殺意 ストリップショウ 公演情報 世田谷パブリックシアター「殺意 ストリップショウ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    チャックを開けて徳を説く君

    ネタバレBOX

    結核で死んだ兄や自分を導いたマルクス思想家が、戦中に転向して軍国主義者になり、戦後はさらに転向して共産主義思想を偉そうに説き回るようになったことに憤りを覚え、殺そうとして何度も付け狙っていたところ、その男の惚れた女性に対するみっともないくらいの性的嗜好を何回となく見て、人間の表と裏、人間の普遍的な愚かしい本性を知るに至り、殺意が急速に萎んだという経験談を、ストリッパーが引退公演の後に客相手に独白する話。

    つい先日のお芝居で生きるために転ぶのは已む無し、生きることが重要だと思ったばかりですが、いけしゃあしゃあと時流に乗って先生面されるのもこれはこれで腹が立ちます。

    言動の説得力の低下につながる、あるいはそれも含めての人間ですから知られても構わないのかもしれませんが、やはり性的嗜好は知られたくありません。

    この話では思想と性的嗜好で人間の表と裏を表現していましたが、セクハラは犯罪だということを社会に確立した人間が実はセクハラ好きだったという最近のソウル市長の事例は、もう一歩進んで人間の表側が何度もひっくり返る衝撃、人間の本質を問う芸術的衝撃を感じさせてくれました。

    2時間に及ぶ一人芝居は大変だと思います。コロナ禍での演劇の在り方の一つだと思います。ただ、健康優良児的過ぎました。鈴木杏さんにもう少し下卑たいやらしさがあればと思いました。

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    2020/07/21 15:11

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