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ENDLESS-挑戦!

ENDLESS-挑戦!

劇団銅鑼

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2019/08/27 (火) ~ 2019/09/01 (日)公演終了

満足度★★★

埼玉のあの会社の物語ではなく、その成功例に感化された別の地方都市の産廃業者とその女社長の話。

ネタバレBOX

とはいえ、二代目社長の意識がまだあの段階だというのに、ISO総合マネジメントシステムを1年で認証取得できたなんて展開には、ちょっと無理を感じる。まあ、普通の観客はISO9001や14001の規格内容も(取得までのプロセスも)知らないだろうから、マンガ的な記号と割り切ればいいんだろうけど。
2020年以降の夏

2020年以降の夏

くによし組

インディペンデントシアターOji(東京都)

2019/08/21 (水) ~ 2019/08/28 (水)公演終了

満足度★★★★

無理してる。

ネタバレBOX

セミ人間と恋する話、他人の記憶を消したり、自分の記憶が消えたりする話、戦争に行く度に怪我をしてサイボーグ化し、結果長生きした男の話の三編で、そしてこれらは長生きした男が長く生きた上での体験談だったのかと思いきや、熱中症で道端で倒れた男の妄想だったという話。

オムニバス話は、全体が一つに繋がらなければならないと被害妄想的に思い込んでいるように感じられました。無理に夢オチにしなくてもいいです。もっと自由にやったらいいと思います。
200億の電波

200億の電波

プレイユニットA→XYZ

吉祥寺シアター(東京都)

2019/08/22 (木) ~ 2019/09/01 (日)公演終了

満足度★★★★★

B公演を観ました、いやいや別物です、そんな感じがした舞台でした。主役が入れ替わるという不思議な体験が、こうも楽しませてくれるなんて大発見でした。単なるWキャストとは次元の違う舞台でした。もちろん圧巻のダンスシーンや泣けてくるストーリーにホロリと、今回それぞれを楽しむことができてこんな幸運はないかな。ほんと素敵な演出でしたね。さあ、次回作の200億は?今から期待でワクワクしてしまいます。安藤さん、待ってます!

なるべく派手な服を着る

なるべく派手な服を着る

TABACCHI

小劇場B1(東京都)

2019/08/28 (水) ~ 2019/09/01 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/08/28 (水) 19:00

 初見のユニット。面白い。土田英生がMONOの2008年の公演に書いた脚本を、本ユニット主宰の戸田武臣が演出する。4つ子とその弟と養子の末弟の6人兄弟が、父の危篤を聞いて実家に集まる。次男と4男は内縁の妻を伴い、5男は恋人を連れてくるのだが、何故か4人は5男の名前すら思い出せない。という、やや奇抜な設定の中で、徐々に明らかになる兄弟の秘密と、力関係の変化を描いているのだが、その辺のバランスが土田らしい微妙なラインを守っていて、よくできた脚本だと思う。同時に、あんまり一緒にやらない座組の役者陣も丁寧に芝居を作り上げているのは見事。

夏休みの友たち

夏休みの友たち

ハグハグ共和国

萬劇場(東京都)

2019/08/28 (水) ~ 2019/09/01 (日)公演終了

満足度★★★★

 一見、勘違いしそうなタイトルだが、友達ではなく、友たちという所に深い意味がある。(華4つ☆)

ネタバレBOX


 自分は、自然が好きな人間なので山も海も散々出掛けてきた。国内の海では伊豆大島、青ヶ島、八丈島、小笠原、沖縄本島、西表、鳥取、溝のような汚い水は嫌いだが油壷や湘南各地、猿島、鎌倉は仲のいい先輩の本拠地だったので年中行っていたし、館山や外房にも出掛けている他、東尋坊、気仙沼、北海道は釧路近辺、札幌近辺、小樽等。山は矢張り信州が多い。生まれが関西だから六甲は、実家が在った場所でもあり、散歩がてら年中登っていたし、最初に通った大学は京都にあったから北山、東山三十六峰のうちの幾つかは生活空間、散策の場所でもあった。好きなのは1?だ(敢えて名前は上げない。荒らされるのは嫌だからだ)。自然が良く保護されている。鳥取は大山と鷲峰山が好きだが、三徳山、投げ入れ堂も大好きな場所だ。自分が鳥取で泳ぐのは良く水死人が出る流れの速い場所で、大物が居るから素潜りで魚を突くのが得意な人は探して行くと良い。上に上げた青ヶ島も水死人は年中出るし、自分が行った頃には、まともに上陸できる場所が無かったから、準備がキチンと出来なければ岩礁で傷だらけになることは覚悟した方が良い。海流も3ノット以上のスピードがあるから、流されればアメリカ大陸迄行っちまうぞ! 無論、助かるまい。何しろ岸辺から鯨を見掛ることもある外洋の央の島だ、釣り人垂涎の地だが、ホントに死人は年中出る危険地域である。よほど泳ぎと装備に自信がある人以外は絶対行かないように。山でも海でも街でも自分は危険の無い所に大した魅力は感じない。生きてる気がしないからである。多くの人にとって日常は、何ということも無い唯安心できることが過ぎて行くことを信じられる時空である。だが、自分は、例えば丹沢辺りの低い山の岩場でハーケンを打ち込みながらロッククライミングをやる時でも、オーバーハングしている岩場で、落ちたら死ぬかも知れないという緊張感を味わいながら登ることこそ、目的である。逆説的かも知れないが、こんな場所に生えている苔の緑を目にする時、これこそ命の色であると深く実感するからだ。本格的に登山をやった訳ではないから、岩はトウシローだが、このように命懸けの時、所での実感程充実感のある体験を自分は他に持たない。新月の晩、船の舳先に独り立ち、南洋の降るような星と夜光虫の光がないまぜになって海と空の境目が分からない中を航行していた時の圧倒的な抱擁感も忘れられない。まるでたった独り宇宙の只中を彷徨うような気分であった。
 今作では、自然のこのような包容力や優しさが瞬時に変わり、その結果、トラウマを負って40年間記憶を消していた元小学6年生たちが40年後に記憶を回復する様が描かれるが、ありきたりの日常が如何に貴重で「非日常」的であるのか、その奇蹟のようなありきたりの尊さを描くことで、人は傷つき、それを見まいとする弱さを持ち、掛かるが故に遠く近く木霊するきな臭い現状を座視している現状を示唆しているようでもある。
『humAn』

『humAn』

劇団夢幻

ラゾーナ川崎プラザソル(神奈川県)

2019/08/28 (水) ~ 2019/09/01 (日)公演終了

満足度★★★

オートマタの衣装が素敵でした。タイズ・オートマタ社の設定なので、無機的なのかなと思っていた美術がそうではなくて意外でした。

『瓶に詰めるから果実』『プラスチックは錆びない』

『瓶に詰めるから果実』『プラスチックは錆びない』

埋れ木

北池袋 新生館シアター(東京都)

2019/08/28 (水) ~ 2019/09/03 (火)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2019/08/28 (水) 19:30

座席1階1列

価格2,800円

・プラスチックは錆びない
タイトルからは「いつまでも色褪せない仲間」を想像しましたが、そこもありつつもっと違う集団の側面を描いていました。

あらすじにひかれ、そしてあのセットを見たらもう期待感マックス。埋れ木さんはセットも楽しみなんだけど、ただ凄いだけじゃなくて物語にちゃんと組み込んでいる。群像劇なら役者ひとりぐらいの働き。今回も凄い助演っぷりでした。

ネタバレBOX

舞台は多分大学四年生がある合宿先の出来事。どこからどこまでも「誰も言い出せなくて夏」。自分の気持ちをイチイチ何かに置き換えるこのもどかしさ。青春ですねぇ。

「どこまでが不謹慎なのか」その描き方は重くなかった。ひとつの集団が自分の気持ちを小出しにしていきます。その理由もその時間の使い方も自分都合。ゴールは自分の幸せ。その集団が学生じゃなくてもきっと同じだろう。そして「感謝」が空気を軽くしていきました。

少し役者さんのことも触れます。
五十嵐彩夏さんはこれから注目する演劇おじさん急増の予感がしました。

席は40ぐらいですが、なるべく中央をオススメします。個人的には少し入口側でもよかったかなと思いました。
第一部『1961年:夜に昇る太陽』 第二部『1986年:メビウスの輪』 第三部『2011年:語られたがる言葉たち』

第一部『1961年:夜に昇る太陽』 第二部『1986年:メビウスの輪』 第三部『2011年:語られたがる言葉たち』

DULL-COLORED POP

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2019/08/08 (木) ~ 2019/08/28 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2019/08/28 (水)

DULL-COLORED POP 福島3部作の第3部『2011年:語られたがる言葉たち』(2時間)
28日の福島三部作通し上演で拝見。

ネタバレBOX

時間軸を3.11から同年末までに置き、特定の主張に与することなく、膨大な取材から得られた福島の人々の悲嘆・葛藤を紹介、そして再び歩み出して欲しいという作者の願いがこめられた2時間。
福島の地で生きていくと決意した、地元局の元・報道局長、そんな元・上司の後を継ぐ若手の女性局員の視点が、神々しいほどに尊く感じられた。

【配役】
穂積真(53歳。テレビュー福島の報道部長。福島県人としての理念と視聴率の合間で苦悩)
…井上裕朗(いのうえひろお)さん
塩崎(45歳。テレビュー福島の報道局のナンバー2。視聴率優先主義者)
…平吹敦史(ひらぶき・あつし)さん
不破(30歳。テレビュー福島の報道局員。どちらかというと視聴率優先)
…ホリユウキさん
小田真理(25歳。テレビュー福島の報道局員。福島県人としての理念を第一に行動する)
…柴田美波さん(役柄に惹かれたのもあるが、チカラのこもった声が強烈に印象に残った)
荒島(かっては双葉町で荒物屋を営んでいた。足が悪い。妻子を3.11の大津波で失う。パチンコで日々を過ごす)
…東谷英人(あずまや・えいと)さん(災害ではないが、妻と息子を失った実父のイメージが重なり、観ているのが辛かった)
飯島佳織(25歳。富岡町出身。妊娠三ヶ月ゆえ、放射能汚染に敏感)
…佐藤千夏さん
飯島貴彦(30歳。富岡町出身。元教師)
…森準人(もり・はやと)さん
※飯島夫妻は実在の多くの家庭と同様、出産後、別れてしまうのかなぁ…
宮永壮一(45歳。飯館村で牛の肥育農家を営んでいたが、出荷できず、現在、酒浸り)
…大原研二さん
宮永美月(17歳。壮一の娘。福島県の放射能汚染についてネットで配信→炎上)
…春名風花さん(リアルの春名さんと重なる部分に苦笑。真っ直ぐな役柄を熱演)
高坂美穂(20歳。浪江町出身。高校卒業後、地元でバイト中。疎開先の神奈川で「放射能」扱いされたことから、風評?を流す美月を憎悪)
…有田あん(「有田杏子」時代の『流砂ゑ堕つ』以来!)
謎の老人(実は3.11当時の双葉町町長・穂積忠69歳)
…山本亘(やまもと・せん)さん(山本三兄弟のぉ末弟さんだぁ!)
美弥(69歳。認知症?となった夫の病床に寄り添う、忠の妻)
…都築香弥子さん
幻のヒト(「謎の老人」が19歳・44歳・69歳だった世界を行き来する、老人だけに見える存在)
…渡邊りょうさん
第一部『1961年:夜に昇る太陽』 第二部『1986年:メビウスの輪』 第三部『2011年:語られたがる言葉たち』

第一部『1961年:夜に昇る太陽』 第二部『1986年:メビウスの輪』 第三部『2011年:語られたがる言葉たち』

DULL-COLORED POP

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2019/08/08 (木) ~ 2019/08/28 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2019/08/28 (水)

DULL-COLORED POP 福島3部作の第2部『1986年:メビウスの輪』(2時間)
28日の福島三部作通し上演で拝見。

ネタバレBOX

チェルノブイリ原子力発電所事故を受けて、国内原発の安全性が問われた時期の話。
地方政治の生々しい部分を扱うためか、あるいは、3.11を知る現在の我々からの「神の視点」的糾弾を避けるためか、穂積家の飼い犬モモ(演・百花亜希さん)を語り部に置く手法を採用。
戯曲としては、三部作のうち、最も優れた出来栄えの作品だと思った。

【配役】
穂積忠(44歳。元県議会議員&原発反対派のリーダーだったが…)
…岸田研二さん(終盤、現実の立場と理念に挟まれて苦悩する町長の歪んだ表情が目に焼き付いた)
穂積美弥(かっては忠の兄・孝を慕っていたが、その後、おない歳の忠と結婚。今では久と成人の娘二人の母親)
… 木下祐子さん
穂積久(忠・美弥夫妻の末っ子。忠の反原発活動を良く思っていない高校2年生)
…宮地洸成(みやち・ひろなり)さん
モモ(穂積家の飼い犬。人間でいうと80歳の高齢。癌で亡くなった後も穂積家の人々を見守っている)
…百花亜希(ももか・あき)さん
丸富(旧・社会党の福島県議。忠を双葉町の町長選に担ぎ出す)
…藤川修二さん
吉岡(自民党所属の双葉町議。「福島県議会の平島さん」の秘書)
…古河耕史(ふるかわ・こうじ)さん(三部作唯一の「悪役」を好演)
徳田(忠・美弥夫妻の長女の婚約者。福岡県出身。東電社員)
…椎名一浩(しいな・かずひろ)さん
狂人と尼僧

狂人と尼僧

サイマル演劇団+コニエレニ

シアター・バビロンの流れのほとりにて(東京都)

2019/08/22 (木) ~ 2019/08/25 (日)公演終了

満足度★★★★

サイマル演劇団二度目、赤井氏演出は三本目だったか。予想したテイストではあったが、今回は戯曲(作者)に興味がありそしてその期待には応える内容であった。
客演陣にヒロインを演じた元唐組女優・赤松由美、同男優・気田睦と奇しくも共演となり、両者とも存在感あり。昨年横浜で「発見」した演劇集団・荒馬の旅の田村義明氏、怪優と呼ぶに相応しい葉月結子(恐らくサイマル関係)等役者ぶりを味わう快楽は保証付きという所であった。
作品については、時代性を表わす幾つかの特徴と、戯曲に流れる「気分」を堪能したが、筋は部分的に見落とし、本来目指された戯曲の方向も掴みそこねた。それでもドラマの骨格から言葉から迫力は滲み、劇的瞬間がある。狂気がスタンダードである空気が好みであった。

ネタバレBOX

精神病者を収容する施設。医師からの指示を受けて若い尼僧がある独房の男を訪れる。男から何らかの兆候を引き出す目的らしかったが、彼は実はかつて尼僧が心震わせた詩を書いた詩人本人である事を知る。男はこの二三年「女」に渇えていた事を相手に告げ、女は彼に当初と全く異なる感情を抱く。やり取りの中で尼僧はいつしか男の拘束衣を解き、一夜の内に二つの肉体は結ばれ、二人は愛を確信する。男の様子(症状)が変わった事を喜んだのは尼僧を男にあてがう治療方法を提唱した精神分析医であり、束縛や禁止でなく人間的な干渉で人は変わる事の証明である(大意)と上気するが、やがて二人の男女関係は知られる所となる。施設を治める修道院の責任者(修道女)は件の尼僧を指弾し、男を狂人だと激しく罵る。若い二人は逃亡を企てるがその後すったもんだあって(忘却)、男は首を括る。女は狂乱し、刃物を振り回して施設の医師の一人がその犠牲となる。・・その後生き返った(死者として)詩人は喜ぶ女と連れ立って去り、今一人の死者は悪玉性が漂白されたキャラで蘇る(シュールさ極まれり)。このあたりの細部も忘却した。
時代性を表わす要素として、宗教的妄信、新学説である精神分析学、狂人の定義に関する自己言及性などがあるが古さを感じさせず、作風としては科学的議論とオカルト要素が共存するシュールな世界がとりあえず初「ヴィトカッツィ」の印象となった。
「Tip」

「Tip」

円盤ライダー

山野美容学院マイタワー27(東京都)

2019/08/23 (金) ~ 2019/08/30 (金)公演終了

満足度★★★★★

久々3年振り、2度目の円盤ライダー。前回と同じ作・演出村井雄、会場山野美容学院。所謂「劇場」での公演を原則やらない演劇企画体(と呼んでみる)であるが、今回は石坂勇氏プロデュースとある。何だろう・・?この正体知れなさには踏み込むにもエイヤと気合が要る。このたびは休暇をとり、心にゆとりを確保しつつ会場へ赴いた。
客席の大部分が女性なのは前に同じであるが此度は男性の姿も散見し、場違い感なく落着いて観劇できたのはよかった。バーカウンターのある側をステージに、二方向二列の座り心地良い椅子が並ぶ。高い天井まで張られた巨大なガラス面は南北とも縦のブラインドカーテンが引かれ、自然光の間接照明。プラス、天井の照明と、シャンデリアも灯っている。
無言の身体から芝居は始まる。黒スーツ姿の男7人による驚きの舞台であった。・・何に対して?正統に演劇であり劇的である事に対して(殆ど何も言ってないが)。
予期せず胸に溢れた感興を、今は語らず反芻していたい気分である。

ネタバレBOX

私の円盤ライダー瞥見二度とも村井雄氏の作であるので、開幕ペナントレース的世界と円盤ライダー的個性の説明などできないが、全員黒スーツのキメは開幕Pスタイルである所のユニフォームと解釈できようか。体育会ノリに馬鹿をやらかす男共を、熱い眼差しで遠巻きに見る女性たち・・という構図を純粋に体現しているのはこの舞台。馬鹿発散のためのツールであり楽譜である所の「劇」、これに「ダンス」なる飛び道具を加え発散ボルテージは倍加。要した習練量は想像できないが、その道の人である石坂氏と並んで皆一体と化した。
村井氏のテキストは要所で杭を打ち、他はアドリブ混じりの緩い駄弁の時間、ところが終りの方の杭を打ったと思うや綱を引きにかかり、ピンと張られた綱は一気に形をなした。そうなると後は余裕綽々、もう一二本杭を打ち、余った綱を渡すのみ。そのかん場内は激しい音楽の中、馬鹿で無垢で一つな男らの狂い踊りが撒き散らす蒸気が満ちる。かつて踊りに生き、どう見積もっても先の短い人生に絶望し、全てが無意味に思えている男(Tip)が、「現在」通うバーの男達を通して自分の父や若い頃働いたトラック野郎たちと出会い直す物語。そして男らは一様に馬鹿な(=何の利得も無い)エールをTipに投げ、高い天井の場内に谺する。振り向けば新宿の空。27階の窓から男がジャンプしたとしても彼らは男を祝福しその人生を讃えただろう。願望の種を育てたような幻想譚が、身体一つで強烈に立ち上がる演劇のミラクル。
ENDLESS-挑戦!

ENDLESS-挑戦!

劇団銅鑼

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2019/08/27 (火) ~ 2019/09/01 (日)公演終了

満足度★★★

廃棄屋の二代目女社長と従業員の終わりなき挑戦。期待して観に行った分、思ったより流れが悪くて少し飽きてしまう場面がありました。
ですが、止まらずに改革しようと進み続ける姿は正に大人達の熱き挑戦。かっこ良かったです。

絢爛とか爛漫とか

絢爛とか爛漫とか

ワタナベエンターテインメント

DDD AOYAMA CROSS THEATER(東京都)

2019/08/20 (火) ~ 2019/09/13 (金)公演終了

満足度★★★★

良く出来た青春ドラマで、しばしば再演されるのもうなづける。作者の飯島早苗は再演の度に手を入れているようだが、初演演出の鈴木裕美が、再演演出をするのは21年ぶりだそうだ。
昭和初期の文学を志した四人の青年の一年、春夏秋冬の4場である。一作だけで次が出来ない青年(安西信太郎)の部屋が舞台。そこへ、文芸評論家志望の都会青年(鈴木勝大)、作品が耽美小説になってしまう地方出身の優男(川原一馬)、才に任せて書く馬力はあるが結末が出来ない大男(加治将樹)。モラトリアム時代の悩みは、多分いまにも通じるわけで、才能や、男女への他愛ない悩みも青春ドラマの王道である。初演されたときは、作者も、演出者もほぼその年齢の真っ最中にいたわけで、切実だったのかもしれないが、この作品のいいところは、身に沁みていながら、どこかそこを客観視しているところがあって笑えるところである。作り手が女性で、演じるのが男性、と言うところも効果を上げた。(もっとも、作者はこの女性版を他のカンパニーへ提供しているが)
青春のある年の一年、というのは、誰にでも人生のターニングポイントになった覚えがあるだろう。そこを、今(20年後)となっては、少しばかりぬけぬけと、という感じもするが、若者の、その時期にしかない絢爛・爛漫気分に正面から取り組んでいるところがいい。秋の場で、青年たちがそれぞれの実社会への道を選んでいくところが山場になっている。
この芝居、時代背景を昭和初期にとっているが、最近はやりの「今は戦前」的な時事には関係なく、大正リベラリズムで、まだ若者が青春期には勝手なことができた時代、と言う程度の設定である。しかし、舞台の四季には心配りがあって、正面に開いた障子の奥の庭の風景は四季に合わせて細かく変わる、春は桜花が散るし、大詰めは鈍色のホリゾントに雪が散る。演出が、タレント俳優たちを台詞も動きもコミック(マンガ)のように形で決めていくのも、べたつかず成功している。リアルでも行けるだろうが、彼らのセリフ術では辛い。今の観客にはこちらの方がなじめるのだろう。客の反応もいい。タレント興業の面もあるが、椿組の野外で健闘した加治将樹がしっかり脇を固めている。
小屋がクロスタワー。いつも感じることだが、地下三階へ急な階段で降りていくのは辛い。席もロビーも舞台も狭く貧弱だ。二百席では採算のとりにくいことはわかるが、料金から行くと、何度も見てくれるファンが頼りのタレントの顔見世興行が主になってしまう。ユニークな劇場で面白い企画も多かった旧・青山円形劇場が閉館で板囲いになっている隣だけに残念だ。、

Solace-慰め-

Solace-慰め-

さくリさく企画

APOCシアター(東京都)

2019/08/20 (火) ~ 2019/08/25 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/08/22 (木) 20:00

【《B面》遥かなる高速の旅路】
須貝作品としては「1万円の使いみち」系統。
ふとしたことから高速バスに乗り遅れたバンギャを乗せて東京に向かうこととなった女性教師という凸凹コンビのバディ系ロードムービー風コメディ。
一見ガサツなバンギャとおカタい教師が次第に心を許し自分の悩み・状況を打ち明けるに至るのが(お約束とはいえ)イイ感じ。
また、この二人と道中で遭遇する男女各二人ずつの人物を演ずるお二方のギャップのある役の演じ分けも上手く「これがさっきのあの人!?」みたいな。

ネタバレBOX

スコット・ジョプリンのアレを、あの部分を使わずに流すとはニクい。
あと、両編の中心となる女性2人にそれぞれ(程度の差はあれ)通ずる部分(片やデリカシーがない、片や性格が悪い)があるような気も。
壁のビニールテープアート的な美術、照明の加減とテープの色によってAとBで違って見える(上にBのラストで東京の夜明けになる)シカケも面白い。
第一部『1961年:夜に昇る太陽』 第二部『1986年:メビウスの輪』 第三部『2011年:語られたがる言葉たち』

第一部『1961年:夜に昇る太陽』 第二部『1986年:メビウスの輪』 第三部『2011年:語られたがる言葉たち』

DULL-COLORED POP

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2019/08/08 (木) ~ 2019/08/28 (水)公演終了

満足度★★★★★

2部を観劇させていただき、その後、3部、1部の順でチケット入手しました。
とても良かったです。
私自身、福島へは災害ボランティアで何度も行っており、その際に原発に関わった人の原発に対する現地の声を聞く機会がありました。建設反対運動をしてた人、建設工事関係者、東電社員、元町議会議員…様々な言葉を思い出しました。

「Tip」

「Tip」

円盤ライダー

山野美容学院マイタワー27(東京都)

2019/08/23 (金) ~ 2019/08/30 (金)公演終了

照明効果無しでもここまで素晴らしい演劇ができるんだなと。
男の哀愁が漂ってる感じがとても素敵でした。途中のキレッキレの殺陣やダンスもノリノリで見ていて気持ちよかったです。
ありがとうございました。

ナイゲン(2019年版)

ナイゲン(2019年版)

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2019/08/22 (木) ~ 2019/09/01 (日)公演終了

満足度★★★★★

本当に熱かったナイゲンの夏、しっかり満喫させて頂きました。

ネタバレBOX

出演者が多いに関わらず、十三人全ての役者さんの持ち味がしっかりと活かされていたと思います。まさに全員が主役になれた舞台だと思いました。これこそfeblaboさんのプロデュース・演出力なのでしょう。客席の前の二個の椅子の使い方も観客と役者さん達を一体化させた、と感服しました。
役者さん達も本当に熱演でした。特に最後迄孤軍奮闘したどさまわりの池田雄也さん、心情変化の表現力が抜群でした。
“他人事か、我が身に降り懸かるか”に直面した学生達を見て、改めて考え方と行動の一致の難しさを感じさせられました。
プレイハウス

プレイハウス

パルコ・プロデュース

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2019/08/25 (日) ~ 2019/09/01 (日)公演終了

満足度★★★★

■170分強(途中休憩込み)■
ギャングパレードの軽快なパフォーマンスに、それと釣り合いの取れた笑い多めの重すぎないストーリー。いいバランス。楽しみました。ただ、一方で、チケット代に見合った重厚な物語を見せてくれよ、って思いもある。


ネタバレBOX

猫背椿演じる“ヒロインの心の声”が、ときどき実体化する演出が可笑し。

堕落ビト

堕落ビト

劇団桟敷童子

サンモールスタジオ(東京都)

2019/08/23 (金) ~ 2019/09/01 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2019/08/28 (水) 14:00

座席1階

勉強不足で終戦直後にあった「九大生死の堕胎事件」は知らなかった。今回の舞台はこの実話をモチーフにした物語。死の堕胎事件を天使の堕胎事件にしたシャレが効いているが、この舞台の面白さはシャレではない。1時間半のコンパクトな構成だが、どんどん舞台に引き込まれた。
東憲司の得意とする、場面説明も役者にかたらせ、照明をうまく使って場面転換を交錯させるテンポがいい演出に、今回も翻弄された。今回のカギとなる色はブルーだ。この青色が物語を導いていく。
物語も終戦直後の貧しい日本の田舎町に生きる人たちの胸の内を織り交ぜ、グッとくる場面が幾度かある。
桟敷童子の役者たちも本領発揮だ。小学校教師役の大手忍のクレシェンドという感じの演技はすごい。小劇場ならではの迫力に圧倒された。今回はいつもの劇場を飛び出して新宿での上演だったが、これまでに勝るとも劣らない迫力舞台に大満足だ。

ネタバレBOX

サンモールスタジオという小さな空間だから、ラストシーンの鮮やかなサプライズはどうかな、と思っていた。
しかしやっぱりやってくれました!
青色の吹雪といい、役者が裸電球を揺らすことで飛び出す幻惑的シーンといい、サプライズは今回も満載である。
2020年以降の夏

2020年以降の夏

くによし組

インディペンデントシアターOji(東京都)

2019/08/21 (水) ~ 2019/08/28 (水)公演終了

満足度★★

登場人物にリアリティを感じることができず、ストーリー自体にも魅力を感じることができず、しょうじき退屈でした。私の座席の隣のご婦人は終盤、目頭をハンカチで拭っていたので、私の嗜好に合わなかったのだと思う。

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