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想稿 銀河鉄道の夜

想稿 銀河鉄道の夜

ことのはbox

新宿シアターモリエール(東京都)

2018/10/10 (水) ~ 2018/10/14 (日)公演終了

満足度★★★

十分に楽しめる作品でした。

DVDも購入して振り返り拝見しましたが、
「銀河鉄道の夜」という作品を無理に現代に解釈する事無く、
どこか「当時はこうだったのかもな」と思わされる味わいが印象的でした。

また歌唱部分も非常に真っすぐで、登場人物達の素直な印象が伝わるもので、
原作が持つ純朴な印象を好意的に描いている様でした。
狭い劇場だからこそ、客席も併せて宇宙空間を揺蕩う様で、
幻想的な時間を味わう事が出来ました。

殊類と成る

殊類と成る

劇団肋骨蜜柑同好会

Geki地下Liberty(東京都)

2019/12/05 (木) ~ 2019/12/10 (火)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2019/12/07 (土) 14:00

本当に醜悪なものは何か。
現代版『山月記』は、素晴らしき魂の救済劇。
以下、ネタバレBOXにて。

ネタバレBOX

観劇のきっかけはどこかの劇場で頂いたフライヤー。
あぁ、かっこいいなと思ってよくよく見てみたら、ずっと観たいと思っていた
劇団肋骨蜜柑同好会さんの演劇だったので、半ば強引に土曜休日をもぎ取って
予約。

「12/7は何があっても出勤できません」アピールを聞かれてもいないのに、
毎日のようにして、ついにその日を迎えた。

小田急線の遅延で受付開始から5分過ぎくらいに到着したのだけれど、既に
10人以上の列で、私は13番目(だったと思う)。

例によって例のごとくでほぼ最後尾の端をチョイス。
適度な傾斜と段差のおかげで前の人の後頭部も全く気にならず。
舞台美術も一望出来て、個人的にはとっても快適。

期待を裏切らない傑作で、ホントは台本読んで、じっくり理解してから感想も書きたいところだけれど、劇中でマサシも
「何もかも理解する必要ない」
みたいな主旨のことを言っていたので、その言葉に甘えて、今回はさっくりと書いてみようかと。
言葉として形にすることの怖さも、本作では示唆していたし、実感としてもあるので。

演劇って不思議なもので、たまに
「これって私に向けて書いてくれました??」
っていう演目に出会うことがある。

どの演目でも共感できる部分というのは多かれ少なかれあるんだけど、そう言うレベルではなく、
もっと、醜い自分に対して、あるいは閉ざしている自分に対して、その扉をバーン!っと開けて、
「いいから、これ観て目覚ませよ!」
と言われてるような感覚に捕まる時がある。

そういう演目は観ていて辛い、、、というか、観ているときはそこまででもないけど、
帰りの道中で辛くなるし苦しくなる。

けれど、それは全く不快なものではなくて、
何というか、見えていなかった自分の姿が見えるというか、霧が晴れてゆくというか、
そう言うある種の爽快感を伴う。

本作は私にとってはそうした演目の一つで
今の自分が観るべくして観ることになった感がある。
こういうタイミングはある意味、神がかっていて気持ちが良い。
これについては「何者かに操作されている」のだとしても、個人的には全然アリだなと思う。

「山月記」をモチーフとする本作。
「山月記」では主人公は人から虎へと変身してしまうが、本作では、むしろ虚勢を張って
本心に帳をかける人間をこそ醜悪なるものとして定義する。

年齢を重ねて、社会に出ると、誰しも自分のあるがままに生きていくことは難しくなる。
社会というものに適応するためにそれはある程度必要なことではあろうが、そう言うものの
悪しき到達点というものを感じてしまった。

「今、自分は『外向きの自分』を演じている」という自覚があるうちは良い。
けれど、ナカヤマの様に、
「自分が自分でないような感覚」
にまで達し、さらには別の何かに上書きされてしまうと言うのは、背筋が寒くなる思いがした。

私自身は自分が何者か分からなくなると言う感覚は味わったことがない気がする。
けれど、今の自分というものがいかにして形成されたのかと言うことに関して、これまでは、
人生経験を積み重ねてきた上での結果と思ってきたけれど、私自身が無自覚のうちに、私自身を
上書きしてしまっているのだとしたら、、、そう思うと、自分は果たして何者なんだろうか?
と言うところにつかまってしまい、そら恐ろしさを感じてしまう。

言葉もまた然り。

コミュニケーションにおいて言葉は非常に重要であることは、改めて言うまでもないことだけれど、
思っていることを正確に言語化するというのは、意外に難しい。

言葉を重ねれば重ねるほど、伝えたいことからかけ離れていく。
本人にその気がなくても、自分の思いが言葉に変換されたとき、実際よりも重く、あるいは軽くなって
しまうこともある。

自分が作り上げた虚像を維持するために、嘘に嘘を重ね、最後には本当の姿が、嘘で塗り固められて
しまう。

サンゾウはその才能ゆえに、下りのエレベータに乗ってしまった感はある。
けれど、私のような凡人も、彼のようにエレベータに乗ってしまう可能性は十分にある。

それを回避するにはどうすれば...と考えてしまうところにも罠がある。
その思考の迷宮に入り込むことによって、やはり、闇落ちしてしまう可能性は否めない。
私自身、そうした領域に半歩足を踏み入れいている感があったので、正直、戦慄した。

鬱病を患ったサンゾウにマサシはこう答える。

人生は誰かの敷いたレールに乗っているようなもの。
ただそこに揺られていればいい。
けれどそれに疲れたときは途中下車すればいい。
流れに任せて、理由なんて考えないで過ごしていればいい。

あぁ、そういうものか、とマサシのセリフを聞きながら思ったし、何だか救われたような
気がした。
今の私に欠けている視点を見せてもらえた気がした。
私、マサシ大好きです。
日下部さんの演じるマサシは、何だかすごくリアルな適当加減で素晴らしかった。

私にとって、この演劇は、きっと生涯を通して、ともに歩む存在であってくれる気がする。
冷たい雨が降りしきる中、この日は劇場に足を運んだが、終演後は雨も上がっていた。
何だか、何もかもが、私のためにこの日を企画してくれたんじゃないかと思えるような
そんな素晴らしい時間を過ごさせて頂いた。

さてさて、ここからは印象に残ったあれやこれやについて。

Twitter等の感想を拝読していると、本作は肋骨蜜柑同好会さんの作品の中では、分かりやすい
部類に属するらしい(私にはこれでも十分難しいなと思ったんだけど・・・)。
エンタメ色も強いという意見も散見されたが、私にとってはかなり硬派に感じられた作品。

上手く表現できないけれど、演劇という土俵で、真っ向から勝負を挑んできているというか、
「演劇って言うのはこういうものなんだ!」という強い意志を感じたというか。

ストイック…とも少し違うのかな。
原理主義的というのか、うーん、分からない。

分からないんだけれど、私はこの骨太な感じが、すごく心地よかった。
視聴覚的に派手な演出があるわけでもなく、効果音に至っては、役者の皆さんによる声での
表現。
あまりお目にかかったことのないタイプの演劇だったけど、私は大好き。
ちょっと中毒性があるタイプの演劇な気がする。

上演時間は確か125分とかだった気がする。
私にとっては2時間越えって、結構苦手な長さだったりするんだけど、退屈することは一切
なかった。
テンポも私にはちょうど良かったなー。

印象に残っているシーンはたくさんあるんだけど、一部を挙げるのであれば、ウナギをお土産に
買ってくるところのくだりだろうか。
あの場面は怖かった。ほんとに怖かった。
タビトがサンゾウに馬乗りになって殴打しまくるシーンは、まさしく、水を打ったように場内は
静まり返った。

同時に林揚羽さん演じる黒猫の仕草の素晴らしさ。
猫を飼っている私としては、ちょっと衝撃だった。
タビトと対峙した時のあの緊張感、そして、そのあとサンゾウに寄り添う姿。
あれはまさしく猫そのもので、私の脳内に鮮明に焼き付いている。

もう一つ印象に残っているのが、最後の病室での診断のシーン。
ナカヤマがタカコと共に診察を受け、横にサンゾウが虎のごとく控えている。
この時の室田さんの迫力がものすごい。
抑圧されてきた本能がまさに牙を剥いて、今にも襲い掛からんとするあの殺気。
びりびりと圧力すら感じられるような凄まじい空気感。
セリフと相まって、忘れられないシーンだった。

まだまだ、あるなぁ、どうしよう。
あとちょっとだけ。

動物園のシーンも素晴らしかった。
ナカヤマとサンゾウが走りながら語るセリフは、山月記の一説であったように思うけれど、
あの場面の疾走感と、演出がとても良かった。
川にたどり着き、水面をのぞき込む場面は、戦慄の一言。

そして病室。
フカダ、クギモトの友情。タカコの愛情。
この時の塩原さん、森さん、嶋谷さんの演技がすごく素敵だった。
全体的に、低温で進行する本編にあって、暖かい空気を生み出すこのシーンはホントに良かった。

そして、ついに上に揚がるエレベータ。

「上へ参ります」

このナースのセリフで、何だか私の気持ちまで一気に解放された。
あぁ、ようやくこの時が来たのか、と。

そして、最後の花見のシーン。
あぁ、良いなぁと思って観ていたところで、フジタさんの桜吹雪。

もう大号泣。
声を出さずに泣くのに苦労した。
演劇史に残る屈指の名シーン。

この花見のシーン、私はナカヤマサンゾウの夢の中での出来事、あるいは旅立った後の出来事ではなく、病気を克服し、詩人として見事に開花した後の出来事だと解釈している。

だって、エレベータは上に揚がったんだもの。
願望ではなく、そうなんだと私は確信している。

帰るときに、脚本を書かれたフジタタイセイさんがおられたので、少しだけご挨拶とお話を
させて頂いた。
『山の中、みたらし』『かわいいチャージ』でお姿は拝見していたのだけれど、念願かなって
ようやくのご挨拶。感無量。
お話の中で、肋骨蜜柑同好会さんでは、毎回、ちがったテイストで公演しておられることを
うかがった。
私は『殊類と成る』の作風が大好きだけれど、フジタさんの中にある、また違った世界を
もっともっと観たいと思った。

今回の感想は思いつくままにサーっと書かせて頂いてしまったので(いつもそうか)、全ての
役者様について言及してはいないのだけれど、どの役者様も、力強く、骨太な演技で、すっかり
引き込まれました。
私にとっては、生涯、忘れえぬ作品になりそうです。

ずっと共に歩んでいける作品に出会えて幸せです。
劇団の皆様、役者の皆様、素晴らしい舞台を本当にありがとうございました。
汚れた世界

汚れた世界

無頼組合

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2019/12/06 (金) ~ 2019/12/09 (月)公演終了

満足度★★★★★

とても面白かったです。汚れた社会に抗い、自分を犠牲にして戦う主人公の姿がカッコ良かったです。そして、現実社会とリンクする部分が多数あり、考えさせられる内容でした。役者さん達の熱演も良く、それぞれのキャラクターも良かったです。スピーディーな展開で目が離せず、ラストは涙腺が緩みました・・。大満足の舞台でした!

汚れた世界

汚れた世界

無頼組合

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2019/12/06 (金) ~ 2019/12/09 (月)公演終了

満足度★★★★

まさしく、気づきたくない・知りたくないと思っている現実にも匂ってきそうな話。私もわかっていても気づかずにいたい方なのだが、その辺りをズキズキ突っ込まれているような気がした。きな臭い話でも女性陣が華やかさを出していたり、ちょっとした遊びがあったりできついばかりではなかったのは有難かった。

ネタバレBOX

不思議なのだが、軍が自分たちの都合の悪い事をカメラに収めさせるだろうか?秘密裏にということに同行させるだろうか?それを映したフィルムを没収又は消去しなかったのはなぜだろう?さらに群の友人という事実に、彼も反対分子としての疑いを持たなかったことも不思議である。
ふしあわせ。

ふしあわせ。

インプロカンパニーPlatform

ワーサルシアター(東京都)

2019/12/04 (水) ~ 2019/12/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

12/4初日のセイジャの行進、9日の同作品を観てきました。主人公石巻遥菜扮するスヴェンが、村長ニョルズと共に村の団結力を高める話。毎回、討伐する魔物が違うので、何回でもたのしめて、誰にも結末は分からない醍醐味がある。もう1回見たかった作品。12月15日まで、八幡山ワーサルシアターにて

Butterflies in my stomach

Butterflies in my stomach

青☆組

アトリエ春風舎(東京都)

2019/12/08 (日) ~ 2019/12/17 (火)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2019/12/08 (日) 18:00

 素晴らしい舞台だった\(^_^)/~~。観るべし!主宰で作・演出の吉田小夏が、女性ユニットOn7の旗揚げ公演の元々はリーディング用に書き下ろした戯曲で、その後、さまざまな形で上演された作品を「本家」で上演する。とある女性の7歳から77歳までを7人の女優で描くというのはありうるアイデアだが、吉田の戯曲は丁寧で細かく、しかも、人生のさまざまな部分での「あるある」を描いて、それは私も経験しました、というようなエピソードに満ちているあたりは巧い。役者陣も、年齢にそれなりにバラツキがあり、容姿もさまざまな人選が見事だ。個人的には、声質の7人の差に気づき、ラジオドラマにしてもよいな、と思う楽しい舞台だった。

365度人生

365度人生

張ち切れパンダ

小劇場B1(東京都)

2019/12/07 (土) ~ 2019/12/15 (日)公演終了

満足度★★★★

観てきた!すげえ面白かった!!
役者の熱量につられて、入り込んでしまい2時間があっという間だった。七子には困ったり切なかったりしながら、でも、いるよな、こういう人。。。うまく生きられない人。
私は共感します。こういう芝居、大好きです!

白と黒の同窓会/忘年会

白と黒の同窓会/忘年会

劇団ドリームプリンセス

新宿シアターモリエール(東京都)

2019/02/08 (金) ~ 2019/02/17 (日)公演終了

満足度★★

2019年の忘年会、の感想を書いた後にこちらにも。

そもそも2018年のこの「白と黒の同窓会」も、チグハグな作品だった様に思う。
原作?企画?が映画からきているものを舞台化したと認識しているが、
ダブルブッキングで…の流れも分からないでもないが、それにしてもフワフワしていた。
役者さん達が納得して作品に入っている様に見えなかった。

白と黒の忘年会

白と黒の忘年会

劇団ドリームプリンセス

新宿シアターモリエール(東京都)

2019/11/02 (土) ~ 2019/11/17 (日)公演終了

満足度

残念な気分になった。

劇場に入るとS席の最前列に10人ほどの観客、
そこから4列ほど空いて(つまりS席が3~4列分売れていない)
そしてある2列のA席(A席の後ろと横にも多くの空席)
私はA席のサイド席で、劇中に数えたら30名~40名ほどの観客。

観客が少ない、それはまぁ仕方がない(それにしてもそこまで少ない舞台も珍しいが)

と思ったが問題はそこからで、
開演の5分前にスタッフからA席の人達に「この列以降の皆さん、2列ずつ前に座って下さい」
との指示が。
そして2列ずつ前に詰めて座るA席の観客…

これで良いのだろうか?

S席の人達はそれ相応の金額を払って前に座る権利を有している。
それを明らかに「見栄えが悪いから詰めて貰おう」という意図のもとに、
A席の人達を安易に前に出してしまう運営の考えていなさ、には驚いた。

そしてS席とA席との間のまだ空いている席に何人かのスタッフが座って埋めていた。

結局、これくらいの認識しかないスタッフが揃っているからこそ、席が埋まっていないのだ、
そんな部分がとてもとても気になって残念で仕方なかった。

作品は個々に頑張っている役者さんもいたが、そもそもA~Cの3チームが同じ舞台で
違う演出作品をやる、という事でセットも最低限のものしかなく、
照明、そして何よりも音響が非常に簡易で(暗転中、ただただ沈黙の空間…もあった)
そもそも観客を集めて観て貰える状況だったのかも今となれば謎である。

舞台『The Great Gatsby In Tokyo』

舞台『The Great Gatsby In Tokyo』

Alexandrite Stage

DDD AOYAMA CROSS THEATER(東京都)

2019/03/13 (水) ~ 2019/03/17 (日)公演終了

満足度★★★★

非常にユニーク。
唯一無二の空気感。
舞台をたくさん拝見しているが、似た作品を観た事が無い作品で独特の空間を堪能しました。

劇場に入った瞬間からパーティー会場に招待された様な雰囲気で、
異空間を十分に演出出来ていて、役者陣も洗練されていてオシャレ。
音楽もセリフもしっかりと作り込まれていて、楽しめました。

レディ・ア・ゴーゴー!! 2019

レディ・ア・ゴーゴー!! 2019

LIVEDOG

新宿村LIVE(東京都)

2019/12/07 (土) ~ 2019/12/15 (日)公演終了

満足度★★

凄く不思議な作品。
前作も拝見しているのですが、今回も結局最後まで掴めないままでした。
個々には良い役者さんもいましたが。

「女の子達が全力で頑張ってるな」は、観た後の観客が自然と思えば良い話で、
「私達、全力で頑張っていますよ!どうですか?全力ですよ!」と、
ずっと言われ続けている(様に見える)作品で、押し付けられている感じでした。

オープニングとエンディング付近の全体のダンスシーンは迫力があり、
ユーモアな振り付けもあり、それは個人的には大いに評価したいと思いました、が…

それと、これは非常に残念ですが開演が13時からの回を拝見しましたが
「役者さんのご家族が遅刻して入ってくる」事がとても多かったです。
恐らく出演者の家族の方が「13時から始まる」と聞いて「13時に来た」というパターンでしょうが、
後から後から「父、母、祖父母、弟か妹」的なメンバーで席に来るのに驚きました。
結局13時10分という10分押しでの開演になり…(10分押しでの開演はかなり異常)
しかもその家族が「〇〇ちゃんが見え易そうな席だわ」とか話していると、
周りの待たされている観客からしたら「〇〇って役者さんの家族なのね」と分かってしまい、
その役者さんご自身にとっても良くない状態になっていたと思います。

このLIVEDOGさんが「Wチームの逆班がスタッフをする」的な事をやっている事もあり、
(結果的に)不慣れなスタッフが多くなっている印象もあり、
誘導などがこれだけ混乱しているのかも知れませんが、
学芸会や発表会ではなく値段をしっかりと取るのであれば、
ちゃんとその道のプロを雇う、そして出演者は家族を呼ぶのであれば
「開演は〇時だけど、15分前には席に着ける様に来てね」など伝えて欲しかった。

凄く印象が良くない部分だけが目立ってしまった作品でした。

スクルージ ~クリスマス・キャロル~

スクルージ ~クリスマス・キャロル~

ホリプロ

日生劇場(東京都)

2019/12/08 (日) ~ 2019/12/25 (水)公演終了

満足度★★★★

市村正親のスクルージ、脚本も音楽も振付(前田清美)も、素直に19世紀半ばの物語を今の観客に楽しませようとしている。演出は井上尊晶、蜷川門下で鍛えた大劇場を見せる技術で古風なミュージカルを、見事にまとめ上げ、首都東京の皇居に近い劇場・日生劇場がよく似合う舞台に仕上げた。
昨晩は開演中に外は雨になった。これが雪だったらなぁ、と天を畏れぬ贅沢な思いにさせるクリスマスキャロルである。

真説 LinKAge~凛国異聞

真説 LinKAge~凛国異聞

演劇ユニットGAIA_crew

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2019/12/04 (水) ~ 2019/12/08 (日)公演終了

満足度★★★

正直に書くと、3時間を超えるこの作品の上演を観ているのはシンドかったです。
間、間に会場をホッとさせようと、お2人の方が口上の様なものを入れたり、
ちょっとコミカルな感じに会場をしようと努力もされていましたが…

役者陣の熱い想いなども分かりますし、役同士の裏切りや状況や心境の変化、
信頼関係などの人間関係を丁寧に描いていたのも分かりましたが、
殺陣などの動きを含めて、もうちょっとクリアに出来たのではないかという感想です。
セットが奥から前にボリューミーで高さもあったので、
殺陣のスペースを確保し辛かったのもあるかもですが。

ただあれだけの長編でしっかりと席を埋めていらして、客席からも熱量を感じられたので、
私の感想の方が、客席全体とズレている可能性もありますが。

365度人生

365度人生

張ち切れパンダ

小劇場B1(東京都)

2019/12/07 (土) ~ 2019/12/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

人生自由気ままでその場限りだと、しっぺ返しをくらってしまいます。面白おかしく、ちょっと切なく、他人事ではない教訓的群像劇でした。反省、反省。

365度人生

365度人生

張ち切れパンダ

小劇場B1(東京都)

2019/12/07 (土) ~ 2019/12/15 (日)公演終了

満足度★★★★

いやー、七子のような人っているんだよね、困ったことに(いねえだろと思える人はラッキー)。下手するとどんどん嫌な話になっていきそうなのに、不思議とそうならないのがこの劇団の面白いところかなと。あと今回は音響もよかった。

BIRTHDAY

BIRTHDAY

amipro

こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)

2019/11/27 (水) ~ 2019/12/01 (日)公演終了

満足度★★★★★

平野良 初演出作品
文字通り、誕生をテーマにした作品。普段は2,5界隈で活躍する若手俳優が「原作つき」の呪縛から離れ役者本人の素直な演技を見ることができました。
役者それぞれへのメッセージのようでもあり、人生の、というか生きているということへの優しくて暖かくてちょっと切ない応援歌のようでした。
平野良の次回演出作品を早く観たい気持ちでいっぱいです!

ゲイジュツ茶飯第6弾&第7弾「タイムトリロジー」

ゲイジュツ茶飯第6弾&第7弾「タイムトリロジー」

さひがしジュンペイのゲイジュツ茶飯

新中野ワニズホール ( Waniz Hall )(東京都)

2018/08/08 (水) ~ 2018/08/26 (日)公演終了

満足度★★★★

超若手による公演、なのかな。演出をするさひがしさんを観てみたくて行きました。が、どの作品も熱気に包まれ粗削りな部分もあったかもしれないけれど充分に楽しめる公演でした。
気になる役者さんもできました!

『粗忽長屋』を読み解く

『粗忽長屋』を読み解く

劇団あはひ

早稲田小劇場どらま館(東京都)

2019/12/09 (月) ~ 2019/12/09 (月)公演終了

満足度★★★★

 2020年2月12日から16日まで下北・本多劇場で打たれる公演「どさくさ(再演)」のプレイベントとして今作は上演され、間に10分の休憩を挟んだ2部構成。(華4つ☆)

ネタバレBOX

パート1では、立川 志のぽんさんの「粗忽長屋」、パート2では漫才師をやりながら大学で講師を務める変わり種・サンキュータツオさんと“あはひ”で作・演を担当する大塚健太郎くん、演じ手の松尾敢太郎くん4人の座談会という形を採るが、「粗忽長屋」を出汁に心理学、比較文化学、意味論、様々な噺家の上演時の同一作品に於ける演じ分け等々が、サンキューさんのシャープで洒脱なツッコミを梃に1部の落語から2部の漫才形式へと実に洒落た転移をしてゆく展開を見せた。現役大学生と、とうの昔に学生を終えた大人の人生経験の差も色々現れ、そういったこと総てを計量して俎上に載せ、この2部構成を1人芝居としての落語から、通常2人以上出演する演劇への架け橋として、2人で演ずる漫才のツッコミ的手法を用いて繋いでいる点も気が利いている。
 ところで2018年に旗揚げしたばかりの“あはひ”が何故本多劇場で公演を打てるのか、不思議に思う演劇ファンも多かろう。実は2019年春の第2回公演「流れる-能“隅田川”より」がCorich舞台芸術まつり春でグランプリを受賞している。これが理由とみた。
足がなくて不安

足がなくて不安

たすいち

サンモールスタジオ(東京都)

2019/12/04 (水) ~ 2019/12/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2019/12/08 (日) 13:00

動物好きなら号泣必至の優しさ溢れるエンターテイメント。
詳細はネタバレBOXにて。

ネタバレBOX

ストーリーについては、後で触れるとして、まずは、それ以外の所から。

とにもかくにもエンタメ性の強い演劇で、見どころ満載。

ゲームやアニメのOPと見紛うほどのセンス溢れるOP。
ああいうスタイルで展開するOPはいくつか拝見したことはあるが、センス、クォリティ共に群を抜く。
あのOPを観れただけで正直、チケット代はお釣りが来るぐらい回収したと思ったほど。
演劇のOPであんなに鳥肌を立てて興奮したことはない。

そして、それを実現させた舞台美術と照明。
まさかあんな仕掛けがセット内に施されていたとは、、、大興奮。

それもさることながら、個人的に素晴らしい仕事をしたなと思っているのが、あの街灯。
点灯、消灯、ゆるい点滅と、状況にあわせて稼働するわけだけど、これがまたね、、、とっても良い雰囲気を醸し出してくれるわけで、日常においても、街灯大好きな私としては、街灯の魅力を余すところなく魅せて頂いて本当にありがとうございます!と言う感じ。

あとはタバコね、タバコ。
ご時世やら、なんとか法やらで、なかなか喫煙シーンも入れづらい昨今だと思うけれど、個人的にはタバコは絵になるから、ルールに則した中で入れ込んで欲しいのが本音。
それを見事に入れて頂いて、私はとっても嬉しい。
あれはもちろんタバコではないんだろうけど、ちゃんと先端が光るようになっているし、紫煙も出るから、見た目にはタバコそのもの。
それをまたね、実に旨そうにすってくれるわけで、もう、最高にカッコいい。

全体的にコミカルでポップなテンポで進行する中、霊能者との対決シーンなどでは非常に緊張感のある空気を作ったり、結婚式のシーンのように泣かせにかかりつつも、それを完全にお涙頂戴に収めず、少し笑える部分を取り込んだりと、その辺りの案配も絶妙だなと思った。

終盤、船出と悪霊たちと対峙するシーン。
この緊張感あふれるシーンからの、人生逆再生への展開は圧巻だった。
単なる逆再生ではなく、そこに加えられる老年期の創のセリフが、何とも言えない温かさを含んでいる。
何だか、もうそれを見ているだけで、聞いているだけで、じんわりと来てしまった。

さて。
ストーリーの方はと言えば。

誠にもって恥ずかしながら、私はストーリーだけに関して言えば、終演後「?」の状態だった。

この作品の魅力の一つにテンポの良さと軽妙な会話があげられると思っている。
ただ、これって、私みたいに頭の悪い人間には少々しんどい。

本編の中で、少々違和感を感じさせるセリフというのはいくつか存在する。
私としては「ん?今のってなんだ??」とちょっと一呼吸置きたいところなんだけど、そんなことを
している間もなく、ガンガン物語は進んでいく。
しかも、会話の情報量が多いから、合間に考える時間などまるでない。

結局、そういう、何だかのどに刺さった魚の骨みたいなものを大量に作りながら、どれも抜け落ちることなく、終盤まで進んでしまい、極めつけはこれである。

「君は犬の幽霊だ」

悪霊、すなわちチノが犬の幽霊であったと明かされたとき、私の頭は真っ白になってしまった。

え?どういうこと???

多分、察しの良い人は、この一言できっとのどに刺さった骨たちが、一気に抜け落ちていくのだろうけれど、私の場合、でかい骨がさらに一本刺さってしまっただけで、軽いパニックになってしまった。

真っ先に頭に浮かんだのは、創が結婚後、飼い始めた犬がチノでその幽霊なのかと思った。
けれど、それだと時系列が全然合わない。

船出やチノのセリフの雰囲気からすると、どうも谷本家とは関係ない犬のようにも思われる。
ただ、これはこれで、色々とつじつまの合わないことも出てくるんだけど、結局、帰りの道中も
頭の中は「?」だらけで、あーでもない、こーでもないと反芻を繰り返す。

結局のところ、終演から30時間近く経った今でも、物語については誠にもって申し訳ないことに、
多分全然理解しきれていない。
とりあえず、今の時点での自分の解釈はチノはやっぱり谷本家で飼われていた犬なんだろうということ。
ただ、それは現在の創、そして、寛史ではなく、もっと昔のどこかの時代の谷本家なんだろうな、と。

要は前世とか転生とかその手のやつで、創の遥か昔のどこかの前世では犬を飼っていて、それが
チノだったのかなと。
まぁ、前世なので必ずしも谷本家である必要はないんだけど、その方がちょっと私の中では
絵になる解釈なので、そういうことにしている。

だから、私の中では、創とありかの子供は何世代目かの寛史である。
もう一代くらい挟んでも良いんだけど、その方が個人的にはちょっと好きなので。

これってもちろん超解釈であることは承知している。
ただ、本編の中で、寛史が創に名前を付ける時に、
「思い出した」と言ってみたり、悪霊とのやり取りの中で
「一回は通る道だと思うんだ。でも創は聞いてこなかった。それは、俺と同じだからだったんじゃ
ないかなって思って」
と言っているのが、どうにもこうにも気になっていて、その辺を軸にして考えると、その解釈が
自分の中では一番しっくりくるかなーって。

もちろん、これはこれで、解決できない疑問が山ほどあるのは百も承知だけど、もう私の中では
これが精いっぱいの解釈。

演劇の解釈は個人にゆだねられているのを良いことに、そういうことにさせて頂いております。
全くの的外れだったら、ごめんなさい、目崎さん。

まぁ、それはさておきである。
チノ・・・というか、動物的な目線で、この物語を追ってみると、台本の文字を読むだけで号泣
できる要素が満載であることに、今更気づく。

チノという犬の出自が何であれ、彼女は捨て子であろうと思う。
それでも彼女は飼い主がいつか迎えに来ることをひたすら待っている。死してなお待っている
のである。
彼女が捨てられた理由は分からない。
けれど、彼女はレイナにこう答える。
「きっと、ワガママだったから、あたしは捨てられたんだよ」

それが本当なのかは分からない。
分からないのである。

本編では猫やシロが人間の言葉を話す。
けれども、それは演出上の話で、彼らの言葉は人間には理解できていない。

「なんか、すげーにゃーわんにゃーわん言ってる」

様にしか聞こえない。

かくいう私も動物と暮らしている。
私と妻、そして二匹の猫と一匹の犬。
私たち夫婦にとっては、大切な家族であり子供であるが、彼らはみな捨て子である。

彼らと同じ時間を過ごしていて、彼らの言葉を理解することが出来れば・・・と思うことは
しばしばある。
犬も猫もいるので、まさに「にゃーわんにゃーわん言ってる」状態は日常茶飯事で、
我々夫婦は、彼らが考えていることを想像でのみ理解して、彼らと接している。

「きっとそうだろう」という想像が必ずしも正しいとは限らない。
言葉を理解しあえない以上、すれ違いは確実に生じている。

チノは自分がワガママだったから捨てられたと思っている。
けれど、この優しい物語の中で、チノはそんな理由で捨てられてしまったとは思えない。
何かやむを得ない事情があってのことだと思いたい(事情どうあれ捨てたことは許せないけど)。

それがチノには伝わらない。
不安を抱かせてしまう。
飼い主の愛情を知ることが出来ないのだとしたら、これほど悲しいすれ違いはない。

成仏できないほどの無念。

うちの子供たちにも、そういう思いをさせてしまうのだろうかと思うと、何とも言えない気持ちに
なった。

劇中、シロが言葉を話すことはあまりないのだけれど、

「いつだって一緒にいたかったよ」

という言葉。
ストーリーを理解できていなかった観劇当時も、この言葉には泣かされてしまった。

シロが旅立った後、創はチノにこう語る。

「あの子はずっと一緒にいてくれたんだよ。ありがたいことにね」
「自分のことでいっぱいで、一緒に入れない時間もたくさんあって…」
「幸せだったかな」

私はもうこのシーン、胸をひどく抉られた。
そうなんだよなー…ほんとにそうなんだよ。

今、私がこうやってPCに向かってせっせとこの感想を書いている間、うちの子たちは
妻に襲い掛かって、毛まみれにしているところだと思うけれど、私も妻も不在の時は、
犬も猫もケージの中である。

うちの犬は妻が拾ってきたこともあって、妻といる時間の方が長いのだけれど、女の子
だからか、間違いなく、私の方が好かれている。
本当は、私ともっと時間を共に過ごしたいのかな、などと思うと、なんだか、どうにも
なんとも、かんともな気持ちになってくる。

猫もシロも旅立った後、猫が幽霊になってチノと一緒にいることを知った創は言う。

「・・・いいなぁ、幽霊」

私も同感である。

この猫とシロの旅立ちのシーン。
非常に印象的な演出である。
この優しい描写に、書き手の人間性が強く表れているような気が私はした。

まぁ、他にも書きたいことは満載なんだけど、ちょっと収拾がつかなくなりそうなので、
強引にここで切って、登場人物と役者の皆様の振り返りなど。

◎谷本家
細田こはるさん、ニュームラマツさん、鳥谷部城さん、小太刀賢さん
瀧啓祐さん
熊坂真帆さん
中村桃子さん
小林駿さん
園山ひかりさん

愛情あふれる家族だなぁ。ほんとに素敵。
ちょっと頼りないお父さんに、どっしり構えたお母さん。
なんだかんだで仲の良い兄妹に、家族の一員たるわんこ。
そして、新たに谷本家の一員になるしっかりもののお嫁さん。
サザエさん一家的な温かい家庭で、観ているだけで優しい気持ちになれました。

細田さん、まさかの少年役。でも、とてもお似合いだった。
元気いっぱいのあのテンションは、やっぱり細田さんならではでニヤニヤしながら
拝見しておりました。

インパクト大の青年期はニュームラマツさん。そして同じ時代を過ごすシロは小林駿さん。
このお二人で印象的なのは、失恋後の部屋で一緒に過ごすくだり。
テンション高めのシーンが多いニュームラマツさんだったけれど、とてもしっとりとした
印象深いシーンでした。

麗花役の中村桃子さんは、このシーンでも絡んでくるんだけど、ドア越しの二人の会話が
すごく好きでした。
なんだかんだでお互いを思いやる優しい兄妹。

この兄妹の関係性が、私はとても好き。
ブラコンでもシスコンでもない。適度な距離間の仲の良さ。
父の葬儀の時のやりとりがなんだかすごく印象的でした。
壮年期を演じた鳥谷部城さんとの絡みになるんだけれど、父の死に対する兄妹それぞれの
温度差。
鳥谷部さんの語り口はとてもやさしくて柔らかい。
彼の見解は、麗花にとってはひどく冷めたように感じられたのかもしれないけれど、私は
ちょっとわかる気がしたかな。
ああいう見送り方が出来るのって、幸せなことだと思う。

母親である奏を演じられた熊坂真帆さん。
「母性」を象徴するような役柄。おおらかで、芯があって、懐の深いその所作がとにかく
印象的。
優しくも強い母であるが故に、病気のシーンは切なかったです。
息子を前に気丈にふるまう奏。
なんかその姿だけで、じんわり来ました。
奏での死後、チノのもとを訪れた寛史が帰るときに、それを待っていた奏。
セリフはないんだけれど、色んな示唆に富んだシーンで、何だか胸が締め付けられました。

寛史を演じられた瀧啓祐さん。
こわっぱちゃん家での公演では見かけなかった役柄で、意外に思いつつも楽しく拝見させて
頂きました。少年時代すごかったー。
でも、子供たちに寄り添うすごくいいお父さん。
父というよりは男として息子に接する姿が、すごく好きだったなぁ。
私は人間の父親になる予定はないけれど、もしもなるんだったら、子供にはああいう接し方を
したいな。
真骨頂は死ぬ前にチノと交わす会話。
この二人の会話は、どの場面も好きでした。
なんか、お互いに、答えを知ったうえで話しているというか、そんな緊張感のあるやりとりが
見ごたえありました。

須本ありかを演じられた園山ひかりさん。
こんな先輩がいたら、そりゃ、惚れるよなぁ。
「私の代わりに、読んで感想を聞かせてほしい」
とかちょっとずるいほど、パンチあるよね。俺も文芸部はいるわ。
印象に残っているのは、やっぱりプロポーズのシーンかな。
会場の空気、めちゃめちゃ温まった。
フィクション史に残る珠玉のプロポーズシーン。
なんか園山さんはありかを演じているというよりは、ありかそのもののような感じがしました。
はまり役っていうのは、こういうのを言うんですかね。

さて。
老年期を演じられた小太刀賢さん。
なんでしょうね。ちょっと言葉にしがたい素晴らしさだった。
鳥谷部さんもそうなんだけど、小太刀さんもまた、語り口がすごく心地よいんですよね。
劇中、老年期の創がちょいちょい出てきて、回想をするんだけど、そのシーンのたびに、
何だか安心してしまうというか、うまく表現できないけれど、心が穏やかになるような
そんな感じでした。
シロと絡むシーンは、どれも素敵だったなぁ。そして、そのたびに泣いてました、私。

◎幼馴染たち
大和田あずささん、布施知哉さん

いわゆる腐れ縁三人衆だけれど、この3人の関係性ってすごくいいなって思う。
私もこういう腐れ縁が欲しい。
蓮を演じた布施知哉さん、なんていうか「腐れ縁」な感じが本当にすごく良かった。
腐れ縁な感じってなんだ?って話だけど、お調子者感というか、そういうのがすごく好きだった。
この3人が集まっているシーンって、どれも楽しくて好きなんだけど、一番好きなのは
結婚式の後のやりとりかな。さっぱりした感じが大好き。

藍子役の大和田あずささん。
まさか生まれた直後から壮年までを演じられるとは。
赤ちゃんの時の創にパンチするシーン。大好き。
藍子もすごくいい子なんだよなぁ。
考えてみれば創っていうのは、とても幸せな人だなって思う。
初恋の人と結婚し、生まれた時から一緒に過ごしている親友がいるなんて、なかなかあるもんじゃない。
藍子と創の関係性で素敵だなって思うのは、愛だの恋だのが絡んでこないこと。
まぁ、読み取り方によっては、そういうのを感じる描写もあることにはあるんだけれど、私はあえて
そこは無視。
この二人にはね、そういう愛だの恋だのといったところをはるかに超えたところで繋がっていてほしいなって思う。男女間の友情は存在する派なので、私。

◎霊にまつわる皆様
大森さつきさん、中野亜美さん、中田暁良さん、永渕沙弥さん、白井肉丸さん

まずはレイナさん演じる大森さつきさん。
おキレイでしたね~。霊にまつわる皆様に共通することだけど、衣装がすごくお似合いなんですよね。
今、パンフを見ていて気付いたんだけど、衣装はなんと永渕さんがご担当なのでしょうか。すごい!
浮遊霊という設定どおり、軽やかに舞うような所作。素敵でした。
でも、レイナも霊ではあるので、前世では結構、ひどいめに遭ってたんだろうなぁと思うと、ちょっと切ない。

そう思うとね、中田暁良さん演じるマモルにもちょっと思うところはあるわけです。
彼は悪霊だけあって、本当に悪いやつなんだけど、彼にもまた悪霊になってしまった理由というものがあるわけで、彼の孤独を思うと、同情できる部分はあるのかなという気も。
ただ、この作品は、全編になんともいえない優しさが漂っているから、完全に悪役であるマモルもどこか、ちょっと憎めない部分があったり。
ちなみに私はキャラ的には、マモル大好きです。
衣装もかっこいいんだけど、やっぱりあの所作がね。真似したくなっちゃう。しないけど。

猫を演じられた中野亜美さん。
さっきも触れたとおり、私は本編のストーリーに関してはあまり理解できてません。
なぜかと言えば、繰り返しになるけど、頭が悪いうえに、テンポが速くて理解が追い付かなかったから。
そして、もう一つの理由は、猫に夢中で、ところどころ会話に集中しきれなかったから。
いや、ホントにびっくりしました。
「え、あれ、もう猫じゃん!?」
っていうくらい猫。
私、人間があんな風にしなやかに、軽やかに、音もたてずに動ける生き物だなんて知らなかった。
見惚れました。脱帽です。
人間の動きであんなに感動したのは、ジャッキー・チェンの酔拳以来かもしれない。
役どころも良かったですね。
チノのことが心配で、幽霊になってしまうくだり、ちょっとホロリとしてしまった。
チノと猫、レイナのガールズトークはどれも好きだったなぁ。

霊能者、船出真理を演じられた永渕沙弥さん。
最高にかっこよかったですね。
煙草を吸う女性って好きなんですよね。絵になるし、かっこいい。
そして強い。
最初にチノと対峙するシーンで、やり合う準備をしていないと言いつつ、チノと同等以上の
力を見せつけるんだけど、この辺の見せ方が、憎いばかりに素晴らしい。このシーン大好き。
永渕さんの演技も素敵なわけですよ。
ああいう姉御っぽい語り口、大好きなんですよね。声にも力強さがあるし、芯もあるから、すごく似合う。
もうなんてったって、この人の最大の見せ場はやっぱり最後のシーンでしょう。
「駄目だ。許さない。親になるんだろ!」
っていう叱咤は震えた。
このセリフだけじゃないんだけど、このシーンでのビリビリとした緊張感は、永渕さんの演技あっての
ものだと思う。いやー、もう、このシーン全般、ホントぞくぞくした。

悪霊、いや、チノを演じられた白井肉丸さん。
私にとって、この物語の主人公はチノ。
チノのセリフで一番印象に残っているのは何といってもこれ。

「呪い、まだ必要ないよやっぱり」
「あたしだって忘れてたのに」

これねー…
なんかもう書いているだけで泣きそうになる。
この言葉を創から聞いたとき、チノはすごく幸せだったと思うんですよね。
捨てられた、言い換えれば、忘れ去られたことに対して、強烈なトラウマを持っているだろうチノが、
自分から言い出したにもかかわらず忘れていた約束を、大切にしている創から聞けたことは、彼女に
とっては驚きであると同時に嬉しくもあったんだろうなぁと思う。

チノと創の関係性の移り変わりは、この作品の見どころでもあるんだけど、そのちょっとした温度差に
少し切ない思いはあったかな。

彼らの思いって、なかなか一致しない。
一致しないというか、すれ違ってしまうというか。
別のシーンで、創がチノの存在をありかに話してもいいか質問するシーンがある。
創にとって、チノというのは、家族や親友に並ぶような存在になっていたんだと思う。
だからこそ、その存在を、同じく大切にしているありかに知ってもらいたかったんだと思うんだけど、
チノにとっては、その思いはともかく、そういう形で表現されることを求めてはいなかった気がするんですよね。

本編の始めの方で、子供時代の創に対して、
「創、君は私のものだ」
っていう言葉。
チノはこの言葉を、特に意図なく使ったんだと思うけれど、創にとっては、ある意味、呪いのごとく、
この言葉は刻み込まれて、ずっと、それを忘れずにいたわけで。
なんか、もどかしいというか、むずがゆいというか、心地よくもあるというか、そんな感覚が、
終始、彼らの間にはあったように思う。
そういえば、書いてて気づいたけど、なんで、チノはこの時点で創の名前を知ってたんだろ?
んー…まぁ、いいや、後でゆっくり考える。

そういった、チノの心中の揺らぎのようなものを、白井さん、とても見事に繊細に表現されていたよう
な気がする。
色々と思い出すだけで、ちょっと泣けてきますな。
素晴らしかった。

◎脚本・演出
目崎剛さん

目崎さんの書かれた演劇を拝見するのは先日の『いまこそわかれめ』に続いて今回が二本目。
『いまこそわかれめ』もそうでしたが、今回も完全にお話を理解しきれませんでした。
せっかく作って頂いたものを汲み取り切れず、申し訳ない思いです。

けれども、全編に優しさの漂う作品で、これが目崎さんの世界なのかなと思っています。
観劇から数十時間を経てしまいましたが、ようやく、少しずつ、染み込んできました。

心に残り続ける作品をみせて頂いたと思います。
劇団の皆様、役者の皆様、素晴らしい作品を本当にありがとうございました。
落花する青

落花する青

劇団亜劇

中野スタジオあくとれ(東京都)

2019/11/28 (木) ~ 2019/12/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

最終日観劇しました。同時公演のリリーも拝見しましたが、両方よかったですね。こちらの作品も人の権力やそれに抗おうとしない大人たちへの高校生の葛藤が分かりやすく、しかし情熱的に演じられていて迫力ありましたね。狂気じみた先生役の演技も、主役の女子高生お二人も素晴らしい演技だったと思います
次回作も期待ですね。

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