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「彼の名はレオナルド」/「あるいは真ん中に座るのが俺」

「彼の名はレオナルド」/「あるいは真ん中に座るのが俺」

東京マハロ

赤坂RED/THEATER(東京都)

2020/03/19 (木) ~ 2020/03/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

土日の二日間を残しての苦渋の決断。今日が千秋楽でした。

コオロギからの手紙

コオロギからの手紙

映像劇団テンアンツ

「劇」小劇場(東京都)

2020/03/25 (水) ~ 2020/03/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

フライヤーの雰囲気そのままに、古き良き任侠映画を生舞台で体感してきたかの様。
さながら任侠映画から役者さんがそのまま抜け出してきたかの如く、かと思えば漫画から抜け出したようなタバコ屋の婆さんや艶やかなパンパンガールにオモシロ刑事!
とても書ききれないけど中には金子昇さんも加わってやたら贅沢な面白さ。

実質的には人情喜劇の要素が散らばって、もうひたすら笑ってしまうのだけれど、やっぱり描かれるはヤクザの世界。
安定の可笑しさにしっかりと紛れ込んだ不安定な幸せの行方。
「あ~っこのままじゃ泣かされる」と一応堪えようとしたものの、言葉を積み重ねられると「もう無理っ」
しっかり泣かされてしまったのでした。

笑かすのも泣かすのも全力。
自分の座った下手側の席、黒幕で見えない舞台奥の換気扇音が聞こえますが一定音なのでほぼ気にならず。
その代わり常に新鮮な空気の流れが。
その他にも、安心且つ快適に観劇できるようにも全力を尽くす劇団さんの気概がしっかり伝わってくる舞台でした。

新雪之丞変化

新雪之丞変化

Project Nyx

ザ・スズナリ(東京都)

2020/03/19 (木) ~ 2020/03/29 (日)公演終了

満足度★★★★

20日午後、下北沢ザ・スズナリで上演されたProject Nyxの『新雪之丞変化』を観てきた。これは、知人の役者・もりちえが出演していた関係からである。
この作品は原作・三上於菟吉。作・白石征、構成・水嶋カンナ、演出・金守珍、美術。宇野亞喜良によるもので、かつて映画化もされていたらしいのだが、この手の和物の舞台はどちらかというと苦手で敬遠していた方だったので、原作がどんな物か一切予備知識無しでの鑑賞となった。

ネタバレBOX


話の筋は意外とあっさりしていて、長崎時代に商人をしていた両親が当時の奉行?の陰謀で心中した恨みを晴らすべく、その息子が女形の花形旅芸人・雪之丞となって江戸に上り、親の敵の元奉行を討ち果たす・・・・はずが、実は心中していた男が当の奉行で、敵と狙っていたのが実は元商人で奉行に成り代わっていた実の父親であったことが判明し、様々ないきさつから結局息子である雪之丞に殺されることになるというどんでん返しが用意されてる仇討ち悲劇のアングラ版。
以前自分が分類した小劇場系舞台3系列の中でいうなら、大衆演劇的な要素を盛り込んだアングラ劇と言えるだろう。
役者の演技では、まず雪之丞を演じた寺田結美が秀逸。狙った武士が父親だったことが判明した瞬間の心の衝撃の描写がいまいちではあったが、前編を通して男役として雪之丞を上手く演じていた。ほかにも、役者名で言えば高畑こと美、加藤忍、もりちえ、河辺珠伶の演技も素晴らしかった。出演者全体の演技の水準が高かったので、たの役者達の名前も数え上げたら全員素晴らしい!と言える舞台であった。
また、宇野の美術と金の演出がこの舞台を盛り上げており、2時間を超える上演時間が短く感じられた。
女性だけによるアングラ劇。ますますの発展を期待したい。
マクベスの悲劇【3/20(金)~4/3(金)に公演延期】

マクベスの悲劇【3/20(金)~4/3(金)に公演延期】

劇団俳優座

俳優座スタジオ(東京都)

2020/03/15 (日) ~ 2020/04/03 (金)公演終了

満足度★★★

 マクベスというタイトルではなく、マクベスの悲劇とした点に、今作の主張はあるように思う。その点は、強調されていたと思うのだが、演出にはもっと何故今マクベスの悲劇をやる必然性があるのかを検討して貰いたい。役者陣の熱演はグーだが、(追記後送華3つ☆)追記2020.4.12:03:13

ネタバレBOX

何故、今この作品を上演するのかの意図が突き詰められていないように思える点で評価を下げた。
 六本木は特殊なエリアである。 東京都港区六本木7丁目23には、米軍のヘリポートがあるのは、良く知られた事実。(環状3号線や六本木トンネルの脇だ)歴史的にも戦前からの山の手の浅草のような演劇、寄席等を含めた盛り場のあった麻布界隈からも近い、敗戦後の米軍による占領により米兵が六本木に繰り出し、多くの問題を起こしたが日本には彼らを抑える法もなく、米兵のやりたい放題であった為麻布界隈の住人達から総スカンを食ったという歴史がある。
ところで、日本外務省は日本に滞在するアメリカ人の数を現在も正確に把握できない。この「コロナ騒ぎ」にあっても然りである。パスポートコントロールが不可能だからだ。何故なら日米地位協定によって米軍基地内で米軍は、排他的管理権(基地内で総て自分たちの好き勝手ができる権利)を持ち、日本は決して彼ら(米軍関係者*)の出入国に関して異を申し立てることができない(出入国管理法の適用除外)が認められているからだ。この2つの規定故に、米軍関係者は一切、出入国の手続きを経ず、米国から日本の米軍基地に降り立ち、日本に入国して勝手に動き回ることができ、在日米軍基地から米国に帰ることができる。俳優座のある場所から歩いても大した時間の掛からない場所に米軍ヘリポートがある、と態々指摘したのは、このような日本の現況あるが故だ。こういった現実こそ、魔女たちの預言そのものが持つ矛盾を現実化したものに他なるまい。伝統ある劇団がこの程度のことを知らぬとすれば、これは演出の知的怠慢、水を使って俳優を絞ることなどより遥かに大切で本質的な問題提起たりえたハズなのである。創造に関しては無論、更に深く、本質的な指摘をしても良いのだが、この程度のことが分かっていないようではそこまで記す必要はあるまい。
*沖縄の事件以降、米軍について変更はないが、関係者については多少変わった点があるかも知れぬ。調べてみたい方は、ご自分でどうぞ。
野鴨

野鴨

ハツビロコウ

シアター711(東京都)

2020/03/24 (火) ~ 2020/03/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2020/03/26 (木) 19:00

125分。休憩なし。

病める時も、健やかなる時も

病める時も、健やかなる時も

劇団NLT

オメガ東京(東京都)

2020/03/25 (水) ~ 2020/03/29 (日)公演終了

満足度★★

鑑賞日2020/03/26 (木) 14:00

85分。休憩なし。

マクベスの悲劇【3/20(金)~4/3(金)に公演延期】

マクベスの悲劇【3/20(金)~4/3(金)に公演延期】

劇団俳優座

俳優座スタジオ(東京都)

2020/03/15 (日) ~ 2020/04/03 (金)公演終了

満足度★★★★★

シェイクスピアの有名な戯曲「マクベス」を堪能できました。重厚で怪しげな雰囲気の中、マクベスの野心や、それに反した小心さ等、良く描かれていました。役者さん達の演技は確かで、客席が一体となった演出、水による演出など、観応えがありました。素晴らしい舞台でした!

野鴨

野鴨

ハツビロコウ

シアター711(東京都)

2020/03/24 (火) ~ 2020/03/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

面白かったです。

ネタバレBOX

家族を愛し、発明家になることを夢見て生きて来た男が、お節介で理想を追求する実業家の息子から娘の出生の秘密や、そもそも男や男の父親が実業家の庇護のもとにあったことなどを教えられ、精神が錯乱し、娘に辛く当たったことで娘が自殺するという話で、まるで男の家の小屋の疑似自然の中で飼いならされ家畜化した野鴨のようだとする話。

分かり易い伏線がたくさん散らばっていました。

今年三作品目のイプセンでした。特許を取って一獲千金を狙うというのが今回の経済活動の一項目でした。当時は電話などの発明に啓発された人が多かったのでしょうね。
野鴨

野鴨

ハツビロコウ

シアター711(東京都)

2020/03/24 (火) ~ 2020/03/29 (日)公演終了

満足度★★★★

この劇団というかユニットの舞台には、独特の暗いトーンがあるように感じる。そのトーンに合う台本を毎回的確に選んでいるように思う。

歳月/動員挿話【3/28-29公演中止】

歳月/動員挿話【3/28-29公演中止】

文学座

文学座アトリエ(東京都)

2020/03/17 (火) ~ 2020/03/29 (日)公演終了

満足度★★★★

作品の持つ滑稽さというか皮肉っぽいところをうまく見せてくれる演出と感じた。

野鴨

野鴨

ハツビロコウ

シアター711(東京都)

2020/03/24 (火) ~ 2020/03/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2020/03/26 (木) 19:00

くっきりしたキャラとキャスティングの妙を堪能。
深刻な事態を、離れたところから冷やかに見るイプセンは、だが
この愚かしい人間をこよなく愛している。
「正義」が己の行動の判断基準であるうちは結構だが、
他人の価値観を攻撃した時、それは単なる“はた迷惑”でしかない。

ネタバレBOX

舞台にはぴんと張った白いクロスがかかったテーブル、
赤いバラの細い花瓶が中央に置かれている。

明転すると、上手の隅にひとりの老人が立っている。
長いためらいの後、ようやく声をかけようと前へ歩を進める。
彼は奥へ通されるが「帰りは裏から出るように」と言われる。

実業家ベルレが仕切る町の、ここは彼の屋敷だ。
冒頭のみじめなエクダル老人はかつて彼と共に事業に携わっていたが
ある事件の責任を押し付けられて転落。
ベルレは罪滅ぼしのつもりか、エクダル老人に毎月“仕事”を渡している。

ベルレの息子グレーゲルスは、そんな父親を嫌悪し、激しく罵る。
自分の幼馴染でもある、エクダル老人の息子ヤルマールは
ベルレのかつての愛人ギーナを当てがわれて結婚、何も知らずに娘を育てている。
グレーゲルスは、すべての秘密を白日の下に晒して出直すのが正義だと主張、
ヤルマールにギーナの秘密を告げ、真実を知ってからが本当の夫婦だと言うが・・・。

「正義」を振りかざして余計なことをする青二才…、と思っていたら
言われた方のヤルマールも“愛と憎しみは紙一重”みたいに
罪の無い14歳の娘を拒否し、ひどいことを言って深く傷つけてしまう。
そして娘は「一番大事なものを手放すことがお父さんへの愛情の証」という
グレーゲルスのまたまた理想論に影響されて、
大事にしていた野鴨を殺すことを決意するのだ。

救いの無い展開ながら、欠点の多い人々が人間臭くリアル。
力のあるものがゴリ押しをして、弱者はそれを受け容れるしかないという構図は
いつの時代も変わらず普遍的なテーマだ。

撃ち損ねたために湖の底から犬に拾われ飼い慣らされた野生の野鴨は、
現実を受け入れた少女そのもの。
自らの胸を打ち抜いて野生に還る。
母ギーナのようにしなやかに生きるには14歳は若すぎるのだ。

終わってみれば、実業家ベルレと、その再婚相手セルビー夫人の
互いのことをすべて打ち明け合った上での結婚こそが
皮肉にも“正義の息子”グレーゲルスの理想形だ。

ベルレ(松本光生)とセルビー夫人(和田真季乃)が俗物的なのに大変魅力的。
14歳のヘドビックを演じた葵乃まみさんがドハマリで年齢の無理感ゼロ。
ベルレに影のように付き従う使用人ペテルセン役の井手麻渡さん、
極端に台詞の少ない役ながら、その微妙な表情や間で何と豊かに語ることか。
飲んだくれのレリング医師を女性にしたところは少し驚いたが、考えてみれば
別に男性医師である必要はない。
熱血漢らしい台詞に説得力があった。

ラスト崩壊した家族の跡に座るベルレにペテルセンが告げる。
「(グレーゲルスは)これからも理想を追求していくそうですよ」
ったく懲りない奴だ。
欠点ありまくりの人々がくり広げる劇的なドラマはイプセンの独壇場。
私の人生もまた俯瞰して見れば、こんな風に愚かしく可笑しなものなのだろう。



暁のバッキャロー!!

暁のバッキャロー!!

株式会社Ask

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2020/03/25 (水) ~ 2020/03/30 (月)公演終了

満足度★★★★★

熱くて泣けて笑って感動させられた(^-^)

実話が元でタワー完成がメインで
昭和の熱血男たち&情熱の女性たちが繰り広げるドラマでした
=2時間10分の作品

しかし演者も観客も誰も咳込んだりしてないのに
マスク着用をって・・「へっ」とか思うけど
現在の社会環境を鑑みるに
主催側のコノ配慮は正しいし同意する
まぁ同調圧力にも権力にも金にも女にも弱いですし・・・・
でも正しい感染症知識も仕入れて欲しく思うデス
EX:マスクとひもの接着面が外側に付いている方が表になります

ネタバレBOX

組み上げ完成の年末に
初の缶ビール発売でしたか~近くの女子さんが
作中での缶ビールの開け方に???みたいでしたが
プルトップでもなけりゃ缶の栓を取るタイプでも無くて
たぶん・・・鷹のクチバシみたいな栓開け用の金属金具で
フタに穴開けるのだと・・・・昔のトマト缶も進化遅くて
そんな感じだったのを記憶してます
時代の進化とかが感じられて面白かったシーンでしたわ(^-^)
野鴨

野鴨

ハツビロコウ

シアター711(東京都)

2020/03/24 (火) ~ 2020/03/29 (日)公演終了

満足度★★★★

原作が・・・レトロだなぁ・・と感じましたが
それを役者さんが丁寧に演じていて
小道具とか
間とか
と出来が良く
対感染症にも心配りが良かったデス

学園探偵薔薇戦士

学園探偵薔薇戦士

フリーハンド

萬劇場(東京都)

2020/03/25 (水) ~ 2020/03/29 (日)公演終了

満足度★★★★

話が面白い!設定もわかりやすいです!
テンポ感もよいし、ワクワクしながら観れました〜!

新雪之丞変化

新雪之丞変化

Project Nyx

ザ・スズナリ(東京都)

2020/03/19 (木) ~ 2020/03/29 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2020/03/25 (水) 14:00

座席1階

「アングラ女優トーク」と題するアフタートーク付きのマチネを見た。その中で、水嶋カンナともりちえが梁山泊の同期だと知った。梁山泊の舞台に出続け、ニクスを引っ張る水嶋はアングラ女優というイメージだが、桟敷童子で底力を発揮するもりちえはアングラ、という感じはしないなあ(笑)

さて、そのもりちえと水嶋カンナの化学反応を楽しみに見に行ったスズナリ。新型コロナで劇場はどこもすいているのだが、この日のスズナリはほぼ満員だった。やはり、もりちえの存在感はすごい。結構な悪役で、しかも大店・広海屋という男性の役だが、超早口のせりふの切れもよく、もりちえここにあり、という感じだった。

「女歌舞伎」と銘打って和ものに取り組むのはニクスでも珍しい。歌舞伎らしい演出もあったが、何よりラストシーンのどんでん返しがやっぱり梁山泊テイスト。今回も大いに期待に応えた。

「長崎の仇を江戸でうつ」雪之丞役の寺田結美は、一昨年の「星の王子様」にも出演している。今回は大抜擢という感じだが、「日本髪のかつらは重い」(アフタートーク)と言いながら、迫力ある舞台に仕上げて見せた。水嶋は「私は顔でスカウトしました。背が高いのもいい」と語っていたが、これから大きく羽ばたいて次世代アングラを背負う「アングラ女優」になってほしい。

メメントモリに花束を

メメントモリに花束を

9-States

駅前劇場(東京都)

2020/03/18 (水) ~ 2020/03/22 (日)公演終了

終演後に拍手が無いというのは不思議な感じですね。
拍手したい内容でした。

冬の時代【3/28-29公演中止】

冬の時代【3/28-29公演中止】

アン・ラト(unrato)

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2020/03/20 (金) ~ 2020/03/29 (日)公演終了

二幕目が終了したあとに帰る人が結構いた。
あと居眠りする人とか。
私も少し寝た。

冬の時代【3/28-29公演中止】

冬の時代【3/28-29公演中止】

アン・ラト(unrato)

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2020/03/20 (金) ~ 2020/03/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

 流石に木下順二の脚本。骨太で日本の左翼の抱え込まざるを得ない根本的な問題を総て取り込んでいる。

ネタバレBOX

サンジカリズム等について触れられる際にも語られていることだが、労働者階級との実質的な連携の無い点は、象徴的にこの国の西欧文明・文化移入の特質及び限界をハッキリ示している、而もこの傾向は残念ながら現在に於いても延々と続いている傾向である。(例えば哲学研究などに於いても大学で哲学を教えている教授の大多数は、単に海外の新しい兆候を持つ哲学者及び著作の翻訳と解釈のみを行い己の思想を立てない。つまりヒトとは何か? 何処から来て何処へ行くのか? なぜ、生きるのか? 生きることに意味があるのか? 等々基本的で根本的な問いを自らの問題としては考えることができないので、総てのことが猿真似に終わる。結果、生活にも己の生き死にを賭けた深い問いに自らの全存在を賭けて答えようとする努力も問い続ける過程で発見できる実に様々な層や可能性についても無自覚で、その無自覚を恥じることさえできない。このような諸々の結果として捏ねる論理の根拠も浅薄で、形式論理さえ整っていれば、論理のオーダーが整ったと勘違いしてしまうから、其処から先は一瀉千里、論理の唯一の展開である先鋭化という道しか辿れないのだ。資本論にしてもカール・マルクス本人が厳しく批判したカウツキー版を翻訳している学者が出てくるが、この辺りも自分が指摘した問題は当て嵌まる部分があろう。また、仮にマルクスが日本に来ていたら、というような仮定を立てどんなことを先ず最初にやるか? と想像力を働かせ、培ってきた本物の思考を用いて社会の諸問題を先ず事実に即して徹底的に調べ、調べた結果を徹底的に分析した上で導き出された結論を如何様に解釈するか? という視点に立つならば自ずと歴史も変わる可能性が増す。)こういったことができなかった日本の左派の消長を描いているとはいえよう。
 舞台は赤旗事件(1908)大逆事件(1910)後、12月31日に設立された売文社(1919.3月迄)に集ったアナーキスト、コミュニストらのイデ闘や主義主張、官憲から睨まれるという共通性を通じ、また新たな女性を目指す青鞜の伊藤野枝などをモデルにしている人物が登場しつつ展開する。因みに千葉は堺利彦、官憲に追われ生活もままならない同士たちの生活を支える為に売文社を立ち上げた訳だ。あとは観てのお楽しみ。各観客の持っている知識や思考によって様々な観方のできる作品である。
時代絵巻AsH 番外公演 『鬼人幻燈抄〜水泡の日々〜』

時代絵巻AsH 番外公演 『鬼人幻燈抄〜水泡の日々〜』

時代絵巻 AsH

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2020/03/11 (水) ~ 2020/03/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2020/03/14 (土) 19:00

2020.3.14㈯ PM19:00 池袋シアターグリーン・BASE THEATRE

 雨から束の間の春の雪へと移ろい、ひらひら雪の舞う土曜日の夜の池袋をシアターグリーン・BASE シアターへと時代絵巻AsH番外公演『鬼人幻燈抄~水泡の日々~葛野組』を観に足を運んだ。

 幕が開いた瞬間から、引き込まれ気がつけば冷えた身体がいつの間にか暖まり、いつきひめである白夜(櫻井彩子さん)と幼なじみで巫女守である甚太(村田祐輔さん)の互いに抱く恋心を自らの胸の奥底に沈め、白夜は集落の者たちと集落の繁栄の為に、鬼に殺された先代のいつきひめだった母の後を幼くして自らの意思でいつきひめを継ぎことを決め、その決意を美しいと思い支える事を選んだ甚太の二人以外には誰も、理解し得ない生き方と思い、二人に想いを寄せる者たちとの気持ちと想いの掛け違えが招いたやり場のない悲しみと痛み、それぞれがそれぞれの成すことを成すために、翻弄され、掛け違え、すれ違い、奪われて行く命、誰よりもかけがえのない白夜を誰よりもかけがえのないと思っていた妹鈴音(辻村りかさん/伊藤優希さん)の甚太への想いの暴走が己が中に眠っていた鬼を覚醒させ殺した鈴音への烈しい甚太憤りと葛藤、そこから170年後の現代に現れた甚太の佇まいに涙が溢れていた。

 原作を読んでいた時から感じていた、鬼の血を引く鈴音の鬼を覚醒させた遠見の鬼(生粋万鈴さん)にしても、遠見の鬼と共に葛野の集落を襲う剛力の鬼(黒﨑翔晴さん)もまた、自分たち鬼が人々に忘れられ、この世に存在しなくなり物語の中だけの存在になる事を阻止すべく、何の恨みもない葛野の人たちを殺め、鬼神となり、鬼をこの世に留め、忘れ去られないようにする為、自分たちの居場所を残すために、白夜を、葛野を襲いはしても遠見の鬼も剛力の鬼も何処かにすまなさのようなものを抱えているのではというのを、生粋万鈴さんの『あんた達には悪いけどね』のひと言で強く感じた。

 遠見の鬼と剛力の鬼も互いを想い、それでも尚、鬼族の未来の為に、喩え自分たちが犠牲になっても、心ならずも鈴音を利用し、何の恨みもない葛野の人達を犠牲にしても、自分たちが成すべきことを成すために犠牲にする。

 白夜は葛野と葛野の民たちの為、甚太はそんな白夜の為、互いの恋心を胸に沈め、いつきひめと巫女守として、共に葛野を守る事を選んだ。

 これも、ひとつの愛のかたちである。しかし、それを理解し得る者は多くはない。それは、恐らく、白夜と甚太の二人しか理解し得ない思いだったろう。

 だからこそ、白夜を想い、ただ白夜の傍に居られればいいと思いながら、甚太に嫉妬しつつも、白夜への想いを誰にも明かさなかった清正(愛太さん)は、甚太とは母の違う、鬼と人間の間に生まれ鬼の血を引き、父に虐待されていた自分を守ってくれた兄甚太へ思いを寄せながら、兄が白夜と幸せになることを信じて、想いを抑えていたのに、息子可愛さから清正といつきひめを後継を成すためとの大義名分で妻せ(めあわせ)ようとした葛野の長(垣内あきらさん)の説得によって清正と夫婦になることを決めた白夜を憎み鬼と化し、鈴音が白夜を殺めるという悲劇へと至ってしまったのではないだろうか。

 それぞれの成すべきこと、掛け違い、すれ違う想い、もし、鈴音が白夜と甚太の決めた生き方が、誰よりも二人を強く結びつけ、真から互いを思う愛のかたちであったのだと知っていたなら、この水泡の日々は無かったのかも知れない。

 此処に出てくる誰もが、誰しをも思っているのに、それぞれの持つ思いと生き方、成すべきことを掛け違い、理解し得なかった事が引き起こした悲劇が胸を抉る。

 人の命も、鬼の命も、流れ行き、過ぎて行く時は、全て儚い水泡。その日々の中で、確かに白夜も甚太も生きた。

 二人の日々は、喩え水泡の日々でも、170年後の現代にも白夜と甚太の守ったもの、思いは子孫へと引き継がれ、儚い水泡ではない。そんな事を、次から次へと胸に去来した舞台だった。

               文:麻美 雪

安らかな眠りを、あなたに YASUKUNI

安らかな眠りを、あなたに YASUKUNI

燐光群

劇場MOMO(東京都)

2020/03/20 (金) ~ 2020/03/29 (日)公演終了

満足度★★★★

タイとの共同制作というと「赤鬼」が浮かぶ。国際共同制作という点では、野田の場合は、自分の作品を、世界各地で上演してみる、燐光群の場合は、地域先行で東南アジアの各地と、混合型というか、できるところから共同で作ってみる。今回は本もタイで俳優も来ている。共同制作だからただ役割分担しただけでなく、現場の交流も重ねてのことである。
タイは日本に親しい国の一つであるが、もちろん国情は大いに違う。お互いの理解も距離があるのはこの二つの「共同制作」を見てもよくわかる。
今回の本は、日本の靖国問題がタイではどのように見られているか、というケーススタディになっていて、勉強にはなるが、演劇的に見て面白いかというとかなり苦しい。観客の中に政治的な意識の側面が抜きがたくあって、それがコロナ騒ぎの中で靖国問題を取り上げた芝居を見るという営為とバッティングする。芝居が靖国から広がっていかないのだ。
現実のタイとの関係で言えば、外国人労働者の問題がある。身近な小さな会社でもタイの人を迎え入れて、たぶんお互いに初めての国際経験をしている。こちらは人間的に具体的で面白い。そういう素材は中津留に任せて、と言わないで、現実的な話題から入った方が実り多いのではないかと思う。85分。

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