最新の観てきた!クチコミ一覧

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逆光が聞こえる

逆光が聞こえる

かるがも団地

新宿シアタートップス(東京都)

2025/04/24 (木) ~ 2025/04/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/04/27 (日) 17:00

嫌〜〜〜〜〜〜〜と叫びそうなことが何回もあった。被害も加害も身に覚えのあることしかない。嫌〜〜〜〜〜〜!!!共感性羞恥というより共感性嫌悪???

東スPO 2025

東スPO 2025

東葛スポーツ

シアター1010稽古場1(ミニシアター)(東京都)

2025/05/15 (木) ~ 2025/05/19 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/05/18 (日) 18:00

ヤバいヒップホップコンサート。私生活実録ラップ路線の総決算となる締めくくりのEP。
新戦力の川合凛は強力な武器になりそう。アンゴラ村長の演劇進出も大成功。FUNIは役者として舞台に「沈」んでいた。
シアター1010稽古場1にいっときの別れを告げ、来年初頭の東京芸術劇場ではどのような新作を持ってくるのだろうか。

アタラント号・サマーベッド・浮遊

アタラント号・サマーベッド・浮遊

端栞里と高熱

早稲田小劇場どらま館(東京都)

2025/05/09 (金) ~ 2025/05/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/05/11 (日) 18:00

すでに端栞里と創作した実績のあるヅッカのマツモトタクロウ氏南極のこんにち博士に加え、映画監督の川上さわも作演に参加。

川上の「プリ帳」は音響照明の変化が少なく苦痛なところもあったが、カメラを使ったアイデアは楽しい。

マツモトの「ボレロ:東京」はわかりやすいループ構造で、ずっと鳴り続けるボレロが通奏低音となり心地よいが、ずーっと走り続ける端がかわいそうとも思った(笑)

こんにち博士の「浮遊せよ」は90年代サブカル×オカルトブームの臭さがとても良い。

バイバイ、ぽんぺちゃん。

バイバイ、ぽんぺちゃん。

:Aqua mode planning:

イズモギャラリー(東京都)

2025/05/22 (木) ~ 2025/05/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

シュールでコミカルで。セリフも秀逸!めっちゃ良かった〜

湿ったインテリア

湿ったインテリア

ウンゲツィーファ

早稲田小劇場どらま館(東京都)

2025/05/19 (月) ~ 2025/05/27 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/05/25 (日) 19:00

リビングの世界に引き込まれ
もし自分だったらとか
セリフで家族のことを考えたり没頭し、
赤い糸の刺繍された衣装が可愛かったです。

穴熊の戯言は金色の鉄錆

穴熊の戯言は金色の鉄錆

MCR

ザ・スズナリ(東京都)

2025/05/21 (水) ~ 2025/05/28 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/05/25 (日) 14:00

何というピュアなラブストーリーだろう。
登場人物の唯一無二のキャラと怒涛の叫び、そして不意打ちの切なさ。
MCRを頭から浴びた満足感。

ネタバレBOX

舞台は奥に向かって3段階に上がっていく。
モノクロの背景に長方形の箱のみ。

手術のできない脳腫瘍で入院中の男、小野君。
病気のせいで妄想と現実の区別がつかず、ちょっと困った患者のようだが
優しい看護師の女性が傍についてくれている。

もはや回復は見込めず、ぼんやりすることが多くなった小野君。
「立っていられないほど泣いちゃうからお見舞いに行けない」という同級生。
「私のことを看護師さんだと思っているんです」と見舞客に説明するゆかりちゃん。
そうか、あの看護師さんはゆかりちゃんだったのか、と判った瞬間の切なさ・・・。

高校時代のエピソード、ゆかりちゃんとの結婚、コンビニのバイト、そして脳腫瘍。
これ以外は小野君の妄想の世界かもしれない。
ラストで私たち観客は、ここまで小野君の妄想を一緒に見ていたのだと気づく。
そしてどの妄想も、小野くんとゆかりちゃんが幸せになるために描いた夢だった。

「手を握る」という行為がひとつのキーワードになっている。
現実と妄想の区別をするために、本当の自分の気持ちを確かめるために、
小野君にとって大事な必須の行為だ。
高校の授業中に告白された時と、今 死が近づいている時。
大事な時はいつもゆかりちゃんの手を握って確かめる。
大丈夫、これは現実だ、これが幸せだ・・・、その行為が彼に心の安定をもたらす。

高校の授業中の怒涛の告白と堀先生のやり取りが秀逸。
あの台詞の聴きとりやすさと絶妙なタイミングはMCRの真骨頂だ
帯金ゆかりさんの周囲を見ない一途さと、堀先生の必死さが素晴らしい。
堀先生は見る度に成長して(体格が)ほっぺぷるぷるに磨きがかかっている。

あり得ない設定と展開にケラケラ笑っていると
最後の方「ゆかりちゃんの漫画」のくだりで、夫婦の互いの思いに泣かされてしまう。
何だよ、櫻井さんってこういうの書くんだっけ?
と思いながら泣いたのだった。

殺し屋の男が社会的にもきちんとしていて、とても素敵なのが面白かった。
高低差のあるセットで、時空を飛び越え場面を切り替えるイメージが
とても解りやすい。
胡散臭い宗教だか自己啓発だかの勧誘が出て来るところと、
日常の中にすうっと「殺し屋」が出て来るところが、MCRっぽくて好き。
そしてやっぱり、あの「手」のシーンが忘れられない。



チョコレイト

チョコレイト

キルハトッテ

小劇場 楽園(東京都)

2025/05/21 (水) ~ 2025/05/25 (日)公演終了

実演鑑賞

僕は初見の団体でした。チラシや舞台美術から「ポップ過ぎないポップさ」というか、ちょいズラしたポップ(を狙っているように見える)を感じます。レトロといえばそうかもしれないし、やや内向性を感じるポップ。本編は、登場人物もさほど多くなく、上演時間も90分。ストーリーも難解ではなく、小劇場で見るには程よい「見易さ」がありました。それでいて「あまり言いきらない(特別な結論を求めない)」作風は、想像力が介入する余地もあり、演劇らしいポイントだと思います。

ネタバレBOX

結婚式を来週に控えた、婚約済みの若い男女が、劇中に起こるアレコレから「結婚とは何だろう?」と、恋愛&結婚について再考する物語…と捉えました。劇作家が述べる「ロマンチック・ラブ・イデオロギーへの懐疑」は、正に創作の根底にあったテーマだと考えます。恋愛観や結婚観は時代と共に目まぐるしく変化しますし、このテーマも多くの人に届き得る汎用性の高いものと言えるでしょう。

そして、小劇場界隈では恋愛をメインテーマに据える作品が極端に少なく、そういう意味でも希少性が高いと感じました。
バイバイ、ぽんぺちゃん。

バイバイ、ぽんぺちゃん。

:Aqua mode planning:

イズモギャラリー(東京都)

2025/05/22 (木) ~ 2025/05/25 (日)公演終了

実演鑑賞

面白かったです。

穴熊の戯言は金色の鉄錆

穴熊の戯言は金色の鉄錆

MCR

ザ・スズナリ(東京都)

2025/05/21 (水) ~ 2025/05/28 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

登場人物のキャラが濃すぎたり、会話がチグハグで現実感がなかったり、物語の展開も(どうしてそうなるのかの)説明が省力されていて雑な感じを受ける。チラシの下方に《これはフィクションなので...》と記されている通り、全くの作り話、究極のフィクションだと感じる。

だが終盤になって全編嘘っぱちのこの物語が大きな意味を持ってくる。「愛」という名の真実が提示されるのだ。ありえない物語だからこそ、このシーンがより詩的で美しい情景に昇華したように思えてならない。

バイバイ、ぽんぺちゃん。

バイバイ、ぽんぺちゃん。

:Aqua mode planning:

イズモギャラリー(東京都)

2025/05/22 (木) ~ 2025/05/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

なんとなく実験的なステージ?トークが劇中に挟み込まれるのは初めて観ました。芝居の方は細かな設定はよくわかんないけどシュールでちょいとシリアスなSFで実に私好み。何事にも動じないような主宰がイイですね。

図書館より愛をこめて

図書館より愛をこめて

劇団傘泥棒

吉祥寺櫂スタジオ(東京都)

2025/05/23 (金) ~ 2025/05/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ちょっとミステリー風の青春群像劇、よかったです。とーとつな展開に驚きましたが、山野莉緒氏の世界観は健在のようですね。

図書館より愛をこめて

図書館より愛をこめて

劇団傘泥棒

吉祥寺櫂スタジオ(東京都)

2025/05/23 (金) ~ 2025/05/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 板センターに客席側に本をびっしり並べたカウンター。上手、下手の側壁近くに背の高い本棚がある。センターのカウンターは場面によってここが喫茶店・レーテ(ギリシャ神話に出てくる冥界の川、その水を飲むと前世を忘れるという)の店内になるから。本が並んでいるのは、図書館にもなるからである。尺は約100分。

ネタバレBOX

 物語は、司書を務める白石 知栄が傘も差さず歩いていた馬淵 碧(高3)を気遣って自分の傘を譲ったことから始まる。その際菜種梅雨の話をし春は雨が結構降るから傘は持って居た方が良い等のサジェゼッションもしたが、碧の様子を見て「行く所が無いなら図書館へ行くといい」と話してもくれた。知栄の観察は正しかった。碧は学校、家に居場所を失い彷徨っていたからである。
 後日、雨の日に碧は図書館へ行ってみた。そして働いている知栄に会った。傘を返そうとする碧に対し知栄は読書が苦手だった碧にその手解きをし、お勧めの本を紹介してくれた。碧はその教えに従って本を借りては読むうちにどんどん読書が面白くなり良い読み手になると同時に居場所としての図書館を確保、知栄が良く行く近所の喫茶店・レーテを通じて友達もできて行く。誰に対しても親切で優しく見返りも求めない知栄に対して碧は恋心を持った。だが知栄自身は自分はそんなに立派な人間ではないと否定し続ける。そして人間は様々な側面を持つことや碧には未だ若過ぎて知らないことがあることも、大人になるということが在る種、妥協の産物であることも、人には隠していることがあることも。
 ところで碧が知り合い懇意になった人々についても述べておこう。美大生という触れ込みの不破は、小学校時代から虐めに遭って保健室を逃げ場所に何とか耐えて来たが中学に入ると保健室は不良女子らの溜まり場になった為居場所を失い登校できなくなった現在中学3年生の木崎 明日花の勉強をみてやっている。レーテで、或いは図書館で。
 明日花も本が大好きで小説家を目指し既に何作も書いてレーテのマスターの手伝いをしている佳乃、不破や知栄にも読んで貰っていて、中々評判が良い。物語は、このような感じの良い繊細な人々の和気藹々とした雰囲気と、思春期の若者と世の中を既に知った大人との差異に戸惑い時に子供っぽい自分に愛想をつかし掛けながら成長してゆく碧の淡い恋と知栄の対応を芯に思い掛けない展開を遂げるが、本好きになった碧と明日花の読書談義の中で明日花が想像力について語るシーンでリルケの感性によく似た感性が表現されていて驚かされた。今作の作家と終演後この件で話をすることが出来たが、彼女はリルケを読んだことが無いのが分かった。にも拘らずこの柔らかく同時に正確で鋭い感覚の鋭敏な表現をしていることに感心したのである。
 物語は、碧が閉館後の図書館の外で最近図書館へ来る子供たちの為に催す読み聞かせの会の準備で忙しく裏で作業して居る為中々会えない知栄を待っていて注意され、未だ若い碧が遭遇するかも知れない様々な危険が在ることやそういう危険から人々を護る為にルールが在ること、子供から大人へ移行する若者達と大人との差等が話され、皆の知栄に対する肯定的評価と本人が思っている自己評価は全く違うこと、それは彼女が人を殺したと自認していることから来ていることなどが分かる。彼女の言う殺人とは堕胎した子のことであった。産み、育てることの主体となる多くの女性達にとっての妊娠と胎児の命に対する深く真剣な向き合い方が如実に表れて胸を撃つ。この胎児の死が伏線になって以下の人の死に関わりかねない大変な展開になって行くが、この際に図書館の本の間に隠された分厚い本型の箱を偶々本だと思って開いてみたのが碧であった。彼が箱の中に見た物、それはピストルであった。而もこの箱の中には数字を記したメモが入っていて電話番号にしてはオカシイ。出て来たブツがブツなだけに暗号かも知れないと謎解きが開始され、約束していた自作小説を持って来てくれた明日花の協力もあって意味は読み解くことができた。
 以上のような経緯を経て物語は大団円に向かってゆく。いくら何でもネタバレは此処までにしておこう。
 今作の良さは脚本の良さは無論のことキャスティングが適格であること、出演している役者各々が作品とがっぷり四つに組んで作品を成立させている点、物語の内容が踏切での列車走行音の被せ方で真に迫る上手さ等。登場人物各々が、居場所を失っていたり、本当の自分を隠して社会生活を営んでいたりと極普通の人々の抱える非常に本質的な問題を繊細な感性と微妙な心理を巧みに掬い上げる表現力で台詞化している点。今後も注目したい旗揚げ公演であった。敢えて難を言えばレーテのマスターが実は何者であったのか? について大きな疑問が出ることだが、これを解決する為には尺も長くなるし設定も極めて難しくなろうから、今後の宿題として検討頂きたい。
穴熊の戯言は金色の鉄錆

穴熊の戯言は金色の鉄錆

MCR

ザ・スズナリ(東京都)

2025/05/21 (水) ~ 2025/05/28 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

初日に観劇。千穐楽でリピート。
MCRはコメディだから笑ってと恒例のアナウンスがあって、実際、笑えるシーンも沢山あるんだけど。
根底に、人間の闇を凝視しちゃう冷徹さが流れてる感じで。
不意に肝を冷やされたりするのですが。
でも、そこに溺れないでビッグラブも同時にさく裂するから好きになれる。
強烈な個性の役者陣が、熱量全開にくるのも最高。

今作は、主演がカップルってこともあって、そういう良さがストレートに来る。
団体の魅力が良く出た、バランスの良い一作。

六道追分(ろくどうおいわけ)~第三期~

六道追分(ろくどうおいわけ)~第三期~

片肌☆倶利伽羅紋紋一座「ざ☆くりもん」

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2025/05/14 (水) ~ 2025/05/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/05/22 (木) 14:00

4月から8月までのロングランで、期間中は同じ作品で多くの俳優が入れ替わり立ち替わり出演するという主宰が劇場オーナーだからこそ成しうる異例の企画公演だが、第一期は剣チームを、第二期は剣チームの楽日を観劇し、今回の第三期は龍チームとなったが、個人的にはこれまでのところ、第二期の剣チームが最も出来が良かったように思う。その立役者は何と言っても与力・徳三を演じた西川智宏だったのだが、今期龍チームでの熊坂貢児はやや弱かったし、同じく与力の九次役の三宅礼央がさらに良くない。

この作品、エンタメ時代劇としては充分に楽しめる内容なのだが、いくつか気になることがある。

(以下、ネタバレBOXにて…)

ネタバレBOX

まず、出だしで鬼アザミ一味は吉原から脱出するために呼出花魁のお菊を連れて見世(遊女屋、妓家)の正面から堂々と出るのだが、呼出花魁が客を見世の外まで送ることはないし、第一、遊女が大門の外に出ることは許されなかった。

鬼アザミ一味を追う章衛門と共蔵は同心ということになっているが、同心であれば旗本もしくは御家人というれっきとした武士であり、町人のように尻っぱしょりなどすることはないし、羽織を着用しているはず。当然奥方も武家出身であり、こんな町人夫婦のようなやりとりはありえない。
徳三と九次が最初に妓楼を訪ねる際には奉行所の人間であるかのようにふるまっているが、清吉を捕らえた際の名乗は「火付盗賊改方与力徳三」と言っており、整合性がない。それに与力は当然武士であるから、名前だけ名乗ることなく、きちんと姓名を言わねばおかしい。
さらに言えば、与力も同心も現在の警視庁と同じく江戸を離れての捜査権はないので、大井川まで追っていくというのもありえないことだ。細かく言えば罪名に関所破りも入っているが、関所破りの刑罰は当該関所の所在地で行なうことになっていたので、これまたおかしい。

僧侶の念念が有髪であるのも変だ。

と、時代劇としておかしな点は他にもあるのだが、脚本の朝比奈文邃はNHK-BSの「大岡越前」の脚本も手掛けており、こういったことは言われるまでもなく充分承知のはず。エンタメと割り切って観る分には楽しいのだが、客席には若者の姿も多々あるため、誤った知識となってしまう恐れがある。そこらのことも時代劇の作り手・送り手として配慮すべきであろう。

七越役の松尾彩加の佇まいが素晴らしかった。彼女のお菊も観てみたい。
六道追分(ろくどうおいわけ)~第二期~

六道追分(ろくどうおいわけ)~第二期~

片肌☆倶利伽羅紋紋一座「ざ☆くりもん」

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2025/04/30 (水) ~ 2025/05/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/05/11 (日) 14:00

強烈な日差しの下での開場待ちで体力消耗。隣のBOX IN BOX THEATERでは熱射病で倒れた人が出て、救急車が来る騒動に…。

剣チームの楽日マチネを観劇。第一期の剣チームよりも完成度が高かったが、その立役者は何と言っても与力・徳三を演じた西川智宏だった。

六道追分(ろくどうおいわけ)~第一期~

六道追分(ろくどうおいわけ)~第一期~

片肌☆倶利伽羅紋紋一座「ざ☆くりもん」

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2025/04/05 (土) ~ 2025/04/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/04/17 (木) 19:00

4月から8月までのロングランで、期間中は同じ作品で多くの俳優が入れ替わり立ち替わり出演するという企画公演だが、その第一期の剣チームを観劇。

エンタメとして楽しいのだが、気になる点も多々…。それらは第三期の「観てきた!」に記すことにしよう。
 → https://stage.corich.jp/watch/811366/stage_comments

六道追分(ろくどうおいわけ)~第三期~

六道追分(ろくどうおいわけ)~第三期~

片肌☆倶利伽羅紋紋一座「ざ☆くりもん」

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2025/05/14 (水) ~ 2025/05/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

チラシでは幼く可愛い清吉でしたが、お髭の効果かちゃんとお頭らしく見えてました。それにしても今回の義賊鬼アザミはみなさんカッコ良かったです。
今回は岡っ引き夫婦が私の一押しです。
地下道から潜入する効果音は座席によって感じが違うのかと思われました。

おかえりなさせませんなさい

おかえりなさせませんなさい

コトリ会議

なみきスクエア 大練習室(福岡県)

2025/03/14 (金) ~ 2025/03/16 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

冒頭、客席の頭上からツバメが渡ってくる。ツバメは同じ場所に巣をつくりつがいで子育てをすることから、「家族」の象徴として創作物に登場することが多い。また、渡り鳥なので「帰郷」や「回帰」の象徴としてもよく扱われる。

ネタバレBOX

舞台は、とある家族の思い出の喫茶店。母が「メモリー」と口にしながら家族の思い出を語ります。そんな家族のメモリ(記録)が刻まれた場所で交わされる会話は、人間とツバメをかけあわせた存在であるヒューマンツバメになるかどうか。ヒューマンツバメになると家族のメモリ(記憶)が消えてしまう。そんな思い出にまつわるやりとりは、家族というものは何なのかを問うと同時に、人間とは、存在とはなにかを問うてくるようです。

人間とはメモリの蓄積なのでしょうか。愛とはメモリが無くなれば消えるのでしょうあか。──そういった問いは数々のSFで描かれていますが、コトリ会議の特徴と魅力のひとつが、劇中に何度も登場するツバメの兄妹(パペット)のやりとりにあるように思います。コトリ会議ではこれまでの作品でも、たとえばセミになった時には俳優の頭にセミのフィギュアを乗せていたことを思い出しました。
今回の2羽のツバメは、兄妹というにはあまりに密接な繋がりを感じさせ、見た目はかわいらしくもどこか気持ちの悪さ・不安さを漂わせています。さらにヒューマンツバメは、俳優が羽を背負いくちばしをつけています。パペットや着ぐるみの登場は、不条理にコミカルが加わり、しかしシニカルで、そして不穏です。
そんな不穏なSFで、家族の愛が描かれています。しかし愛というには不穏すぎる。メモリをめぐる家族の会話が交わされるうち、互いに愛情のような歪な愛憎を抱えており、誰もがそこを曲げきることができないことが浮き彫りになっていきます。戦時下という作品背景のなかで、そこには個の実感や愚かさや愛しさがありました。

ツバメは、「再生」や「希望」の象徴とも言われます。
ツバメに未来をゆだねるヒューマンツバメは、人類の希望でもあります。
しかし、ヒューマンツバメはメモリを消し、あらたな存在として再生するのです。
鳥のように空を飛ぶ戦闘機が破壊をおこなったすえにある再生は、誰にとっての希望なのでしょう。戦争ののち、彼らはいったいどこに帰郷するのでしょう。

記憶、家族、アイデンティティ、戦争、いくつもの愛──様々な要素が想像力を広げてくれる一方で、すこしごちゃついた印象もありました。ヒューマンツバメひとつとっても、羽とくちばしをつけて耳がのびて高い戦闘力を持ちスタンプカードを集めているという盛りだくさんな存在です。さらに展開としても、理屈で追えば無茶に感じさせるところもあります。しかし、俳優たちのフィクションを信じさせる力に引き込まれました。戯曲が持つ何層もの深みが、コミカルな作風と手触りのある俳優らにより、独自の世界へと構築されていく。そして説得力と集中力を持続させる劇団の総合力には大きな安心感がありました。「この脚本をほかの団体が上演したらこうはならないだろう」ということは、強い魅力です。

キビるフェス参加作品のため九州で上演されるという時に、ホームではない観客のために「近隣のおすすめスポット」や「遠方割:1,000円」を設定していたことがありがたかったです。全体として自分たちの公演の客席にいる観客の顔を想像している姿勢に、劇団としての蓄積を感じました。
奴婢訓—Nuhikun

奴婢訓—Nuhikun

演劇実験室◎万有引力

座・高円寺1(東京都)

2025/05/16 (金) ~ 2025/05/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

『ガリヴァー旅行記』で有名なジョナサン・スウィフトの記した皮肉と嫌味満載の召使への訓戒。それを面白がった寺山修司による今作は『青ひげ公の城』っぽいアレンジ。宮沢賢治の作品世界をトレース。

2回目。席が違うので前回見えなかった全体像が分かる。成程。
開幕前から人間モップの伊野尾理枝さんが労働。召使は道具、召使は機械、感情も尊厳も要らない。人間であるのは主人だけでいい。

下手にヴァイオリンの多治見智高ジーザス氏、上手にドラムの J・A・シーザー氏。ラストには生歌も。J・A・シーザー氏の劇伴はキング・クリムゾンっぽい。
舞台美術家である故・小竹信節(のぶたか)氏の考案したSM機械装置が次々と登場。これが真の主役なのかも知れない。建てられた棒に互い上下逆に足の裏を付けて真横に立つ二人。向かい合わせの二人が上下逆に括り付けられた回転式シーソー。家具や器具や楽器と合体させられた召使達は『家畜人ヤプー』の世界。

三俣遥河氏の白塗り全裸でスタート。複雑な機械(自動歯磨き機)が被せるのはヴァイオリンの王冠。コンセントを鼻に差す。
ここはイーハトーブ農場、グスコーブドリ屋敷。遺産相続人の髙田恵篤氏が夜分に訪ねて来る。不意の来客を訝しがる屋敷の下男下女。髙田恵篤氏は屋敷の主に会いに来た。持参したのは主にしか履けない爪先部分が三段に分かれた金色のボロ靴。だが、とうの昔から主人は不在。屋敷を乗っ取った召使達はくじ引きで主人役を決めてごっこ遊びを楽しんでいる。どうも面倒な来客、来なかったことにしようと皆存在を無視して遊びを続ける算段。

女主人に成り切るダリア、森ようこさんがエロい。黒レース網タイツ姿。糸巻きの拷問用具で下男を罵倒。メゾソプラノの歌声。
岡庭秀之氏は骨を投げて犬に模した下男共に咥えて持って来させる遊びを繰り返す。
萌文さんはずっと野菜や果物を齧ってる。
髙橋優太氏は頭にマスクを着けている。
帽子掛けのように置かれた入れ歯を向かい合って咥える二人の男。
奴婢訓を召使達に復唱させる男。ナチスの女性軍人のような通訳(182cm杉田のぞみさん)がドイツ語で訳す。やってはいけないと言われたことをやらなければならないルール。杉田のぞみさんはフランケンシュタインの花嫁のようにも見える。
テープレコーダーから流れる主の声に命令され、自らお尻叩き機に折檻される髙田恵篤氏。財産目録の作成を差配人と行なう。
包帯男達に蹴りを入れていく小林香々(ここ)さん。
糞壺を犬の散歩のように白塗り全裸で運ぶ山田桜子さん。

前回観た時はマッチの火がすぐに消えてしまっていたが今回は改善されていた。
主人=神の不在とか深読みさせるが、SMプレイと考えた方が気が楽。主人と召使ごっこを繰り返して倒錯した興奮を。SMとは役割を演じるプレイ。その役に理由も意味もない。この世は全てロールプレイング、主人と召使ごっこに過ぎない虚しさ。

一人で来ている若いお洒落な女性客が多い印象。昔、SIONのLIVEもそんな客が多かった。美大系の新規流入が多いのか?新しい客層の開拓は素晴らしい。

ネタバレBOX

問題は「神の不在」ではなく人間が未だに神を必要とすること。全員が主人になってしまった世界では「下男の不在」こそが問題となる。

森ようこさんはエロエロ。平岡正明ではないが「森ようこは菩薩である」。

Nirvana 「 Serve The Servants」

召使に召し仕えろなんて···、なんてこった
召使に召し仕えろなんて···、なんてこった
召使に召し仕えろなんて···、なんてこった
召使に召し仕えろなんて···
伝説的な離婚だとか···、もううんざりだ
湿ったインテリア

湿ったインテリア

ウンゲツィーファ

早稲田小劇場どらま館(東京都)

2025/05/19 (月) ~ 2025/05/27 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/05/24 (土) 14:00

本橋龍さんは
演劇界の村上春樹。

現実と幻想のメタな感覚
シームレスに
混じり合う空気感
  動く心 

内面が深く掘り下げられて
  私なら?
  母として?
  昔の娘として?
と考えさせられる 

生きづらさや苦しさを
抱える市井の人々
リアリティの描写。

村上春樹を読破した時の、
そして後の‥
感覚と同じものが流れた
私の 動いた心。

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