満足度★★★
鑑賞日2019/10/24 (木) 21:00
座席F列10番
難しい脚本ですね。役者の方々も、どのような解釈で演じるのか、役作りが極めて難しかっただろうと推察いたします。特に、校長(シスター・アロイシス)が最後に発するセリフは、この舞台の集大成ともいえるもので、どのような意味で、心情で発するのかについて、演じた眞野あずささんと演出の大間知靖子さんとの間で、どのようなやり取りがあったのか興味あるところです。
舞台では2つのフリン神父の説教が挟まれます。冒頭では「確信と疑いがいかに人間同士の絆になるか」中盤には「噂というものが、いかに罪深い行為か」という説教。前者はこの物語に通底する信仰と疑惑との類似と相違を示唆し、後者は不寛容であることがいかに取り返しのつかない事態を及ぼすか(神父のしんじょうを代弁する意味で)を提示してくれます。
私は当初、校長と神父の激烈な議論でラストを迎える、ある種法廷劇のような展開を予想していました。
話の展開がうまいなあ、と思ったのが、物語の進行にともない、おそらく観客の大半にどんどん開明的で優しさに溢れる神父に肩入れをさせていくという展開です。それを促進するのは、シスター・ジェイムズであり、黒人生徒の母であり、そして何よりも頑なで不寛容な校長の態度です。そして、観客は神父の抵抗、逆襲を心待ちにするのですが、、、、