最新の観てきた!クチコミ一覧

3761-3780件 / 189755件中
アルカの板

アルカの板

9-States

駅前劇場(東京都)

2025/04/25 (金) ~ 2025/04/29 (火)公演終了

実演鑑賞

見応え十分、十二分。
すごい重量感。

ネタバレBOX

正が邪に。
善が悪に。
利他が利己に。
真が偽に。
信が疑に。
アウトサイド物語

アウトサイド物語

劇団暴創族

萬劇場(東京都)

2025/04/23 (水) ~ 2025/04/27 (日)公演終了

実演鑑賞

これから観劇する方に注意。
開演5分前で客席への入場が一度シャットアウトされます。開演後に入場できるようにはなりますが、ご注意ください。
チラシやホームページにはその旨書かれているそうです。

遠巻きに見てる

遠巻きに見てる

劇団アンパサンド

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2025/04/18 (金) ~ 2025/04/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

(笑えた度)3(今感)3(完成度)5

劇団初見。
気負ったところが全然ない。自然体の不条理劇。
笑おうと身構えている人たちから見たら退屈そのものであるかもしれない。
しかしどうだろう、細部は圧倒的に豊かだ。しかも、狙いは別にある(たぶん)。
スノッブに寄らず、普通世界の日常をベースに構築。レトロな舞台美術が最高。
ミニマムで、箱庭の庭園のような世界。

色々、力が入りすぎていた部分を削ぎおとしたのだろう。
ガツンと美味い関東風醤油味は食べ飽きたので、今回は繊細な出汁で楽しむ京料理。
ドラマとははっきり決別した上でのこの路線、作り方を間違うと下手したら何も残らなくなる。
そんなエッジを攻めた佳作。エッジの向こう側に落ちずに、しっかりと出汁の味が効いている。

ネタバレBOX

異世界の扉がロールスクリーンで、その上昇、下降のスピードが
絶妙にゆるく、小気味よい。最初に下降した瞬間がプチ劇的で、多分これだけ
を狙っていたとすれば、相当の手練れ。効いている。
劇的をミニマムにして、それを演劇のように見える一連のものの中に隠蔽しておく。
テクストで賞を獲った人が考えたアンチテクスト。
不条理そのもので「劇」ですらないところを目指している。コンテンポラリーアート。
うーん。やられた。
SMOKY ROAD

SMOKY ROAD

ステージタイガー

近鉄アート館(大阪府)

2025/02/01 (土) ~ 2025/02/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

観終わった後の帰り道の興奮たるや!うおおお!さいっこおだぁ!!こころ燃えたぎる!この景色が観たかった!最高の景色!語彙力がどっか遠くへいってしまう!落ち着けるわけもなく!燃えたぎりながら熱く帰る帰り道でした!
ステージタイガーの舞台にはランマイムがある作品が多い。だがしかーし!今作はあの協走組曲をも凌ぐ勢い。オープニングから、うわ〜身体仕上がってるなぁ!と目ん玉ひん剥き。劇中のランマイムシーンの疾走感、躍動感のクオリティの高さに爆裂に興奮する。しかも台詞クリア。
剛さん作品でよく描かれる、ひとは誰しもひとりでは生きてないというところ。描かれ方がいつも作り物めきてなくストンと入ってくるし、真正面からしっかり乗せてるの、好きで。自分の人生だけでなく、誰かの人生も共にある。だからままならなくもあり、また自乗されることもある。
もうなんか、みんなみんなめちゃくちゃ頑張ってて。頑張れ〜って思わず握り拳ぎゅうってしちゃうくらい目の前で頑張ってて。必死に生きてて。胸が熱くなる。天才じゃないし、頑張らなくても楽勝な人生でもない。頑張り続けるのしんどくもなる。でも頑張ろ〜って励まされる。
不倫して他所で子供作って離婚して…っていうの、ステージタイガーではあんま観なかったかもしれないなぁと、ちょっと意外性をもって観てました。不倫の理由も、走ることしかないと思い込んじゃうところも、根っこ同じやなって。
それしかないなんてことはないんだよって。あなたが持ってるものが、持てるものが、ひとつしかないなんて、そんなこと思い込んじゃだめだよって。極めるなら他の全てを捨てててでもって考え方も個人的には賛同しかねる派です、尊重はするけど。
プロランナーとは。その定義は、やはり広く一般的なプロと定義されるものと同一で、それにより収入を得られるか否か、らしい。でもプロ意識というものの定義に関しては人それぞれに異なるだろう。ランナーに限らない、その対比が明確に描かれてるの良きで。
毎日それなりに幸せ。そう思える環境で生きられることは、それは本当に幸せなこと。そう思えない環境なら…幸せになりたいと思うのなら、抜け出さないと。それがたとえ困難な事だとしても。幸せと思えるようになりたいなら、努力、根性、忍耐だ。うおー。
マラソン大会ラスト。先に完走し終えた堂林さんが何のメリットもないのに灰島さんの元に引き返してきて一緒にゴールする場面。あそこ最高だった。たまらんかった。いくつになったって、ちゃんと独りよがりではない誠心誠意で向き合っていれば友情は育める。いいシーン。
その場面、模して作られた劇中の作品舞台である番西市の広報紙に写真が掲載されててエモくて、終演後に頂いて帰ってきたのですが。できればもっと本番みたくボロボロに、なんならリアルに走った後に撮影とかでも…と鬼のような事を思った鬼ファンがここにいます。
開演前には読んでなかった当パン読みながらさらに気が付くこと、振り返ることも多々。榊さんから堂林さんへの恋心に気が付かず当パンで知ったり。湯浅さんと愛寿香さんのなんともいえない雰囲気にはもう元サヤに戻っちゃえばいいのにと思いながら。
堂林さんに対する荒川さんの気持ちもすごい良かったよねって思ったりも。堂林さんは怪我させてきっと恐れてた。罪悪感に打ちのめされてた。でも荒川さんは事故に関しては悪感情なんて抱いてなくて。ただただ逃げられた事に怒ってた。勝負したかった一心だけ。なんて気持ちの良いひと。
観ながら思ってた事、ぜんぶアウトプットできてはいない気はする。そういうのもきっと、これから日常生活送る中でふわっふわっと蘇るのだと思う。今年は一回こっきりの観劇だったけれども、それくらいにはしっかりと私の中に染み渡ってる。共にあり続けるよ。

止まれない 12 人

止まれない 12 人

テノヒラサイズ

ABCホール (大阪府)

2025/03/27 (木) ~ 2025/03/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

めちゃくちゃ面白かったです!舞台がほぼ舞台美術だった為にアクティングスペースはとってもミニマムだったのに、世界観、演技はとんでもマキシアム。会話劇だけれどもその演技はあまりに命懸けで。
あの中に収めるには凄い人達過ぎる!初演、再演を経ているこの作品をわたしはテノヒラサイズで初めて観ました。良き作品は時を超える。甦らせてくれてありがとう!ブラボーでした!我が家が広ければ…椅子欲しかったです(笑)

いいから早く助けてく

いいから早く助けてく

匿名劇壇

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2025/03/13 (木) ~ 2025/03/16 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

観ました!助ける側の劇団員チームと助けられる側のゲストチームで繰り広げられるドタバタコメディ。こんな風に爆笑するのって匿名さんの長編では個人的には意外性あって新鮮。石畑くんがコメディリリーフとしてめっちゃギラギラでした。抜群のキレ。
真に人を助けるとはどういうことか、真に自分の望んでいるものはなんなのか、テーマはそういうことなのでコメディで終始爆笑させられつつも、最後の最後はいつもの匿名さんの空気に戻ってギュッと締める。最初から最後までとても観て心地よい90分でした。

デマゴギージャズ

デマゴギージャズ

MONO

ABCホール (大阪府)

2025/02/14 (金) ~ 2025/02/17 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

年に一度のMONOさん今年もお腹いっぱい満喫。入ってまず目を引く美術の安定の素晴らしさ。こういうの生で間近で見られるのも観劇の魅力のひとつだと思うのです。一気に非日常に連れていってくれる。今回はその同じひとつの舞台で現代と明治が代わる代わる。
演じる人物も現代と明治で皆さん一人二役なのがまた妙を得る。古来よりデマというのは真偽をさて置いて少しのキッカケで勝手に広まり真実になり変わる。歴史においては覇権者の権力に寄ったり近年ではデジタルの進化で加速的に広範囲になる傾向に。デマという魔物について思い巡らす。
デマゴギージャズにおいてはふたつの時代を同時に描く事でデマの発祥が詳らかで、そんなんよなぁそんなもんなんよなぁって。古い古い言い伝えって、それだけでなんか敬われたりするけど…果たして真実は?とか。デマの種類も色々あるけど調べていくと面白そうなのもあるよねー。
観た後も、観たものきっかけで、どこまでも思いも思考もとめどなく拡がってく。なんて面白くて楽しい観劇。やっぱりMONOさん良き。時代の入れ替わりが、一人二役だからあまり混乱を生まないように…という優しさを感じるクッキリさだったのだけれども。一回だけあったあれくらいのシームレスさが全編にあったらと想像したら…ゾクゾクする。まあなかなかの度合いで混乱するかもしれないけれども。ゾクゾクしたい欲。あと、なんか一作品に一人はいる気がするクズ男のクズっぷりがクセになります。今回もなかなかいいクズ男でした(笑)
観た後、タイトルの由来も気になって。デマゴギージャズ。デマはデマとして、ジャズはジャズでいいのかな?じゃあゴギーは?いやもしやゴギージャズ?とここでゴギージャズで検索かけたらゴー⭐︎ジャスさんが出てきたので深追いすることをやめることにしました(笑)

生ハムの原木

生ハムの原木

月曜劇団

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2025/01/24 (金) ~ 2025/01/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

月曜劇団『生ハムの原木』観てきました。変わらぬさやかさん節。なんともいえぬアンニュイさに包まれた混沌世界ときどき風刺そして溢るる猫愛。楽しかった。何言ってるのか時間は多々あれど一説には上演時間を10分延ばしたとされるダンス時間が最も混沌でした。悪夢の方でない楽しい方の夢のような。

こどもの一生2025

こどもの一生2025

中島らも作品をしがむ会

道頓堀ミュージアム並木座(大阪府)

2025/04/12 (土) ~ 2025/04/24 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

観てきました!観て思い出すまではすっかり忘れてしまっていたけれども、わたしにとっては2012年ドラマシティぶり。とても剛腕な役者さんがとてもミニマムな会場に押し込められ飛んだり跳ねたりも思い切りはできない、そんな空間。そんな空間だからこその生々しい質感を纏っていて。大きな空間ではけして出せない良さでした。
舞台と客席の境がどこかへいって。一体感とか融合とかそういうんじゃなくて、侵食と呼ぶのがしっくりくる。まあおじさんが出てくるまでは、そりゃあの方々だもん、どえらく楽しく満腹にしてくれる。肝はやっぱおじさんが出てきてからの恐怖の質よ。。。
おじさん出てた後もまだ笑っておられるお客様もいたりして、それすら恐怖のひと味になる(笑)ただ劇中で怖い事起こって怖いということでなく、そこで起こってることに対するキャストさんの怯えの演技が、空間に恐怖を生み出してるような。まさに集合的無意識の具現化みたいな。
観た、というよりは、体験してきた。そんな舞台でした。いや〜いい観劇体験したわぁって。なんだか観劇後の客席の雰囲気も一緒に侵食された一体感みたいなの感じました(笑)こういう感覚もなんだかちょっと懐かしい。良き夜となりました。

ネタバレBOX

道中の道頓堀、また仄かに登ってくる同ビル店舗の美味しそうな匂い、食欲を刺激されがちで。
きつねうどんのビジュアルが脳内にでっかく浮かんだり、作中のお食事のシーンでは献立はなんだろな~?と思ったりしつつ。
おじさんは大食いで人が食べてる食事まで奪って食べ尽くす。
登場直後もその大食いが発揮されて食事強奪しては次々完食してて、しまいには飲むように食べてたのだけれど。それ観ててわたしは思った。
あれはきっとカレーに違いない。カレーは飲み物。
ワンチャンとろとろ卵の親子丼。
通夜もなかばを過ぎて

通夜もなかばを過ぎて

ゆく道きた道

武蔵野芸能劇場 小劇場(東京都)

2025/04/24 (木) ~ 2025/04/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

生き方、死に方についてぼんやり考えさせられました。笑えるところも有り、面白かったです。

修羅

修羅

LIDDTHROUGHS

ウエストエンドスタジオ(東京都)

2025/04/19 (土) ~ 2025/04/20 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

色んな修羅場が観られて面白かったです。

オリーブのたね

オリーブのたね

teamキーチェーン

吉祥寺シアター(東京都)

2025/04/19 (土) ~ 2025/04/29 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/04/21 (月) 19:00

座席1階c列9番

価格4円

とにかく言葉が美しい!
そして時間を経たあとの、変化が愛おしい!
極限状態になった時に、人間らしく行動しなければと思わされました。普段から、しっかりすべきなのですけどねえ…ありがたい芝居です。

ネタバレBOX

夜中に散歩して考えが変わったと分かった瞬間に震えました。
吃音でない心の言葉を赤ちゃんに語りかけた時に大号泣しました。
鍵は大切にしまって、この芝居を時々思い出すことにします。
通夜もなかばを過ぎて

通夜もなかばを過ぎて

ゆく道きた道

武蔵野芸能劇場 小劇場(東京都)

2025/04/24 (木) ~ 2025/04/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

【鶴組】観劇。出演者の年齢が高くて、淡々とした舞台。大きな盛り上がりはありませんが、これはこれで心地よい。亡くなった家人のことを思い出して、しんみりしましたね。

六道追分(ろくどうおいわけ)~第一期~

六道追分(ろくどうおいわけ)~第一期~

片肌☆倶利伽羅紋紋一座「ざ☆くりもん」

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2025/04/05 (土) ~ 2025/04/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

【龍】チーム観劇。哀しみの人情時代劇、濃厚な内容でグッときますね。ロングラン公演の良い所なのか、こなれた感じが心地よい。百合香さんイイですね。

峠のバッキャロー!!

峠のバッキャロー!!

株式会社Ask

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2025/04/23 (水) ~ 2025/04/29 (火)公演終了

実演鑑賞

前作「里のバッキャロー」を見ていないので判断できないけど、人物の関係が分かりづらかったです。
それとも見ていても、判断しづらかったのか?

ネタバレBOX

仮面をつけて社会を世間を生きていく話というよりは、田舎の村社会とSNSによってできた新たな村社会に主眼がおかれたように感じました。

個人的にMVPは加藤さん。。
ラストの衝撃も含め、ヌーボーが主役、ヌーボーの話として見えるくらい。
逆に主役のはずの大五郎は出番の多い狂言回しみたいだった。
前作を見ていたら、違った感想をもったかもしれませんが。
通夜もなかばを過ぎて

通夜もなかばを過ぎて

ゆく道きた道

武蔵野芸能劇場 小劇場(東京都)

2025/04/24 (木) ~ 2025/04/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

 面白い。華4つ☆

ネタバレBOX

 ゆく道きた道 旗揚げ公演、鶴組を拝見。板上は奥と上手に立派な襖絵の描かれた襖の見えるゆったりした通夜会場。中央に棺。棺の手前には供えの花が仕来たりに則って供えられている。その他、線香、蝋燭立てなど。
 基本的に出演者の年齢が高いので芝居の雰囲気がゆったりしている。間が緩やかに揺蕩うように紡がれるのは、矢張り長い人生経験の為せる業だろう。半面、ちょっと台詞に詰まる方が居らしたのは残念。
 物語は通夜の晩、亡くなった方のお見送りの席。もう少しでギネスに載ると言われるほどのご高齢でお亡くなりになった方の通夜なので親族・眷属も殆ど居ない。縁のある者たちも遠縁であり出席が叶わないとの連絡が葬儀社の方へ入っていた模様で社の者2人が入って来て亡くなった方のお守をするということになったが、肝心の燈明や線香に火をつけようとするとマッチが湿気っていて火がつかない。ベテラン社員はマッチを交換しに部屋を出、派遣で来ている新人だけが残ることになった。すると奥の襖の陰から幽霊たちが続々と現れる。何と総勢8体。死神もやってくるが担当の死神は元道祖神で今回が初仕事。上司のベテラン死神がサポートでついているが、新人死神は為すべきことも殆ど分からぬのが実際の処。そこに訳の分からぬ幽霊が8体も現れたのだから大変である。何故かと言えば本来は棺に収まっている魂だけを明朝夜が明けるまでに天国・地獄・生まれ変わり何れかに導けば良いのだが、案内できなければ新人死神が地獄へ堕ちるからであり、そもそも居ないハズの幽霊が8体も居て実際には仮死の者が混じっている可能性も排除できず、それらを総て精査し刻限内に間違いなく総ての作業を終えなければならないからである。が、問題はこれに留まらなかった。何と棺の置かれたこの場所の地下には龍脈が通っておりこの世に強い恨みを持った霊が居ると言い出す者迄出て来た。その霊の名を真中姫乃といい、これを指摘した者は他の者達と一線を画していた。
 ところで死神が魂を案内するにも実際に遺体を見て誰であるのかを確認・特定せねばならない。然し死神も幽霊たちも実体を持たないから棺の覗き窓を開けることができない。葬儀社の社員たちが開け忘れていたのである。遺体が誰なのかを確認できなければその先の作業は出来ない。時間は刻々と過ぎてゆく。果たして元道祖神の優しい死神の運命は? 真中姫乃の祟りは? 8体の幽霊の各々はホントに皆死んでいるのか? その内一線を画している女の正体は? また真中姫乃と旧知の3番目の死神とは? 等々。今作がどのように収束してゆくのか? それは観てのお愉しみ!
通夜もなかばを過ぎて

通夜もなかばを過ぎて

ゆく道きた道

武蔵野芸能劇場 小劇場(東京都)

2025/04/24 (木) ~ 2025/04/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

【鶴組】初日を観劇
ことのはboxさんは過去にも高齢者の役者さんにとても巧い演出をつけられていたので、きっと本作も!と確信していましたが、みごとに的中していました
ずっこけたくなる可笑しくも優しいお話しで、人は死んだらほんとにこんな風なのかも・・・「死別」の悲しみに対してほんのり灯りをともしてくれるような、しみじみ沁みてくる感じの公演
この世界観の中では高齢者の役者さんが(高齢者ではない役者さんも)役になりきって演じていることで、台詞がおぼつかない部分がちょっとくらいあったとしてもノープロブレム
役者さんご自身のキャラクターがちゃんと後押ししてくれているから最強
ちょっと笑ってしまうその後にしみじみと、なかなかに魅力的な公演でした

逆光が聞こえる

逆光が聞こえる

かるがも団地

新宿シアタートップス(東京都)

2025/04/24 (木) ~ 2025/04/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

とてもよかった。かるがも団地の新機軸にして最高傑作。誰しもが己の加害性について考えざるを得ず、いたたまれない気持にもなるが、今、この時代に観られて本当によかった。
様々な役柄をこなす役者陣も素晴らしく、8人しかいないとは思えないほど。メインの板場さん、北原さんがよかったのはもちろん、仙田姉他を演じた武田紗保さんが印象に残った(声の大きな俳優好き)。

黄昏の湖~On Golden Pond~

黄昏の湖~On Golden Pond~

加藤健一事務所

兵庫県立芸術文化センター 中ホール(兵庫県)

2025/04/19 (土) ~ 2025/04/19 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

昨年に続いて京都公演はなく、神戸での公演のみ。もう京都府立府民ホール アルティの耐震工事は完了して復活しているので、来年は京都公演、復活を祈る。

今回の作品は1978年2月にオフ・ブロードウェイ(Off Broadway)で舞台化されたアーネスト・トンプソン(Ernest Thompson)の作品。

アーネスト・トンプソンは1949年、アメリカ合衆国、バーモント州ベローズフォールズ(Bellows Falls, Vermont)生れの作家、俳優、監督。幼少期をマサチューセッツ(Massachusetts)州、ニューハンプシャー(New Hampshire)州、メイン(Maine)州で過ごし、中学生の時にメリーランド(Maryland)州に移り、最終的には1971年にワシントンDC(Washington, D.C)のアメリカン大学(American University)を卒業。現在(2025年4月)はニューハンプシャー州で過ごしている。

「黄昏の湖(On Golden Pond)」は彼の代表作。上述したように1978年にオフ・ブロードウェイで舞台化された後、1979年にブロードウェイ(Broadway)のニュー・アポロ劇場(New Apollo Theater)で上演され、翌シーズンにはセンチュリー・シアター(Century Theatre)で再演された。総上演回数は400回を越える。

1981年にはキャサリン・ヘプバーン(Katharine Hepburn)とヘンリー・フォンダ(Henry Fonda)の主演で映画化もされた。トンプソンはその年のアカデミー賞(54th Academy Awards)、最優秀脚色賞(Best Adapted Screenplay)を受賞した他、ゴールデングローブ賞(Golden Globe Awards)と全米脚本家組合賞(Writers Guild Awards)の脚本賞も受賞している。なお、主演の2人はアカデミー賞の最優秀主演賞(Best Actor/Actress)を受賞している。

日本語訳は小田島恒志と妻の則子。小田島恒志は英文学者、翻訳家で現在は早稲田大学文化構想学部教授。1962年生まれ、早大大学院博士課程単位取得満期退学、ロンドン大学大学院修士課程修了。小田島則子も英文学者で翻訳家で駒沢女子大学、目白女子短期大学講師。東京都出身で早稲田大学博士課程、ロンドン大学大学院修士課程修了。

「黄昏の湖」はアメリカ東海岸の都市にある湖畔の別荘を舞台に、人生の黄昏を迎えた老夫婦とその娘、彼女の結婚相手の連れ子の心の交流を描いた作品。原題の「Golden Pond」は舞台となる場所の名前。

今回の加藤健一事務所公演は120回目。新宿の紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYAでの10日間の公演に続いてこの神戸公演が行われた。

主人公の一人、夫のノーマン(Norman Thayer Jr.)を演じるのが劇団主宰の加藤健一。以前からの繰り返しになるが、カトケンこと加藤健一は1949年10月静岡県磐田市生まれ。1968年、袋井商業高校卒業後、半年間のサラリーマン生活を経て劇団俳優小劇場の養成所に入所。1970年に養成所を卒業後、つかこうへい事務所の作品に多数客演し、10年後の1980年に加藤健一事務所を創立。

この間、2004年には読売演劇大賞優秀男優賞を受賞、2007年には紫綬褒章を受章、その他にも菊田一夫演劇賞など多くの賞を受けている。毎年3、4本の公演を行っているため、映画やテレビドラマへの出演は限られているが、2016年の吉永小百合と二宮和也の主演した山田洋次監督作品の「母と暮せば」では福原母子の家に出入りする上海のおじさんを演じ、毎日映画コンクール・男優助演賞を受賞している。

もう一人の主役、妻のエセル(Ethel Thayer)を演じるのは一柳みる。1952年生れで和歌山県出身。1979年、玉川大学文学部芸術学科演劇専攻卒業後、劇団昴に入団。看板女優として、シェイクスピア劇を中心に活動している。テレビ出演は少ないが、天海祐希主演の「緊急取調室」や内藤剛志主演の「警視庁・捜査一課長」などにゲスト出演している。洋画吹き替えでヘレン・ミレン(Helen Mirren)やメリル・ストリープ(Meryl Streep)を多く担当している

父との確執もあり、現在はカリフォルニアに暮らす娘のチェルシー(Chelsea Thayer Wayne)を演じるのは加藤健一事務所俳優教室出身で加藤健一事務所公演ではお馴染みの加藤忍。1973年10月生まれで、神奈川県出身。彼女も舞台中心で、テレビドラマや映画出演は少ない。

もう一人の主役とも云える娘のチェルシーの恋人の連れ子ビリー・レイ(Billy Ray Jr.)、13歳を演じるのは澁谷凜音(りん)。2001年9月生れで、北海道出身。青年座研究所46期卒。24歳で頑張って13歳を演じた。

その父、カリフォルニアで歯科医をしているビル・レイ(Dr. Bill Ray)を演じるのは尾崎右宗。テレビドラマにもけっこう出ており、沢村一樹主演の「DOCTORS~最強の名医~」や故三浦春馬主演の「BLOODY MONDAY」などにレギュラー出演している。1972年6月東京生まれで、青山高校卒業後、役者の道に進む。役者業のかたわら、大阪芸術大学芸術学部を通信で卒業している。

娘のチェルシーが幼い頃からの友人である郵便配達夫チャーリー・マーティン(Charlie Martin)を演じるのは伊原農。1974年2月生れで、千葉県出身。加藤健一事務所14期卒業。地球儀、劇団ハイリンド所属。

演出の西沢栄治は1971年、東京都生れ。2004年に日本演出家協会主催の若手演出家コンクール200」にて最優秀賞を受賞している。それから20年、もう若手ではないな。

上演時間は前半が1時間10分で、15分休憩の後、後半540分の合計2時間15分。上述したように見てないけど、「スクリーン」などで情報は得てたので、映画の「黄昏」を思い出した。

W主演になってるけど内容から考えると一柳さん、主役だね。名優キャサリン・ヘップバーンを彷彿とさせる名演でした。もちろんカトケンさんの加藤忍さんの親子の確執の描き方もさすが。いい話だなあと思わせてくれました。

京都公演じゃないのでアフタートークはなし。最初に書いたように京都公演の会場になっているアルティの工事は終わってるで、来年は京都公演が復活すると信じたい。


以上

第82回「a・la・ALA・Live」

第82回「a・la・ALA・Live」

a・la・ALA・Live

座・高円寺2(東京都)

2025/04/23 (水) ~ 2025/04/23 (水)公演終了

実演鑑賞

面白かったです。

このページのQRコードです。

拡大