
『どんとゆけ』
渡辺源四郎商店
こまばアゴラ劇場(東京都)
2020/01/25 (土) ~ 2020/01/26 (日)公演終了
満足度★★★★
手錠で腰縄で茶の間に連れてこられた若い死刑囚に、目のギラギラした美人が「似合ってる!」と嬉しそうにいう。そんなブラックユーモアからはじまって、死刑員制度で被害者の老父と若い妻と、見守りの刑務官が死刑執行までの1時間を、一緒に過ごす。かつて死刑を執行していた刑務官の、死刑執行の、踏み板の開いて、落ちる音が耳をついて離れない、のセリフが良かった。
被告と文通し獄中結婚したという女性(最初から出た美人)がいることで、演劇になったと言える。出ないと、死刑囚と被害者家族のぶつかり合いだけになる。刑務官がいるだけでは、この単純な構図は破れないが、この変な女性の存在で、人物たちの関係が複線的立体的になり、バランスも取れる。
俳優はみな好演。死刑囚の嗚咽や、腰の立たないほどの恐怖などなど、言葉にならない感情をみなぎらせて、特に良かった。
80分休憩なし。2008年初演の三演目だという。

はざま
Reading Bitter
ザ☆キッチンNAKANO(東京都)
2020/01/25 (土) ~ 2020/01/26 (日)公演終了
朱チームを観劇しました。朗読劇でしたが、ストーリーと共に怪しげな雰囲気があり楽しめました。
女性が男性を演じていたので、途中から目を瞑って聴きました。目を瞑った方が、リアル感があり良かったです。
役者さん皆の声が良かったですが、男性の主人公を演じた長島奈美さんの声が、とても良かったです(且つ可愛い)

『国府台ダブルス』
filamentz
新宿村LIVE(東京都)
2020/01/22 (水) ~ 2020/01/27 (月)公演終了
満足度★★★★★
★『卒業式、実行』
展開の意外性、間の取り方等、コメディの面白さ満載の上質台詞劇。政治的な芝居ではありません。コメディです。初演よりかなり進化しました。ちょっとリアリティに欠ける印象も無いわけでは無いのですが、次々現れる個性的なキャラクター。そして土壇場での意外な「解決策」、演劇の「嘘」が「現実」ような錯覚に陥ります。
★『いざ、生徒総会』
脚本・演出の富坂友は国府台高校の卒業生。生徒が主体となって行う学校行事、母校が好きなんですね。この作品、高校生の人間模様を描いた短編4作を積み重ね、見せ場の「生徒総会」に至ります。テレビの国会中継「代表質問」を偶然見て、そこで語られる空虚な日本語に落胆。このコメディは「右」か「左」の話ではありません。「国府台シリーズ」で笑いの裏に隠されて語られているのは、民主主義のあり方そのものなのです。

『どんとゆけ』
渡辺源四郎商店
こまばアゴラ劇場(東京都)
2020/01/25 (土) ~ 2020/01/26 (日)公演終了

口付近に傷があるときは禁忌
トリコロールケーキ&くによし組
シアターウィング(東京都)
2020/01/25 (土) ~ 2020/01/26 (日)公演終了
満足度★★★★
■85分強■
バカ話を重厚な演出で魅せる今田風味が強く、國吉さんがどのパートを手掛けられたのかよく分からず。新機軸のアングラ・ミュージカルもどきも、ニッチな事物をいじる小ギャグの数々も今田さんテイストだったし。アフタートークを設けて、本作におけるお二人の役割分担を聞かせてほしかったところ。まあ、なんだかんかで楽しませていただきましたが。

「銀河旋律」「広くてすてきな宇宙じゃないか」「僕のポケットは星でいっぱい」
まるP企画
インディペンデントシアターOji(東京都)
2020/01/20 (月) ~ 2020/02/02 (日)公演終了
鑑賞日2020/01/25 (土) 14:00
価格3,500円
「銀河旋律」「僕のポケットは星でいっぱい」観劇。
1本で観るよりは複数観た方が面白いのだと思う。ただ、かなり昔の台本なので(初演は約30年前)さすがに今の時代には合わない部分があると感じる。女性の描き方とか、SF考証部分とか。
塚田詩織さん、堅実な演技で細かな表現まで出来る良い女優さんである。

悪霊
CEDAR
シアター風姿花伝(東京都)
2020/01/23 (木) ~ 2020/01/29 (水)公演終了
満足度★★★★
「悪霊」は20数年前に読んで、なかなか怖い小説だった。今回、舞台を見て、かなり忘れていたことを思い知らされた。改めて発見することも多かった。冒頭の語り手役が言ったように、西洋の自由主義思想家のステパンという人物がいたこと、その影響下の青年たちの起こした事件だということ、全く忘れていた。それとも、これはカミュの脚色なのか? いずれにしても、ドストエフスキーによる革命思想・社会主義運動の批判である本作の思想的構図が、はっきりする設定である。
休憩10分込みで3時間半の長丁場の劇。マリア兄妹は「カラマーゾフの兄弟」のように、醜い第三の男によって殺されるし、悩めるスタヴローギンは、ラスコーリニコフのように聖女によって信仰を取り戻す(ただ、その結果は真逆)。というように、ドストエフスキー的世界をたっぷり堪能できた。
個々の人物像もわかりやすいし、生き生きしていた。戯曲と演技、演出の総合的な成果であろう。余計者インテリのステパン、内気な聖女・ダーシャ、奔放な女リーザ、陰謀的革命家ピョートルなど。「悪霊」ではスタヴローギンが著名なキャラクターだが、ピョートルのことをすっかり忘れていた。キリーロフを思想的自殺に追い詰めるのもスタヴローギンと思い込んでいたが、実はピョートルだったとは。西欧自由主義思想の実践者をこの二人に、性格を分けたところが、この作品に一層の深みをもたらしたと言える。
殴る蹴る、倒れる、転がる、泣く叫ぶ、嘆く怒鳴る…。登場人物のぶつかり合い、喜怒哀楽の振幅が大きくて、大変な迫力だった。これぞまさにドストエフスキー的。秘密結社の青年たちの「奴隷の平等」思想とリンチ殺人の論理は、スターリン体制から連合赤軍事件・オウム事件までも予見したかのようだった。身につまされる、とは言わないけれど、ドストエフスキー世界の深淵にふれることができる貴重な舞台だった。
先日のシアターコクーンの舞台「罪と罰」より、ずっと登場人物もリアルで、苦悩と葛藤に迫力があったし、重層的なプロットで飽きさせないし、思想的にも突き刺さるものがあった。

イヨネスコ『授業』
楽園王
サブテレニアン(東京都)
2020/01/21 (火) ~ 2020/01/26 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2020/01/23 (木)
23日に15時半開演のBキャストと20時開演のAキャストを続けて観劇。
長堀版「授業」は2012年の長堀博物館、2016年の楽園王に続き3度目になるが、プロローグ……というか「何が起こるのか」を先見せしたパートが付き、エンディングも長くなった今回は過去2回の「ノーマル版」に対して「ディレクターズカット」的なものか。(なんでもこちらが本来のものらしい)
そして冒頭とラストが増えた分、「葉が痛い」で始まり「葉が痛い」で終わる「ドグラ・マグラ度」が薄れた感はあるが、これはこれで意義があるような。
で、本作、不条理劇と言うよりはブラックコメディ……どころか、7~8ならいざ知らず39だの40だのの数字による無理さとか次の生徒を迎えるとそれまでがリセットされる教授とかで「んなワケねーだろ!」になるナンセンスコメディな気がする……(笑)
また、「私の祖国は……」のロジックは、英語の直接話法と間接話法(You said “I love you”とYou said you love me.)あるいは否定疑問に対する答え方に近い感覚ではないか、と今回初めて気付いた。
あと、ダブルキャストは「味変」というのは昨年思いついた比喩だが、本作は一部の音楽も異なるのでもはや唐揚げのタルタルソースとおろしポン酢的な、そしてそのどちらも「アリ」なのが美味い……もとい、上手いところ。「1+1が2以上になる」面白さだった。
(そう言えば音楽も唐揚げのソースも「かける」のが共通(爆))

『国府台ダブルス』
filamentz
新宿村LIVE(東京都)
2020/01/22 (水) ~ 2020/01/27 (月)公演終了

モダン・ガールはネコを探して
劇団レトルト内閣
HEP HALL(大阪府)
2020/01/24 (金) ~ 2020/01/26 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2020/01/25 (土)
どんなお話か分からず楽しみにしてたんだけど珠玉の探偵物語が繰り広げられました☆ミステリー好きにはたまらない騙し騙され(調べ調べられ)の展開に恋愛の要素も絡めつつレトルト内閣特有の色彩鮮やかな衣装で視覚的にも楽しめる大満足のエンターテイメントでした☆

花ニ鎖
近畿大学 舞台芸術専攻30期生
近畿大学東大阪キャンパス・アート館(大阪府)
2020/01/23 (木) ~ 2020/01/25 (土)公演終了

『だけど涙が出ちゃう』
渡辺源四郎商店
こまばアゴラ劇場(東京都)
2020/01/23 (木) ~ 2020/01/26 (日)公演終了
満足度★★★★
■約85分■
人間の綾に満ちた引きつけられる劇ではあったが、いかんせん説教色が強い。生命倫理の授業を聞かされたような後味は、どうにかならないものか?

「銀河旋律」「広くてすてきな宇宙じゃないか」「僕のポケットは星でいっぱい」
まるP企画
インディペンデントシアターOji(東京都)
2020/01/20 (月) ~ 2020/02/02 (日)公演終了

なにをシェアするハウスター
チームホッシーナ
赤坂RED/THEATER(東京都)
2020/01/22 (水) ~ 2020/01/26 (日)公演終了
満足度★★★★★
めっちゃ良かったです。良質のミュージカル。笑えて、皆さんの歌声に魅了され、メッセージ性もあって。ちゃんとしてるミュージカルって、やっぱ違うなーと、幸せな時間がすごせました。

『国府台ダブルス』
filamentz
新宿村LIVE(東京都)
2020/01/22 (水) ~ 2020/01/27 (月)公演終了

それは秘密です。
劇団チャリT企画
座・高円寺1(東京都)
2020/01/23 (木) ~ 2020/01/30 (木)公演終了

なにをシェアするハウスター
チームホッシーナ
赤坂RED/THEATER(東京都)
2020/01/22 (水) ~ 2020/01/26 (日)公演終了
満足度★★★★
身近な生活の中で個性的な住人たちが巻き起こす様々な出来事を笑いを含めた音楽劇!
経験豊かな俳優たちの美声も堪能できる!

COLORS -TONICA SPECIAL CONCERT VOL.2-
トニカ・ウィンドオーケストラ
国立オリンピック記念青少年総合センター・カルチャー棟・大ホール(東京都)
2020/01/13 (月) ~ 2020/01/13 (月)公演終了

モダン・ガールはネコを探して
劇団レトルト内閣
HEP HALL(大阪府)
2020/01/24 (金) ~ 2020/01/26 (日)公演終了
満足度★★★★
明治・大正時代を感じさせるロマンがあり、女性の自立とちょつぴり切ない恋愛物語でした。
私、調べます。
良かったです。
ありがとう♪♪♪

鬼腕の談〜かいだん屋奇譚〜
芝居企画TECALL
萬劇場(東京都)
2020/01/22 (水) ~ 2020/01/27 (月)公演終了