最新の観てきた!クチコミ一覧

36761-36780件 / 191828件中
『花と爆弾~恋と革命の伝説~』

『花と爆弾~恋と革命の伝説~』

劇団匂組

OFF・OFFシアター(東京都)

2019/10/23 (水) ~ 2019/10/27 (日)公演終了

満足度★★★★

この辺の事件に詳しい訳ではないので、上手にシーン毎に貼り替えられる半紙に書かれた年代や季節、場所などの情報は有り難かった。この舞台での岩野未知のスガはとても魅力的だが、これを観ると、回りに現れた男たちは何だかもう、こちらが彼女に謝りたくなってくる。

ネタバレBOX

開演まで流れていた音源、ピッチが少し遅くて気持ち悪いというか、ずっと落ち着けなかったのだけど、あれってわざと?
~崩壊シリーズ~「派」

~崩壊シリーズ~「派」

エイベックス・エンタテインメント / シーエイティプロデュース

俳優座劇場(東京都)

2019/10/18 (金) ~ 2019/11/04 (月)公演終了

満足度★★★★★

あまりにも素晴らし過ぎた。

まじめな隣人

まじめな隣人

BASEプロデュース

BAR BASE(東京都)

2019/10/17 (木) ~ 2019/10/24 (木)公演終了

満足度★★★★

あーハリウッド映画的なストーリーね、って思いがちで、シュアルズネッカーとかウィルスミスとか出てるやつ……
だけど、いまコレを日本で、BASEで観ると、恐怖を感じるし、近未来!?感がある。

ハハハ面白かったね、では終われない作品だった。

ふるあめりかに袖はぬらさじ

ふるあめりかに袖はぬらさじ

博多座

博多座(福岡県)

2019/10/18 (金) ~ 2019/10/27 (日)公演終了

満足度★★★

コメディタッチが多いお園ですが、
ラストは、攘夷でゆれる表舞台のかげに生きるお園の言葉が響くシーンでした。

ネタバレBOX

佐藤B作さん演じる岩亀楼主人があのセリフを、笑いです。
治天ノ君

治天ノ君

劇団チョコレートケーキ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2019/10/03 (木) ~ 2019/10/14 (月)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2019/10/11 (金)

回を重ねるごとになにか心に響くものも変わっているのが分かる。
きっと自分自身も変わってきているのだろうと感じられることも良かった。ぜひまた3年後くらいにに同じメンバーで上演して欲しい。

mark(X)infinity:まーくえっくすいんふぃにてぃ

mark(X)infinity:まーくえっくすいんふぃにてぃ

劇団鋼鉄村松

コフレリオ 新宿シアター(東京都)

2019/10/23 (水) ~ 2019/10/27 (日)公演終了

満足度★★★★

ナンセンスコメディかと思って観ていたら、その世界観というか宇宙観に魅せられた。表層の滑稽さ、しかしそれに止まらず、いつの間にか人との出会いと別れといった充足感ある物語に変わっていく。それが心地良いテンポで紡がれるから堪らない。
2016年黄金のコメディフェスティバルにおいて最優秀脚本賞、最優秀演出賞、観客賞、そして最優秀作品賞etc.を受賞した「mark(X):まーくえっくす」をベースに新たなるSFパラレル・ディストピア・ラブコメディ!...という説明通り、素直に面白いと思える公演。
(上演時間2時間)

ネタバレBOX

舞台セットは色違いの枠があるだけのシンプルなもの。パワレルワールド、異星といった世界観・宇宙観を表現するため固定したセットは作らない。このイメージは ドラえもん のどこでもドアを連想させる。設定は時空間だけではなく、異星も絡んだ壮大なものだが、それは荒唐滑稽を表現するためのもの。枠はもちろん時々持ち込まれる銀パネルは時空間の歪み、または裂け目を表すが、その仮想というか非現実性の世界を手動で動かすという奇知の面白さ。

梗概は説明の通り...キャッシュカードを失くし、バイトに行く電車賃も無い主人公・ひろゆきは開き直ってバイトをさぼり徹夜でアニメを見ていた。ひろゆきの前に突然空間を割って美少女が現れる。名前はエプシィ(悪支配の四天王の1人)。この世界を支配、管理するために平行宇宙からやって来た、というもの。仮想なのか妄想なのか、その混沌とした世界観がいつの間にか現実を揶揄するような面白さに変わる。悪の支配というディストピア...無為のような暮らしぶりの ひろゆき にとって管理社会は適していると…。管理社会は、強制的に何かをしなければならず、不自由であるが行動はさせる。まさしく、冒頭の ひろゆき の生活態度に対する皮肉である。

枠を潜るという簡単な動作で世界観を変え、衣装やメイクという外見で現実世界との違いを演出する巧さ。また個性豊かというか特異な人物?キャラを立ち上げ、その関係性を次々に展開させ観客の意識を逸らせない。いつの間にか恋愛であり親愛者がパラレルに連なり出会いを連想させる。邪悪な世界があれば、逆に正義の社会も存在する。その合わせ鏡のような人物・フリーダムVとエプシィが仕える悪の総統の対決が笑える。外見・容姿も含め全てを観(魅)せるに注ぎ感心させられる。またエプシィを演じた小山まりあサンの怪演がこの世界...公演を支配していると言っていいほどの演技だ。

パラレルワールドであるからどこかで見たことがあるような、その既視感が物語の肝になっている。人は出会いがあれば別れもある。時空間移動はそんなセンチメンタルな思いを簡単に乗り越えていく機知があると思うが…それでも公演の終盤は惜別といった寂しさが少し漂う。
ちなみに冒頭、常識的な暮らしを説いていた鈴木君、いつまで経ってもMARKⅠ、MARAⅡ・・・MARK(x)にもなれず仲間外れのような。劇的に笑いをとると承知しつつも、世界観が異なれば常識・非常識といった概念も異なる、そんな意味深さを感じさせる公演であった。
次回公演も楽しみにしております。

ダウト

ダウト

ダウトを上演する会

小劇場B1(東京都)

2019/10/23 (水) ~ 2019/10/29 (火)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2019/10/24 (木) 21:00

座席F列10番

難しい脚本ですね。役者の方々も、どのような解釈で演じるのか、役作りが極めて難しかっただろうと推察いたします。特に、校長(シスター・アロイシス)が最後に発するセリフは、この舞台の集大成ともいえるもので、どのような意味で、心情で発するのかについて、演じた眞野あずささんと演出の大間知靖子さんとの間で、どのようなやり取りがあったのか興味あるところです。

 舞台では2つのフリン神父の説教が挟まれます。冒頭では「確信と疑いがいかに人間同士の絆になるか」中盤には「噂というものが、いかに罪深い行為か」という説教。前者はこの物語に通底する信仰と疑惑との類似と相違を示唆し、後者は不寛容であることがいかに取り返しのつかない事態を及ぼすか(神父のしんじょうを代弁する意味で)を提示してくれます。

 私は当初、校長と神父の激烈な議論でラストを迎える、ある種法廷劇のような展開を予想していました。
話の展開がうまいなあ、と思ったのが、物語の進行にともない、おそらく観客の大半にどんどん開明的で優しさに溢れる神父に肩入れをさせていくという展開です。それを促進するのは、シスター・ジェイムズであり、黒人生徒の母であり、そして何よりも頑なで不寛容な校長の態度です。そして、観客は神父の抵抗、逆襲を心待ちにするのですが、、、、

ネタバレBOX

そんな場面は、現れそうで現れないままに、物語は終わります。校長のたった1つの嘘によって、脆くも神父の緊張は弛緩してしまうのです。まあ、解釈の多様性は認められるべきですし、役者と演出家の解釈によって、いかようにも観客の受け取り方は変容します。
 フリン神父の不適切な行為はあったのか、それとも、争いをこれ以上避けるために自ら去ったのか。(日本人的な感覚だと、どうしても火のないところに噂は立たない、というところがありますから、それを避けるという点で身を引くといった解釈は身近なものではあります。)
 私は、校長の最後のセリフ「疑いが」は、校長が過去に犯した過ちに対する他者の視線への恐れではないかとも思えたのでした。彼女は、フリン神父への疑いを確信としましたが、同じようなケースで、自らはどういう態度に出るのか、そのことを想像するだけで慄きを禁じえなかったのではないでしょうか。
「隣の家-THE NEIGHBOURS」 「屠殺人 ブッチャー」

「隣の家-THE NEIGHBOURS」 「屠殺人 ブッチャー」

名取事務所

「劇」小劇場(東京都)

2019/10/17 (木) ~ 2019/10/29 (火)公演終了

満足度★★★★★

カナダの作家ビヨンの2作品公演。初演を見逃した『屠殺人ブッチャー』を数ヶ月前から今かと待ち続け、観劇日を迎えた。2年前に同じ「劇」小劇場で上演された同じ扇田拓也演出による『エレファント・ソング』も同じ作者。今回の一方の作品『隣の家』は名取事務所への書き下ろしという。
再演ではキャストが2名変わり、ついその事を意識して観てしまう。男性3名と女性1名の4人芝居。女役は初演が森尾舞(今回「隣の家」に出演)の所、渋谷はるか(中々見合う人選だ)。若い弁護士役も名取事務所の常連・佐川和正の所、西山聖了。演出者も初演の小笠原響は今回「隣の家」演出のため、代わって『エレファント・ソング』を演出した扇田拓也が当った。
という事で、果たしてどんな違いが・・と言っても初演は観ていないので想像しながらであったが、最終的にはそんな事は忘れた。上演前半で各所に残した違和感は全て回収され、この架空の国をめぐる実しやかなドラマをリアルに想像させられた。
久々に舞台で観た渋谷はるかはやはり印象に残る演技者。

ネタバレBOX

謎解きの面白さも然る事ながら、究極、復讐というものをどう考えるかを迫られる劇。
近代以降の国民国家では、国民は国家権力を唯一の暴力装置として承認し、仇討ちの権利は返上した。銃刀を所持することは禁じられ、ある無法な所行がどのような罰則に値するかを決定するのは国家であり、加害者を罪人と認定し、刑罰を下すのも国家である(民主国家は民意によって実定法の改廃は出来ても権力装置の本質を変えるのは困難)。国家の秩序維持のための方法は、加害行為に応報する効果は第一義でないのに国民国家の「常識」として受容されている訳だ。果たしてそれは正しいあり方なのだろうか・・。
芝居では、ある国で起きた内戦で一方が収容所を作り民族蹂躙の陰惨な手法を実践し、紛争終結後に逃亡した将校の最後の一人が、対立民族側の追跡組織につかまり、制裁を加える場面が後半展開する。
必殺仕事人は必要であったという話なわけだが、現実起こった事として女がそれを語るとき、泣き寝入りさせられたあらゆる「被害」に対しもう一つの選択肢について考える事を促される気がする。
女は自らが体験した悲惨な出来事ゆえに、加害者に対する感情を切り離す事はできないが、組織の一員として正義が行われる事への信念を貫いている形象があった。
過去の自分(少女)を見つめ、己の今の在り方を検証するかのような終幕の構図は、「解決」の甘味な後味を遠ざけ、秘かに問いを残した。
ビニールの城

ビニールの城

劇団唐組

下北沢特設紅テント 本多劇場グループ テント企画 (仮称)下北沢交番横小田急線跡地 (東京都)

2019/10/18 (金) ~ 2019/10/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

「不評」投稿が続いたが、これは手放しの賛辞。下北沢の空き地にテント初進出の巻。ネタバレになるが(凡そ想像される事だが)屋台崩しの真正面は新しくなった小田急及び京王の駅舎のネオン。夜の灯りを見せるラストと言えば我が初観劇新宿梁山泊「青き美しきアジア」の都庁ビルの窓明かり(25年前)を思い出す(実際その後このパターンは無く、上記観劇の衝撃を思い出した瞬間だった。
「ビニールの城」は一風変わった屈折した者同士の恋愛ストーリーで主役は男女とも一人ずつ、判りやすい。初演は第七病棟で石橋蓮司と緑魔子がこれをやったのかと思いながら、「復活!」したらしい稲荷氏とお馴染み藤井由紀の掛け合いを眺めた。唐組俳優を初めて観たオフィスコットーネ『密会』、その異常性人格を本物かと疑うリアルさで演じて以来の主役・稲荷卓央。彼不在でこの演目はやれなかったのではないか・・とさえ。
予約して訪れたが立見。しかし疲れを忘れて、目が望遠機能を持ったかのような錯覚に陥りながら役者の身体に釘づけであった。この心地よさは何だろうか。

パーマ屋スミレ

パーマ屋スミレ

よこはま壱座

KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)

2019/10/18 (金) ~ 2019/10/20 (日)公演終了

満足度★★★★

TAK in KAATという地元劇団枠に、アマ劇団での上演をあまり聞かない鄭義信作品が登場。どう料理されるのか興味が湧いた。
戯曲に書かれたある状況での感情の迸りを精一杯演じ、見せ場をクリアしていた。が、限界のようなものも感じる。一つは戯曲そのものについて。鄭の在日三部作の一つとされるが『焼肉ドラゴン』も含め辛酸を舐めた先人と後の世代への継承の風景が美しく描かれる。素材は在日社会でも、ドラマには普遍性がある、悪く言えば一般的なのだ。笑いを必ず忍ばせる鄭氏だがこの「笑い」は共有される苦しみ悲しみが深いほど生きて来る。ただし苦しみがそこそこ程度でも笑いは成立するように書かれている。水面下の苦しみ怒り哀しみ辛さ、理不尽な思い、絶望・・鄭氏はそこに光を当てる事に拘泥しないが、台詞以前の人物の存在そのものから滲み出るものがリアルの、引いては笑いの土台になる。要は「難しい」戯曲には違いないのである。
例えば民族文化を負った在日らしさ、制度的な限界、そこから来る諦観、人生観、炭鉱という環境、経済成長という時代感覚のリアルが、掘り下げられれば掘り下げられるほどに情感が満ちて来る。芝居として一応成立するラインから、その先の厚みをもたらす伸びしろが長いタイプの作品という事になるか。

今回のよこはま壱座の舞台は、しっかりした美しいセットと役者の頑張りで(役年齢とのギャップに慣れるのに時間を要したものの)戯曲が求めるものをクリアし、胸を突く瞬間もあったが観終えてみるとやはり「その先」を求めている自分を見出す。特にラストに掛けては(終わり良ければというように)ドラマ=人々の人生が集約されていく、あるいは俯瞰される地点に連れて行く何らかの作り方が見たかった。
部分的な難点を挙げればきりがないが、例えばKAATの特徴だが袖幕がなく役者がはけるのに時間を要し、しかも隠れる場所が見切れ、ラストで引いていくリヤカーは上段の上手奥へとはけるが、奥には行けないらしくそのまま置かれて見えてしまっていたり、土の道をカーブして舞台となる床屋が平場に立っているが床が黒の板張りで床そのものに見えて興醒めだったり。また初日のせいか下手袖の裏から声や物の接触音がクリアに聞こえたり・・。演技面も結構できているだけに、ニュアンスを捉え損ねた物言いが一つ挟まれるだけでも素に戻りそうになる。寸分も気を抜けない芝居である。
この演目に挑戦しここまでのレベルに到達した事に敬意を表するが、この芝居をやる以上はもう一つ上に行きたかったというのも正直な感想。

浅草福の屋大衆劇場と奇妙な住人達1982 改訂版

浅草福の屋大衆劇場と奇妙な住人達1982 改訂版

東京アンテナコンテナ

六行会ホール(東京都)

2019/10/23 (水) ~ 2019/10/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

 下平さんの筆の冴えを見せつけられる思いのする公演だ、東京アンテナコンテナは無論、喜劇を上演する劇団だが、そのベースに人情噺を上手に埋め込むと、こんなにも深い、情趣に満ちた作品になるのか!? と感心することしきりであった。無論、役者陣の演技、演出、イジリーさんのアドリブ、下平さんとの掛け合い、筋運びの妙等々、見所満載だ。(追記後送)

地にありて静かに

地にありて静かに

劇団文化座

シアターX(東京都)

2019/10/17 (木) ~ 2019/10/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2019/10/22 (火) 14:00

座席B列10番

アフタートークを終え、玄関横でパンフレットを購入。帰りの電車の中で読み進めるが、これはちょっと残念。この作品の舞台が、アーミッシュという集団であり、その宗教的な特殊性や風俗などには強い関心が払われるのは当然だし、そのドラマもアーミッシュであることに起因することからすれば、必然的にアーミッシュ理解に地歩が置かれてしかるべきだろう。しかし、所狭しとアーミッシュの平和主義や伝統重視の生活様式に、教訓を求める文書が出てくるのは、正直辟易させられる。(求めたい人は、そうすればよいが)
このドラマは、「アーミッシュであっても」というサジェスチョンが付く限りに留まるべきで、実のところ、描かれているのは親子の確執、夫婦の愛情、世代間対立、伝統と革新、戦争の不条理、文明の進歩、グローバル化といった普遍的なテーマである。
アン・チスレットが、アーミッシュの村落に足しげく通い、その集団を題材にした物語を書いたのも、自分の描きたかったものを底から見つけ出したにすぎない、という見方は間違っているだろうか。

さて、舞台は休憩含む2時間40分。第一幕は主人公ヨックが父親との対立の果てに自宅を出て戦争に向かうまで、この第一幕では、ヨックの人間関係からアーミシュの生活様式、慣習、信仰の内容までが丁寧に描かれており、第二幕での親子の邂逅、元恋人との再会などの山場にうまく繋げている。時間の長さを一切感じさせない、きめ細かい作りだ。
舞台を引っ張っていくのは、長老役の津田二朗と、司祭役の米山実のご両人。司祭にとって、アーミッシュとして生きていく頑なさとは信念でもあり、自分の生を全うする原動力でもある。一見柔和に見える長老も、強い意志を持って村を守っていこうとし、司祭の苦悩に寄り添うだけの度量を持っている。ヨックの苦悩と挫折が色濃い物語だが、真の主役はこの二人と言っても過言ではないだろう。舞台はこの両家の内部と周辺をもって描かれている。
過不足のない、意外とスマートな舞台、飽きることなく、そして深く感動した。
他では、戦争で息子が足をなくして酒浸りになる父親役(アーミッシュではない)の藤原章寛がよい。最初の登場シーンから醸し出される、アーミッシュへの理解や共存意識が、あそこまで捻じれてしまう姿は見ていて哀れを誘う。

なお、亡くなったヨックの母親サラは、同劇団の団員、長束直子さんをイメージして皆演じていたそうです。(アフタートークより)

ノート

ノート

ティーファクトリー

吉祥寺シアター(東京都)

2019/10/24 (木) ~ 2019/11/04 (月)公演終了

満足度★★★★

弁護士一家殺人事件や地下鉄サリン事件等、あの歴史的にも最悪の大事件。
主人公は、このどちらにも直接関わった犯罪者であり死刑囚。
この主人公を如何にも悪人顔の方ではなく、むしろ優し気で繊細な印象を受ける役者さんが演じており(おそらく実在の人物を特定していないのでしょう)これは既存の先入観や作品全体のイメージに独特の影響を与えていたと思います。

その当時の記憶を辿る精神的なところがメインに描かれ、何故に彼等はこんなにも凶暴で大それた行動をとってしまったのか、決して一般人とかけ離れた境遇でも性格でもないのに。
心の中にぽっかり空いた穴をとんでもない「教え」で占領されてしまった人のコトバが折り重なり、当時読んだ記事やテレビの映像をだぶらせながら見入っていました。
どこかアノ教団とはまた違った世界のような雰囲気も感じます。
照明もセットのひとつであるかのよう、舞台の表情を様々に変化させていました。

不機嫌な女神たちプラス1

不機嫌な女神たちプラス1

エイベックス・エンタテインメント

紀伊國屋ホール(東京都)

2019/10/19 (土) ~ 2019/10/27 (日)公演終了

満足度★★★★

CoRichの常連の方々はこういうのは行かないだろうなあ。私も私が勝手に決めた「死ぬ前に生のお姿を拝見したい女優さん100人」の中の和久井映見さん、羽田美智子さんが出演されているがためにポチってしまったのだ。

アラフィフの女性3人と男性1名の恋愛などを巡るドタバタ喜劇である。男女4人の人間関係劇という点では前日観た「終夜」と同じである。もちろん比べるようなものでは全くないが何かの縁と無理に振り返ってみると、一方はストレスが張りつめたまま終わり、一方は一時的な軽いストレスが予定調和的に解消されて終わる。演技も一方はいつもとは違う大きな負荷がかかるものであるが、一方はいつもの持ち味をそのまま発揮するものである。もちろんどちらもプロのお仕事であった。

和久井さんも羽田さんも私にはアラサーにしか見えなかった。そういう点では満足度大。

死に顔ピース

死に顔ピース

ワンツーワークス

ザ・ポケット(東京都)

2019/10/24 (木) ~ 2019/11/03 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2019/10/24 (木) 19:00

135分、休無。
ターミナルケアなどのテーマに関心があれば、ストーリーは割とオーソドックス。映画「パッチ・アダムス」に似ている部分もあり。
古城十忍の「ここは譲れない」という想いや主張は交えつつ、死に至る人の物語を、一般論ではなく「物語」として触れていた作品。観ていて爽快感。ラストに至るまで、涙が止められない、という場面が何度もあった。

ゼロイチ

ゼロイチ

劇団龍門

シアターシャイン(東京都)

2019/10/23 (水) ~ 2019/10/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

村手さんの作品は今回こう来たかー!
近未来を舞台にした、いや、地球の誕生からを舞台にした(?)と言ったほうがいいかもしれないサスペンスで、とても興味深いストーリーが面白かった。AIをテーマにした舞台はよく見ますが、ちょっと違った世界観に連れて行ってくれた、そして1時間50分にまとめるのがもったいない、もっと続きが見たくなる作品でした。それとあの狭い劇場にいきなり始まるあのダンスパフォーマンスは圧巻でした!

レネゲイズ

レネゲイズ

Nana Produce

赤坂RED/THEATER(東京都)

2019/10/11 (金) ~ 2019/10/15 (火)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/10/15 (火) 14:00

座席I列12番

価格6,000円

高木式現代宗教論にして「現代の神話」?(笑)
鵺的における高木作品は内部のエネルギー(?)が表皮を突き破って爆ぜるのに対して本作ではそれが内部に沸々としたまま留まっているような。
静かなのに大きなナニカが蠢いている感覚はドゥニ・ヴィルヌーヴ監督のタッチに近いか。
「先生」がああなるまでを描いた「エピソード0」と、後日譚な「その後のレネゲイズ」があって不思議ではない……というか、観た人それぞれにそれがありそう。

『花と爆弾~恋と革命の伝説~』

『花と爆弾~恋と革命の伝説~』

劇団匂組

OFF・OFFシアター(東京都)

2019/10/23 (水) ~ 2019/10/27 (日)公演終了

満足度★★★★

劇団匂組の旗揚げ公演が「花と爆弾」であり、その再演のようだ。旗揚げ時は大逆事件(明治天皇暗殺未遂事件)の百年後を意識しており、それは主人公・菅野スガ の没後100年を意味する。初演(「~恋と革命と伝説」の副題はないようだ)は観ていないが、描かれている内容は現代においても色褪せない。その骨太作品は観応えがあった。
初日に観劇したが、奇しくも前日は令和、今上天皇 即位礼正殿の儀が行われた日であり隔世の感を覚える。
(上演時間1時間50分)

ネタバレBOX

舞台セットは横長テーブルと丸椅子が数脚のシンプルなもの。それを時代や場所に応じて変化させ状況を上手く表す。セットによる場所や時間イメージを固定させない工夫、また上手側の柱に時代や場所を記した(半)紙を貼り替え、何人かの役者がストーリーテラーの役割を担い物語を展開させて行く。菅野スガ はもちろん大逆事件に詳しい人であれば問題ないが、自分のように詳しくない者にとっては丁寧な演出で好かった。

物語は、明治42年 千駄ヶ谷 平民社 初夏、菅野スガ 27歳頃から始まる。登場人物はその時代に相応しい衣装などで時代に引き込まれる。時代はすぐに3年前に遡り和歌山県田辺の牟婁新報社で スガ が編集長代理になり荒畑寒村と出会う場面。後々結婚するが、出会い時は原稿執筆に対する指摘という上司と部下という感じである。その時は娼婦を取材した寒村の(男)の視点を質したが、この公演の全体を支配する問題意識が提示されたと思った。
スガ の半生は主義者に信奉し自ら主義者になり処刑されたが、国家的というか大局観に立った不平等が描き切れていない。むしろ不平等の1つとして男女平等という、もう少し身近で具体的な観点に絞って、その先にある大きな社会的な不平等、平和を描いたほうがイメージし易いような気がした。スガの史実(半生)を中心に描いているが、他の登場女性に不平等を担わせ膨らませても良かった。それは明治時代ほどではないにしろ現代にも通じる問題であるから。

一方、「恋」は主義者への共感や尊敬といった感情から人間が持つ本能的な部分を上手く表していた。同時に スガ の勝気と思われるような性格、その反対に幸徳秋水をはじめ男の主義者達は扇動はするが実行できないといった男(理屈)女(行動)に関わる皮肉も垣間見せており面白い。主義者としての スガ は表層的に思えたが、その生い立ちから恋というよりは、好きでもない男と結婚させられ離婚、その虐げられた姿を通して明治時代の”女”の理不尽さが浮き彫りになる。逆に主義者の虐げられた姿が観えず、台詞による情況・状況説明だけでは弱い。

公演は 菅野スガ という女性の生き様を通して現代を見つめ直す、という寓話的な面もある。そして気になるのがタイトルにもある花、物語では向日葵・秋桜などが紹介(チラシの 椿は意味深)されたが、その花イメージを持つのが登場女性(スガ、妹の秀子、手伝いの百代)のようだ。全編を抒情豊かに謳い上げた公演は素晴らしかった。公演は 菅野スガ という人物の視点から描いていることから彼女以外の人物の描きが暈けて影が薄くなったのが残念。さらに言えば スガ を演じた岩野未知さんの演技が素晴らしい。その意味で、スガ の人物造形は上手く出来たが、彼女以外の主義者人物の魅力を引き出しきれず、その結果、不平等などという社会背景が描き出せなかったところが勿体ない。
最後に「みんなが ぬくいなと思える世の中へ」という台詞、自分もそう思う。
次回公演を楽しみにしております。
『花と爆弾~恋と革命の伝説~』

『花と爆弾~恋と革命の伝説~』

劇団匂組

OFF・OFFシアター(東京都)

2019/10/23 (水) ~ 2019/10/27 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/10/24 (木)

24日19時開演回(110分)を拝見。

ネタバレBOX

大逆事件という題材からしてどうかなぁ?政治的なプロパガンダ演劇かなぁ?と案じつつ席に着いたが、終わってみれば、岩野未知さん演ずる「管野すが」の女の半生記。じっくりと腰を据えて拝見させて頂いた110分。良い舞台だった。

それから、幸徳秋水宅のお手伝い「岡田百代」をメインに「管野すが」以外の登場人物たちが半紙を貼り変えながら口上する、各シーンの時代・場所の説明。NKH朝ドラのナレーションではないが、ストーリーの流れを捕捉するのに大変助かったことを付記しておきたい。

なお、演じ手では
菅野すが役・岩野未知さんは勿論のこと
二枚目過ぎるw 若き日の荒畑寒村役・井手麻渡さん
岡田百代役・牧野未幸さん
が特に印象に残った。

【配役】
管野すが…岩野未知(いわの・みち)さん
荒畑寒村…井手麻渡(いで・あさと)さん
幸徳秋水…成田浬(なりた・かいり)さん
管野秀子…葵乃まみ(あおいの・まみ)さん
新村忠雄…岩原正典(いわはら・まさのり)さん
岡田百代…牧野未幸(まきの・みゆき)さん

【蛇足】
お恥ずかしい話だが、劇中の登場人物「荒畑寒村」を、終演後も、ほぼ同世代の社会主義者・向坂逸郎と勘違いしていたことに、劇場からの帰路、気がついた。
嗚呼、我が人生の大半、このお二方を混同してたんだなぁ(悲嘆)
組曲虐殺

組曲虐殺

こまつ座 / ホリプロ

天王洲 銀河劇場(東京都)

2019/10/06 (日) ~ 2019/10/27 (日)公演終了

満足度★★★

第一幕100分休憩15分第二幕80分。
第一幕、貧富の差のない平等な社会を作る為、共産主義運動に参加した作家小林多喜二。特高警察の二人にマークされる。
第二幕、地下に潜って逃走しながら執筆を続ける多喜二。警察の包囲の網が狭まっていく。
作曲とピアノ演奏の小曽根真氏が素晴らしい。名曲揃いの上、役者6人は歌える方ばかり。中盤、小林多喜二役の井上芳雄氏が「片方だけの○○じゃ何の役にも立たない」と己の無力さを嘆くBLUES、『独房からのラヴソング』が心を震わす。作品のテーマとも言える『胸の映写機』は井上ひさし氏の創作法の開陳を。『信じて走れ』の歌詞、「後に続くものを信じて走れ」は氏の遺言のようにも聴こえ。
多喜二を支援してずっと匿う伊藤ふじ子役の神野三鈴さんが良かった。(小曽根真氏の奥さんでもある)。存在が温かく空間を立ち込めていく。
ジブリ調の優しい好青年、小林多喜二がこの世を正しく変えてゆこうと願う物語。その姿をチャップリンに準えるとは流石である。その結末はタイトルに記されている通り、虐殺なのだ。
『何か綱のようなものを担いで絶望から希望へ橋渡しをする者がいないものだろうか!いや、いないことは無い。』
井上ひさし氏の哲学がぎゅうぎゅうに詰まった遺作。

ネタバレBOX

自分の心の奥底に焼き付いた原風景、トラウマをそれぞれがカミングアウトしながら自我の土台を確認していく場面が記憶に残った。みんなの押しくらまんじゅうを多喜二が眺めながら、「またかけがえのない風景が胸に焼き付いた」と呟く。何てシーンだ。
クライマックス、多喜二が「互いの生命を大事にしない思想など、思想と呼ぶに値しない。」と叫ぶ。凄まじい台詞である。これが井上ひさし氏の魂の根幹にある。
上白石萌音さんはミスキャストのような気が。役者バカ系の女優なので、もっと過剰に要求される役の方が映えると思った。

このページのQRコードです。

拡大