
12人の怒れる男
ナイスコンプレックス
博品館劇場(東京都)
2020/07/23 (木) ~ 2020/07/27 (月)公演終了
満足度★★★★
劇場を変え、オンラインも有りと上演にこぎつけるまでの苦労はあったと思いますがおかげでオンライン上演Bチームを見ることができました。
前回も見ており、このセリフここだった?と思うところがあって確かめたいのですがそうも行きません。博品館に行っていればキムラさんに直接聞けたのに残念です。
今回も12号が納得できない私ですが、ソワレのAチームもオンラインで見ます。

プレイタイム
Bunkamura
Bunkamuraシアターコクーン(東京都)
2020/07/12 (日) ~ 2020/07/12 (日)公演終了
満足度★★★★
演目(岸田國士「恋愛恐怖症」)と出演者(森山未來/黒木華/北尾亘)を見て予約。演出(杉原邦生)は後で知った。映像配信でも期間中なら複数視聴可というもの。うっかり見逃す所だった。
映像としてよく出来ている。ざらつきのあるフィルム映画風の画面では画面の暗部が「映らない部分」と溶け合い、映り込む対象は細工無しのシアターコクーン内部。眠ったそれらが徐々に動き始め、音楽(音響)が重なり、役者の背中が現れ台詞の断片が語られ出す。演奏はオケピの生演奏、役者はやがてステージに現れ、台詞を合わせるが、その後黒木が着飾った衣裳で登場し直し、二人の若い男女の「結婚」にも言及しながらの駆け引き台詞が切なく展開する。
最初台詞と映像をコラージュしたものかと思わせつつ、しっかり芝居を見せる場面はあり、客席にも密を避けて後方に座った観客=エキストラも置かれる(従って恐らく一発本番で役者の噛みも若干あり)が、静かに風景を眺める映像トーンは最後まで変わらす。
劇場に息が吹き込まれる瞬間を映しとった味わい深い映像作品。

ピリオド
劇団そとばこまち
劇団そとばこまちアトリエ 十三 BlackBoxx(大阪府)
2020/07/22 (水) ~ 2020/07/26 (日)公演終了
満足度★★★★★
こういう作品が「そとばこまち」らしいと思ってます。
まあ初めて観たのが「通天閣ブルース」ですから。
劇中で南園みちなさんが挨拶するラストシーン。何故だか涙がこみ上げてきて、なんともいえない心地よい気分でした。

野獣降臨
ドナルカ・パッカーン
萬劇場(東京都)
2020/07/22 (水) ~ 2020/07/26 (日)公演終了

ボス村松のプリズンブレイク
ボス村松
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2020/07/24 (金) ~ 2020/07/25 (土)公演終了

「野鴨」公演ワークインプログレス
社会福祉法人トット基金日本ろう者劇団
シアターX(東京都)
2020/07/19 (日) ~ 2020/07/19 (日)公演終了
満足度★★★★
ろう者劇団、デフパペットひとみ、カンパニーデラシネラ(小野寺修二)と来て、観ない選択肢は無いてなものだが、予想通り無言のマイム作品でも質の高い出し物であった。もっとも昨年のハツビロコウによる原作の胸を掴む舞台を観ていなければ、場面を理解する事はなかったと思う。断片から記憶の中のドラマが甦り、野鴨を味わったという個人的体験になったが、小野寺氏らしい秀逸なムーヴの構成はやはり快感。人間の右往左往を他所目に暢気に歩く鴨の造形が優れものであったが、デラシネラメンバー崎山氏と後で知り、さもありなむである。
出演9名の内ろう者の割合が少なくとも半数以上で、音楽に合わせての複雑なムーヴのアンサンブルが中々の完成度で披露されていた。

モスクワ 1980
昭和芸能舎
赤坂RED/THEATER(東京都)
2020/07/18 (土) ~ 2020/07/24 (金)公演終了
満足度★★★★★
物語をテンポ良く進める羽原大介の脚本、演出が良い。笑わせ、そして泣かせます。1980年を描いているようで、2020年の日本の姿と重なります、スポーツ選手の頑張り、一方、政治とスポーツとの関係。メディアの役割。薄っぺらな政治、社会批判で終わることなく、熱い家族愛に支えられた上質の人間ドラマ。劇団員の方、ここに参加した俳優陣、素晴らしい。今、芝居が出来る彼らの喜びが伝わりました。ラストは男子シンクロチームが舞台上「水無し」で演技をします。前回の女性陣のフラダンスに負けず劣らず、今回の男性陣のパフォーマンス、必見です。昭和芸能舎としての最後の集大成、目撃しましたよ。

ボス村松のプリズンブレイク
ボス村松
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2020/07/24 (金) ~ 2020/07/25 (土)公演終了

『とおくはちかい (reprise) 』『ここは出口ではない』【京都公演公演中止】
屋根裏ハイツ
こまばアゴラ劇場(東京都)
2020/07/23 (木) ~ 2020/08/02 (日)公演終了

野獣降臨
ドナルカ・パッカーン
萬劇場(東京都)
2020/07/22 (水) ~ 2020/07/26 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2020/07/24 (金) 13:00
劇場の新ガイドラインが発表された時、それじゃフェイスガードでも装着してやれって言うのかよ、という文句が出ましたが、そういう規制を逆手にとって見事に作品を作り上げてたじゃないですか! 劇場に着くなり、臨時の流しで手を洗い、体温を測り、客席はビニールシートで区切られ、ものものしい厳戒態勢が敷かれていて、見に来たこっちが緊張しまくりでしたが、それも作品の一部になってましたね。そうした中で、古事記的神代と現代、日本の下水道と宇宙空間を行き来するサイケデリックな作品は、いろんなレベルで優れた現代社会批評になっていたと思います。

朗読 蒲田行進曲完結編『銀ちゃんが逝く』
RUP
紀伊國屋ホール(東京都)
2020/07/10 (金) ~ 2020/07/12 (日)公演終了

天神さまのほそみち
燐光群
ザ・スズナリ(東京都)
2020/07/03 (金) ~ 2020/07/19 (日)公演終了
満足度★★★★
別役芝居に開眼(2014-15年)してより、別役グルメを様々堪能したが、今回(別役作品に関しては期待低めだった)燐光群の公演は予想を裏切って見応え十分であった。トークゲストの一人名取氏は(残念ながらトークは拝見できず)以前ある座談会で別役戯曲の舞台化の難しさを語っていたが、今回のをどう評しただろうか。よく上演され、私も過去4本程観ていた別役の最初期作品(燐光群の「象」もその一つ)が「メッセージ性」に着地させ得る(と同時に時代的制約も帯びる)のに対し、その余地がない中期以降の作品は役者、演出に自由を保証するが「面白い」舞台にするのは難しい。坂手氏が戯曲を我流解釈に組伏すのでなくそのまま料理し、成立させるとは失礼ながら予想しなかった。
「あなたの家の前をトラが通りましたか?」と謎の問いを問う背広男を演じたさとうこうじは、20年前の黒テント『メザスヒカリノ・・(略)』で「この人にしかできない」ふーちゃん役を演じた姿を彷彿させた。全く違うキャラだし作品だが、どちらも「異界に通じる超越性」が終盤に向かって際立つ。神憑り的存在を信じさせる俳優さとう氏の独特さが古い記憶を呼び起こした模様。
別役実は氏のトレードマークである舞台上の電柱を、水平思考に慣れた日本人観客に垂直思考を想像させるため、と説明したが、背広男はカオスである世界の創造主の使者又は預言者と見えなくもない。「不条理の真実」は絶対神の想定=人間の理解を超えて全てを支配する存在を予感させる。人間はそこに無秩序ならぬ秩序を直観し、不安や恐怖を覚えるが、己の中の何かが投影されたもののように感じ、因果関係を見出だす。(己を映す予感が恐怖を催すのか、恐怖から投影=因果を考えるのか・・私は前者と思うが如何。)不条理は超常現象とは違って道理を求める心が裏切られる実態だとすれば、一見バラバラな事象が不条理を証明するかのように構成される事によって人は不条理に遭遇したと確信する。(つづく)

アンチフィクション
DULL-COLORED POP
シアター風姿花伝(東京都)
2020/07/16 (木) ~ 2020/07/26 (日)公演終了
満足度★★★
いま壮年期の演劇人として仕事が注目されている谷賢一。コロナ騒ぎのなかで自分自身の劇団での一人芝居。どんなものかと期待してみたが、今どき演劇人のボヤキのようなモノローグ芝居。今フィクションが通用するかと自問している内容だが、そんなこと言っている場合か?と思う。通用させてこそ演劇人ではないか。積極的に演劇擁護の発言を、バッシングにめげずやっていて、その上代表作の過去作を自分の劇団の若者を軸にこの時に見せる、という結構な覚悟の野田や、さっそく、本領発揮の昔タッチのケラのネット劇に比べて、なんという線の細さ。この際、昨年岸田賞の再編集でもして見せてほしいところだ。演劇界も谷ばかりではないが、しっかりしてくれなくては困る。終盤現役連中がドロップで並ぶが,それで義理を済ませているつもりだとすればもう情けないというしかない。モノローグ芝居はまとまりはいいだけに今どきの若者困ったものだという感想だ。

ENGE喫茶「まぁ、そんなこと言わんとお茶でも飲んどり!
演劇集団ステージパラノーマル
ACT cafe(大阪府)
2020/07/23 (木) ~ 2020/07/25 (土)公演終了
満足度★★★★
なかなかの世界観。好き嫌いは分かれるかな?と思いますが、今のwithコロナ運営の中で客席参加型は思い切っていて、僕は好きです。アットホームな空気感を大切に今後の公演も頑張って下さい!

『にんぎょひめ』オンライン生配信
柿喰う客
六本木トリコロールシアター(東京都)
2020/07/22 (水) ~ 2020/07/22 (水)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2020/07/22 (水)
価格0円
にんぎょひめ…永田紗茅さん
にんぎょひめの姉…原田理央さん、今井由希さん
王子その他・狂言回し…大村わたるさん
の布陣によるオンライン配信(40’48”)を視聴。
周知の『人魚姫』を柿喰う客風にアレンジ、振付もなされた作品だったが
現役の子供だけでなく、大きな子供?の胸にも素直に響く「演劇」だった。
それにしても、この作品、子供達の反応がビュンビュン飛んでくる、観客を入れた、ナマの舞台でも観たかったなぁ…。

『ブラックアウト』
singing dog
雑遊(東京都)
2020/07/16 (木) ~ 2020/07/20 (月)公演終了
満足度★★★★
久しぶりに芝居を観ることができた喜びをしみじみと感じさせてくれる舞台でした。役者さんが皆達者でアルコール依存症のこわさが強烈に伝わってくる。また、この病気を通して患者と家族との関係を描くことによって、一段と濃厚な物語になっている。

おくすり、ひとつ
法政大学Ⅰ部演劇研究会
YouTube Liveにて上演致します(東京都)
2020/07/17 (金) ~ 2020/07/20 (月)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2020/07/17 (金) 19:00
リモートでの上演とあって、正直不安でもありましたが、実際にその動画を見てみたら、逆にリモートの特性を活かして、緊密な心理描写をした近未来のドラマに仕上げていて、こういうふうな演劇もありだなと実感した。
世界では人が消える謎の病気が蔓延し、人知れず消えた人が来る診療所があり、そこで処方される特別な薬を飲むと元の世界に戻れるという設定になっている。そしてそこに来る患者たちに対して盲目の女性の先生と助手のAIが悩みを聞いていくのだが、それぞれの画面で悩みを話していく患者との対応が、すぐ隣で話すよりも、心理カウンセラーとのリアルな対応に思えた。また、リモートだからこそ諦め、思い込み、泣くなどの感情を役者が身体を張った演技で、モロにさらけ出している気がして、こちらまで引き込まれた。
そして、劇を観終わった後、あまりにも今今私たちが抱え込んでいる様々な悩みとフィットし過ぎていて、共感し感動して眼から涙がとめどなく流れ、そのせいで眼は充血し、暫くは余韻に浸り、胸が熱くなった。

『ブラックアウト』
singing dog
雑遊(東京都)
2020/07/16 (木) ~ 2020/07/20 (月)公演終了

殺意 ストリップショウ
世田谷パブリックシアター
シアタートラム(東京都)
2020/07/11 (土) ~ 2020/07/26 (日)公演終了

『ブラックアウト』
singing dog
雑遊(東京都)
2020/07/16 (木) ~ 2020/07/20 (月)公演終了
満足度★★★★★
舞台が始まる前に劇場の感染対策の説明が丁寧で分かりやすく、安心して観劇することができました。
精神病院のアルコール病棟内という中々重い内容でしたがアル中という病気の怖さを身近に感じ、お酒好きの人にぜひ見てもらいたい良い作品でした。