションが描かれるのですが、交渉のポイント、ドラマの流れ自体は変わらないため、やや冗長にも感じます。ここは好みの分かれるところかもしれませんが、この繰り返しの中からもうひとつ別の人間ドラマが立ち上がるか、あるいは、笑える作戦変更の角度をもっとダイナミックに変えていくようなことがあってもよかったのかなと思います。



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