満足度★★★★
弁護士一家殺人事件や地下鉄サリン事件等、あの歴史的にも最悪の大事件。
主人公は、このどちらにも直接関わった犯罪者であり死刑囚。
この主人公を如何にも悪人顔の方ではなく、むしろ優し気で繊細な印象を受ける役者さんが演じており(おそらく実在の人物を特定していないのでしょう)これは既存の先入観や作品全体のイメージに独特の影響を与えていたと思います。
その当時の記憶を辿る精神的なところがメインに描かれ、何故に彼等はこんなにも凶暴で大それた行動をとってしまったのか、決して一般人とかけ離れた境遇でも性格でもないのに。
心の中にぽっかり空いた穴をとんでもない「教え」で占領されてしまった人のコトバが折り重なり、当時読んだ記事やテレビの映像をだぶらせながら見入っていました。
どこかアノ教団とはまた違った世界のような雰囲気も感じます。
照明もセットのひとつであるかのよう、舞台の表情を様々に変化させていました。